JPH01257467A - 着色アルコール飲料の製造方法 - Google Patents

着色アルコール飲料の製造方法

Info

Publication number
JPH01257467A
JPH01257467A JP63007329A JP732988A JPH01257467A JP H01257467 A JPH01257467 A JP H01257467A JP 63007329 A JP63007329 A JP 63007329A JP 732988 A JP732988 A JP 732988A JP H01257467 A JPH01257467 A JP H01257467A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fermentation
various
colored
tannin
alcoholic beverage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP63007329A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH051709B2 (ja
Inventor
Shinsuke Yamanaka
信介 山中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nara Prefecture
Original Assignee
Nara Prefecture
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nara Prefecture filed Critical Nara Prefecture
Priority to JP63007329A priority Critical patent/JPH01257467A/ja
Publication of JPH01257467A publication Critical patent/JPH01257467A/ja
Publication of JPH051709B2 publication Critical patent/JPH051709B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
  • Alcoholic Beverages (AREA)
  • Distillation Of Fermentation Liquor, Processing Of Alcohols, Vinegar And Beer (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この発明は、着色アルコール飲料の製造方法に関し、特
に醸造後の醗酵生産物に電磁波を照射してはじめて赤色
系統の色に発色・定着される新規な着色アルコール飲料
の製造方法に関するものである。
〈従来の技術〉 各種アルコール飲料の製造方法は、関連法規により原料
その他が厳格に規制されており、着色アルコール飲料を
製造するのに製造工程中別途色素等を添加できない。従
来の着色アルコール飲料は、原料に含まれる赤色系色素
をそのまま醗酵・醸造工程中に分散・溶出させるもので
ある。従来からある各種着色アルコール飲料のうち、た
とえば、赤ぶどう酒の場合には、原料の葡萄果実の果皮
に含まれる色素が醗酵・醸造中に当該ぶどう酒中にその
まま溶出するものである。また、最近の赤色系着色清酒
では原料にアントシアン系の赤色色素を含有する有色米
(席末)を使用し、前記アントシアン系の赤色色素が醸
造工程中に麹菌の作用および酵母の作用を受けることな
くそのまま醪および酒中に分散・溶出してその結果醪お
よび酒が赤色系の色に着色されるものがある。(特公昭
59−31192号)また、その外に着色清酒の製法と
して、製麹に紅色の色素を生産するカビ(例えば紅麹菌
: Monascus  anka  )を使用したり
、酒母に赤色色素を生産する酵母菌(たとえばロドトル
ラ属=Rhdotorula属、アデニン要求性酵母(
特公昭59−23788号)など)を使用するものがあ
る。また、清酒以外の着色酒として醗酵末期の醪に木灰
