JPS63233753A - かまぼこ形成能を有する乾燥摺り身、およびその製造法 - Google Patents

かまぼこ形成能を有する乾燥摺り身、およびその製造法

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JPS63233753A
JPS63233753A JP62069720A JP6972087A JPS63233753A JP S63233753 A JPS63233753 A JP S63233753A JP 62069720 A JP62069720 A JP 62069720A JP 6972087 A JP6972087 A JP 6972087A JP S63233753 A JPS63233753 A JP S63233753A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、各種練製品の原料と成る摺り身を、かまぼこ
形成能を有したまま粉末状や膠状などの乾燥状態にした
、いわゆる鮮肉性乾燥摺り身を提供するとともに、その
かまぼこ形成能を有する乾燥摺り身を製造する方法に関
する技術である。
「背景技術」 一般に練製品は、魚肉を主原料とし、これを水晒しして
摺り身にしたうえ、塩を入れてすり潰し、調味料、澱粉
、その他の材料を加えて練り、所定の形に成形し、次に
蒸煮、油揚げなどの加熱操作を施して、製品としたもの
で、かまぼこ、さつまあげ、ちくわ等種々のものがある
当該練製品の原料は主として白身の魚種が用いられてい
る。グチ、オキギス、ハモ、ヒラメ、カレイ、タラ、ホ
ッケ、サメなどがあるが、最近では、値段や漁獲量の関
係で、スケトウタラの冷凍摺り身が多く利用されている
。また、練製品の副原料としては澱粉が用いられ、調味
料としては食塩、砂糖、グルコース、味醪、化学調味料
などが用いられている。
水産練り製品は、摺り身の加熱方法により種類が次のよ
うに分けられる。即ち、摺り身を蒸したものは蒸しかま
ぼこになり、焼いたものは焼きかまぼこやちくわになり
、揚げたものはさつま揚げになり、茹でたものははんぺ
ん、なると巻き、しんじょ等になる。
これら練製品は、その種類によって製造法に細かい手法
の違いはあるが、一般的な基本操作は、原料魚処理、採
肉、水晒し、脱水といった処理を行なうことにより摺り
身となし、当該摺り身を中間原料として播潰(塩ずり)
、成型、加熱といった工程を行なうことによって製品化
するものである。
即ち、かまぼこ製造の原理は、かまぼこ形成能を有する
摺り身をつくり、この摺り身に食塩を加えて魚肉をすり
潰すと、筋肉蛋白質はミセルから開放され、内申のアク
トミオシンが水和してゾルとなり、このものを放置する
と座りを起こして再びゲル状となり、さらに加熱によっ
て網目構造が凝固し、固いゲル、すなわちかまぼことな
る。
その製造工程について説明すると、次のようになる。
く原料魚処理〉 魚の筋原繊維蛋白は不安定であるから、原料魚は低温で
迅速に処理することが必要である。先ず、頭と内蔵を除
去する。単一魚種を大量処理する場合には、魚体処理機
が用いられるが、多種類の魚を扱うときには手作業で行
なう。こ、うして出来たドレスは水洗いしてから採肉工
程に移す。
く採肉〉 大型魚は包丁で卸して採肉するが、普通は採肉機を用い
る。採肉機にはスタンプ型とロール型とがある。これら
は直径3.5〜4mmの細孔を無数にあけた網目状の金
属板または、ロールのうえでドレスをプレスし、皮、骨
を残し、肉だけ細孔を通過させて集める装置で、自由に
圧力の調節ができるようになっている。
く水晒し〉 採肉機を通って細かくされた肉(落し身)を3〜5倍量
の冷水の中に2〜3回浸漬、攪拌、排水を繰り返して洗
