JPS6326983Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の技術分野 本考案はライセンスランプ等に適用して好適な
車輌用灯具の改良に関する。

従来の技術 自動車等の車輌に装備される各種灯具のうちラ
イセンスランプはライセンスプレートを上下もし
くは側方より照明し、夜間における視認性を向上
させるようにしたもので、一般に第１図に示す如
く構成されている。すなわち、１は合成樹脂等に
よつて一体に形成されたランプカバーで、このラ
ンプカバー１のライセンスプレート２側端部は略
鉤形に折曲されることによりほぼ直交する２つの
面３ａ，３ｂからなる折曲部１Ａを構成してい
る。前記ランプカバー１に続く面３ａには大きな
開口４が形成され、これに続く他の面３ｂの先端
は前記ライセンスプレート２の一端に近接対向し
ている。５はバルブ６を収納保持する灯具ボデイ
で、その開口端縁に嵌合溝７を有する取付部８が
全周にわたつて一体に設けられ、この嵌合溝７に
前記ランプカバー１の裏面に一体に突設された環
状体９がガスケツト１０を介して嵌合されかつ接
着剤によつて固定される。また、灯具ボデイ５の
前記折曲部１Ａの面３ａと対向する側面には窓１
１が形成され、この窓１１をレンズ１２によつて
被つている。したがつて、バルブ６から出た光の
一部１３は前記レンズ１２を通つて開口４から車
体外部に導かれ、前記ライセンスプレート２を照
明する。前記灯具ボデイ５の背面には後方に延在
する筒体１５が一体に突設され、この筒体１５の
先端部が車体本体１６にシートパツキング１７を
介して固定されている。なお、１８は灯具ボデイ
５内に配設されバルブ６の熱からランプカバー１
を保護するプロテクタである。

考案が解決しようとする問題点 ところで、前記灯具ボデイ５はその取付部８が
ガスケツト１０を介して環状体９に結合固定され
ると同時に図示しない止めねじによつてランプカ
バー１の裏面に固定されるものであるが、取付部
８と環状体９との結合強度が弱く、そのため前記
止めねじの数を増やしたり第２図に示す如く環状
体９の高さを高くすると共にその外側にリブ１９
を一体に設け、灯具ボデイ５の取付け強度を増大
させている。しかるにこのような取付け構造にお
いては止めねじの数が増加すると灯具ボデイ５の
取付け作業が面倒で長時間を要し、またリブ１９
にて環状体９を補強すると、ランプカバー１の前
記リブ１９が設けられている部分が他の部分に比
べて厚肉となるため、この厚肉部の表面にヒケが
発生し、ランプカバー１自体の成形精度および外
観形状を損うという不都合があつた。また広い面
積を有するランプカバー１が外力を受けてその表
裏面方向に変形すると、環状体９のためのガスケ
ツト１０が損傷し、灯具の防水性が低下するとい
う不都合もあつた。

したがつて、本考案は上記したような問題点を
解決し、簡単な構造で、ランプカバーと灯具ボデ
イを補強し、またランプカバーの変形を防止し、
灯具としての性能を長期間に亘つて良好に維持し
得る車輌用灯具を提供することを目的とするもの
である。

問題点を解決するための手段 本考案は上記目的を達成するために、ランプカ
バーの裏面と灯具ボデイの開口端部のいずれか一
方に環状体を、他方に嵌合溝を設け、前記環状体
を嵌合溝にガスケツトを介して挿入固定すると共
に、補強兼ストツパ部材の一端面を前記ランプカ
バーの裏面に固定し、他端面を前記灯具ボデイの
外側面に固定することによりランプカバーと灯具
ボデイとを一体的に結合したものである。

作 用 本考案において補強兼ストツパ部材はランプカ
バーと灯具ボデイの結合強度を高めると共にラン
プカバーの変形を防止する。

実施例 以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて詳
細に説明する。

第３図は本考案に係る車輌用灯具をライセンス
ランプに適用した場合の一実施例を示す断面図で
ある。なお、図中第１図および第２図と同一構成
部材のものに対しては同一符号を以つて示し、そ
の説明を省略する。灯具ボデイ５の窓１１が設け
られている側面と反対側の側面２０側には取付部
８に連続して略クランク形のボルト取付部２１が
一体に設けられ、その後端面にスタツドボルト２
２の頭部が加熱圧入されている。そして、このス
タツドボルト２２はシートパツキング１７を介し
て車体本体１６にねじ込まれている。