を加えて褐変反応を促進させて赤褐色の酒を製造する方
法などがある。前記各製法に基づく赤色系着色酒類は、
いずれも酒類を搾った時点ですでに赤色系の色(ピンク
ないし赤褐色)に着色している。
〈発明が解決しようとする問題点〉 この発明は、発明者が独自の着色アルコール飲料の製造
方法を鋭意研究した結果完成されたものであって、従来
の着色酒類とは全(異なる発色原理に基づき赤色系統の
色に着色されたアルコール飲料を製造する方法である。
すなわち、醗酵・醸造工程で利用する麹菌酵素の作用若
しくは酵母の醗酵(酵素)作用等々のいずれか一方の作
用、またはこれらの両方の作用、或いは麹菌若しくは酵
母菌などの微生物生産物の反応作用、さらにはこれらの
微生物生産物の触媒作用等々により、前記醗酵・醸造工
程中にもう一つの原料である各種タンニン類に作用して
当該各種タンニン類が電磁波の照射を受けて初めて赤色
系統の色に発色・定着できる状!3(発色前駆体)まで
に変化することを発見したことに基づき、この発明は完
成されたものである。そして、この発明にかかる着色ア
ルコール飲料は、500nm付近に最大吸収波長を有し
、視覚的には赤色ないし赤褐色ないし褐色のロゼタイプ
の色調を呈するものであり、品位(品格)と重厚味(落
着き)のある色調を有し、従来のアントシアン系の赤色
色素を含む着色酒類(530nm付近に最大吸収波長を
有する赤色が勝った色調すなわち紅色)とは全くタイプ
が異なる。これにより、この発明は、現代的な感覚およ
び現代的な嗜好などにマツチした新規な着色酒類を提供
することを目的とするものである。
く問題点を解決するための手段〉 上記目的を達成するために、この発明では、アルコール
飲料製造工程において、 第1の特徴として、 糖質と、各種タンニン類若しくは各種タンニン類釡有物
質とを原料に用いて麹菌および酵母菌の存在下で醗酵・
醸造し、前記糖質を酵母菌の作用によりアルコールに変
化させるとともに、一方、前記各種タンニン類を醸造工
程(醗酵工程)で麹菌酵素の作用若しくは酵母の醗酵(
酵素)作用等のいずれか一方の作用、またはこれらの両
者の作用、或いは麹菌若しくは酵母菌などの微生物生産
物の反応作用、さらにはこれらの微生物生産物の触媒作
用等々により、電磁波の照射を受けて初めて赤色系統の
色に発色・定着できる状!3(発色前駆体)にまで変化
させる工程と、 第2の特徴として、 前記醗酵・醸造後の無色ないし淡黄色の醗酵生産物(好
ましくは当該醗酵生産物を搾って得た無色ないし淡黄色
で透明の醗酵液)に太陽光線などの電磁波を照射して、
目的とする色調(赤色ないし赤褐色ないし褐色のロゼタ
イプのいわゆる深みのある赤色系統の色調)および色合
(色濃度)に発色・定着させる工程 とを含ませることにより、この発明の新規着色アルコー
ル飲料を製造することに成功した。
まず、この発明で利用できる糖質は、原則的には醗酵性
の糖質が利用できる。たとえば、単IJi類としてはグ
ルコース、フラクトース、ガラクトース、マンノース等
が、少糖類(三糖類等)としてはシェークロース、マル
トース等が、多糖類としては澱粉等が例示できる。前記
澱粉としては、植物の種子、塊根、果実その他に蓄積さ
れるものが利用でき、たとえば、米、麦、トウモロコシ
、粟、稗、蕎麦等の穀類、馬鈴薯、せ薯等の芋類、栗等
の果実類等が例示できる。菜類は後述の各種タンニン類
が菜類の果皮中に多量含まれているので好適である。さ
らには、この発明の原料の糖質には果実酒類(ワイン類
)の原料となる前記糖質を含有している果汁、たとえば
ブドウ果汁、柑橘類の果汁、キウィ果汁、リンゴ果汁、
柿果汁等も利用できる。柿果汁やリンゴ果汁には前記菜
類と同様 □その各果汁中に各種タンニン類が含まれる
ので好適である。なお、一般に利用できる糖質は、前記
例示に限定されないのは勿論である。
また、この発明の原料として少糖類または澱粉等の多糖
類を利用する場合は、各構成単糖とする必要がある。す
なわち、少糖類は酵素作用または微生物作用により単糖
化し、澱粉は蒸煮および単糖化したものを用いることが
肝要である。なお、澱粉の糖化は麹菌等の微生物による
もの、またはその他の酵素によるものでも良いのは勿論
であり、糖化方法などは通常の酒類製造工程その他で使
用する公知の方法が利用できる。また、前記澱粉を蒸煮
