JPS6324067Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、キヤビンおよびデツキの下部にシ
ヤーシフレームを設けた貨物用の自動車に適用し
て、部品点数の削減と強度向上が図れる自動車の
車体に関するものである。

〔従来技術〕 上記したような構造の貨物用の自動車では、シ
ヤーシフレームにキヤビンを取付ける部分に板体
を屈折して形成した結合部材が使用される。これ
を図について説明すると、第１図において１は貨
物自動車であつて、キヤビン２とその後部に設け
られたデツキ（荷台）３とが、その下部において
シヤーシフレームに取付けられているものであ
る。

符号４で示すシヤーシフレームは、第２図に示
すように上方を開口し、その上部を両側に開いて
フランジ５に形成したものである。このシヤーシ
フレーム４は車体の長手方向（前後方向）に延び
ており、その内部に補強プレート６を設けたもの
である。シヤーシフレーム４の上部にはフレーム
アツパパネル７が溶接８により取付けられてい
る。９はキヤブバツクパネル、１０はキヤブバツ
クパネル９の補強用ビートである。

第３図に示すようにキヤブバツクパネル９には
サイドパネル１１が重合されており、サイドパネ
ル１１の上端は内側に設けられたシートリヤアツ
パメンバ１２とシートリヤロアメンバ１３、およ
び外側のガゼツト１４を介してキヤブバツクパネ
ル９に結合されている。下端はフレームアツパパ
ネル７の上部において補強プレート１５を介して
フレームアツパパネル７に結合されている。

サイドパネル１１のシヤーシフレーム４への取
付けは、板体をコ字状に屈折しその両端をフラン
ジ１６に形成した結合部材１７と、この結合部材
１７とフレームアツパパネル７とを結合するた
め、二方向にフランジ１８，１９を設けた補強メ
ンバ２０と、上部においてサイドパネル１１に結
合され側部においてシヤーシフレーム４に結合さ
れた補強プレート２１とにより行なわれている。
２２，２３，２４，２５は溶接部分を示すもので
あり、２６は結合部材１７上端の補強材、２７は
デツキ取付用のナツトである。

このような構造の従来の車体は、キヤブバツク
パネル９をシヤーシフレーム４に取付けるのに、
補強プレート１５、結合部材１７、補強メンバ２
０および補強材２６を必要とし、部品点数が多く
なる上に、これらを接合するための溶接個所が多
くなつて、構造複雑、製作工数大となる問題があ
つた。また、図中ａ，ｂで示す部分に集中応力が
作用し、充分な強度が得られない問題もあつた。

〔考案の目的〕

この考案は従来の車体が有するこのような問題
を解決し、部品点数が少なく、かつ充分な強度が
得られる自動車の車体を提供することを目的とす
るものである。

〔考案の構成〕

この考案は、キヤブバツクパネルとシヤーシフ
レームとを結合する結合部材を、キヤブバツクパ
ネル側と下部のみが開いた箱状で上部および側部
の中間部まで外方に向けたフランジを有する形状
に一体成形し、この結合部材のフランジ部分をキ
ヤブバツクパネルに溶着し、結合部材の下部は上
方が開いたシヤーシフレームに挿入して溶着した
構成としたものである。このようにすることによ
り部品点数を削減し、かつ充分な強度を得ること
ができる。

〔実施例〕

次にこの考案の一実施例を第４図以降の図につ
いて、第２図、第３図と同一部材には同一の符号
を付して説明すると、この考案では結合部材１７
を、第４図および第５図に示すような形状に一体
成形により製作してある。すなわち、キヤブバツ
クパネル９側となる第５図の手前側と下部のみを
開いて開口部２８，２９とし、上部および側部の
中間部まで外方に向けたフランジ３０を設けたも
のにしてある。この結合部材１７は、次に説明す
るように下部をシヤーシフレーム４の内部に挿入
されるもので、シヤーシフレーム４に挿入される
下部の前後方向の寸法は、上方部分よりも長くし
てある。

このような形状の結合部材１７は、第６図に示
すようにその下部をシヤーシフレーム４に挿入
し、上部および側部のフランジ３０をキヤブバツ
クパネル９に溶接３１で接合して取付けられる。
そしてこの場合には結合部材１７の上部が接合さ
れる部分のキヤブバツクパネル９が、後方に向け
て傾斜させてある（第７図参照）。これによつて、
結合部材１７のキヤブバツクパネル９への接合が
容易になる。

一方、シヤーシフレーム４の内部に設けられる
補強プレート６は第２図に示した従来のものと異
なり、シヤーシフレーム４とほぼ同様の形状にし
て、その上部に形成されるフランジ３２をシヤー
シフレーム４のフランジ５とフレームアツパパネ
ル７との間に位置させ、これらを溶接８で結合し
ている（第８図参照）。そしてフレームアツパパ
ネル７の端部は若干上方に屈折させて結合部材１
７の上部に沿わせてある。

以上説明した実施例においては、シヤーシフレ
ーム４の内部に設けられる補強プレート６を従来
のものより上方に延長し、フランジ３２を設けて
これをシヤーシフレーム４のフランジ５とともに
フレームアツパパネル７に接合したので、結合部
材１７のシヤーシフレーム４への挿入寸法を従来
のものより小さくしても、充分な強度を確保する
ことができる。また、結合部材１７の下部寸法を
シヤーシフレーム４の長手方向に長くしたことに
より、上部の寸法も材料取りの歩留り上も問題な
く大きくでき、フランジ３０の面積を充分に広く
できるので、強度向上が図れる。

〔考案の効果〕

この考案は以上説明したように、従来は結合部
材１７とは別体であつた補強メンバ２０と補強材
２６とを結合部材１７に一体化したので、部品点
数が削減される上に補強プレート１５の省略もで
きて構造が簡単となり、製作工数が減少できる効
果がある。また部分的に生じていた集中応力もな
くすことができる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は貨物自動車の要部の斜視図、第２図は
第１図の自動車のシヤーシフレームへのキヤブバ
ツクパネルの取付部を示す斜視図、第３図は第２
図の−線に沿つた断面図、第４図および第５
図はこの考案に係る結合部材の斜視図、第６図は
この考案の一実施例を第２図と同一部分で示した
斜視図、第７図は第６図の−線に沿つた断面
図、第８図は第６図の−線に沿つた断面図で
ある。 １……貨物自動車、２……キヤビン、３……デ
ツキ、４……シヤーシフレーム、９……キヤブバ
ツクパネル、１７……結合部材、２８，２９……
開口部、３０……フランジ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ キヤビンおよびデツキの下部にシヤーシフレ
   ームを設けた貨物用の自動車において、前記キ
   ヤビン後部のキヤブバツクパネルとシヤーシフ
   レームとを結合する結合部材を、前記キヤブバ
   ツクパネル側と下部のみが開いた箱状で上部お
   よび側部の中間部まで外方に向けたフランジを
   有する形状に一体成形し、該結合部材の前記フ
   ランジ部分をキヤブバツクパネルに溶着し、該
   結合部材の下部を上方が開いた前記シヤーシフ
   レームに挿入して溶着したことを特徴とする自
   動車の車体。 ２ 実用新案登録請求の範囲第１項記載の自動車
   の車体において、結合部材の上部が接合される
   部分のキヤブバツクパネルに後方に向けた傾斜
   を持たせたことを特徴とする自動車の車体。 ３ 実用新案登録請求の範囲第１項記載の自動車
   の車体において、結合部材の下部のシヤーシフ
   レームに挿入される部分をその上方部分よりシ
   ヤーシフレームの長手方向に長くしたことを特
   徴とする自動車の車体。