JPS63240771A - 有色酒類の製造方法 - Google Patents

有色酒類の製造方法

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JPS63240771A
JPS63240771A JP61170538A JP17053886A JPS63240771A JP S63240771 A JPS63240771 A JP S63240771A JP 61170538 A JP61170538 A JP 61170538A JP 17053886 A JP17053886 A JP 17053886A JP S63240771 A JPS63240771 A JP S63240771A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この発明は、醸造および上槽後に電磁波の照射を受けて
はじめて赤色系統の色に発色・定着される新規な酒類(
清酒等)およびその製造方法に関するものである。
〈従来の技術〉 従来の酒(特に清酒界)では、酒の着色を嫌い、製品の
税色および清澄に精力が注がれてきた。しかし、最近各
種洋酒等の影響や嗜好の変化に伴い、清酒においてもそ
のフ1ソション化が要請される傾向にある。
ところが、清酒の製造方法は、酒税法で原料その他が厳
格に規制されているので、製造工程に別途色素等を投入
出来ない。従来の着色酒類の製法は、製麹にモナスカス
属のカビ(例えば、紅麹菌:  Monascus  
anka  等)を利用し、紅麹菌に紅色色素を生産さ
せて赤色清酒を醸造する方法、醗酵末期の醪に木灰を加
えて褐変反応を促進させて赤褐色の酒を造る方法、赤色
清酒酵母を用いて桃色にごり酒を製造する方法などがあ
る。その他に、最近では原料に水溶性およびアルコール
可溶性のアントシアン系色素を含む「魚床」を使用した
紅色ないし淡紅色を呈する酒類(清酒)の製造方法(特
公昭58−31192号、特開昭58−193684号
)がある。上記の着色酒類は、いづれも醸造工程中また
は/および上槽時においてすでに着色された酒が得られ
るものである。
〈発明が解決しようとする問題点〉 この発明は、発明者らが原料を独自に検索・選定し、そ
の各種原料を使用して独自の有色酒類の製造方法を鋭意
研究した結果完成されたものであって、従来の着色酒と
は全(異なる原料(赤米等)を使用して醸造し、上槽後
の酒に電磁波を照射するという従来にはなかった独自の
発色工程を含む新規な製造方法を開発し、これにより従
来の着色酒とは色調の異なる全く新しい有色酒類を得る
ものである。
すなわち、この発明では、第一に原料米および各種仕込
原料(仕込態様等)について研究され、第二にその原料
を用いて酒類の醸造方法2発色方法等が研究された結果
完成された。この発明にかかる酒類は、醗酵後上槽して
得られる酒(淡黄色)に電磁波を照射してはじめて透明
なロゼ色(若干の黄色を帯有した赤色)に発色される。
そして、この発明の酒類のロゼ色は500nm付近に最
大吸収値を有しく第1図参照)2品位(品格)と重厚味
(落着き)のある色調を有するものであり、従来のアン
トシアン系の色素を含む着色酒R(530nm付近に最
大吸収値を有する赤色が勝った色調才なわち紅色)とは
全くタイプが異なる。これにより現代感覚および嗜好な
どにマツチした新規な有色酒類を提供することを目的と
する。
〈問題点を解決するための手段〉 上記目的を達成するために、酒類製造工程において、こ
の発明では酒類の製造方法の第1の特徴として、 原料には各種タンニン類(タンニン類それ自体のばかタ
ンニン類の誘導体、タンニン類の重合体、タンニン類の
複合体を含む、以下同じ)を含有する赤米を使用し、こ
の原料(赤米)に含有される前記各種タンニン類を醸造
工程(醪醗酵工程)で麹菌酵素の作用または/および酵
母の醗酵(酵素)作用等により、電磁波の照射を受けて
発色できる状態(発色前駆体)に変化させる工程と、 第2の特徴として、 この醗酵醪を上槽して得られる淡黄色の上槽酒に太陽光
線(間接光)などの電磁波を照射して、目的とする色調
(赤褐色ないしロゼタイプのいわゆる深みのある赤色系
統の色調)および色合(色濃度)に発色・定着させる工
程とを含ませることにより、この発明の新規有色酒類を
得ることに成功した。
第1図に示すように、この発明の有色酒類は、500n
n+付近に最大吸収値を有する。この発明にかかる酒類
の有色成分は、タンニン類、タンニン類の重合体、タン
ニン類の誘導体、タンニン類とアミノ酸や糖類等との複
合体(complex )のうちの1種の化合物または
2種以上の化合物の混合物である。そして、前記有色成
分が有する色調(赤褐色〜ロゼ色)は、必要に応じてこ
の有色酒類に炭酸ガス等の比較的活性度の低いガスまた
は不活性ガスを熔解させることにより、その安定化を図
ることができる。かくして、この発明にかかる有色酒類
に炭酸ガス等を溶解処理することにより、この有色酒類
の長期間保存が可能となる。
なお、原料中に含まれる前記各種タンニン類が前述のよ
うに電磁波の作用を受けると発色されi4る物質(発色
前駆体)までに変化するメカニズムについては未だ解明
されていないが、原料中の前記各種タンニン類は少なく
とも醪醗酵工程中において麹菌酵素の作用または/およ
び酵母の醗酵(酵素)作用により何等かの変化を受けて
前記発色前駆体になることは確実である。ちなみに、前
記各種タンニン類を含む原料が醪醗酵工程後に投入され
た場合、上槽酒は電磁波の照射を受けても発色しない。
この発明に関してさらに詳細に説明する。
この発明に使用される原料は、前記各種タンニン類を含
有するもの(赤米など)を酒類の仕込原料の一部または
全部に用いることができる。この各種タンニン類を含有
する米としては、一般に「赤米」 (総称)(以下単に
「赤米」という)と称されるものが最適である。この「
赤米」は、玄米の果皮と種皮とに各種タンニン類等(つ
まりタンニン類、タンニン類の誘導体、タンニン類の重
合体、タンニン類の複合体等)を構成成分に含む赤褐色