するのは、麹菌酵素の作用を容易にするためである。
つぎにこの発明で利用できる各種タンニン類としては、
ピロガロールタンニン、カテコールタンニン等、これら
の各種タンニン類の重合体、これら各種タンニン類の縮
合体、これら各種タンニン類の誘導体、これら各種タン
ニン類の複合体からなる化合物群より選択されたlの化
合物の単一物または2以上の化合物の混合物等が利用で
きる。
利用できる各種タンニン類としては、カテコールタンニ
ン、カテキン、ロイコアントシアニン、ロイコデルフィ
ニジン、フロバフエンなどを含有スるものが好ましい。
そして、この発明で利用する態様としては、■前記各種
タンニン類を含有する原料(物質)、たとえば植物の樹
皮、枝幹、葉、果実、果肉、根、根皮、地下茎、材、心
材等の破砕物を醗酵・醸造工程中において直接投入し、
各種タンニン類を当該醗酵・醸造工程において醗酵物中
に抽出すると同時に前記発色前駆体に変化させる方式で
も良いし、■これらの各種タンニン類を含有する原料つ
まり前記各種植物組織から水若しくは温水若しくは熱水
、または酸性若しくはアルカリ性溶液、または有機溶剤
(エタノールなど)であらかじめ抽出して得た各種タン
ニン類等抽出液を使用し、醗酵・醸造工程中においてこ
の各種タンニン類等抽出液を投入する方式であっても良
い。
各種タンニン類を含有する原料(物質)としては、原則
的には通常のタンニン資源が利用できる。
そして、各種タンニン類を含有する原料(物質)の具体
例のうち、たとえば、主としてカテキンを含有する原料
としては、茶、新鮮な茶菓、ブドウ種子、栗の果実、リ
ンゴ果実、柿の果実、ハギ(Lespedeza  )
植物の種子、ラジアータマッ(Pinus  Radi
ata  D、  Don  ) 、サラカ樹(Sar
aca  ashoka  ) 、モクマオウ(Cas
uarinaequisetifolia  )の果実
と木部、ベイツガ、ヤナギ(5alix  5iebo
ldiana  ) 、トチツキ(Aesculus 
 california  Nutt  ) 、ケヤマ
ハンノキ、ハンノキ、カカオ豆、ヤマノイモ、コーヒー
、オオムギ、オオムギの麦芽、赤米、アズキ、サヤエン
トウ、ビンロウジ、ツツジ科コケモモ属果実、マツ科樹
皮、アセンヤク、シャクヤク、イチゴ果汁、リンゴ果汁
などが例示できる。また各種タンニン類としては、シッ
プシス属の樹木から採取されるケプラチョ、アカシア属
の植物の樹皮から採取されるワラトル樹皮またはミモザ
樹皮、クリ属の植物の樹皮から採取されるチェスナツト
(クリ)タンニン、アカシア属の植物の心材から採取さ
れるカテキュー(阿仙薬)、リゾフォラ属。
ケリオプス屈などの植物の樹皮から採取されるマングロ
ーブカッチ、アカネ科ウンカリア・ガンビルの葉および
若芽から採取されるガンビル(元画仙薬)、ウルシ属の
植物から採取されるスマソク、カシのエギープスの植物
の果実から採取されるバロニア、テルミナリア属植物の
果肉から採取されるミロバラン、ユーカリ属のオンキデ
ンタリスの植物の樹皮から採取されるマレット樹皮等々
が利用できる。その他のタンニン類として柿渋なとも利
用できる。なお、原料の各種タンニン類および各種タン
ニン類含有物質は、前記例示に限定されないのは勿論で
ある。
前記各種タンニン類の利用量は、醗酵・醸造工程中の原
料の総量に対してlO〜1 、000ppa+が利用で
き、特に、50〜300ppmが好適である。
この発明で利用できる麹菌は、通常アスペルギルス オ
リゼ(Aspergillus  oryzae  )
が最も好ましく、その他に有機酸生成能力の強い菌種た
とえばアスペルギルス ニガ(Aspergillus
niger  ) 、アスペルギルス カワチ(Asp
ergillus  kawachi  )、リゾプス
属(Rhizoprs  属 )のある種の菌、その他
の菌等々を利用することができる。有機酸生成能力の強
い菌種を利用するときは、サワータイプのアルコール飲
料を得るのに好適である。そして、この麹菌を「麹」と
して利用する態様は、米麹、麦麹、フスマ麹、米糠麹、
豆麹などとして利用することができる。なかでもアルコ
ール飲料の最終製品の品質等に鑑がみ、米麹が最適であ
る。そして、この「麹」の使用量は醗酵・醸造総量に対
