JP2553298Y2 - 立体駐車装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、立体駐車装置、更に
詳しくは、二車線強の細長い敷地に適した立体駐車装置
に関する。

【０００２】

【従来の技術】横列駐車の出来ない細長い敷地内の駐車
は、駐車台数が限られ極めて非効率であり、また、詰め
込んだ奥の車は、前方の車を出さない限り、取り出す事
は出来ない。

【０００３】一方、社会的にかかる地形は少なくなく、
また、昨今駐車事情が極めて厳しくなり、これら、狭小
な敷地でも駐車効率の改善が強く求められてきた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】上記のような点にかん
がみ、自動車を立体的に収納し、敷地の有効利用を図る
立体駐車場が従来から種々提案されているが、その何れ
も自動車を横列状態で収納するようになっており、この
ため、駐車場の前面側に自動車を出し入れするための広
いスペースを確保しなければならず、しかも出し入れ時
に自動車の方向転換が必要になり、従って二車線強程度
の細長い敷地においては設置することができないという
問題がある。

【０００５】そこでこの考案は、自動車を縦列状態で駐
車させることができ、二車線強程度の細長い敷地におい
て立体化することができる立体駐車装置を提供すること
を課題としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記のような課題を解決
するため、この考案は、上下複数段の自動車収納スペー
スを自動車の縦列方向に複数を並べて設けた立体駐車庫
と、この立体駐車庫の最下階収納スペースの前面側に自
動車が上記縦列方向に沿って走行できるよう設けた通路
スペースとからなり、前記立体駐車庫の最下階収納スペ
ースに、収納スペースの縦列方向に移動自在となる縦行
台車と、この縦行台車上に支持され縦行台車上から通路
スペースに対して出し入れ自在となる自動車搭載用の横
行パレットを配置し、前記立体駐車庫の最上階の各収納
スペースに吊枠と、中間階に収納スペースの縦列方向に
沿って走行可能となる吊枠を設け、前記各吊枠に、上下
動自在となるよう吊下げられ最下階収納スペースに下ろ
すことのできる吊下げ台と、吊下げ台上に支持され最下
階に下ろした吊下げ台上から通路スペースに出し入れ自
在となる自動車搭載用の横行パレットを設け、立体駐車
庫は最上階の縦列駐車台数より下階の駐車台数がそれぞ
れ一台分少なくなるよう、縦行台車や吊枠の数が設定さ
れている構成を採用したものである。

【０００７】

【作用】最下階収納スペースに自動車を格納するには、
縦行台車上から通路スペースに横行パレットを取出し、
通路スペースを直進してきた自動車を横行パレット上に
乗せ、この後横行パレットを縦行台車上に移動させて収
納すればよく、また自動車の取出しは格納時と逆に行な
い、自動車は通路スペースを直進もしくは後退して出
る。

【０００８】上階における自動車の出し入れは、対応す
る最下階収納スペースの縦行台車を隣の収納スペースに
移動させ、この最下階収納スペースに吊下げ台を下ろ
し、吊下げ台から横行パレットを通路スペースに出し入
れすればよく、自動車の載った横行パレットは吊下げ台
と共に上昇位置に引上げる。

【０００９】

【実施例】以下、この考案の実施例を添付図面に基づい
て説明する。

【００１０】図１のように、立体駐車庫１は、上下複数
段の自動車収納スペース２を自動車Ａの縦列方向に複数
を並べて設けた構造になっている。

【００１１】上記立体駐車庫１は各種鋼材を用い、各収
納スペース２が自動車Ａを収納できる大きさの空間にな
り、かつ自動車Ａが縦列状となるよう枠組状に形成さ
れ、この立体駐車庫１の最下階における前面側が、上記
縦列方向に自動車Ａが直進可能な通路スペース３になっ
ている。