浄する工程である。水溶性蛋白、臭気成分、色素、脂肪
、汚物等を除去するために行なうのであるが、魚種、鮮
度、用途などにより、晒しの程度は異なる。これによっ
て、肉の足形成能力が著しく向上する。晒し終った肉は
、濾布で絞るか、遠心分離機あるいはスクリュウブレス
にかけて水分含量80%ぐらいまで、脱水する。
く撞潰(塩ずり)〉 晒し肉は、肉挽機或はサイレントカッターで2〜3%の
食塩とともに措潰(塩ずり)、攪拌する。筋原繊維を溶
解させてアクトミオシンの糊を作る工程である。
最初、 1〜1.5%の食塩とともに5〜IO分間荒す
すしてから食塩濃度3〜4%で30〜40分間塩ずりし
、アクトミオシン−ゾルとした後、水伸ばしして所定の
濃度の摺り身に仕上げる。その際、水、調味料、卵白、
味餠、澱粉、食用油脂などを添加する。摺り上り温度は
5℃をこえないようにするのが望ましい。
く成型〉 摺り上った摺り身は、手作業あるいは成型機によって所
定の形に成型する。
摺り身をそのまま放置すると、座りを起こし、練り直す
と、ゲル形成能力を失うので、成型はすり身の温度を上
げないようにして迅速に行なう。
く加熱〉 摺り身の加熱には、茹でる、焼く、煮る、蒸す、揚げる
などの手法が単独あるいは組み合わせて用いられる。肉
蛋白質を変性凝固させるのが目的であるが、殺菌と、澱
粉を含むものにあっては、その糊化の目的もかねて行な
う。
即ち、かまぼこ形成能を有する乾燥摺り身とは、塩を入
れて措漬したとき弾力のあるゲルを形成する能力のある
水晒し魚肉のことをいう。
その技術条件は、第1に蛋白質は変性を起こしておらず
塩を入れて播潰したときゾル化すること、第2にゲル化
をさまたげる因子である水溶性蛋白質や、多量の脂肪や
臭気成分を除くこと、第3に蛋白質は変性を起こさせな
いように有機溶剤を伴わないこと、第4にかまぼこ形成
能を維持しながら水分を加減すること等である。
上記のように、従来よりかまぼこ形成能は生鮮魚肉のみ
が持つ特性で、魚肉蛋白質の変性により消失する。した
がって、練製品の原料になり得るかまぼこ形成能を有す
る摺り身というのは、生鮮魚肉をそのまま採肉して水晒
しした生鮮摺り身である場合か、当該生鮮摺り身に多糖
類を加えて変性を抑えながら凍結した冷凍摺り身である
場合が一般的である。このため、その保存や輸送に便利
でかまぼこ製造上の取扱が容易という利点から、かまぼ
こ形成能を有する乾燥摺り身の製造が長年型まれてきた
「本発明が解決すべき問題点J 近年、かまぼこ形成能のある鮮魚性魚粉の製造法につい
ては、少しづつ研究されるようになり、成功例もいくつ
か報告されるようになったが、それらは、いずれも技術
課題である乾燥手段として、真空凍結乾燥法を採用する
ものであった。
しかし、当該真空凍結乾燥法は、高価な設備と高エネル
ギーとを必要とするので、どうしてもコスト高になって
しまい、商業的多量生産には適していないというのが大
きな欠点である。
また、一般に乾燥中の乾燥変性を防止するには、水をあ
る安定域まで、適当な条件で脱水することが必要とされ
ているが、前記真空凍結乾燥した場合には、どうしても
中心部に氷結水分の出来る性質がある。特に、多量の食
品を乾燥しようとした場合には、表面部は乾燥しても中
心部には、いわゆる結合水および自由水を含めたバルク
の水の塊が残存し、全体に均一な乾燥が出来ない欠点が
ある。このため、魚肉の乾燥を所定の安定域に止めよう
としてもうまくいかないことが多い。
さらに、魚肉を高真空下で凍結乾燥をしたものは、アデ
ノシントリリン酸分解酵素(ATP−ase)活性が失
われるし、その乾燥製品への水の吸着や酸化反応などに
より貯蔵中の変質が早い性質がある。しかも、真空凍結
乾燥品は必ず多孔質となるため、それが食物の風味を低