←て約5〜100 wt%が利用でき、好ましくは約1
0〜50−t%の麹を利用するのが良い。なお、利用で
きる麹菌および麹の使用態様は、前記例に限定されない
のは勿論である。
この発明で利用できる酵母菌は、醗酵性の酵母であれば
利用できる。たとえば、サツカロミセス属の酵母菌であ
る。
この発明で利用できる醗酵・醸造工程には、−般の酒類
(清酒、ビール、ワイン、焼酎など各種酒類)の製造方
法で利用される公知の醗酵・醸造方法を利用することが
できる。
この発明にかかる着色アルコール飲料の製造工程におい
て、原料に糖質のほか、各種タンニン類または各種タン
ニン類含有物質を原料に用い、麹菌および酵母菌の存在
下において醗酵・醸造するという前記第1特徴の醸造工
程および醗酵・醸造後の醗酵生産物に電磁波を照射して
発色させるという前記第2特徴の発色工程以外は各種酒
類(アルコール飲料)の公知の製造工程を経てこの発明
のアルコール飲料を製造することとなる。
第1図に示すように、この発明の着色アルコール飲料は
、500止付近に最大吸収値を有する。この発明にかか
る着色アルコール飲料の着色成分は、各種タンニン類、
各種タンニン類の重合体、各種タンニン類の縮合体、各
種タンニン類の誘導体、各種タンニン類とアミノ酸や糖
類との複合体(coa+plex  )の化合物群の中
から選択された1の化合物の単一物または2以上の化合
物の混合物等である。そして、前記各種タンニン類とし
ては、カテキン、ロイコアントシアニン、ロイコデルフ
ィニジン、カテコールタンニン、フロバフエンなどの存
在が認められる。また、前記着色成分が有する色調(赤
褐色ないしロゼ色)は、必要に応じてこの着色アルコー
ル飲料に炭酸ガスなどの比較的活性度の低いガスまたは
不活性ガスを熔解させることにより、当該着色アルコー
ル飲料の色調の安定化を図ることができる。このように
、この発明にかかる着色アルコール飲料に炭酸ガス等を
熔解処理することにより、この着色アルコール飲料の長
期保存が可能となる。
この発明の着色アルコール飲料の発色工程は、前記醗酵
・醸造工程で得られた醗酵生産物そのまま若しくは当該
醗酵生産物を固液分離した後の無色ないし淡黄色で透明
の液(醗酵液)をガラス容器にいれて、電磁波たとえば
太陽の間接光、太陽の直接光、可視光線、赤外線、紫外
線等を照射をすることにより、醗酵液は殆ど無色ないし
淡黄色で透明のアルコール飲料から透明で且つ赤色なし
いロゼ色(若干黄色を帯びた赤色ないし赤褐色)に発色
・定着される。第1図はこの発明にかかるアルコール飲
料(発色後)の可視部吸収スペクトルであり、500n
m付近にその最大吸収値を有する落着きのある色調のロ
ゼ色であることを示唆している。なお、この電磁波の照
射は、醗酵生産物全体に対してするよりも、固液分離し
た後の醗酵液に対して照射した方が電磁波の照射が均一
となり発色に好適である。
この醗酵液の発色は、照射される電磁波(太陽光線など
)の強さおよび照射量に影響される。照射される光が強
い程また照射量が多い程、アルコール飲料の発色の進行
状態が増大される傾向にある。第2図は、前記醗酵液に
太陽の間接光を照射したときのアルコール飲料の発色状
態例を示す図である。前記醗酵液に太陽光線の間接光を
照射した場合、醗酵液の発色は数時間でわずかに発色し
はじめ、約2〜50日間で徐々にその色濃度が増加する
ので、アルコール飲料の色調・色濃度を容易且つ自由に
調整することができる。一方、太陽光線の直射光線を照
射した場合、前記醗酵液は数十分(約20〜30分)で
発色しはじめ約数時間ないし数日間で色濃度が増加する
が、アルコール飲料の色調が黄色ないし褐色に増強帯有
されるという変色の問題等着色アルコール飲料の品質上
の問題が生ずる。また紫外線および赤外線は、間接太陽
光線や可視光線と比較してその発色作用が劣るうえ、ア
ルコール飲料の品質に対する影響も少なくないので、こ
の醗酵液に照射する電磁波は、太陽光線の間接光が最適
である。なかでも、青色系統の可視光線が発色処理に特
に有効である。
なお、原料として用いた各種タンニン類が前述のように
醗酵・醸造後には電磁波の作用を受けると発色され得る
物質(発色前駆体)までに変化するメカニズムについて
はまだ解明されていないが、原料中の前記各種タンニン
