JPS6324205Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車を立体的に収納する自動車格納
庫における昇降台橋架装置に関するもので、その
目的とするところは多段収納棚の各収納部に対し
て昇降台により台車を介して自動車を出入庫させ
る際に、自動車出入路端部と昇降台上の台車端部
との連結路として機能し、且つ昇降台の昇降に支
障をきたさぬ上記装置を提供する点にある。

以下、本考案を図示実施例に基づいて説明す
る。

第１図乃至第３図において、１は自動車２を直
置きできる１階部分３とその上に所定間隔を置い
て対設した２つの多段収納棚４ａ，４ｂよりなる
２〜５階部分４とで構成された多層状建屋で、多
数の支柱１ａ，１ａ……と水平支材１ｂ，１ｂ…
…とから構築されている。８は２〜５階部分４に
おける両収納棚４ａ，４ｂ間の空間９に配設した
やぐらで、方形枠状の基部８ａの四隅より建屋１
の最上部を越える高さの支柱８ｂ，８ｂ……を立
設し、且つこれら支柱８ｂ，８ｂ間を梁材８ｃ，
８ｃ……および補強フレーム８ｄ，８ｄ……にて
連結して構成され、１階部分３と空間９との境界
をなす水平支材１ｃ上の両端部近傍に多段収納棚
４ａ，４ｂの各前面に沿つて固設されたレール１
０，１０上を水平に移動する。１１はやぐら８内
を昇降する昇降台で、基台部１１ａと上板部１１
ｂとを両者の四隅で支柱１１ｃ，１１ｃ……によ
つて結合し、更に梁材１１ｄ，１１ｄ……および
補強フレーム１１ｅ，１１ｅ……を結合して略直
方体の篭状に構成され、また基板部１１ａ上には
レール１２，１２が配設されてその上に自動車２
を搭載する台車６を載せるようになされている。
この昇降台１１はやぐら８の両側部に立設された
昇降ガイド柱１３，１３のラツク１３ａに噛合す
るピニオン１４の回転によつて昇降する。しかし
て１階部分３は平坦な連続床面からなる直置き部
３ａと、直置き部３ａの床面より凹陥させてあつ
て昇降台１１が降下したときその下端部を没入さ
せて昇降台１１上の台車６が直置き部３ａの床面
と面一状になるようにしてある搭載部３ｂと、自
動車出入路３ｃとからなり、該搭載部３ｂと出入
部３ｃとは第３図で示す如く直置き部３ａに対し
て金網等からなる仕切り１４にて仕切られてお
り、昇降台１１が搭載部３ｂのみで降下できるよ
うに構成されている。

上記出入部３ｃは、床面に円板状の方向転換用
ターンテーブル１５が配設され、内奥端位置には
昇降台橋架装置１６を設置してある。この橋架装
置１６は、昇降台１１を搭載部３ｂ内で円滑に昇
降させる関係上から必然的に生じる昇降台１１上
の台車６端部と出入路３ｃ内奥端との離間部に橋
架して両者間の自動車の移動を容易にするもの
で、第４図で示すように、凹陥部１７内には自動
車出入路３ｃの端部下方に、モーター１６ａにて
駆動する駆動用の電動シリンダー１６ｂを設置
し、また上記離間部内には支軸１６ｃを取付けた
支持台１６ｄを設置し、この支軸１６ｃに回動橋
架板１８の下面両側に固着した略三角形状の取付
板１８ａ，１８ａを枢着し、且つこの取付板１８
ａより一体延設されたクランク１８ｂの先端部に
シリンダー１６ｂのロツド１６ｅを枢着してな
る。しかして回動橋架板１８は自動車２の出入庫
時にロツド１６ｅの収縮姿勢で図示実線の如く昇
降台１１側へ延出しつつ倒伏して最下降位置にあ
る昇降台１１上の台車６の端部と出入路３ｃ内奥
端部とを橋架して連絡する一方、出入庫時以外に
はロツド１６ｅの伸長姿勢で図示一点鎖線の如く
傾斜状に起立して昇降台１１の昇降域１９から離
脱する。２０は上記倒伏状態下での橋架板受けで
ある。

尚、第１図乃至第３図において、２１は平形の
ケーブルで、多段収納棚４ｂの最上部に配設した
走行用ケーブルベア２２および配線ドラム２３を
介して昇降台１１へ駆動用の電力を供給する。ま
た２４はやぐら８に付設された手動操作用運転
台、２５は中央演算盤、２６は情報カード等によ
つて自動車２の出入庫操作を自動的に行うための
操作盤、２７，２７はピニオン１４，１４の各駆
動部、２８はやぐら８の駆動輪２９の駆動部、３
０は台車６を昇降台１１と収納部５との間で各レ
ール７，１２上を移載するためのチヤツク装置で
ある。