系色素を含有する米であり、従来の着色酒類の原料とし
て利用されているアントシアン系の色素を含む「蒸米」
または「黒紫色米」とは全く遺伝子型および表現型が異
なる。
この発明に使用される原料の「赤米」は、イネの粒色に
関する遺伝子型によっても特定することができる。すな
わち、前記各種タンニン類を含有する「赤米」の遺伝子
型は、(Re  rd  )、(Rc  Rd  )、
(Rc”  rd  )、(Rc@Rd)の各遺伝子型
のいずれかを有する。したがって、前記4種の遺伝子型
のうちのいずれかの遺伝子型を有する米であれば、野性
種、在来種および新しく育成された品種を問わず、この
発明の有色酒類の仕込原料米の一部または全部として利
用できる。前記赤米が含有する主なタンニン類は、カテ
キン、カテコールタンニン、フロバフエン等である。
この発明の原料米として利用できる前記遺伝子型を有す
る赤米の具体例(慣用名1通称、俗称等)は、「総社」
、「フィリピン天草J 、  rChiemchanh
 J +  rHatadaniJ 、rcol /N
epal 1539J 、  rBertone J 
+  r観音仙」、「海南島」、「赤毛3」、「赤緒(
黒石)」、「赤うんち<」。
「八546J  、   rB、J、I  J  、 
  rDK  1−13  J  、   rT−24
6J 、  rco’l /KAGOSHIMA J 
、  rsTIRPE  ROUGE IJ 、  r
col /MIYAZAKIJ 、  rTOYAMA
J 、  rcol /NAGASAKIJ  、  
 rRLINGsAK    KESAMBIKJ  
、   rHawaragepoek IJ +  r
ソヨーリー」、「天落租 AJ。
[薬□イi1.(ヤカン) J 、  rRIK[IT
OU  AKAGOME D J等々が例示できる。
前記「赤米」は、前述のように果皮および種皮にタンニ
ン類が蓄積されているために玄米の色が褐色を帯有して
いる。そして、赤米は野性種、栽培種等により異なるが
、通常約9〜11%精米処理(精米歩合約91〜89%
)されると、前記各種タンニン類等の色素成分を含む果
皮および種皮が取り除かれる。したがって、赤米が一般
的な清酒醸造用に精米歩合約70%にまで精白されると
、通常の醸造精白米と同様になる。そこで、この発明の
有色酒類を製造(醸造)する前記第1特徴の工程、つま
りタンニン類を含有する原料(赤米)を仕込原料の一部
または全部に用いて醸造する工程には、つぎの3つの実
施態様例が可能である。
第1の実施態様例は、仕込原料の一部または全部に赤米
の玄米または/および精白度の低い赤米(つまり前記各
種タンニン類が蓄積された層を残した状態の精白度く約
90%以上の精米歩合〉の赤米)を用いる場合である。
赤米の玄米または/および精白度の低い赤米は、製造工
程のうち製麹工程、酒母工程および醪工程の各工程中に
用いられる「蒸米」の一部または全部として使用するこ
とができる。赤米の玄米または/および精白度の低い赤
米の使用量は、その赤米(玄米)中のタンニン類含有量
および精白度の程度により異なる。原則として有効量存
在すればよいこととなるが、通常赤米等の使用量は、仕
込原料の蒸米の全量に対して約10%以上、好ましくは
約30%以上である。
なお、赤米を仕込原料の一部に用いるときは、残りの仕
込原料は通常の精白米を使用するのは勿論である。
第2の実施態様例は、赤米の色素成分抽出液を仕込水の
一部まだは全部として用いる場合である。
赤米色素抽出液は、仕込水の総eに対して少なくとも1
05以上好ましくは50%以上使用することができる。
この赤米色素抽出液は、酒母育成の時期から醪醗酵工程
中のいずれの時期においても仕込水の一部または全部と
して投入することができる。
ところで、赤米の色素成分抽出液の調製方法は、たとえ
ば (a)赤米の玄米を等倍量ないし約5倍量の水に常温で
数時間ないし一昼夜浸漬したのち固液分離して抽出液(
浸漬水)を得る方法、 (b)赤米の玄米に約20℃以上(好ましくは約60℃
以上)の温水を前記赤米の等倍量ないし5倍量加え、時
々撹拌しながら約30分ないし3時間浸漬・抽出した後
、固液分離して抽出液を得る方法、(C)赤米の玄米に
熱水を前記赤米の等倍量ないし5倍量加え、約5分ない
し30分間煮沸して色素を抽出後、固液分離して抽出液
を得る方法、等によることができる。
第3の実施態様例は、赤米を精白したとき得られる「糠
粉」の糖化液を利用するものである。この赤米の糠粉の
糖化液の調製方法は、赤米を精白する際に得られる「糠
粉」1重量部に対して米麹0.2〜10重量部(好まし
くは0.5〜2重量部)を加え、さらにこの糠粉および
米麹の合計量に対して汲水1〜2倍量を加え、約55℃
で5時間以上かけて糖化する。(糖度:ブリックス示度
約20〜40度)このようにして得られた糖化液を醪容
量に対して5%以上(好ましくは10%以上)を添加す
る。
この糖化液の添加時期は、仕込時または醪醗酵工程中(
添仕込、仲仕込、留仕込)のいずれの時期に投入しても
よいのは勿論、4段仕込にしてもよい。
なお、前記第3実施態様例において、4段仕込など醪醗
酵工程の後期に前記糠糖化液を投入した場合、麹菌酵素
または/および酵母酵素の作用が充分に各種タンニン類
に及ばないために原料中のタンニン類等が発色し得る前
記発色前駆体にまで完全に変化しないで有色酒類の発色
状態が若干低下することがある。このような場合には糠
糖化液の添加N(配合量)を適宜増加するのが好ましい
また、この発明にかかる酒類の製造工程中、前記実施態
様例(1)、同(2)、同(3)のいずれの方法を採用
した場合でも、醗酵中の醪の色は淡黄色ないし微肌色を
呈する。
この発明にかかる有色酒類の製造工程(上槽工程以降は
除く)において、前記各種タンニン類を含有する原料(
赤米)を用いて醸造するという本発明の前記第1特徴の
工程以外は、公知の「製麹工程」、「酒母工程」、「醪
工程」を経て酒類を製造することとなる。なお、前記製
麹工程において、通常利用される菌種アスペルギルス 