類は少なくとも醗酵・醸造工程中において麹菌酵素の作
用若しくは6ゲ母の醗酵(酵素)作用のいずれか一方の
作用または両者の作用、あるいは麹菌若しくは酵母菌な
どの微生物生産物の反応作用、さらには微生物生産物の
触媒作用等々により何らかの変化を受けて前記発色前駆
体になることは確実である。ちなみに、前記各種タンニ
ン類を醗酵・醸造工程後に没入した場合、醗酵液は電磁
波の照射を受けても発色しない。
〈この発明の作用および効果〉 この発明は、原料として糖質の他に添加された各種タン
ニン類が麹菌および酵母菌存在下における醗酵・醸造工
程中に麹菌酵素の作用若しくは酵母の醗酵(酵素)作用
のいずれか一方の作用または両者の作用、あるいは麹菌
若しくは酵母菌などの微生物生産物の反応作用、さらに
は微生物生産物の触媒作用等により何らかの変化を受け
て前記発色前駆体になり、その結果醗酵・醸造後に当該
醗酵生産物を搾って得られる殆ど無色ないし淡黄色で透
明の醗酵液に電磁波(太陽光線の間接光など)を照射す
ることにより、前記発色前駆体が赤色系統色(赤色ない
し赤褐色ないしロゼ色)を呈する物質にまで変化・発色
され、これにより特徴ある前記色調(赤色ないし赤褐色
ないしロゼ色)に着色された新しいタイプの着色アルコ
ール飲料を得る等、発明目的を達成する顕著な効果を奏
する。
さらにまた、この発明にかかる着色アルコール飲料の着
色成分は、電磁波の照射量によりその色調・濃度を簡単
に調整することができ、しかも安定である。とくに、炭
酸ガスなどを溶解させることにより著しくその安定度が
増加するので、着色の発泡アルコール飲料や有機酸多量
生産菌を使用したサワータイプの着色アルコール飲料へ
の利用が図れる等、応用範囲が広く経済価値の高いアル
コール飲料を提供するというすぐれた効果をも奏する。
〈実施例〉 この実施例では、この発明にかかる方法を清酒および果
実酒に準じた製造方法に応用した場合の実施例を述べる
が、この発明はビール、焼酎などのこれら清酒・果実酒
以外の/i!i類(雑酒等)にも適用できるのはいうま
でもない。
(11各種タンニン類含有物質を醪中に直接投入利用す
る実施例。
蒸米60〜80重量部、米麹40〜20重量部(但し蒸
米と米麹との総和量が100重量部)、乾燥茶(日本茶
の葉)1〜10重量部、仕込水120〜160重量部、
酒母(「もと」=麹、蒸米、水の混合物に酵母を増殖し
たもの)5〜10重量部の混合物を使用する。なお、こ
こで使用する「ちと」は「生もと」、「山皮もと」、「
速醸もと」または「高温糖化もと」のいずれでも利用で
きる。16〜20日間醗酵・醸造したのち醗酵生産物を
搾り、無色ないし淡黄色で透明の醗酵液(1)を得る。
(2)各種タンニン順環抽出液を仕込水の一部に利用す
る実施例(そのl)。
各種タンニン順環抽出液の調製方法としては、乾燥茶の
葉(日本茶の葉)20gに対して11の割合の熱湯を加
え、約1〜lO分間加熱抽出し、冷却後固液分離した抽
出液を使用する。
蒸米60〜80重量部、米麹40〜20重量部(但し蒸
米と米麹との総和量が100M量部)、前記各種タンニ
ン順環抽出液60〜80重量部、仕込水60〜80重量
部、酒母(もと)5〜10重量部のlr7合物を使用す
る。なお、使用される「もと」は前記実施例(1)と同
様に「生もと」、「山皮もと」 「速醸もと」または「
高温糖化もと」のいずれでも利用できるのは勿論である
。16〜20日間醗酵・醸造したのち醗酵生産物を搾り
、無色ないし淡黄色で透明の醗酵液(2)を得る。
(3)各種タンニン順環抽出液を仕込水の一部に利用す
る実施例(その2)。
各種タンニン順環抽出液としては、大麦または赤米など
の抽出液を利用する。
各種タンニン順環抽出液の調製方法としては、■大麦の
玄麦または赤米の玄米の1重量部に対して2重量部の温
水(約60℃)を加えて浸漬し、時々撹拌して大麦また
は赤米の各種タンニン類等を約3時間抽出した後、液相
を各種タンニン順環抽出液とするか、または■大麦の玄
麦または赤米の玄米の1重量部に対して2重量部の熱水
(約90℃以上)を加え時々撹拌しながら約10〜20
分煮沸して大麦または赤米の各種タンニン類等を抽出し
た後、液相を各種タンニン順環抽出液とする。
蒸米60〜80重量部、米麹40〜20重量部(但し蒸