【００１２】前記立体駐車庫１における最下階には、収
納スペース２の縦列方向に沿って連続する縦行用レール
４、４が敷設され、このレール４、４上に縦行台車５が
レール４、４に沿って隣接する収納スペース２間を移動
自在となるよう載置され、この台車５上に自動車搭載用
の横行パレット６が通路スペース３に取出し可能となる
よう設けられている。

【００１３】図２と図３は縦行台車５と横行パレット６
を示しており、縦行台車５は自動車Ａが載るのに充分な
平面的な大きさを有し、両端部の車輪７が縦行用レール
４、４に載り、車輪７を駆動するモータ８、８によって
移動するようになっている。

【００１４】横行パレット６は自動車Ａが載る平面的な
大きさを有し、一端側又は両端にスロープ９と他端側に
ストッパー１０が設けられ、縦行台車５上に設けた横行
レール１１、１１に車輪１２が載り、モータ１３による
車輪１２の駆動により横行レール１１、１１に沿って横
移動することになる。

【００１５】通路スペース３には各収納スペース２と対
応する位置に横行ガイドレール１４、１４が凹入状に敷
設され、図２の如く、横行パレット６を縦行台車５上か
らガイドレール１４、１４に沿って通路スペース３に取
り出すことができるようになっている。

【００１６】従って、横行パレット６に対する自動車Ａ
の出し入れは、通路スペース３において、自動車Ａの直
進や後退によって行なえ、自動車Ａを方向転換させる必
要は全くない。

【００１７】二階における収納スペース２には、立体駐
車庫１を構成する両側の縦行用レール梁２１、２１に支
持され、 このレール梁２１、２１に沿って隣接する収
納スペース間を移動する縦行吊枠２２と、この吊枠２２
の下部に上下動自在となるよう吊下げた吊下げ台２３
と、この吊下げ台上に載置した自動車搭載用の横行パレ
ット６が設けられている。

【００１８】吊枠２２は図４のように、自動車Ａが平面
的に納まる大きさの枠状に形成され、縦行用レール梁２
１、２１に載る車輪２４をモータ２５で駆動することに
より、隣接する収納スペース間を移動自在となる。

【００１９】前記吊下げ台２３と横行パレット６は、先
に述べた最下階の縦行台車５及び横行パレット６と略同
様の構造を有し、縦行台車５の車輪７とモータ８を省い
ただけであるので、同一部分に同一符号を付して説明に
代える。

【００２０】上記吊下げ台２３は、吊枠２２に設けた巻
上機２６、２６のワイヤー２７によって四隅が吊下げ保
持され、吊枠２２の下部に重なる上昇位置から最下階の
床面に下ろした位置の間を上下動することになる。

【００２１】最上階の各収納スペース２には、吊下げ台
３１とこの吊下げ台３１上に支持された自動車搭載用の
横行パレット６とが配置されている。

【００２２】吊下げ台３１は図５のように、立体駐車庫
１の上部梁３２に設置した巻上機３３のワイヤー３４に
よって四隅が吊下げ保持され、最上階収納スペースと最
下階収納スペースの床面に下ろした位置との間を上下動
する。

【００２３】この吊下げ台３１と横行パレット６は、二
階の収納スペースにある吊下げ台２３及び横行パレット
６と同様の構造であり、同一部分に同一符号を付して説
明に代える。

【００２４】なお、立体駐車庫１は図１の場合、収納ス
ペースが三階の三縦列を例示したが、収納スペースの上
下階数及び縦列数は敷地の条件に応じて任意に選択で
き、何れにおいても最上階は各収納スペース２に吊下げ
台３１と横行パレット６が設置され、それよりも下層の
各階においては駐車収容台数が一台分少なくなるよう空
の収納スペースが設けられている。

【００２５】また、立体駐車庫１における最下階の収納
スペースの前面には、人の侵入を防ぐと共に自動車の入
出庫に際し、警報音や危険灯の点滅と共に上昇し、その
後駐車機能が働く安全ガード４１が設けられている。