オリゼ(八spergillus  oryzae  
)に代えて、有機酸生成能力の強い菌種たとえばアスペ
ルギルス ニガ(Aspergillus  nige
r ) + アスペルギルス カワチ(Aspergi
llus  kawachi ) +  リゾプス屈(
Rhizopus  属)のある種の菌、その他の菌等
を利用して製麹を行うことにより、白ワインなみの酸味
の強い(通常の清酒の2〜3倍量の酸度のある)サワー
タイプのさっばりとした酒類(清酒等)を得ることがで
きる。
上記のようにして得られた醪(淡黄色ないし微肌色)は
、公知の方法により上槽され、酒類(淡黄色)と酒粕と
に分離される。上槽後の酒類(淡黄色)は、この発明の
第2の特徴である発色・色調定着の工程に移される。す
なわち、上槽層は、たとえば光を透過し得る無色透明の
ガラス容器に移され、電磁波たとえば太陽の直接または
間接光。
可視光線、紫外線、赤外線等に照射されて透明で且つ赤
色ないしロゼ色(若干黄色を帯びた赤色〜赤褐色)に発
色・色調定着される。第1図はこの酒類の可視部吸収ス
ペクトルであり、この発明にかかる酒類が500nmに
最大吸収値を有する落着きのある色調のロゼ色(褐色を
含む赤色または若干黄色を帯びた赤色〜赤褐色)である
ことを示唆している。
この上槽層の発色状態は、照射される電磁波(太陽光線
等)の強さおよび照射量に影響される。
照射される光が強い程また照射量が多い程、酒の発色の
進行状態が増大される傾向にある。前記上槽層に太陽光
線の間接光を照射した場合、酒類の発色は数時間でわず
かに発色しはじめ約2日〜50日間で徐々にその色濃度
が増加するので、酒類の色調・色濃度を容易且つ自由に
調整することができる。一方、太陽の直射光線を照射し
た場合、前記上槽層は数十分(約20〜30分)で発色
しはじめ約数時間ないし数日間で色濃度が増加するが、
酒類の色調が黄色ないし褐色に増強帯有されるという変
色の問題等々酒類の品質上の問題が生ずる。
また、紫外線、赤外線は、間接太陽光線や可視光線と比
較してその発色作用が劣る。したがって、この発明の上
槽層に照射する電磁波は、太陽光線の間接光が最適であ
る。
この発明にかかる酒類の有色成分は、タンニン類、タン
ニン類の重合体、タンニン類の誘導体または/およびタ
ンニン類の複合体(糖類・アミノ酸類等とタンニン類と
の complex )のうちから選択された少なくと
も1種の化合物を含んでいる。
そして、前記タンニン類としては、カテキン、カテコー
ルタンニン、フロバフエンなどの存在が認められる。
この発明にかかる酒類が帯有している赤色ないし赤褐色
の色調(ロゼ)は、炭酸ガス等の比較的活性の低いガス
または不活性ガスがその酒類に熔解された場合、極めて
長時間安定であることが判明した。したがって、上槽お
よび発色後、この発明にかかる有色酒類を冷所(約5〜
10℃)で30〜50日間後醗酵させて酒類に炭酸ガス
を含有させるか、または前記有色酒類を約5℃以下に冷
却して炭酸ガスを飽和または充填(約2 kg / c
ni以下)することにより、この発明にかかる酒類の色
調等の変化は極めて少なくて長期間の保存が可能な有色
発泡酒類を得ることができる。また、前記有機酸生産能
力の強い糖化菌種の使用とあいまって、新しいサワータ
イプの有色発泡酒類(たとえば有色発泡清酒等)が実現
される。
また、この発明にかかる酒類の色調(前記有色成分)は
、熱に安定で火入れの工程によっても同等影響を受けな
い。さらにまた、前記有色成分に起因すると考えられる
酒の品質上の影響は、官能テストの結果認められない。
〈この発明の作用および効果〉 この発明は、第1に原料米にタンニン類(当該誘導体、
当該重合体、当該複合体を含む、以下同じ)を含有する
米(赤米など)を使用し、醸造工程において麹菌酵素ま
たは/および酵母酵素の作用により原料中に含まれる前
記タンニン類が電磁波の照射を受けて発色し得る状態り
発色前駆体)にまで変化され、第2に醗酵−を上槽して
得られる酒類に電磁波(太陽光線の間接光など)を照射
することにより、前記発色前駆体が赤系統色(赤色若し
くは赤褐色〜ロゼ色)のタンニン類、タンニン重合体、
タンニン誘導体または/およびタンニン複合体等にまで
さらに変化・発色され、これにより特徴ある前記色調(
赤色若しくは赤褐色〜ロゼ色)に着色された新しいタイ
プの酒類(清酒等)を得る等、発明目的を達成する卓越
した効果を奏する。
さらにまた、この発明にかかる酒類の有色成分は、電磁
波の照射量によりその色調・濃度を簡単に調整すること
ができ、しかも安定である。とくに炭酸ガス等を酒類に
溶解させることにより著しくその安定度が増加するので
、有色の発泡酒類や有i酸多量生産菌を使用したサワー
タイプの有色発泡清酒等の有色発泡酒類への利用が図れ
る等、応用範囲が広(経済価値の高い酒類を提供すると
いう優れた効果をも奏する。
〈実施例〉 (1)原料米の一部に赤米の玄米を利用した醸造例。
原料の一部に赤米(「総社」または「フィリピン天草」
の玄米等)を使用する。製麹工程。
酒母工程、醪醗酵工程の各工程で使用する「蒸米」は、
赤米玄米5重量部と精白米5重量部の割合で混合したも
のを使用する。20日間醍醗酵後上槽して上槽層(1)
(淡黄色)を得る。
(2)赤米の色素抽出液を仕込水の一部に利用した醸造
例。
赤米の色素抽出液は、赤米の玄米1重量部に対して2重
量部の温水(約60℃)を加えて浸漬し1時々撹拌して
色素を約3時間抽出した後。
水層を抽出液とするか、または玄米1重量部に対して2
重量部の熱水(約90℃)を加え時々撹拌しながら約1
0〜20分煮沸して色素を抽出したのち、水層を抽出液
とする。そして、仕込工程において使用する各仕込水は
、前記赤米色素抽出液1重量部と通常仕込水1重量部と
の混合物を使用する。20日間醪醗酵後上槽して上槽酒
(2)(淡黄色)を得る。
(3)「赤米の糠粉」の糖化液を醪中に利用した醸造例
赤米の糠粉(赤米を精白したときに得られる糠粉)2重
量部に対して米麹1重量部と汲水3〜6重量部を加え、
約55℃で5時間ないし8時間糖化して赤米糠粉糖化液