米と米麹との総和量が100重量部)、前記各種タンニ
ン順環抽出液60〜80重量部、仕込水60〜80重量
部、酒母(もと)5〜10重量部の混合物を使用する。
なお、使用される「もと」は前記実施例(1)と同様に
「生もと」、「山皮もと」、「速醸もと」または「高温
糖化もと」のいずれでも利用できるのは勿論である。1
6〜20日間醗酵・醸造したのち醗酵生産物を搾り、無
色ないし淡黄色で透明の醗酵液(3)(原料−大麦の各
種タンニン順環抽出液)および無色ないし淡黄色で透明
の醗酵液(4)(原料:赤米の各種タンニン順環抽出液
)のそれぞれを得る。
(4)糖質に柿の果汁を利用した実施例。
柿の果汁(渋柿の果汁または甘柿の果汁) (必要に応
じて加糖して、糖度:約20〜26度に調整したもの)
60〜80重量部、米麹40〜20重量部(但し加糖後
の柿の果汁と米麹との総和量が100重量部)、酒母(
柿の果汁に酵母を増殖させたもの) 5〜IO重量部の
混合物を使用する。
10〜15日間醗酵・醸造したのち醗酵生産物を搾り、
無色ないし淡黄色で透明の醗酵液(5)を得る。
(5)前記醗酵液(1)ないし醗酵液(5)の発色処理
例。
前記醗酵液(1)ないし醗酵液(5)を各個別に無色透
明のガラス容器にいれて栓をし、室温で太陽光線の間接
光に照射させる。照射時間は1日に付約8時間ないし1
0時間とする。無色ないし淡黄色を呈していた前記醗酵
液+1)ないし醗酵液(5)は数時間の照射でわずかに
赤色ないしロゼ色に発色し始め、その後徐々にその色濃
度が増加する。第2図は太陽光線(間接光)の照射時間
とこの発明にかかる着色アルコール飲料の発色状態例を
示す図であり、縦軸は500nmにおける吸光度を示し
、横軸は照射時間(日)を示す。なお、この発色状態は
、前記醗酵液(1)ないしm酢液(5)において有意の
差は認められない。また、第1図はこの発明にかかる着
色アルコール飲料の可視部吸収スペクトルを示すもので
ある。この可視部吸収スペクトルについても前記醗酵液
(11ないし醗酵液(5)において有意の差は認められ
ない。
(6)炭酸ガスがこの発明の着色アルコール飲料の着色
成分の安定性に及ぼす影響試験例。
供試体(試験物と対照物)の調製方法は、^、試験物:
この発明の着色アルコール飲料(電磁波を照射して発色
させた後のアル コール飲料)に、0℃で10分間炭酸 ガスを溶解させたもの。
B、対照物:この発明の着色アルコール飲料(発色後の
アルコール飲料)に前記炭酸 ガス溶解処理しないもの。
をそれぞれ使用する。
前記試験物および対照物は、調製されたのち無色透明の
ガラス容器にいれて栓をし、室温下太陽光線の間接光が
当たる室内で保存される。
アルコール飲料の着色成分の安定性の試験方法としては
、 (alアルコール飲料の色調等の変化(黄色ないし褐色
の帯有の有無など)を肉眼で観察することによる方法、 (blアルコール飲料の可視部(500nm)における
吸光度の変化を測定する方法、 (Clアルコール飲料の可視部吸収スペクトル曲線(ま
たは最大吸収波長)の変化を測定する方法、 を採用し、定期的に前記各観測および計測を行う。
第1表は前記(a)の肉眼観察による着色アルコール飲
料の色調安定度(変色)試験例の結果を示す。
第−表の結果から、炭酸ガスはこの発明にかかる着色ア
ルコール飲料に溶解させるだけで、当該アルコール飲料
の着色成分の安定化に対して顕著な効果があることを示
唆している。
〔本頁以下余白〕
第1表二着色アルコール飲料の色調安定度試験例結果。
〔本頁以下余白〕
(7)着色発泡アルコール飲料の醸造例(応用例)。
前記醗酵液(1)ないし醗酵液(5)を発色処理後、5
〜10℃の条件下で30ないし50日間後醗酵させて、
ロゼ色を呈し且つ発泡タイプの着色アルコール飲料を得
る。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明にかかる着色アルコール飲料の可視部
吸収スペクトル、第2図はこの発明にかかるアルコール
飲料の発色状態例を示す図である。 特許出願人    奈  良  県 代理人 弁理士  小 松   崇

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)アルコール飲料の製造工程において、糖質と、各
