JPS63288615A - ドリル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、逃げ面にいわゆるシンニングが施されたド
リルに関するものである。

［従来の技術］ 一般に、ドリルを用いて穴明は加工を行う場合、ドリル
のチゼルにおいては切削作用というよりもむしろ被削材
を押し分けるような現象が起こるため、チゼルの存在は
ドリルのスラスト荷重を増大させる原因となっていた。

また、ドリルの食付き時においては、ドリルがチゼルの
両端部を交互に瞬間中心とするような回転をするため、
ドリルが振れて切損等の事故につながる危険があった。

そこで従来においては、逃げ面にシンニングを施すこと
によって、チゼルに起因する種々の欠点を除去するよう
にしている。

第５図は、いわゆるＸ型シンニングが施された従来のド
リルの一例を示す図である。この図に示すドリルは、軸
線０を中心として回転せしめられる工具本体ｌの先端部
に逃げ面２・２が形成されるとともに、これら逃げ面２
・２の回転方向を向く稜線部が切刃３とされ、さらに、
工具本体ｌの外周部にねじれ溝４・４が形成され、上記
逃げ面２の回転方向中央部から後方へ向かってねじれ溝
４に至る壁部に、その壁部を工具本体ｌの基端側へ向か
って切り下げたシンニング部５が形成されてなるもので
ある。

ここで、シンニング部５は、逃げ面２の回転方向中央部
から後方へ向けて、軸線０と直交する平面に対して基端
側へ傾斜する底面５ａと、軸線Ｏ方向に沿う側面（壁面
）５ｂとから画成されている。そして、側面５ｂの先端
側稜線部が上記切刃３と同じ切削作用を行うシンニング
刃５Ｃとされている。このシンニング刃５Ｃは軸ｇｏに
達しており、チゼルは実質上消失している。したがって
、このようなドリルにおいては、スラスト荷重を低減す
るとともにドリルの振れを小さくして食付き安定性を向
上させることができる。

ところで、上記ドリルにおいては、シンニング刃５ｃと
切刃３との交叉部Ｐ、がンヤーブエツンとなっているた
めその部分にチッピングが生じ易い。また、シンニング
刃５ｃのラジアル角が切刃３のラジアル角に比して極端
にプラス方向となっているため、両者によって生成され
る切屑が上記交叉部Ｐ、において分離し、外周側の切屑
がカールすることなく真っすぐに伸びてドリル等に絡み
付いてしまう等の欠点がある。このため従来においては
、上記交叉部Ｐ、を含む側面５ｂに研削加工を施し、シ
ンニング刃５ｃと切刃３とがなだらかに連続するように
交叉部Ｐ、を底面視円弧状に形成するようにしている。

［発明が解決しようとする問題点コ ところが、上記ドリルにおいては、交叉部を円弧状に形
成する加工に熟練を要し、しかも、２つの交叉部を互い
に同型同大に形成することは極めて困難であることから
、ドリルの品質を確保することができない等の問題があ
った。

［発明の目的］ この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、シンニ
ング刃と切刃との交叉部のチッピングを防止し、しかも
切屑の排出性を向上させることができるのは勿論のこと
、シンニング部の機械側ニーが容易でドリルの品質を安
定させることができるドリルを提供することを目的とす
る。

［問題点を解決するための手段］ この発明のドリルは、シンニング部のシンニング刃を含
む壁面を、外周側のものが内周側のものに対して回転方
向後方へ向かって傾斜する複数段の傾斜面により構成し
たものである。

［作用］ 上記構成のドリルにあっては、シンニング刃どうし並び
にシンニング刃と切刃とのなす角度が大きな鈍角をなし
、交叉部におけるチッピングの発生や切屑の分離が防止
される。