下させ、品質劣化速度を早める性質もある。
以上のように、従来の製法は、多量生産に不向きである
こと、かまぼこ形成能の保持と乾燥技術の両立が困難で
あること、かまぼこ形成能を保持するための各種蛋白変
性防止操作が充分ではないこと、乾燥による風味の劣化
を防止する技術が解決していないこと等といった点に未
だ技術的課題が残っており、満足すべき製造法にまでは
至っていない。
本発明は、魚肉蛋白質の変性について研究し、かまぼこ
形成能を有しながら安定性がある乾燥摺り身を提供する
ことと、その効率的な製造法について開発したものであ
る。すなわち、本件出願にかかる発明は、第1に、当該
乾燥摺り身の製造に際しては、生鮮魚肉からどのように
してかまぼこ形成部阻害因子を除去するか、第2に乾燥
工程における蛋白質の変性をどのようにして防止するの
かという脱水条件の開発、第3に出来た乾燥摺り身のか
まぼこ形成能の維持をどのようにするかという品質安定
性保持条件の開発、第4に特に脂肪分の多い赤身魚から
蛋白変性しないように油脂分を分離する方法の開発、と
いった技術的課題が克服されている。
[問題点を解決すべき手段] 第1発明は、かまぼこ形成能を有する乾燥摺り身である
それは、15℃以下の環境下で、生鮮魚肉をpH5,5
〜pH10に調整したうえ、水晒しした魚肉に蛋白変性
防止剤を15℃以下の環境下で、浸透圧脱水により水分
含量を50%以下にした乾燥摺り身で、その具体的な商
品化形状として、用途により、ベレット状、膠状、また
は粉末状等に加工処理したものである。
即ち、本発明に係る乾燥摺り身は、まず原料である生鮮
魚肉の段階から商品化する段階まで一貫して15℃以下
の環境下におかれていることが必要である。摺り身のか
まぼこ形成能というのは、温度によって敏感に変化し、
普通は25℃以上の環境下に所定時間以上おかれた場合
には失活する。そこで、処理時から完成後にわたって、
一度も15℃以上にはなったことのない摺身であること
が必要である。例えば、第3表に示したように、本発明
により製造されたかまぼこ形成能を有する乾燥摺り身を
40℃の超臨界炭酸ガスにかけて、脂質を抽出すると、
かまぼこ形成能が失われるのに、同じ乾燥摺り身を12
℃の高圧液化炭酸ガスで脂質を抽出した場合には、かま
ぼこ形成能は失われていない。この事実からも温度が高
くなると、かまぼこ形成能が失活されることは明らかで
ある。
ま、た、本発明にかかる乾燥摺り身は、pH5,5〜p
HIoの間にあることが必要である。従来の白身魚肉の
場合は殆どそのままで、pH条件を満足させているが、
赤身魚肉の場合には一般に酸性が強い場合が多く、ア・
ルカリ水晒し等によってpH調整して、上記pH条件を
満足させる必要うイある。即ち、通常の赤身魚肉は、筋
肉のpHが6以下で、筋肉蛋白質の等電点に近いため、
蛋白質分子間の静電気的引き合いが強く、通常の水晒し
では、足形成阻害因子の除去が困難である。魚肉ねり製
品の足とpHとの関係については第1図で示したとおり
である。
次に本発明は水晒しをしたものであることが必要である
。水晒しによって足形成阻害因子である水溶性蛋白質、
臭気成分、色素、脂肪、汚物等が除去される。したがっ
て、水晒しが肉の足形成能力を著しく向上させる。
また、本発明は、水晒し魚肉に蛋白変性防止剤を添加し
たものである。
例えば、糖類、重合リン酸塩は、蛋白質の変性防止に有
効で、無塩摺り身の場合は、蔗糖、ソルビット、グルコ
ースの1〜2種を5〜8%、ビロリン酸ナトリウムおよ
びトリリン酸ナトリウムを各々 0.1〜0.15%加
えるのが一般的である。尚、ビロリン酸ナトリウム、ト
リリン酸ナトリウムなどの重合リン酸塩は、強力増強剤
(水和促進剤)としての効果も大きい。
更にまた、本発明は、浸透圧脱水により、水分含量を5