を得る。(糖度:ブリックス示度約30°) 前記赤米糠粉糖化液は、醪工程の醪総量に対して配合量
約30%となるように添加される。20日間醪醗酵後上
槽して上槽酒(3)(淡黄色)を得る。
(4)上槽酒(1)ないしく3)の発色処理例。
前記上槽酒(1)・同(2)・同(3)を各個別に無色
透明のガラス容器にいれて栓をし、室温で太陽光線の間
接光に照射させる。照射時間は1日につき約8時間ない
し10時間とする。前記上槽酒は数時間の照射でわずか
に発色し始め、徐々にその色濃度が増加する。第2図は
太陽光線(間接光)の照射時間と酒類の発色との関係を
示す発色状態別図であり、縦軸は500nmにおける吸
光度、横軸は照射時間(日)示す。なお、この発色状態
は、前記上槽酒(11・同(2)・同(3)において有
意の差は認められない。
(5)炭酸ガスがこの発明の有色酒類の有色成分の安定
性に及ぼす影響の試験例。
供試体(試験物と対照物)の調製方法は、A、試験体:
この発明の有色酒類(電磁波を照射して発色させた後の
酒)に、0℃で 10分間炭酸ガスを熔解させる。
B、対照体:この発明の有色酒類(発色後の酒)に炭酸
ガス溶解処理をしないもの。
を使用する。
前記試験物および対照物は、調製されたのち無色透明の
ガラス容器にいれて栓をし、室温下太陽光線の間接光が
あたる室内で保存される。
酒類の有色成分の安定性の試験方法としては、fal酒
の色調等の変化(黄色ないし褐色の帯有の有無など)を
肉眼で観察することによる方法、山)酒の可視部(50
0nm)における酒の吸光度の変化を測定する方法、 (el酒の可視部吸収スペクトル曲線(または最大吸収
波長)の変化を測定する方法 を採用し、定期的に前記各観測および計測を行う。
第1表は前記(a)の肉眼観察による酒の色調安定度(
変色)試験例の結果を示す。
第1表:有色酒類の色調安定度試験側結果。
注)第1表中、 一:変色を認めず。
±:変色が極くわずか認められる。
(吸光度または可視部の吸収スペクトル曲線との比較に
より変色が確認できる程度)+:変色(黄色ないし褐色
側への変色)が明らかに認められる。
++:変色(橙色ないし褐色への変色)が顕著である。
〔本頁以下余白〕
(6)有色発泡清酒の醸造例(本発明の応用例)。
前記上槽酒(1)・同(2)・同(3)を発色処理後、
5〜10℃の条件下で30日ないし50日間後醗酵させ
て、ロゼ色を呈し且つ発泡タイプの有色発泡清酒を得る
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明にかかる有色酒類の可視部吸収スペク
トル、第2図はこの発明の酒類の発色状態例を示す図で
ある。 特許出願人    奈  良  県 代理人 弁理士  小 松   崇 礎    ツカ□ (500n□6oお。、お、囚 ′f−続補正書用 Of%1161年10月20日 1、事件の表示    睨拝ロ61年特許1頭第170
538号2、発明の名称    有色酒類およびその製
造方法3、補正をする者 事件との関係 特許出願人 住 所   〒630  奈良県奈良市登大路町(番地
なし)代表者  奈良県知事  上  1) 繁  潔
4、代理人 〒530  大阪市北区西天満3丁目4番9号5、 7
ili正命令の日付  ロ訃ロ61年09月030(発
送日  昭和61年09月30日)8、添付書類の目録
  (1)委任状                 
 1通手続補正書(帥 1、!J件の表示    昭和61年特許願第1705
38号2、発明の名称    有色酒類およびその製造
方法3、補正をする者 事件との関係  特許出願人 住  所  〒630  奈良県奈良市登大路町(番地
なし)代表者 奈良県知事上 1)繁 潔 4、代理人 〒530  大阪市北区西天満3丁目4番9号′E :
“、  。 明   細   書 1、発明の名称 有色酒類およびその製造方法 2、特許請求の範囲 ■ 有色成分としてタンニン類とタンニン類の重合体と
タンニン類の誘導体とタンニン類の複合体とからなる化
合物群より選択された1以上の化合物を含有することを
特徴とする有色酒類。 ■ 前記タンニン類は、カテキン、カテコールタンニン
およびフロバフエンより選択された1の化合物の単一物
または2以上の化合物の混合物である特許請求の範囲第
1項記載の有色酒類。 ■ 酒類製造工程において、各種タンニン類を含有する
原料を仕込原料の一部または全部に用いて醸造する工程
と、醗酵した醪を上槽して得られる上槽酒に電磁波を照
射して発色させる工程とを含むことを特徴とする有色酒
類の製造方法。 ■ 前記各種タンニン類は、タンニン類とタンニン類の
重合体とタンニン類の誘導体とタンニン類の複合体とか
らなる化合物群より選択された1の化合物の単一物また
は2以上の化合物の混合物である特許請求の範囲第3項
記載の有色酒類の製造方法。 ■ 前記タンニン類は、カテキン、カテコールタンニン
およびフロバフエンより選択された1の化合物の単一物
または2以上の化合物の混合物である特許請求の範囲第
4項記載の有色酒類の製造方法。 ■ 前記各種タンニン類を含有する原料は、赤米である
特許請求の範囲第3項記載の有色酒類の製造方法。 ■ 前記赤米は、その遺伝子型が(Rc rd )、(
Rc  Rd)、(RcSrd )、(RcSRd)の
うちのいずれかの米である特許請求の範囲第6項記載の
有色酒類の製造方法。 ■ 前記電磁波は、太陽光線の間接光、太陽の直接光、
可視光線、紫外線、または赤外線である特許請求の範囲
第3項記載の有色酒類の製造方法。 3、発明の詳細な説明 〈産業上の利用分野〉 この発明は、醸造および上槽後に電磁波の照射を受けて
はじめて赤色系統の色に発色・定着される新規な酒類(
清酒等)およびその製造方法に関するものである。 〈従来の技術〉 従来の酒(特に清酒界)では、酒の着色を嫌い、製品の
脱色および清澄に精力が注がれてきた。すなわち、従来
の清酒製造工程においては、一般米若しくは醗造好適米
を精白して得た精白米を原料として醸造し、醗酵後の醪
を上槽して得た上槽酒(淡黄色)にさらに所定の脱色剤