２５は前記ボルト取付部２１をランプカバー１
に固定する補強兼ストツパ部材で、この補強兼ス
トツパ部材２５は合成樹脂等によつて断面形状が
略Ｌ字形に形成され、その前端面２５ａが前記ラ
ンプカバー１の裏面に接着固定され、後端側角部
２５ｂが前記ボルト取付部２１のコーナ部に嵌合
しかつ接着剤によつて固定されている。なお、２
９はランプカバー１の裏面に一体に突設され前記
補強兼ストツパ部材２５の先端部内側面２５ｃと
近接対向するビードである。

かくしてこのような車輌用灯具によれば、ラン
プカバー１とボルト取付部２１間に介在された補
強兼ストツパ部材２５により灯具ボデイ５を実質
的に補強しているので、灯具ボデイ５の剛性が増
し、ランプカバー１に該ボデイ５をより確実に固
定することができる。また、灯具ボデイ５の取付
け強度が増せば該ボデイ５をランプカバー１にね
じ止め固定する止めねじの数を少なくすることが
でき、しかも補強兼ストツパ部材２５により灯具
ボデイ５を補強しているので、環状体９のリブ１
９（第２図参照）を必要とせず、そのため環状体
９の高さを低くでき、また成形時におけるヒケの
発生がなく、ランプカバー１を高精度に製作し得
る。さらに、補強兼ストツパ部材２５はランプカ
バー１の変形を防止するストツパ機能を有するた
め、ガスケツト１０の環状体９による損傷が少な
く、灯具の耐水性を長期に亘つて良好に維持する
ことができる。この場合、補強兼ストツパ部材２
５を灯具ボデイ５の外周に沿つて円弧状に形成す
れば、前記ビード２９と共に雨水等が補強兼スト
ツパ部材２５とランプカバー１の間に形成された
空間３０内に侵入するのを防止でき、灯具ボデイ
５の防水性を一層向上させることができる。加え
て、ビード２９は補強兼ストツパ部材２５が当接
されることにより、ランプカバー１を位置決め
し、その移動を規制防止する。

第４図は本考案の他の実施例を示す要部断面図
である。この実施例はランプカバー１の裏面に嵌
合溝４０をてガスケツト１０を嵌着し、このガス
ケツト１０を介して灯具ボデイ５の先端部を環状
体とし、これを前記嵌合溝４０に嵌合固定すると
共に該ボデイ５の一側面２０に一端面が接着固定
され他端面がランプカバー１の裏面に接着固定さ
れる略Ｌ字形の補強兼ストツパ部材２５によつて
前記ランプカバー１と灯具ボデイ５とを一体的に
結合したものである。このような構造において
も、上記実施例と同様の効果が得られることは明
らかであろう。

なお、上記実施例はライセンスランプに適用し
た場合について説明したが、本考案はこれに限ら
ず各種車輌用灯具に適用実施し得ることは勿論で
ある。

考案の効果 以上述べたように本考案に係る車輌用灯具は、
ランプカバーの裏面に配設固定される灯具ボデイ
をこれらとは別個独立に形成された補強兼ストツ
パ部材により一体的に結合したので、灯具ボデイ
を安定かつ確実に固定でき、また補強兼ストツパ
部材は単にランプカバーと灯具ボデイに接着等に
よつて固定すればよいので取付けが簡単であるば
かりか形状、大きさ等を灯具にあわせて自由に選
定することができ、またランプカバーを補強しそ
の変形を防止する機能を有するため、ガスケツト
の損傷を防止し、灯具の防水性を向上させ得る。

さらに、補強兼ストツパ部材を用いればランプ
カバー自体の灯具ボデイ取付部分をリブ等で補強
する必要がなく、したがつてランプカバーの成形
時におけるヒケの心配もないなど、その実用的効
果は非常に大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の車輌用灯具の一例を示す断面
図、第２図は環状体の補強構造を示す要部断面
図、第３図は本考案に係る車輌用灯具の一実施例
を示す断面図、第４図は本考案の他の実施例を示
す要部断面図である。 １……ランプカバー、５……灯具ボデイ、６…
…バルブ、７……嵌合溝、８……取付部、９……
環状体、１０……ガスケツト、２５……補強兼ス
トツパ部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ランプカバーの裏面と灯具ボデイの開口端部の
   いずれか一方に環状体を、他方に嵌合溝を設け、
   前記環状体を嵌合溝にガスケツトを介して挿入固
   定すると共に、補強兼ストツパ部材の一端面を前
   記ランプカバーの裏面に固定し、他端面を前記灯
   具ボデイの外側面に固定することによりランプカ
   バーと灯具ボデイとを一体的に結合したことを特
   徴とする車輌用灯具。