［実施例］ 以下、本発明の一実施例を第１図および第２図を参照し
ながら説明する。第１図は、実施例のドリルを示す側面
図である。

これらの図に示すドリルは、前記従来のものと同様に、
工具本体ｌＯの先端部に逃げ面１ｆ−１１が形成される
とともに、これら逃げ面１１−１１の回転方向を向く稜
線部が切刃１２とされ、さらに、工具本体ＩＯの外周部
にねじれ溝１３・１３が形成され、逃げ面１１の回転方
向中央部からねじれ溝１３に至る壁部にシンニング部Ｉ
４が形成されてなるものであって、シンニング部１４は
、逃げ面１１の回転方向中央部から回転方向後方へ向け
、軸線０と直交する平面に対して基端側へ傾斜する底面
Ｉ５と、軸線０方向に沿う側面（壁面）１６とから構成
されている。

しかし、シンニング部１４の側面１６は、外周側のもの
が内周側のものに対して回転方向後方へ向かって傾斜す
る２段の傾斜面１６ａ、１６ｂにより構成され、これら
傾斜面１６ａ、１６ｂの先端稜線部がそれぞれシンニン
グ刃１７ａ、１７ｂとされている。さらに、外周側の傾
斜面１６ｂは、上記ねじれ溝１３に沿って螺旋状をなす
曲面に形成され、工具本体１０の基端側へ延在せしめら
れている。なお、図中符号１８は油穴である。また、ね
じれ溝１３の表面は、Ｔ　ｉｃ、Ｔ−ｉ　ＣＮ、Ｔ　ｉ
Ｎ、Ａｌ２Ｏ２等の硬質層によって被覆されている。

このようなドリルにおいては、ラジアル角がシンニング
刃１７ａからシンニング刃１７ｂ、シンニング刃１７ｂ
から切刃１２へと段階的に変化しており、それらの各交
叉部は大きな鈍角をなしている。したがって、交叉部に
おけるチッピングの発生や切屑の分離を防止することが
できる。また、傾斜面１６ａ、１６ｂは機械加工により
容易に形成することができ、ドリルの品質を安定させる
ことができる。さらに、上記ドリルでは、外周側の傾斜
面１６ｂをねじれ溝１３に沿って螺旋状をなす曲面に形
成しているため、逃げ面１１を研磨しても外周側のシン
ニング刃１７ｂの長さやそのすくい角は変化しない。し
たがって、再研磨に際しては、シンニング部１４の底面
１５のみを研磨すれば良く、再研磨を容易に行うことが
できるという優れた利点がある。

ここで、シンニング刃１７ａ、１７ｂどうしの長さの比
は、０．４〜２．５の範囲で設定することが望ましい。

長さの比が上記範囲を越えると、長い方のシンニング刃
１７ａ（または１７ｂ）と切刃１２とのなす角度が小さ
くなり、上記作用効果を充分に発揮することができなく
なるからである。また、軸線Ｏからシンニング刃１７ｂ
と切刃１２との交叉部Ｐ、までの距離は、ドリル直径を
Ｄとしたときに０．３Ｄ以下に設定することが望ましい
。すなわち、シンニング刃１７ａ、１７ｂのすくい角は
一般に９０°に近＜、シたがって切削抵抗が大きい。こ
のため、軸線０から交叉部Ｐ、までの距離が０．３Ｄを
上回ると、切削抵抗が大きくなりすぎてドリルの切損等
の事故につながるからである。

さらに、シンニング刃１７ａ、１７ｂどうしのなす角度
は、１１９〜１７９°の範囲内で設定することが望まし
い。上限の１７９°は、シンニング刃を２段に構成する
ために必要な角度であり、一方、角度が１１９°を下回
ると、その交叉部においてチッピングや切屑の分離が生
じ易くなるからである。