    種タンニン類若しくは各種タンニン類含有物質とを原料
    に用いて麹菌および酵母菌存在下で糖化・醗酵する醸造
    工程と、醗酵して得た無色ないし淡黄色の当該醗酵生産
    物に電磁波を照射して赤色系統の色に発色させる発色工
    程とを含むことを特徴とする着色アルコール飲料の製造
    方法。
JP63007329A 1988-01-16 1988-01-16 着色アルコール飲料の製造方法 Granted JPH01257467A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63007329A JPH01257467A (ja) 1988-01-16 1988-01-16 着色アルコール飲料の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63007329A JPH01257467A (ja) 1988-01-16 1988-01-16 着色アルコール飲料の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01257467A true JPH01257467A (ja) 1989-10-13
JPH051709B2 JPH051709B2 (ja) 1993-01-08

Family

ID=11662919

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63007329A Granted JPH01257467A (ja) 1988-01-16 1988-01-16 着色アルコール飲料の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH01257467A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007277100A (ja) * 2006-04-03 2007-10-25 Noevir Co Ltd 保湿剤、細胞賦活剤、真皮線維芽細胞賦活剤、表皮細胞賦活剤、コラーゲン産生促進剤、抗酸化剤、抗老化剤、美白剤、メラニン産生抑制剤
JP2008113587A (ja) * 2006-11-02 2008-05-22 Kirin Brewery Co Ltd ビール風発酵アルコール飲料製造における発酵性改善方法
WO2008140073A1 (ja) * 2007-05-16 2008-11-20 Goumeikaisha Akitafujishuzouten カカオ酒及びその製造方法
JP2016514488A (ja) * 2013-06-26 2016-05-23 大韓民国Republic Of Korea 複合小麦麹及びその製造方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007277100A (ja) * 2006-04-03 2007-10-25 Noevir Co Ltd 保湿剤、細胞賦活剤、真皮線維芽細胞賦活剤、表皮細胞賦活剤、コラーゲン産生促進剤、抗酸化剤、抗老化剤、美白剤、メラニン産生抑制剤
JP2008113587A (ja) * 2006-11-02 2008-05-22 Kirin Brewery Co Ltd ビール風発酵アルコール飲料製造における発酵性改善方法
JP4659718B2 (ja) * 2006-11-02 2011-03-30 麒麟麦酒株式会社 ビール風発酵アルコール飲料製造における発酵性改善方法
WO2008140073A1 (ja) * 2007-05-16 2008-11-20 Goumeikaisha Akitafujishuzouten カカオ酒及びその製造方法
US20100215800A1 (en) * 2007-05-16 2010-08-26 Goumeikaisha Akitafujishuzouten Cacao liquor and process for producing the same
