JPS6326619B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はモーター等の固定子鉄心の成形装
置、詳しくはその固定子鉄心のスロツト開口縁の
成形装置に関するもので、その目的とするところ
は、固定子薄板の積層状態を損ずることなく上記
開口縁に丸みを付けることができるようにした固
定子鉄心の成形装置を提供することである。

以下本願の実施例を示す図面について説明す
る。この成形装置は下部機構１と上部機構２とか
ら成る。先ず下部機構１において、３は周知のプ
レスベース、４はプレスベース３に取付けた下部
基材、５はマンドレル、６はブレードで、固定子
鉄心３０におけるスロツト３２の内側開口部３２
ａを案内するようにしたものである。７は押圧体
で、環状に形成されており、止付片８をもつて下
部基材４に装着してある。尚この押圧体はマンド
レル５の軸線方向への移動を自在に構成してあ
る。尚下部基材４からの離脱は止付片８と一体の
引止部材８ａにより阻止されるようになつてい
る。９は下部基材４と押圧体７との間に介在させ
たばねで、押圧体７を基材４から浮かせる為のも
のであり、皿ばねが用いてある。１１は下部基材
４上に載置した成形型を示し、これにおいて１２
は固定子鉄心３０のスロツト３２内にその端部の
開口部から入り込むようにした凸部で、スロツト
３２の断面形状と同様の形状に構成すると共に固
定子鉄心３０の複数のスロツト３２に対応して複
数個設けて構成してある。またこの凸部１２の根
本部は図示される如く滑らかなアール状に形成し
て、固定子鉄心３０におけるスロツト縁口縁３２
ｂを成形する為の成形面１３としてある。１４は
凹溝で、前記マンドレル５のブレード６を位置さ
せてある。１５は成形型１１に連結させたエジエ
クターピンで、図示外の周知のエジエクト装置に
連結してある。

次に上部機構２において、１７はプレスラム
で、昇降を自在に構成してある。１８はラム１７
に固定した上部基材、１９は環状の押圧体、２０
は止付片、２０ａは引止部材、２１はばね、２２
は上部基材１８に固定した成形型、２３は凸部、
２４は成形面、２５は凹溝を示す。尚この上部機
構２は下部機構１と均等の構成であるので、各部
材の詳細な説明は重複を避ける為に省略した。

上記装置を用いて固定子鉄心３０におけるスロ
ツト３２の開口縁３２ｂを成形する手順を説明す
る。先ず固定子鉄心３０を第１図に示される如く
下部機構１における押圧体７上に載置する。この
場合成形型１１における凸部１２の先端部はスロ
ツト３２内に位置するようにする。

次に上部機構２を下降させる。すると次のよう
な経過で動作が行なわれる。即ち、まず第１に押
圧体１９が固定子鉄心３０におけるヨーク部３１
の端面に当接する。そしてプレスラム１７によつ
て上部基材１８が更に下降するにつれ、固定子鉄
心３０のヨーク部３１は上下一対の押圧体１９，
７によつて上下の端面から締め付けられる。これ
により固定子鉄心３０を構成する積層状の複数の
固定子薄板３０ａは、その積層状態が良好に保持
される。

次に、上部基材１８の下降が更に続くと、やが
て第２図に示される如くばね９，２１は夫々縮ん
で押圧体７，１９が夫々下部及び上部基材４，１
８に当接すると共に、成形型１１，２２の夫々の
成形面１３，２４が固定子鉄心３０におけるスロ
ツト３２の開口縁３２ｂに圧接する。この為固定
子鉄心３０は前記の如く薄板３０ａの積層状態が
良好に保たれた状態のまま、スロツト開口縁３２
ｂが成形面１３，２４により成形される。

次に上記の如き加圧が終わると、第３図に示さ
れる如く、上部機構２が退けられ、また下部機構
１の成形型１１がエジエクターピン１５を介して
エジエクター装置により押上げられて、成形を終
えた固定子鉄心３０の取出が行なわれる。

このようにして成形を終えた固定子鉄心３０の
スロツト開口縁３２ｂは、第５図に示される如く
滑らかな丸みを持つた状態となつている。

尚上記実施例においては下部機構１が静止で上
部機構２が昇降するようにしてあるが、これは相
対的なもので下部機構あるいは両者が昇降するよ
うにしてもよい。またこれらの機構は垂直方向に
代えて水平方向に相対向させて配設し、相互に水
平方向に移動させるようにしてもよい。

