JPS6026642B2

JPS6026642B2 - クランプ式穴工具

Info

Publication number: JPS6026642B2
Application number: JP55032330A
Authority: JP
Inventors: 薫後藤; 末治高谷; 修一ノ関
Original assignee: Mitsubishi Metal Corp
Current assignee: Mitsubishi Metal Corp
Priority date: 1980-03-14
Filing date: 1980-03-14
Publication date: 1985-06-25
Also published as: JPS56134112A

Description

【発明の詳細な説明】この発明は、工具本体の先端部に１または２以上の切刃
チップをクランプ手段により交換可能に取り付けたクラ
ンプ式穴工具に関するものである。

一般に、穴工具に属するものとして、第１図と第２図に
示されたツイストドリルに代表される穴明け工具や、あ
るいはリーマやボーリングツールなどの穴こ工具が知ら
れている。

このような穴工具にあっては、穴明け加工中において工
具本体１の心振れを減じて、工具本体１の案内をさせる
ためのマージン部２が設けられている。このマージン部
２は、工具本体１の最外周部に設けられていて、その形
状は底面視（あるいは軸断面）で円弧の一部をなし、し
かも軸万向に伸びる円柱状であり、その幅Ａがある一定
の大きさになされている。ところで、上記のような穴工
具にマージン部２を形成する目的は、大きく分けて２つ
あり、その一つは加工穴精度の安定化であり、他の一つ
はソリツドタィブやろう付タイプなどの工具において製
造を容易にするためのものである。

前者について説明すると、穴工具にマージン部２（これ
は一般に加工穴の壁に対して逃げがついていないもので
ある。

）が形成されているから、穴壁とこすり合いながら回転
し、このため切削中に負荷変動による工具本体１の半径
方向における振れが規制されるとともに、穴壁への過剰
な食い込みが防止される。特に、これは小径や深穴工具
などの低剛性穴こ１具であっても工具の直進性を助け、
穴寸法精度の安定性を高める効果がある。また、マージ
ン部２が形成されていると、切削中にバニシングアクシ
ョンを起こし、穴壁の微少な凹凸を押し潰して平滑する
効果もあり、このため一般的に仕上面アラサも向上する
。次に、後者の製造容易性について説明すると、穴工具
は加工しようとする穴径に合わせて工具外径を設定しな
ければならないという穴工具特有の制約があるため、ソ
リッドタィプやろう付タイプの工具を製造する際には加
工穴径に合わせて功刃部を丸研削するのが最も手っ取り
早くまた確実である。

このように、工具外径部に丸研削したマ−ジン部２を形
成することにより、切刃数に関係なく１工程で工具外径
部を形成することができるとともに、工具外径部のばら
つきも殆どなくなるため、ソリッドタィプやろう付タイ
プの工具は必ずといって良いほどマージン部２が形成さ
れている。しかしながら、このようにマージン部の有用
性が認められているにもかかわらず、現在までクランプ
式穴工具（切刃チップが交換可能に取り付けられる穴工
具）には、実際に適用されていない。

この理由について、第３図および第４図に示されたコア
ドリル（またはボーリングツールとしても使用可）によ
り説明すると、このコアドリル（クランプ式のもの）３
にあって、加工穴径を決定するのは、切刃チップ４，４
の最外律部４ａ，４ａであり、この最外軽部４ａ，４ａ
に切刃４ｂ，４ｂ（チップ）が形成されている。したが
って、このような切刃チップ４，４の最外律部４ａ，４
ａに前述したような形状のマージン部２を設けることは
、その製造が面倒であるばかりか、切刃チップ４，４自
体のコストも高くなり、またそのようなマージン部を設
けると、マージン部の幅にばらつきが生じ、このため寸
法管理が困難である等の種々の問題があった。このよう
なことから、従来のクランプ式穴工具にあっては、マー
ジン部が設けられておらず、したがって安定した加工精
度や仕上面アラサが得られないという問題があった。