くたとえば活性炭素等)や所定の清澄剤(たとえば柿渋
等)のようないわゆる酒質きよう正則を添加し処理をし
て清酒の脱色および清澄をしている。しかし、最近各種
洋酒等の影響や嗜好の変化に伴い、清酒においてもその
ファッション化が要請される傾向にある。 ところが、清酒の製造方法は、酒税法で原料その他が厳
格に規制されているので、製造工程に別途色素等を投入
出来ない。従来の着色酒類の製法は、製麹にモナスカス
属のカビ(例えば、紅麹菌:  Monascus  
anka  等)を利用して紅麹菌に紅色色素を生産さ
せて赤色清酒を醸造する方法、醗酵末期の醪に木灰を加
えて褐変反応を促進させて赤褐色の酒を造る方法、赤色
清酒酵母を用いて桃色にごり酒を製造する方法などがあ
る。その他に最近では、原料に水溶性およびアルコール
可溶性のアントシアン系の赤色色素を含む「席末」を使
用した紅色ないし淡紅色を呈する着色酒類(清酒)の製
造方法(特公昭58−31192号、特開昭58−19
3684号)がある。上記従来の各着色酒類は、いづれ
も醸造工程中または/および上槽時においてすでに着色
された酒が得られるものである。特に、前記着色酒類(
特公昭58−31192号)は、原料に含まれるアント
シアン系の赤色色素等が醸造工程中に麹菌酵素の作用や
酵母の醗酵作用を受けることなくそのまま醪および酒の
中に分散・溶出してその結果−および酒が着色され上槽
時においてすでに着色された酒が得られるというもので
ある。 〈発明が解決しようとする問題点〉 この発明は、発明者らが原料を独自に検索・選定し、そ
の各種原料を使用して独自の有色酒類の製造方法を鋭意
研究した結果完成されたものであって、従来の着色酒と
は全く異なる原料(すなわちアントシアン系の赤色色素
を全く含まないで各種タンニン類を含有する原料たとえ
ば赤米等)を仕込原料の一部または全部に使用して醸造
し、上槽後の酒に電磁波を照射するという従来にはなか
った独自の発色工程を含む新規な製造方法を開発し、こ
れにより従来の着色酒とは色調の異なる全く新しい有色
酒類を得るものである。 すなわち、この発明では、第一に原料米および各種仕込
原料(仕込態様等)について研究され、第二にその原料
を用いて酒類の醸造方法および発色方法等が研究された
結果完成された。この発明にかかる酒類は、醗酵後上槽
して得られる酒(淡黄色)に電磁波を照射してはじめて
透明なロゼ色(若干の黄色を帯有した赤色)に発色され
る。そして、この発明の酒類のロゼ色は、500nm付
近に最大吸収値を有しく第1図参照)品位(品格)と重
厚味(落着き)のある色調を有するものであり、従来の
アントシアン系の色素を含む着色酒類(530nm付近
に最大吸収値を有する赤色が勝った色調すなわち紅色)
とは全くタイプが異なる。これにより現代感覚および嗜
好などにマツチした新規な有色酒類を提供することを目
的とする。 〈問題点を解決するための手段〉 上記目的を達成するために、酒類製造工程において、こ
の発明では酒類の製造方法の第1の特徴として、 仕込原料の一部または全部に各種タンニン類を含有する
原料(たとえば赤米等)を使用し、この原料(赤米等)
に含有される前記各種タンニン類を醸造工程(醪醗酵工
程)で麹菌酵素の作用または/および酵母の醗酵(酵素
)作用等により、電磁波の照射を受けて発色できる状f
i(発色前駆体)に変化させる工程と、 第2の特徴として、 この醗#醪を上槽して得られる淡黄色の上槽酒に太陽光
線(間接光)などの電磁波を照射して、目的とする色調
(赤褐色ないしロゼタイプのいわゆる深みのある赤色系
統の色jJIJ)および色合(色濃度)に発色・定着さ
せる工程 とを含ませることにより、この発明の新規有色酒類を得
ることに成功した。 なお、前記各種タンニン類とは、タンニン類自体のほか
タンニン類の重合体、タンニン類の誘導体およびタンニ
ン類の複合体等からなる化合物群より選ばれた1の化金
物の単−物若しくは2以上の化合物の混合物をいう(以
下同じ)。したがって、この発明の有色酒類の製造方法
の仕込原料の一部または全部に用いられる「各種タンニ
ン類を含有する原料」とは、タンニン類とタンニン類の
重合体とタンニン類の誘導体とタンニン類の複合体等と
からなる化合物群より選ばれた1以上の化合物を含有す
る原料をいう。 第1図に示すように、この発明の有色酒類は、500n
m付近に最大吸収値を有する。この発明にかかる酒類の
有色成分は、タンニン類、タンニン類の重合体、タンニ
ン類の誘導体、タンニン類とアミノ酸や糖類等との複合
体(complex )の中から選択された1の化合物
の単一物または2以上の化合物の混合物である。そして
、前記有色成分が有する色f[(赤褐色ないしロゼ色)
は、必要に応じてこの有色酒類に炭酸ガス等の比較的活
性度の低いガスまたは不活性ガスを溶解させることによ
り、その安定化を図ることができる。かくして、この発
明にかかる有色酒類に炭酸ガス等を溶解処理することに
より、この有色酒類の長期間保存が可能となる。 なお、原料中に含まれる前記各種タンニン類が前述のよ
うに電磁波の作用を受けると発色され得る物質(発色前
駆体)までに変化するメカニズムについては未だ解明さ
れていないが、原料中の前記各種タンニン類は少なくと
も醪醗酵工程中において麹菌酵素の作用または/および
酵母の醗酵(酵素)作用により何等かの変化を受けて前
記発色前駆体になることは確実である。ちなみに、前記
各種タンニン類を含む原料が醪醗酵工程後に投入された
場合、上槽酒は電磁波の照射を受けても発色しない。 この発明に関してさらに詳細に説明する。 この発明に使用される原料は、前記各種タンニン類を含
有するもの(赤米など)を酒類の仕込原料の一部または
全部に用いることができる。この各種タンニン類を含有
する米としては、一般に「赤米」 (総称)(以下単に
「赤米」という)と称されるものが最適である。この「
赤米」は、玄米の果皮と種皮とに各種タンニン類等(つ
まりタンニン類、タンニン類の銹4体、タンニン類の重
合体、タンニン類の複合体等の中から選ばれた1の化合