更にまた、上記実施例では上部基材１８の下降
だけで押圧体７，１９と成形型１１，２２との
夫々の作用が行なわれるようにしたが、第１図に
想像線で示される如く押圧体７，１９に夫々基材
４，１８を貫く操作杆４０，４１を連結させ、こ
れらの操作杆４０，４１を進退させることによつ
て、押圧体７，１９を成形型１１，２２とは別個
に作動させるようにしてもよい。

以上のようにこの発明にあつては、固定子鉄心
３０におけるヨーク部３１を鉄心の両端面側から
締め付け得るようにした一対の押圧体７，１９
と、上記固定子鉄心３０におけるスロツト３２の
開口縁３２ｂを成形し得るようにした成形型１
１，２２とをそれぞれ分離状態で備えるものであ
り、固定子鉄心３０におけるスロツト開口縁３２
ｂの成形を行なう場合には、上記成形型がスロツ
ト開口縁に当接するよりも先に、マンドレル５及
びブレード６によつてスロツトの内側開口部３２
ａが案内された固定子鉄心におけるヨーク部３１
に上記押圧体が圧接するから、その固定子鉄心３
０が複数の固定子薄板３０ａを積層させて構成し
てあつても、それらの薄板３０ｂをぎゆつと締め
付けて、その積層状態を損ずることなく、即ち複
数の薄板３０ｂの密接状態を保つたままの状態で
スロツト３２の開口縁３２ｂに丸みを付けること
ができる特長がある。また環状の押圧体７，１９
による締め付けが固定子鉄心全体にわたつて作用
するため、１回の加圧成形によつて固定子鉄心の
複数のスロツトの上下開口縁３２ｂを同時に成形
し得るものであり、作業性に優れるものである。
これにより上記スロツト３２に絶縁紙を挿入する
と共に更にそこにコイルを挿入する場合、挿入さ
れたコイルにより絶縁紙がスロツト３２の開口縁
に強い力で押し付けられても、その開口縁により
絶縁紙が傷められることがなく、その為、コイル
の占縁率を高め得ると共に、そのように占積率を
高めても絶縁耐圧を良好に保ち得る効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本願の実施例を示すもので、第１図は下
部機構と上部機構とが離反した状態を示す縦断面
部分図、第２図は加圧成形状態を示す縦断面図、
第３図は固定子鉄心の取出状態を示す断面図、第
４図は固定子鉄心と成形型との関係を示す部分斜
視図、第５図はスロツト開口縁の縦断面拡大図。 ４，１８……基材、７，１９……押圧体、１
１，２２……成形型、１２，２３……凸部、１
３，２４……成形面、９，２１……ばね、３０…
…固定子鉄心、３２……スロツト、３２ｂ……ス
ロツト開口縁。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 相互に遠近移動可能に配設した一対の基材
   と、環状の固定子鉄心におけるヨーク部を押圧し
   得るよう夫々環状に形成すると共に、上記一対の
   基材における相互の対向面に夫々装着した一対の
   押圧体と、上記一対の基材において押圧体の内周
   側に夫々装着した成形型とを備え、上記夫々の成
   形型における上記固定子鉄心との対向面には、上
   記固定子鉄心における複数のスロツトの開口縁を
   アール状に成形し得るようにした複数の凸部を
   夫々具備させ、一方上記基材に対する押圧体の装
   着状態は、両者間にばねを介設させて押圧体を基
   材から浮かせた状態に構成すると共に、その浮上
   高さは、上記一対の基材を相互に近接させる方向
   に移動させる際に、上記成形型が固定子鉄心にお
   けるスロツトの開口縁に当接するよりも先に上記
   押圧体が固定子鉄心におけるヨーク部に圧接する
   高さに構成して、上記基材を相互に近接させる方
   向に移動させるときには、上記押圧体が上記固定
   子鉄心をその両端側から締め付けると共に、その
   状態において上記成形型の複数の凸部が複数のス
   ロツト開口縁を同時に成形するようにしたことを
   特徴とする固定子鉄心の成形装置。