上記構成の自動車格納庫において、自動車２を
入庫するには、先ず空車状態の収納部５正面にや
ぐら８を移動させ、昇降台１１を収納部５対向位
置まで昇降させて停止させ、該収納部５内にある
台車６をチヤツク装置３０によつて引き出して昇
降台１１へ移載し、次いでやぐら８を搭載部３ｂ
上方へ移動させた後、昇降台１１を搭載部３ｂ内
まで降下させて待機させる。しかして橋架板１８
を倒伏させて出入路３ｃ端部と昇降台１１上の台
車６端部とを連絡し、自動車２を出入路３ｃより
進入させて橋架板１８を介して台車６上に移動さ
せ、この状態で運転者を下車させる。次に橋架板
１８を起立状態に復帰させた後、昇降台１１を元
の収納部５高さまで上昇させ、やぐら８を所定位
置まで水平移動し、チヤツク装置３０を介して元
の収納部５内へ自動車２を搭載した状態の台車６
を押し出し、格納させる。また自動車２の出庫操
作も上述の台車６取り出しと同様にして行えばよ
く、昇降台１１上から出入路３ｃ内へ橋架板１８
を介して自動車２を後進移動させた後、ターンテ
ーブル１５上で180゜向きを変えて前進走行にて出
庫させる。

尚、上記実施例では上下および左右方向に配列
した収納部を有する２つの多段収納棚を備え且つ
１階部分が直置き部である自動車格納庫について
例示したが、本考案は少なくとも上下方向に収納
部が配列した多段収納棚で且つ台車を介して出入
庫させる構成である種々の格納庫形式に適用で
き、例えばやぐらを使用せずに昇降台のみが昇降
する構造の格納庫に対しても同様に適用できる。

以上のように本考案に係る自動車格納庫の昇降
台橋架装置は、レールを備えた収納部が少なくと
も上下方向に配列した多段収納棚と、該収納棚の
前面に沿つて昇降し且つレールを備えた昇降台
と、自動車を搭載可能で且つ上記収納棚と昇降台
の両レール上を移動する台車と、自動車出入路と
を具備してなる自動車格納庫において、自動車出
入時に最下降位置にある昇降台上の台車端部と自
動車出入路端部との離間部を橋架する回動橋架板
を、該回動橋架板下方に設置した支持台に、該回
動橋架板の昇降台側端部から起立可能に枢着する
と共に、自動車出入路側に設置した駆動用のシリ
ンダーを回動橋架板に設けたクランクに連動連結
して、回動橋架板を自動車出入庫時の倒伏位置と
自動車出入庫時以外の起立位置との間で回動自在
としてなるものであるから、台車端部と出入路端
部との間に必然的に生じる離間部で出入庫する自
動車車輪が落ち込んだり、車体に大きな衝撃を与
えるおそれがなく、出入庫が円滑且つ安全に行え
る。また回動橋架板が昇降台の昇降域から回動起
立して離脱可能であるから、昇降台の昇降の妨げ
とならない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を適用した一実施例の自動車格
納庫全体を示す側面図、第２図は第１図の−
線における矢視図、第３図は第２図の−線に
おける断面平面図、第４図は昇降台橋架装置の要
部側面図である。 ２……自動車、３ｃ……自動車出入路、４ａ，
４ｂ……多段収納棚、５……収納部、６……台
車、７……レール、１１……昇降台、１２……レ
ール、１６……昇降台橋架装置、１６ａ……モー
ター、１６ａ……駆動用のシリンダー、１６ｃ…
…支軸、１６ｄ……支持台、１６ｅ……シリンダ
ーのロツド、１８……回動橋架板、１８ａ……取
付板、１８ｂ……クランク、１９……昇降台の昇
降域。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. レールを備えた収納部が少なくとも上下方向に
   配列された多段収納棚と、該収納棚の前面に沿つ
   て昇降し且つレールを備えた昇降台と、自動車を
   搭載可能で且つ上記収納棚と昇降台の両レール上
   を移動する台車と、自動車出入路とを具備してな
   る自動車格納庫において、自動車出入時に最下降
   位置にある昇降台上の台車端部と自動車出入路端
   部との離間部を橋架する回動橋架板を、該回動橋
   架板下方に設置した支持台に、該回動橋架板の昇
   降台側端部から起立可能に枢着すると共に、自動
   車出入路側に設置した駆動用のシリンダーを回動
   橋架板に設けたクランクに連動連結して、回動橋
   架板を自動車出入庫時の倒伏位置と自動車出入庫
   時以外の起立位置との間で回動自在としてなる自
   動車格納庫における昇降台橋架装置。