JPS6329028B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 この発明はミシン針に対して刺しゆう枠を相対
移動させて刺しゆう縫いをおこない得るようにし
た刺しゆうミシンに関するものである。

目 的 この発明の目的は構成が簡単でコンパクトな刺
しゆうミシンを提供することにある。

実施例 以下、この発明を具体化した一実施例を第１〜
５図にもとづいて説明する。第２図に示すように
ミシン機枠１の脚柱部２内には記憶装置に予め記
憶されたデータに従つて電子的に駆動制御される
第１および第２の駆動モータ３，４が互いに隣接
して固定配置され、これ等両モータ３，４の回転
軸３ａ，４ａには第１および第２のウオーム５，
６がそれぞれ固着されている。これ等両ウオーム
５，６間において機枠１には固定軸７が設けられ
ている。

第２図および第３図に示すように、固定軸７上
にはその軸線７ａを中心に回動可能な第１の連桿
１０がその基端部にて支持されている。この第１
の連桿１０の基端部上面には前記第１のウオーム
５に噛合する第１のウオームホイール１１が一体
形成されており、これにより第１の連桿１０が第
１の駆動モータ３に作動連結されている。また、
第１図に示すように第１の連桿１０は脚柱部２の
左側面下端において機枠１に形成した収納部２９
の開口１３を通つてフリーアーム１４の作業面１
５上に延びるようになつており、第１の駆動モー
タ３の駆動時にはウオーム５および第１のウオー
ムホイール１１を介してその自由端が前記固定軸
７の軸線７ａを中心にして作業面１５上を一定の
円弧を描いて移動するようになつている。

第３図に示すように第１の連桿１０の下側にお
いて固定軸７上にその軸線７ａを中心に回動可能
な駆動回動体としての歯付きの駆動プーリ１６が
支持されている。この駆動プーリ１６には前記第
２のウオーム６に噛合する第２のウオームホイー
ル１７が一体形成され、これにより駆動プーリ１
６が第２の駆動モータ４に作動連結されている。

一方、第２図および第４図に示すように第１の
連桿１０の自由端に形成した軸孔１８には第２の
連桿１９がその基端部上に突設した軸部２１にて
回動可能に支承されている。また、この第２の連
桿１９の基端部上面には従動回動体としての歯付
きの従動プーリ２０が一体形成されている。そし
て、この従動プーリ２０と前記駆動プーリ１６と
の間には動力伝達部材としての歯付きのタイミン
グベルト２４が張設されており、第２の駆動モー
タ４の駆動時、このタイミングベルト２４を介し
て駆動プーリ１６の回動が従動プーリ２０に伝達
され、第２の連桿１９が軸部２１の軸線２１ａを
中心に作業面１５上に回動されるようになつてい
る。

また、第１図および第２図に示すようにこの第
２の連桿１９の自由端には内枠（図示しない）と
の協動により加工布を張設支持するためのリング
状の刺しゆう枠２５が一体形成されている。ま
た、第５図に示すように第２の連桿１９の自由端
裏面に設けた球面状の凹部２７には、一対の球状
の支持体２８が回転可能に嵌着されており、その
一部が作業面１５上に伝動可能に接触している。

なお、第１，２図に示すようにこの刺しゆうミ
シンは機枠１の脚柱部２内に収納部２９を有し、
刺しゆう縫いをおこなわない時には、第１および
第２の連桿１０，１９が軸部２１の軸線２１ａを
中心に折り畳まれた状態でこの収納部２９内に収
納される。

次に、以上のように構成された刺しゆうミシン
の作用を説明する。

さて、第２図に示す状態において第１の駆動モ
ータ３が駆動されると、第１のウオーム５及び第
１のウオームホイール１１を介して第１の連桿１
０が固定軸７の軸線７ａを中心に回動され、第２
の連桿１９が第１の連桿１０の自由端の描く軌跡
に従つて作業面１５上で移動される。また、この
第２の連桿１９の移動状態において第２の駆動モ
ータ４が駆動されると、第２のウオーム６及び第
２のウオームホイール１７を介して駆動プーリ１
６が回動され、タイミングベルト２４を介して従
動プーリ２０が従動されて、第２の連桿１９が軸
部２１の軸線２１ａを中心に回動される。