物の単−物若しくは2以上の化合物の混合物)を構成成
分に含む赤褐色系色素を含有する米であって、この赤米
にはアントシアン系の赤色色素を全く含まないことは公
知文献(北海道大学農学部農場研究報告第23号、 p
H,(1983) )にも明らかにされており、従来の
着色酒類の原料として利用されているアントシアン系の
赤色色素を含む「席末」または「黒紫色米」とは全く遺
伝子型および表現型が異なる。 この発明に使用される原料の「赤米」は、イネの粒色に
関する遺伝子型によっても特定することができる。すな
わち、前記各種タンニン類を含有する「赤米」の遺伝子
型は、(Rc  rd  )、(Rc  Rd  )、
(RcSrd  )、(RcSRd)の各遺伝子型のい
ずれかを有する。したがりて、前記4種の遺伝子型のう
ちのいずれかの遺伝子型を有する米であれば、野性種と
在来種と新しく育成された品種との如何を問わず、この
発明の有色酒類の仕込原料米の一部または全部として利
用できる。前記赤米が含有する主なタンニン類は、カテ
キン、カテコールタンニンまたは/およびフロバフエン
等である。 この発明の原料米として利用できる前記遺伝子型を有す
る赤米の具体例(慣用名、通称または俗称等)は、「総
社」、「フィリピン天草」、「Chiem chanh
 J、r Hatadani J、rcol /Nep
a11539 J、rBertone J、「観音仙」
、「海南島」、「赤毛3」、「赤緒(黒石)」、「赤う
んちく」、rAs46J、rB、J、I J、rDK 
1−13 J、[T−246J 、 rcol  /K
AGOS旧’MA  J 、 rsTIRPEROUG
E  I  J  、  rcol  /MIYAZA
KI J  、  rTOYAMAJ  、rcol 
 /NAGASAKIJ  、  rIIUNGsAK
    KESAMBIKJ  、rllawara 
 gepoek IJ、「ソヨーリー」、「天落租 A
」、「薬^(ヤカン)」、rRIKUTOU八にAGO
ME D J等々が例示できる。 前記「赤米」は、前述のように果皮および種皮に各種タ
ンニン類が蓄積されているために玄米の色が褐色を帯有
している。そして、赤米は、野性種や栽培種等により異
なるが、通常約9〜11%精米処理(精米歩合約91〜
89%)されると、前記各種タンニン類等の色素成分を
含む果皮および種皮が取り除かれる。したがって、赤米
が一般的な清酒醸造用に精米歩合約70%にまで精白さ
れると、通常の醸造精白米と同様になる。そこで、この
発明の有色酒類を製造(i造)する前記第1特徴の工程
、つまり各種タンニン類を含有する原料(赤米等)を仕
込原料の一部または全部に用いて醸造する工程には、つ
ぎの3つの実施態様例が可能である。 第1の実施態様例は、仕込原料の一部または全部に赤米
の玄米または/および精白度の低い赤米(つまり前記各
種タンニン類が蓄積された層を残した状態の精白度〈約
90%以上の精米歩合〉の赤米)を用いる場合である。 赤米の玄米または/および精白度の低い赤米は、製造工
程のうち製麹工程、酒母工程または/および醪工程の各
工程中に用いられる「蒸米」の一部または全部として使
用することができる。赤米の玄米または/および精白度
の低い赤米の使用量は、その赤米(玄米)中の各種タン
ニン類含有量および精白度の程度により異なる。原則と
して有効量存在すればよいこととなるが、通常赤米等の
使用量は、仕込原料の蒸米の全量に対して約10%以上
、好ましくは約30%以上である。なお、赤米を仕込原
料の一部に用いるときは、残りの仕込原料は通常の精白
米を使用するのは勿論である。 第2の実施態様例は、赤米の各種タンニン類等・色素成
分抽出液(以下「各種タンニン順環抽出液」という)を
仕込水の一部または全部として用いる場合である。赤米
の各種タンニン順環抽出液は、仕込水の総量に対して少
な(とも10%以上好ましくは50%以上使用すること
ができる。この赤米の各種タンニン順環抽出液は、酒母
育成の時期から醪醗酵工程中のいずれの時期においても
仕込水の一部または全部として投入することができる。 ところで、赤米の各種タンニン順環抽出液の調製方法は
、たとえば (al赤米の玄米を等倍量ないし約5倍量の水に常温で
数時間ないし一昼夜浸漬したのち固液分離して抽出液(
浸漬水)(つまり赤米の各種タンニン順環抽出液)を得
る方法、 (bl赤米の玄米に約20℃以上(好ましくは約60℃
以上)の温水を前記赤米の等倍量ないし5倍量加え、時
々撹拌しながら約30分ないし3時間浸漬・抽出した後
、固液分離して赤米の各種タンニン順環抽出液を得る方
法、 (C1赤米の玄米に熱水を前記赤米の等倍量ないし5倍
量加え、約5分ないし30分間煮沸して各種タンニン類
等・色素成分を抽出後、固液分離して赤米の各種タンニ
ン順環抽出液を得る方法、等によることができる。 第3の実施態様例は、赤米を精白したとき得られる「糠
粉」の糖化液を利用するものである。この赤米の糠粉の
糖化液のm製方法は、赤米を精白する際に得られる「糠
粉」1重量部に対して米麹0.2〜lOM量部(好まし
くは0.5〜2重量部)を加え、さらにこの糠粉および
米麹の合計量に対して汲水1〜2倍量を加え、約55℃
で5時間以上かけて糖化する。(糖度:ブリックス示度
約20〜40度)このようにして得られた糖化液を醪容
量に対して5%以上(好ましくは10%以上)を添加す
る。 この糖化液の添加時期は、仕込時または醪醗酵工程中(
添仕込、仲仕込、留任込)のいずれの時期に投入しても
よいのは勿論、4段仕込にしてもよい。 なお、前記第3の実施態様例において、4段仕込など醪
醗酵工程の後期に前記糠糖化液を投入した場合、麹菌酵
素の作用または/および酵母の醗酵(f#素)の作用が
充分に各種タンニン類に及ばないために原料中の各種タ
ンニン類等が発色し得る前記発色前駆体にまで完全に変
化しないで有色酒類の発色状態が若干低下することがあ
る。このような場合には糠糖化液の添加量(配合量)を
適宜増加するのが好ましい。 また、この発明にかかる酒類の製造工程中、前記第1の
実施態様例、第2の実施態様例および第3の実施態様例