JP2016514488A (ja) * 2013-06-26 2016-05-23 大韓民国Republic Of Korea 複合小麦麹及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH051709B2 (ja) 1993-01-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Mazza et al. Anthocyanins in grapes and grape products
Gorinstein et al. Fluorometric analysis of phenolics in persimmons
EP3868214B1 (en) Stable natural blue colorant
Mazza et al. Anthocyanins, phenolics, and color of Cabernet franc, Merlot, and Pinot noir wines from British Columbia
Baiano et al. Wine processing: A critical review of physical, chemical, and sensory implications of innovative vinification procedures
Panda et al. Anthocyanin‐Rich Sweet Potato (I pomoea batatas L.) Beer: Technology, Biochemical and Sensory Evaluation
CN108624444B (zh) 一种营养保健猕猴桃酒的酿造方法
Saigusa et al. Evaluation of DPPH-radical-scavenging activity and antimutagenicity and analysis of anthocyanins in an alcoholic fermented beverage produced from cooked or raw purple-fleshed sweet potato (Ipomoea batatas cv. Ayamurasaki) roots
JP2007228908A (ja) ドラゴンフルーツ発泡酒およびその製造方法
CN110713874A (zh) 一种果蔬香型健康养生白酒及其酿造方法
KR101924066B1 (ko) 오디 맥주의 제조방법
JPH01257467A (ja) 着色アルコール飲料の製造方法
KR101874330B1 (ko) 도라지를 이용한 발효식초의 제조방법
CN107937196B (zh) 一种用冰葡萄酿造干型酒的酿造方法
Serratosa et al. Characterisation of the colour fraction of Pedro Ximenez Andalusian sweet wines
Paul et al. Process standardization, characterization and storage study of a sweet potato (Ipomoea batatas L.) wine.
KR101293694B1 (ko) 오미자 증류주 제조방법
KR100769207B1 (ko) 사과주 및 그의 제조방법
KR100517062B1 (ko) 양파식초 및 그 제조방법
Ntuli et al. Color Extraction and Stability of Rubired Juice Concentrate Produced via Conventional Must Heating or Flash Détente Processing
Mao et al. Technological exploration and antioxidant activity determination of purple compound fruit wine.
CN107287063B (zh) 一种雪莲啤酒的制备方法
Gorinstein et al. Effect of processing variables on the characteristics of persimmon liqueur
KR20100030013A (ko) 복분자 맥주의 제조방법
JPH0242470B2 (ja)