JPH0221289Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、自動車用装飾部品の取付構造に関す
る。

（従来技術） 一般に、自動車リアボデーの側面に形成された
開口に固定された窓ガラスの後端とボデー間の隙
間を外から覆うガーニツシユの取付構造は、第５
図に示すようにガーニツシユ１０６の後端をビス
１２３でボデー１０５に固定し、ガーニツシユ１
０６の側部に凹入状に形成したビス挿入穴１３０
にビス１３１を挿入し、このビス１３１をボデー
１０５に固定してガーニツシユ１０６を取付ける
構造になつている。

ところが、この取付構造では、ビス挿入孔及び
ビスの頭部が外部から見えるので外観が悪くなる
こと、またガーニツシユの後端及び側部をビス止
めするため位置決めや取付け作業が面倒で作業性
が悪いこと、更にビスやナツト等の部品点数が多
くなる等の欠点がある。

そこで、第４図に示すように窓ガラス２０４を
ボデー２０５に固定する窓ガラス固定用スクリユ
ー２０９で二叉状の係止金具２３２を取付け、ガ
ーニツシユ２０６の側部内面に一体形成したフツ
ク２３３を係止金具２３２に係合させる構造にし
たり、実開昭58−68311号公報に記載されている
ように窓ガラスの端縁に沿つて取付けた係止部材
にガーニツシユの側部内面の係合部を係合させる
構造にしたりすることにより、ガーニツシユ取付
けの作業性を改善すると共にガーニツシユの側部
外面の外観を改善したものがある。

しかし、これらの取付構造では、上記二叉状の
係止金具や係止部材を窓ガラスの端縁に沿つて設
けるため、窓ガラスの端縁が弯曲している場合に
は上下に二叉状の係止金具や係止部材の方向が一
定方向とならないため、これらに係合するフツク
及び係合部の係合方向が一定方向とならず、窓ガ
ラスの端縁の形状によつては適用できなくなると
いう欠点がある。

（考案の目的） 本考案は、上記諸欠点に鑑みてなされたもの
で、構造簡単にして装飾部品の取付けの作業性に
優れかつ外観に優れた自動車用装飾部品の取付構
造を提供することを目的とする。

（考案の構成） 本考案の自動車用装飾部品の取付構造は、自動
車リアボデーの側面に形成された開口に外側から
複数の窓ガラス固定用スクリユーにより固定され
た窓ガラスの後端とボデー間の隙間を外側から覆
うガーニツシユの取付構造であつて、上記窓ガラ
ス固定用スクリユーの窓ガラスの外側に位置する
頭部に係止部を設け、ガーニツシユの前端部内側
にガーニツシユの長手方向に沿う長穴状係止溝を
有する弾性クリツプを設け、上記係止部と係止溝
とを係合させることによりガーニツシユの前端部
を窓ガラスに固定すると共に、ボデーの背面側へ
折曲させたガーニツシユの後端部をボデーの背面
に固着するようにしたものである。

（考案の効果） 本考案によれば、以上のように窓ガラスの外側
に位置する窓ガラス固定用スクリユーの頭部に設
けた係止部とガーニツシユの前端部内側に設けら
れた弾性クリツプとを係合するだけでガーニツシ
ユの前端部を固定するようにしたので、ガーニツ
シユの側部にはビス挿入孔やビスの頭部が現われ
ず、外観に優れたものになる。

しかも、窓ガラス固定用スクリユーの頭部に係
止部を形成したので、ビスやナツトを省略して部
品点数を減少させることができるだけでなく、窓
ガラスの後端縁の形状に影響されることなくガー
ニツシユを固定することができる。

加えて、係止部の外側にクリツプの係止溝を対
面させてガーニツシユを押し付けるだけで係止部
とクリツプの係止溝とを係合させることが出来る
のでガーニツシユを簡単に取付けることができ、
作業能率に優れる。

更に、クリツプの係止溝はガーニツシユの長手
方向に沿う長穴状に形成してあるので、係止部や
クリツプの製作誤差・取付誤差及びガーニツシユ
の長手方向の熱膨張を、長穴状係止溝で吸収する
ことができる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基いて説明す
る。

第１図に示すように、商用車やワゴン車等の自
動車１におけるラゲツジスペース部分２の窓３と
して固定窓ガラス４が取付けられ、窓ガラス４の
後端とボデー５との間の隙間を外側から覆うガー
ニツシユ（装飾部品）６が取付けられている。

このガーニツシユ６は合成樹脂製で、下部には
換気口２７が開口してあり、その前端部を窓ガラ
ス４にまた後端部をボデー５に各々固定するよう
になつている。

ガーニツシユ６の前端部は、第２図及び第３図
に示すように窓ガラス４側に設けられた係止部７
とガーニツシユ６の内面６ａに形成されたクリツ
プ８とを係合することにより固定される。