のいずれの方法を採用した場合でも、醗酵中の醪の色は
淡黄色ないし微肌色を呈する。 この発明にかかる有色酒類の製造工程(上槽工程以降は
除く)において、前記各種タンニン類を含有する原料(
たとえば赤米等)を用いて醸造するという本発明の前記
第1特徴の工程以外は、公知の「製麹工程」、「酒母工
程」および「醪工程」を経て酒類を製造することとなる
。なお、前記製麹工程において、通常利用される菌種ア
スペルギルス オリゼ(Aspergillus  o
ryzae  )に代えて、有機酸性成能力の強い菌種
たとえばアスペルギルス ニガ(Aspergillu
s  n1Ber ) 、アスペルギルス リゾプス属(  Rhizopus  属)のある種の
菌、その他の菌等を利用して製麹を行うことにより、白
ワインなみの酸味の強い(通常の清酒の2〜3倍量の酸
度のある)サワータイプのさっばりとした酒類(清酒等
)を得ることができる。 上記のようにして得られた醪(淡黄色ないし微肌色)は
、公知の方法により上槽され、酒類(淡黄色)と酒粕と
に分離される。上槽後の酒類(淡黄色)は、この発明の
第2の特徴である発色・色調定着の工程に移される。す
なわち、上槽酒は、たとえば光を透過し得る無色透明の
ガラス容器に移され、電磁波たとえば太陽の直接光、太
陽の間接光、可視光線、紫外線、赤外線等に照射されて
上槽酒の色は淡黄色から透明で且つ赤色ないしロゼ色(
若干黄色を帯びた赤色ないし赤褐色)に発色・色調定着
される。第1図はこの発明にかかる酒類(発色後)の可
視部吸収スペクトルであり、この発明にかかる酒類が5
00nmに最大吸収値を有する落着きのある色調のロゼ
色(褐色を帯びた赤色または若干黄色を帯びた赤色ない
し赤褐色)であることを示唆している。 この上槽酒の発色状態は、照射される電磁波(太陽光線
等)の強さおよび照射量に影響される。 照射される光が強い程また照射量が多い程、酒の発色の
進行状態が増大される傾向にある。前記上槽酒に太陽光
線の間接光を照射した場合、酒類の発色は数時間でわず
かに発色しはじめ約2日〜50日間で徐々にその色濃度
が増加するので、酒類の色調・色濃度を容易且つ自由に
調整することができる。一方、太陽の直射光線を照射し
た場合、前記上槽酒は数十分く約20〜30分)で発色
しはじめ約数時間ないし数日間で色濃度が増加するが、
酒類の色調が黄色ないし褐色に増強帯有されるという変
色の問題等々酒類の品質上の問題が生ずる。 また、紫外線および赤外線は、間接太陽光線や可視光線
と比較してその発色作用が劣る。したがって、この発明
の上槽酒に照射する電磁波は、太陽光線の間接光が最適
である。 この発明にかかる酒類の有色成分は、タンニン類、タン
ニン類の重合体、タンニン類の誘導体または/およびタ
ンニン類の複合体(糖類・アミノ酸類等とタンニン類と
の complex )の中から選択された少なくとも
1以上の化合物を含んでいる。 そして、前記タンニン類としては、カテキン、カテコー
ルタンニン、フロバフエンなどの存在が認められる。 この発明にかかる酒類が帯有している赤色ないし赤褐色
の色調(ロゼ)は、炭酸ガス等の比較的活性の低いガス
または不活性ガスがその酒類に溶解された場合、極めて
長時間安定であることが判明した。したがって、上槽お
よび発色後、この発明にかかる有色酒類を冷所(約5〜
10℃)で30〜50日間後醗酵させて酒類に炭酸ガス
を含有させるか、または前記有色酒類を約5℃以下に冷
却して炭酸ガスを飽和または充填(約2kg/cot以
下)することにより、この発明にかかる酒類の色調等の
変化は極めて少なくて長期間の保存が可能な有色発泡酒
類を得ることができる。また、前記有機酸生産能力の強
い糖化菌種の使用とあいまって、新しいサワータイプの
有色発泡酒類(たとえば有色発泡清酒等)が実現される
。 また、この発明にかかる酒類の色調(前記有色成分)は
、熱に安定で火入れの工程によっても同等影響を受けな
い。さらにまた、前記有色成分に起因すると考えられる
酒の品質上の影響は、官能テストの結果認められない。 〈この発明の作用および効果〉 この発明は、第1に仕込原料の一部または全部に各種タ
ンニン類(つまりタンニン類、タンニン類の重合体、タ
ンニン類の誘導体および当該複合体等の中から選ばれた
1の化合物の単一物または2以上の化合物の混合物、以
下同じ)を含有する原料(たとえば赤米など)を使用し
、醸造工程において麹菌酵素の作用または/および酵母
の醗酵(酵素)の作用により原料中に含まれる前記各種
タンニン類が電磁波の照射を受けて発色し得る状態(発
色前駆体)にまで変化され、第2に醗酵醪を上槽して得
られた淡黄色を呈する酒類に電磁波(太陽光線の間接光
など)を照射することにより、前記発色前駆体が赤系統
色(赤色若しくは赤褐色ないしロゼ色)を呈するタンニ
ン類、タンニン類の重合体、タンニン類の誘導体または
/およびタンニン類の複合体等(有色成分)にまでさら
に変化・発色され、これにより特徴ある前記色調(赤色
若しくは赤褐色ないしロゼ色)に着色された新しいタイ
プの酒類(清酒等)を得る等、発明目的を達成する卓越
した効果を奏する。 さらにまた、この発明にかかる酒類の有色成分は、電磁
波の照射量によりその色調・濃度を簡単に調整すること
ができ、しかも安定である。とくに炭酸ガス等を酒類に
熔解させることにより著しくその安定度が増加するので
、有色の発泡酒類や有機酸多量生産菌を使用したサワー
タイプの有色発泡清酒等の有色発泡酒類への利用が図れ
る等、応用範囲が広く経済価値の高い酒類を提供すると
いう優れた効果をも奏する。 〈実施例〉 (1)原料米の一部に赤米の玄米を利用した醸造例。 原料の一部に赤米(「総社」または「フィリピン天草」
の玄米等)を使用する。製麹工程。 酒母工程、醪醗酵工程の各工程で使用する「蒸米」は、
赤米玄米5重量部と精白米5重量部の割合で混合したも
のを使用する。20日間醪醗酵後上槽して上槽酒(1)
(淡黄色)を得る。 (2)赤米の各種タンニン順算抽出液を仕込水の一部に
利用した醸造例。 赤米の各種タンニン順算抽出液は、赤米の玄米1重量部
