JPS6323846Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は照明器具に係り、器具本体に透光性カ
バーを取付ける縁枠の外れを防止する構造に関す
る。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

従来のこの種照明器具において透光性カバーの
取付構造は種々提案されているが、特に簡易な構
造として第１図に示す構造が一般的に実施されて
いる。この構造は第１図ａに示すように器具本体
１の一側の受縁部２にカバー３の一側の係合縁４
を係合し、第１図ｂに示すようにカバー３を他側
に移動させ第１図ｃに示すようにカバー３の他側
を上方に押上げて一側に移動させ、第１図ｄに示
すように他側の受縁部２にカバー３の他側係合縁
４に係合させる構造が採られている。この構造で
は単純な取付作業でカバーを取付けることがで
き、天井直付けの器具では問題がないが、天井直
付けに限らず、吊下げ型として或は壁面取付け型
として使用できる器具においてはカバーの外れ防
止構造を附加することが必要となる。

このため第２図，第３図に示すように縁枠を用
いてカバーの外れを防止する構造が採られてい
る。この構造は器具本体１の受縁部２にカバー３
を保持する縁枠５の内側縁部６を係合し、この縁
枠５の上面部に略扇形状の移動阻止片７を回動自
在に軸支し、この阻止片７を器具本体１の側面に
当接させ、縁枠５の移動を阻止し、縁枠５が器具
本体１から移動されないようにしたもので、この
構造では阻止片７をリベツト８にて圧着させて回
動自在に取着するため、加工のばらつきにより圧
着強度が変化し、阻止片７の回転に要する力が強
過ぎると、指の力では阻止片７が回動されず、ま
た圧着強度が弱過ぎると、阻止片７は妄りに回動
され、縁枠５の固定ができなくなる欠点を有して
いる。

また第４図，第５図に示すように縁枠５の上面
部に一対の略Ｌ字状の係合縁９を切起し形成し、
この係合縁９に移動阻止片１０を摺動自在に係合
し、この阻止片１０を押動して先端を器具本体１
の側面に当接させ、縁枠５の移動を阻止する構造
が採られている。しかしながらこの構造でも阻止
片１０を摺動させるための係合縁９と阻止片１０
とのクリアランスは係合縁８の切起による寸法管
理では困難で、阻止片１０と係合縁８との係合が
強過ぎると指の力では操作できず、阻止片１０と
係合縁８との係合が弱すぎると振動などで脱落す
るおそれが生じ、また阻止片１０の動作状態も指
の感触で判断する以外になく、目視にて確実に動
作状態を確認することは困難である。

さらに従来の構造では移動阻止片７，１０は縁
枠の上面部に設けているため器具を壁面に対して
横長に直付けした場合、阻止片７，１０に指を掛
けにくく、カバーの固定作業に手間どる欠点を有
している。

〔考案の目的〕

本考案は上記欠点に鑑みなされたもので、簡単
な構造で操作性がよく確実にカバーを器具本体に
固定でき、安全性の高い照明器具を提供するもの
である。

〔考案の概要〕

本考案は少くとも両側に水平状の受縁部とこの
受縁部の外端縁から略垂直に上向きに形成した係
合縁部とを有する器具本体と、この器具本体の受
縁部に係合される下向きの内側縁部を両側に形成
するとともに下端に内側に向つてカバー保持縁を
形成した外側縁部とを有する縁枠と、この縁枠の
カバー保持縁に係合される水平状の係合縁部を周
縁に形成した透光性カバーとを具備し、前記器具
本体の係合縁部に上縁に開放された係合溝を形成
し、前記縁枠の内側縁部と外側縁部とに前記係合
溝に係合する係合部を折曲形成した係合軸の両端
を回転自在に軸支し、この係合軸の一端に前記外
側縁部を形成してなり、係合軸の操作部の操作に
よつて係合部を係合溝に係脱させてカバーを保持
した縁枠の移動を規制したものである。

〔考案の実施例〕

本考案の一実施例の構造を図面第５図乃至第９
図について説明する。

１１は器具本体で、下面を開口した函状に形成
され、この本体１１の少くとも両側面１２の下縁
には外方に向つて水平状に折曲した受縁部１３が
形成され、この受縁部１３の外端部には上方に向
つて略垂直状に折曲した立上り係合縁部１４が形
成されている。この本体１１の内面にはソケツト
１５および図示しない安定器などの点灯部品が取
付けられている。

次に１６は縁枠で、前記器具本体１１に嵌合で
きる大きさに形成され、略矩形枠状の上面部１７
の内側から下向きに折曲形成され前記受縁部１３
に係合される内側縁部１８と、上面部１７の外側
から下向きに折曲形成された外側縁部１９とを有
している。またこの外側縁部１９の下端には内方
に向つて水平状に折曲形成したカバー保持縁２０
を有している。