この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目
的とするところは、切刃チップの外周端部にマージン部
と同様の効果を有するマージン部相当部を容易にかつ低
コストで形成することができ、これにより安定した加工
精度や仕上面アラサを得ることができるクラソプ式穴工
具を提供することである。

したがって、この発明は、切刃チップの外周端部の形状
と、その切刃チップの取り付け＆檀（取り付け方）の２
点に特徴があるものである。以下この発明はの一実施例
を第５図および第６図に基づいて説明する。第５図は、
コアドリルの底面図である。この図において、符号１０
はドリル本体であって、このドリル本体１０１こは、切
刃チップ１１，１１がねじ１２，１２（あるいは図示し
ないがクランプ駒など）により交換可能に取り付けられ
ている。このようなコアドリルは、切刃チップ１１の外
周織部１３の形状と、その切刃チップの取り付け＆層と
に特徴があるため、次にこれらについて説明する。

まず、切刃チップ１１の外周機部１３は、第６図に示す
ように円柱状の凸曲面に形成されている。ところで、前
記切刃チップ１１は、その厚み方向に２分割する仮想稀
泉１４に対して線対称に形成されている。この場合、前
記凸曲面も仮想線１４に対し対称となることは勿論であ
る。次に、上記のような切刃チップ１１をドリル本体１
０に取り付けるためのチップ座１５は、切刃チップ１１
の仮想線１４が回転方向に芯上り（ドリル本体１０の鼠
線１８と各角部１８ａ，１８ｂとのなす角Ｑ、８はＱ＞
８となる）に配置するようになされている。換言すれば
、切刃チップ１１の凸曲面のうち、回転前方側１３ａと
回転後方側１３ｂとでは、回転後方側１３ｂが回転後方
に向かうに従って徐々にドリル本体１０の中心ＯＲから
の半径距離が短かくなる（加工穴壁Ｍより遠ざかる＝逃
げ角が大きくなる）ように、切刃チップ１１を配置する
ように上記チップ座１５は設けられている。このような
切刃チップ１１をチップ座１５に取り付けた場合には、
功刃チップ１１の凸曲面に、マージン効果の得られるマ
ージン相当部１６と、外周逃げ面に相当する２番面１７
とが同時に設けられることになる。

この場合、マージン相当部１６は、厳密な意味では従来
の丸研削によるマージン部と異なるが、幾何学的に見た
場合に、切削作用上ほとんど従来のマージン部と差異が
なく、従来のマージン部としての作用効果を有するもの
である。その意味で切刃チップ１１の凸曲面の曲率は次
のような制約を受ける。すなわち、曲率を小さくし過ぎ
ると、直線に近くなり、幾何学的差異が大きくなるため
マージン相当部１６による良好なマージン効果が得られ
ず、また曲率を大きくし過ぎると凸曲面の２番面１７の
半径距離が大きくなり外周逃げがなくなってしまい、切
削作用ｂ悪影響を及ぼす。このため、上記曲率は、加工
穴の半径近辺が好ましい。次に、上記のように構成され
たコアドリルにより穴明け加工を行った際、切刃チップ
１１の凸曲面におけるマージン相当部１６の作用効果は
次の通りである。

｛１）工具の外周方向への過剰な食い込みを防止する。

‘２｝自己案内性が向上する。‘３’ 工具の直進性
が高いため、小径や深穴用の穴工具においても穴の曲が
りが小さく高い精度の穴明けができる。

‘４ー工具が振られて切削抵抗が変動し工具が破損す
る、といった事故も起きにくい。

｛５｝バニシングアクションにより仕上面アラサが向
上する。

‘６｝安定した切削ができるため高送りが可能となる
。

また、上記コアドリルにあっては、切刃チップ１１が仮
想線１４に対して総対称に形成されているので、切刃チ
ップ１１の切刃交換に際し、切刃チップ１１の表裏を逆
転させて（ひっくり返して）使用することができる。