こうした両連桿１０，１９の同期的な作動によ
り、刺しゆう枠２５は作業面１５上においてあら
ゆる方向への移動が可能となるため、記憶装置に
予め記憶された位置決め用のデータにしたがつて
両駆動モータ３，４の回動方向および回動量を電
子的に制御することにより、両連桿１０，１９を
適宜回動させ、ミシン針を含む縫目形成機構と協
働して刺しゆう枠２５上の加工布に所望する模様
の刺しゆう縫いをおこなうことができる。また、
このとき第２の連桿１９の自由端裏面には支持体
２８が設けてあるため、刺しゆう枠２５は作業面
１５上を円滑に移動することができる。

そして、刺しゆう縫いをおこなわないときに
は、所定の操作ボタンを操作すれば、両駆動モー
タ３，４が電子的に制御されて、まず第２の駆動
モータ４が駆動されて第２の連桿１９が第１の連
桿１０側に折り畳み回動されたのち、第１の駆動
モータ３が駆動されてそれ等の折り畳まれた状態
の両連桿１０，１９が刺しゆう枠２５とともに前
記収納部２９内に自動的に収納される。このた
め、収納不能な他のこの種の装置とは異なり通常
の縫製作業の妨げとなるという不都合を解消する
ことができる。

こうして、この刺しゆうミシンは刺しゆう枠を
駆動するための２つの駆動モータがミシン機枠内
に並設され、作業面上には互いに連結され、先端
に刺しゆう枠を有する２本の連桿が配置されてい
るだけであるから、コンパクトな構成を得ること
ができ、工業用刺しゆうミシンにみられるような
大きなベツドが不要となり、フリーアーム型の家
庭用ミシンに装置することができる。したがつ
て、フリーアームを使用して肩先とか袖口等の小
さな部分にも簡単に刺しゆう縫いを施すことが可
能となる。

効 果 以上詳述したようにこの発明は第１の駆動モー
タにより回動される第１の連桿の自由端に対し、
先端に刺しゆう枠を有する第２の連桿を回動可能
に設け、その第２の連桿の第２の駆動モータによ
り駆動回動体と従動回動体との間に張設された動
力伝達部材を介して回動させるようにしただけで
あるから、構成を簡単かつコンパクトにすること
ができるという優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明を具体化した一実施例を示すも
のであつて、第１図は刺しゆうミシンの全体を示
す斜視図、第２図はその要部を拡大して示す斜視
図、第３図および第４図はそれぞれ固定軸７部お
よび軸部２１部を示す拡大縦断面図、第５図は球
状の支持体を示す拡大側面図である。 機枠…１、第１の駆動モータ…３、第２の駆動
モータ…４、軸線…７ａ、第１の連桿…１０、駆
動プーリ…１６、第２の連桿…１９、従動プーリ
…２０、軸線…２１ａ、タイミングベルト…２
４、刺しゆう枠…２５。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 機枠１上に固定配置された第１および第２の
   駆動モータ３，４によりミシン針に対して刺しゆ
   う枠２５を相対移動させ、その刺しゆう枠２５に
   支持された加工布に所望の刺しゆうを施すミシン
   において、 前記第１の駆動モータ３に作動連結され、ミシ
   ン機枠１上の第１の軸線７ａを中心に回動可能な
   第１の連桿１０と、 その連桿１０の自由端上の第２の軸線２１ａを
   中心に回動可能で、自由端に前記刺しゆう枠２５
   が取付けられた第２の連桿１９と、 前記第２の駆動モータ４に作動連結され、前記
   第１の軸線７ａを中心に回動可能な駆動回動体１
   ６と、 前記第２の連桿１９に固着され、前記第２の軸
   線２１ａを中心に回動可能な従動回動体２０と、 その両回動体１６，２０の間に張設された動力
   伝達部材２４と を含む刺しゆうミシン。