【００２６】この考案の立体駐車装置は上記のような構
成であり、一階部分の収納スペース２に自動車を格納す
るには、安全ガード４１を上昇させた後、横行パレット
６を横移動させて縦行台車５上から通路スペース３に取
り出し、通路スペース３を直進走行させた自動車Ａをこ
の横行パレット６上に載せ、この後、横行パレット６を
縦行台車５上に戻し、安全ガード４１を下ろせばよい。

【００２７】また、自動車Ａの出庫は上記と同様に横行
パレット６を横移動させ、自動車Ａを通路スペース３に
沿って直進又は後退させればよい。

【００２８】次に、二階の収納スペースに対する自動車
の入出庫を行なうには、一階の直下に位置する収納スペ
ースが空になるよう縦行台車５を縦移動させ、この状態
で吊下げ台２３を一階の床に卸し、横行パレット６を横
移動させて、先に述べた一階の場合と同じように自動車
Ａを載せ、この横行パレット６が載った吊下げ台２３を
上昇位置に吊上げればよく、出庫時はこれと逆に操作す
ればよい。

【００２９】更に、最上階の収納スペースに対する自動
車の入出庫は、直下に位置する二階及び一階の収納スペ
ースが空になるよう縦行吊枠２２及び縦行台車５を横移
動させ、この後二階の場合と同じように吊下げ台３１の
昇降と横行パレット６の横移動によって行なえる。

【００３０】自動車Ａの格納状態において、図１に示す
ように、各自動車Ａは縦列状態で収納され、入出庫は通
路スペース３を格納時の縦列方向に沿って直進走行させ
ればよいので、二車線強の細長い敷地で自動車の立体駐
車を実現することができる。

【００３１】なお、各横行パレット６を通路スペース３
に出し入れするので、空いた横行パレット６にコンテナ
ー等の荷物を載せて収納することができ、荷物の収納庫
として有効に利用できる。

【００３２】

【効果】以上のように、この考案によると、自動車を縦
列状態で立体的に駐車させることができ、入出庫は上記
縦列方向に沿って直進後退走行させればよいので、二車
線強の細長い敷地で自動車を効率的に格納することがで
き、細長い土地の有効利用が図れ、都市部等における駐
車場問題を解消することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係る立体駐車装置の斜視図

【図２】最下階における縦行台車と横行パレットを示す
斜視図

【図３】同上の格納状態を示す平面図

【図４】中間階における縦行吊枠と吊下げ台を示す斜視
図

【図５】最上階における吊枠と吊下げ台を示す斜視図

【符号の説明】

１ 立体駐車庫 ２ 自動車収納スペース ３ 通路スペース ４ 縦行用レール ５ 縦行台車 ６ 横行パレット １１ 横行レール １４ 横行ガイドレール ２２ 縦行吊枠 ２３ 吊下げ台 ３１ 吊下げ台 Ａ 自動車

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上下複数段の自動車収納スペースを自動
   車の縦列方向に複数を並べて設けた立体駐車庫と、この
   立体駐車庫の最下階収納スペースの前面側に自動車が上
   記縦列方向に沿って走行できるよう設けた通路スペース
   とからなり、前記立体駐車庫の最下階収納スペースに、
   収納スペースの縦列方向に移動自在となる縦行台車と、
   この縦行台車上に支持され縦行台車上から通路スペース
   に対して出し入れ自在となる自動車搭載用の横行パレッ
   トを配置し、前記立体駐車庫の最上階の各収納スペース
   に吊枠と、中間階に収納スペースの縦列方向に沿って走
   行可能となる吊枠を設け、前記各吊枠に、上下動自在と
   なるよう吊下げられ最下階収納スペースに下ろすことの
   できる吊下げ台と、吊下げ台上に支持され最下階に下ろ
   した吊下げ台上から通路スペースに出し入れ自在となる
   自動車搭載用の横行パレットを設け、立体駐車庫は最上
   階の縦列駐車台数より下階の駐車台数がそれぞれ一台分
   少なくなるよう、縦行台車や吊枠の数が設定されている
   立体駐車装置。