これは、一つの凸曲面で２つの切刃の使用に供する各マ
ージン相当部１６，１６が形成されるからである。なお
、上記実施例では、切刃チップ１１の上面１１ａ、下
面１１ｂが平行面となっているが、この発明はこれに限
られることなく仮想線１４に対して線対称となっていれ
ばいかなる平面又は曲面となっていてもよい。

この場合にあっても、凸曲面の回転前方側が回転後方側
に比べて中心ＯＲまでの半径距離が大きくなるように切
刃チップ１１をドリル本体１川こ取り付けねばならない
。なおまた、上記実施例では切刃チップ１１の外周端部
１３が連続した凸曲面で形成されているが、この発明は
、これに限られることなく、例えば第７ａ図、又は第７
ｂ図に示すように中間部が平面又は凹曲面で分断されて
いてもよい。このような形状の外周端部２０ａ，２０ｂ
にあっても切刃チップ１１１ａ，１１１ｂの仮
想蟻泉１４ａ，１４ｂに対して総対称であることは勿論
である。更に、切刃チップの形状については、第５図に
示された四角形のものに限定されず、例えば台形、六角
形などの多角形状であってもよい。要は、切刃チップの
外周端部に表裏両面の功刃の使用が可能になるようにマ
ージン相当部と２番面とが得られる切刃チップであれば
よい。また、切刃チップの外周端部の形成方法は、工具
外径に関係なく予め切刃チップに一定の凸面を形成して
おく方法をとることもできるし、また工具外径に合わせ
てより正確な曲率と有勅マ，ジン幅を得る目的であれば
専用の治臭等に切刃チップをセットしセット研削（円筒
研削）することも可能である。

次に、この考え方による切刃チップを他の穴工具に応用
した場合について説明する。

第８図および第９図は、深穴明け工具の一種であるＢＴ
Ａ方式の穴明け工具を示したものである。このような一
枚切刃工具にあっては、ガイドパッド２１を使用してい
るが、上述したような切刃チップ１１，１１ａを使用す
ることにより、マージン部に相当する部分が増すため、
更にその効果が十分に発揮される。なお図中２２は切削
屑排出用の穴である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のツイストドリルの正面図、第２図はその
底面図、第３図は従来のクランプ式コアドリルの正面図
、第４図はその底面図、第５図はこの発明のコアドリル
の底面図、第６図はその切刃チップ１１の拡大図、第７
ａ，７ｂ図はこの発明の他の切刃チップを示す拡大図、
第８図はこの発明に係る切刃チップをＢＴＡ方式の穴明
け工具に応用した正面図、第９図はその底面図である。１０・・・ドリル本体、１１，１１１ａ，１１１ｂ・・
・切刃チップ、１２…ねじ、１３，２０ａ，２０ｂ・・
・外周端部、１４，１４ａ，１４ｂ・・・仮想線、１５
…チップ座、１６，１６ａ，１６ｂ…マージン相当部、
１７・・・２番面（外周逃げ面）。第１図第２図第３図第４図繁５図第８図籍６図第７０図第７ｂ図第９図

Claims

【特許請求の範囲】１工具本体の先端部に１または２以上の切刃チツプを
クランプ手段により交換可能に取り付けてなるクランプ
式穴工具において、前記切刃チツプの外周端部に、マー
ジン部に相当する凸面部分と逃げ面に相当する凸面部分
とを滑めらかに連続させて形成し、しかも逃げ面に相当
する凸面部分をマージン部に相当する凸面部分よりも工
具本体の回転中心に近接するように設定したことを特徴
とするクランプ式穴工具。２前記切刃チツプの外周端部を円柱状凸曲面形状とし
、前記切刃チツプをその長手方向に沿う仮想線に対し総
対称に形成し、かつ前記凸曲面のうち回転前方側よりも
回転後方側のほうが工具本体の回転中心からの距離が大
きくなるように前記切刃チツプを工具本体に芯上りに取
り付けたことを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の
クランプ式穴工具。