次に、第３図および第４図は本発明の他の実施例を示す
図である。これらの図に示すドリルは、前記ドリルにお
ける外周側の傾斜面１６ｂを所定のすくい角を付した平
坦面２０に形成したものであって、前記ドリルとほぼ同
様の効果を奏するものである。このようなドリルにおい
ては、逃げ面１１を再研磨するに際して、シンニング部
１４の底面１５に加えて平坦面２０の研磨が必要となる
が、シンニング部１４がすべて平坦な面により画成され
ているから、ドリルの製造に際してシンニング部１４の
機械加工をさらに容易に行うことができる。

なお、上記実施例では、シンニング刃を２段に形成して
いるが、もっと多段に形成してもよい。

また、本発明は上記のようなツイストドリルに限るもの
ではなく、真っすぐに延びる切屑排出溝を有するいわゆ
る直刃ドリルに適用しても上記実施例と同様の効果を得
ることができるのは勿論である。

［発明の効果］ 以上説明したようにこの発明のドリルでは、シンニング
部のシンニング刃を含む壁面を、外周側のものが内周側
のものに対して回転方向後方へ向かって傾斜する複数段
の傾斜面により構成したものであるから、シンニング刃
や切刃の交叉部におけるチッピングの発生や切屑の分離
を防止することができるのは勿論のこと、シンニング部
の機械加工を容易に行うことができ、その品質を安定さ
せることができるという効果か得らレル。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本発明の一実施例を示す図であっ
て、第１図はドリルを示す側面図、第２図は第１図の■
方向矢視図、第３図および第４図は本発明の他の実施例
を示す図であって、第３図はドリルを示す側面図、第４
図は第３図の■方向矢視図、第５図は従来のドリルの一
例を示す底面図である。 ｌ・・・・・・工具本体、 ２・・・・・・逃げ面、 ５・・・・・・シンニング部、 ５ｂ・・・・・・側面（壁面）、 ５Ｃ・・・・・・シンニンク刃、 ｌＯ・・・・・・工具本体、 １１・・・・・・逃げ面、 １４・・・・・・シンニング部、 １６・・・・・・側面（壁面）、 １６ａ、１６ｂ・・・・・・傾斜面、 １７ａ、１７ｂ・・・・・・シンニンク刃、Ｏ・・・・
・・軸線。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. （１）軸線を中心として回転せしめられる工具本体の先
   端部に２つの逃げ面が形成されるとともにこれら逃げ面
   の回転方向を向く稜線部に切刃が形成され、上記逃げ面
   の回転方向後方側の壁部に、その壁部が工具本体の基端
   側へ向かって切り下げられてなるシンニング部がそれぞ
   れ形成され、これらシンニング部と逃げ面との交叉部に
   上記切刃に連続するシンニング刃が形成されたドリルに
   おいて、上記シンニング部のシンニング刃を含む壁面を
   、外周側のものが内周側のものに対して回転方向後方へ
   向かって傾斜する複数段の傾斜面により構成したことを
   特徴とするドリル。
2. （２）前記傾斜面を２段とし、かつ各傾斜面の先端稜線
   部に形成された２つのシンニング刃の長さの比を０．４
   〜２．５の範囲で設定するとともに、軸線から外周側の
   シンニング刃の外端縁までの距離をドリル直径をＤとし
   たときに０．３Ｄ以下に設定したことを特徴とする特許
   請求の範囲第１項記載のドリル。
3. （３）前記２つのシンニング刃どうしのなす角度を１１
   ９〜１７９°の範囲内で設定したことを特徴とする特許
   請求の範囲第２項記載のドリル。
4. （４）前記工具本体の外周部に工具本体の基端側から先
   端側へ向かって軸線を中心として螺旋状に延びるねじれ
   溝を形成し、前記２段の傾斜面のうち外周側に位置する
   ものを、上記ねじれ溝に沿って螺旋状をなす曲面に形成
   したことを特徴とする特許請求の範囲第２項記載のドリ
   ル。
5. （５）前記２段の傾斜面を平坦面に形成したことを特徴
   とする特許請求の範囲第２項記載のドリル。