に対して2重量部の温水(約60℃)を加えて浸漬し、
時々撹拌して赤米の各種タンニン類等・色素成分を約3
時間抽出した後、液層を各種タンニン順算抽出液とする
か、または玄米1重量部に対して2重量部の熱水(約9
0°C)を加え時々撹拌しながら約10〜20分煮沸し
て赤米の各種タンニン類等・色素成分を抽出した後、液
層を各種タンニン順算抽出液とする。そして、仕込工程
において使用する各仕込水は、赤米の前記各種タンニン
順環抽出液1重量部と通常仕込水1重量部との混合物を
使用する。20日間醪醗酵後上槽して上槽酒(2)(淡
黄色)を得る。 (3)「赤米の糠粉」の糖化液を醪中に利用した醸造例
。 赤米の糠粉(赤米を精白したときに得られる糠粉)2重
量部に対して米麹1重量部と汲水3〜6重量部を加え、
約55℃で5時間ないし8時間糖化して赤米糠粉糖化液
を得る。(糖度:ブリックス示度約30°) 前記赤米糠粉糖化液は、醪工程の醪総量に対して配合量
的30%となるように添加される。20日間醪醗酵後上
槽して上槽酒(3)(淡黄色)を得る。 (4)上槽酒(1)、上槽酒(2)および上槽酒(3)
の発色処理例。 前記上槽酒(11、上槽酒(2)および上槽酒(3)を
各個別に無色透明のガラス容器にいれて栓をし、室温で
太陽光線の間接光に照射させる。照射時間は1日につき
約8時間ないし10時間とする。 淡黄色を呈した前記上槽酒(1)、上槽酒(2)および
上槽酒(3)は数時間の照射でわずかに赤色ないしロゼ
色に発色し始め、徐々にその色濃度が増加する゛。第2
図は太陽光線(間接光)の照射時間と酒類の発色との関
係を示す発色状態別図であり、縦軸は500nmにおけ
る吸光度を示し、横軸は照射時間(日)を示す。なお、
この発色状態は、前記上槽酒(1)、上槽酒(2)およ
び上槽酒(3)において有意の差は認められない。 (5)炭酸ガスがこの発明の有色酒類の有色成分の安定
性に及ぼす影響の試験例。 供試体(試験物と対照物)の調製方法は、A、試験体:
この発明の有色酒類(電磁波を照射して発色させた後の
酒)に、0℃で 10分間炭酸ガスを溶解させる。 B、対照体:この発明の有色酒類(発色後の酒)に炭酸
ガス溶解処理をしないもの。 を使用する。 前記試験物および対照物は、tJtit製されたのち無
色透明のガラス容器にいれて栓をし、室温上太陽光線の
間接光があたる室内で保存される。 酒類の有色成分の安定性の試験方法としては、(a)酒
類の色調等の変化(黄色ないし褐色の帯有の有無など)
を肉眼で観察することによる方法、 (bl酒類の可視部(500nm)における吸光度の変
化を測定する方法、 fc)酒類の可視部吸収スペクトル曲線(または最大吸
収波長)の変化を測定する方法 を採用し、定期的に前記各観測および計測を行う。 第1表は前記(alの肉眼観察による酒類の色調安定度
(変色)試験例の結果を示す。 〔本頁以下余白〕 第1表:有色酒類の色調安定度試験側結果。 〔本頁以下余白〕 (6)有色発泡清酒の醸造例(本発明の応用例)。 前記上槽酒(11、上槽酒(2)および上槽酒(3)を
発色処理後、5〜10℃の条件下で30日ないし50日
間後醗酵させて、ロゼ色を呈し且つ発泡タイプの有色発
泡清酒を得る。 4、図面の簡単な説明 第1図はこの発明にかかる有色酒類の可視部吸収スペク
トル、第2図はこの発明の酒類の発色状態例を示す図で
ある。 特許出願人    奈  良  県 代理人 弁理士  小 松   崇 手続補正書彷力 昭和63年04月21日 補庁長官小用邦夫殿       ( 1、事件の表示    昭和61年特許願第17053
8号2、発明の名称    有色酒類およびその製造方
法3、 7ili正をする者 事件との関係  特許出願人 住  所    〒630  奈良県奈良市登大路町(
番地なし)代表者 奈良県知事 上  1) 繁 潔4
、代理人 〒530  大阪市北区西天満3丁目4番9号6、補正
の対象    昭和62年10月12日付のη得証書の
    、′・□・′8、商寸書類の目録 (1)昭和62年10月12日付の手続補正書の差出書
   1通手続補正書(0如 昭和62年10月12日

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)有色成分としてタンニン類、タンニン類の重合体
    、タンニン類の誘導体およびタンニン類の複合体から選
    択された少なくとも1種の化合物を含有することを特徴
    とする有色酒類。
  2. (2)前記タンニン類は、カテキン、カテコールタンニ
    ン、フロバフェンより選択された少なくとも1種を含む
    ものである特許請求の範囲第1項記載の有色酒類。
  3. (3)酒類製造工程において、タンニン類を含有する原
    料を仕込原料の一部または全部に用いて醸造する工程と
    、醗酵した醪を上槽して得られる上槽酒に電磁波を照射
    して発色させる工程とを含むことを特徴とする有色酒類
    の製造方法。
  4. (4)前記タンニン類は、カテキン、カテコールタンニ
    ン、フロバフェンおよび当該重合体、当該誘導体、当該
    複合体からなる群より選択された少なくとも1種の化合
    物を含むものである特許請求の範囲第3項記載の有色酒
    類の製造方法。
  5. (5)前記タンニン類を含有する原料は、赤米である特
    許請求の範囲第3項の有色酒類の製造方法。
  6. (6)前記赤米は、その遺伝子型が(Rc rd)、(
    Rc Rd)、(Rc^s rd)、(Rc^s Rd
    )のうちのいずれかの米である特許請求の範囲第5項記
    載の有色酒類の製造方法。
  7. (7)前記電磁波は、太陽光線である特許請求の範囲第
    3項記載の着色酒類の製造方法。
JP61170538A 1986-07-18 1986-07-18 有色酒類の製造方法 Granted JPS63240771A (ja)

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