また２１は透光性カバーで上面に開口した函状
に形成され、このカバー２１の開口周縁には外方
に向つて水平状に係合縁枠部２２が形成されてい
る。

また前記器具本体１１の両側係合縁部１４には
上縁に開放された略弧状の係合溝２３が設けら
れ、この係合溝２３によつて係合突部２４が形成
されている。

次に２５は弾性棒材にて成形された係合軸で、
この係合軸２５の中間部は前記係合溝２３に係脱
自在に係合する係合部２６が略コ字状に折曲形成
されている。そしてこの係合軸２５の両端は前記
縁枠１６の内側縁部１８と外側縁部１９とに係合
部２６を狭めながら軸孔に挿通して回動自在に軸
支されている。またこの係合軸２５の外側縁部１
９より外方に突出した部分を係合部２６の突出方
向と略同一方向に折曲して操作部２７を形成して
いる。

さらに前記縁枠１６の上面部１７には前記係合
軸２５の係合部２６が係合軸２５の回転で移動で
きる略コ字状の通孔２８が開口されている。

次にこの実施例の作用について説明する。

カバー２１の取付けに際しては縁枠１６の上方
からカバー２１を嵌合してカバー２１の係合縁枠
部２２を縁枠１６のカバー保持縁２０に係合保持
し、この縁枠１６の一方側の内側縁部１８を器具
本体１１の一側受縁部１３に載置係合し、この状
態で縁枠１６を他方側に移動させ、次いで縁枠１
６の他側受縁部１３に載置係合する。このとき係
合軸２５の係合部２６は第８図鎖線で示すように
縁枠１６の上面部１７に位置されており、この状
態で係合軸２５の操作部２７を略180度回転させ
ると、係合軸２５の係合部２６は開口２８から係
合溝２３に係合され、第８図，第９図に示す状態
となる。この状態で縁枠１６は係合軸２５の係合
部２６が係合溝２３に係合して係合突部２４を挾
んでいるため両側方向への移動が規制されるとと
もに上方への移動が規制され、縁枠１６が器具本
体１１から外れることが防止される。

またカバー２１を外す場合には操作部２７を操
作して係合軸２５を先と反対方向に略180度回動
すると、係合部２６は係合溝２３から外れ、上面
部１７の開口２８から突出されて上面部１７に係
合され、先と逆の操作で縁枠１６を器具本体１１
から外すことができる。

なお係合軸２５の操作部２７は係合部２６と同
一方向に折曲させることにより操作部２７の向き
と係合部２６の向きとが一致し、操作部２７の位
置で係合部２６が係合溝２３に係合または解除さ
れている状態を確認できる。

なお前記係合軸２５と係合溝２３および開口２
８とからなるカバー２１の外れ防止機構は器具の
一側のみまたは両側に適宜設ければよい。

〔考案の効果〕

本考案によれば、器具本体の係合縁部に上縁に
開放された係合溝を形成し、縁枠の内側縁部と外
側縁部とを前記係合溝に係合する係合部を折曲形
成した係合軸の両端を回転自在に軸支し、この係
合軸の一端に縁枠の外側縁部の外方に突出する操
作部を形成したので、係合軸の外方に突出する操
作部を操作するのみで係合部を縁枠の係合溝に係
脱でき、カバーを保持する縁枠の水平方向への移
動および上方への移動が簡単な操作で防止でき、
天井面直付けの器具に限らず、吊下げ型の器具、
壁面取付け型の器具に適用でき、カバーの外れを
確実に防止でき、部品数も少く組立も簡単にで
き、安全性が高く安価に得られるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂ，ｃ，ｄは従来の照明器具のカバ
ーの組立工程を示す断面図、第２図は従来の照明
器具のカバー外れ防止部の断面図、第３図は同上
斜視図、第４図は他の従来の照明器具のカバー外
れ防止部の斜視図、第５図は本考案の一実施例を
示す照明器具の一部の断面図、第６図は同上一部
の平面図、第７図は同上断面図、第８図は一部を
切欠いた正面図、第９図は同上一部を切欠いた斜
視図である。 １１……器具本体、１３……受縁部、１４……
係合縁部、１６……縁枠、１８……内側縁部、１
９……外側縁部、２０……カバー保持縁、２１…
…カバー、２２……係合縁枠部、２３……係合
溝、２５……係合軸、２７……操作部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 少くとも両側に水平状の受縁部とこの受縁部の
   外端縁から略垂直に上向き形成した係合縁部とを
   有する器具本体と、この器具本体の受縁部に係合
   される下向きの内側縁部を両側に形成するととも
   に下端に内側に向つてカバー保持縁を形成した外
   側縁部とを有する縁枠と、この縁枠のカバー保持
   縁に係合される水平状の係合縁枠部を周縁に形成
   した透光性カバーとを具備し、前記器具本体の係
   合縁部に上縁に開放された係合溝を形成し、前記
   縁枠の内側縁部と外側縁部とに係合溝に係合する
   係合部を折曲形成した係合軸の両端を回転自在に
   軸支し、この係合軸の一端に前記外側縁部の外方
   に突出する操作部を形成したことを特徴とする照
   明器具。