上記係止部７は、ラゲツジスペース部分２のボ
デー５に開けられた開口２８に外側から窓ガラス
４を被せつけて固定する４本の窓ガラス固定用ス
クリユー９ａ，９ｂのうち、窓ガラス４の後部に
位置する上下２本の窓ガラス固定用スクリユー９
ｂのうちの窓ガラス４の外側に位置する頭部１０
の外周面に一条の環状溝１１を凹設することによ
り形成される。

上記クリツプ８は、長穴状の係止溝１３を有す
る合成樹脂製の小片１２からなり、この小片１２
の上下両端に明けた取付孔１４に、ガーニツシユ
６の内面６ａに突設されたボス１５を嵌めてボス
１５の先端部を溶着することによりガーニツシユ
６の内面に固定され、長穴状係止溝１３の長手方
向がガーニツシユ６の長手方向に沿うようにガー
ニツシユ６の前端部内側の上下２個所に形成され
る。

そして、長穴状係止溝１３の入口周壁部分は、
係止部７を設けた窓ガラス固定用スクリユー９ｂ
の頭部１０の係止部７が長穴状係止溝１３に嵌合
しやすくするためにテーパー面１６に形成してあ
る。

尚、長穴状係止溝１３を有するクリツプ８は、
ガーニツシユ６の内面６ａに一体形成してもよい
ことは勿論である。

上記ボデー５の後面５ａに固定されるガーニツ
シユ６の後端部にはボデー５の後面５ａに沿うよ
うに折曲状に回り込ませた後端取付部１７が形成
され、ボデー５の後面５ａに設けた上中下３個所
のネジ孔１８に対応する部分にはビス挿通孔１９
が形成されている。

尚、図中符号２０は、ガーニツシユ６で覆われ
るボデー５の側面部分に明けた通気孔、符号２１
は通気孔２０とガーニツシユ６の下部の換気口２
７との間に設けられる雨水侵入防止板であり、符
号２２はリアドアである。

上記のように構成されたガーニツシユ６を取付
ける場合には、係止部７を有する窓ガラス固定用
スクリユー９ｂの頭部にクリツプ８を対面させた
状態でガーニツシユ６を押しつけると、係止部７
はクリツプ８のテーパー面１６に案内されて長穴
状係止溝１３に嵌着される。

こうして、ガーニツシユ６の前端部を窓ガラス
４に固定してから、ガーニツシユ６の後端取付部
１７をビス２３でボデー５の後面５ａに固着する
と、ガーニツシユ６は窓ガラス４とボデー５との
間の隙間を覆う状態となる。

上記実施例の自動車用装飾部品の取付構造によ
れば、ガーニツシユ６の前端部が、その内面に形
成されたクリツプ８と、窓ガラス固定用スクリユ
ー９ｂの頭部１０に形成された係止部７との係合
で固定されるので、ガーニツシユ６を簡単に取付
けることができ、ガーニツシユ６の外面１２は取
付け用ビス等が現われず外観に優れたものにな
る。

また、、クリツプ８の長穴状係止溝１３がガー
ニツシユ６の長手方向に沿うように形成してある
ので、この係止溝１３により窓ガラス４やガーニ
ツシユ６の製造誤差・取付誤差や熱膨張を吸収す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

図面のうち第１図〜第３図は本考案の実施例を
示すもので、第１図は自動車の部分斜視図、第２
図はガーニツシユ取付構造の分解斜視図、第３図
は要部横断平面図、第４図及び第５図は各々従来
のガーニツシユ取付構造の第３相当図である。 ４……窓ガラス、５……ボデー、６……ガーニ
ツシユ、７……係止部、８……クリツプ、１３…
…長穴状係止溝、２８……開口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動車リアボデーの側面に形成された開口に外
   側から複数の窓ガラス固定用スクリユーにより固
   定された窓ガラスの後端とボデー間の隙間を外側
   から覆うガーニツシユの取付構造であつて、上記
   窓ガラス固定用スクリユーの窓ガラスの外側に位
   置する頭部に係止部を設け、ガーニツシユの前端
   部内側にガーニツシユの長手方向に沿う長穴状係
   止溝を有する弾性クリツプを設け、上記係止部と
   係止溝とを係合させることによりガーニツシユの
   前端部を窓ガラスに固定すると共に、ボデーの背
   面側へ折曲させたガーニツシユの後端部をボデー
   の背面に固着したことを特徴とする自動車用装飾
   部品の取付構造。