0%以下に乾燥したものである。
蛋白質や核酸などの生体高分子の保存や精製に際して、
乾燥するとその過程で変性・失活するものが少なくない
。なぜなら、生体高分子の表面には、疎水性水和をふく
む各種の自由度の小さい水和水があり、溶媒の水ととも
に、これらの水分子が生体高分子の構造と機能の発現、
に大きな役割を果たしていると考えられるからである。
かまぼこ形成能を、有する状態で摺り身から水分を除去
するには、極力蛋白質変性を防止しなければならない。
従来、魚の干物の製造など天日または熱風により乾燥す
る場合には、次のような欠点を有するので、かまぼこ形
成能を有する乾燥粉末を実現できない。
■蛋白が変性して肉質が硬くなる。
■酵素や細菌の作用により、鮮度低下を起こす。
■脂質の酸化、変敗な起こす(空気酸化)。
■分解酵素作用により、旨味成分が減少する。
これに対して、半透膜を通して浸透圧利用の脱水処理が
開発され、食品脱水用に一部では使われ始めてきた。こ
れは過熱されないので、蛋白変性を起こさないし、上記
欠点が解消されるので、かまぼこ形成能維持に力を発揮
する(第2図)。
浸透圧脱水材としては、食用糖類(例えば蔗糖やマルト
ース)と、高分子吸収剤(例えばポリアクリル酸ソーダ
を組み合わせた高浸透圧物質液)と、パックした半透性
膜袋(シート状)を用いる方法である。
本発明者は、魚肉の蛋白を変性させる要因は、熱運動、
pH1塩、有機溶媒、生体内物質およびその分解物、低
温、凍結、凍結乾燥であることを研究し、その防止対策
として、それぞれ低温、pH調整、脱塩、有機溶媒の不
使用、水晒しによる足形成阻害因子の除去、蛋白変性防
止剤添加、凍結乾燥の不使用、浸透圧脱水処理の採用を
することとし、その具体的諸条件を整え、変性要因を排
除して乾燥摺り身となしたものである。
製品としては、乾燥したまま膠状にしたり、ベレット状
にしたり、磨砕して粉末状にしたものとして加工処理す
ればよい。尚、浸透圧脱水の効率を高めるため、予備的
に圧搾脱水して含水率を70〜80%にしたうえで、浸
透圧脱水するとよい。
第2発明は、上記乾燥摺り身の製造法に関する。
その製造は次の工程によって行なわれる。
第1工程、15℃以下の環境下で生鮮魚から落し身を採
肉する。
生鮮魚から落し身を採肉する方法は従来通りであるが、
処理時の温度力月5°C以下に保たれるように注意する
第2工程二当該落し身をpH5,5〜pH1Oに調整す
る。白身魚の場合には、殆ど考慮しなくてもよいが、赤
身魚の場合には、pH6以下の場合が多いのでアルカリ
水晒しを必要とする。
この際、アルカリ水晒しをすると、蛋白変性因子の除去
と同時に足形成阻害因子の除去が可能となる。この方法
は例えば0.5%重炭酸ソーダ液に落し身を30分間浸
漬した後、上澄液を捨て、水晒しを行なう。但し、第1
図のように摺り身はpH6,5〜7.0の時に最も足形
成能が大きく、摺り身のpH調整は常に注意深く行なう
必要がある。
第3工程、pH調整済の落し身を水晒しする。
この水晒しは、足形成阻害因子である水溶性蛋白質や脂
肪分を洗い流す効果がある。この水晒しが、魚肉にかま
ぼこ形成能を出させる必須の操作である。当該水晒しの
方法は、従来と同じで数回繰り返すが、やがて落し身は
膨潤し、脱水が困難となる。従って、ごく少量の食塩か
、にがりを最終の水晒し液に加え、電荷の分布を等電点
域にひき戻すと脱水しやすくなる。このときの食塩濃度
は0.3%またはそれより若干低い濃度でよい。
第4工程;水晒し魚肉に蛋白変性防止剤を添加する。
水晒し魚肉に蛋白変性防止剤を添加した場合のかまぼこ
形成能に与える影響は表1に表わしたとおりである。ま
た、当該蛋白変性防止剤は、第1発明にて説明したもの
と同じであるので、ここではその説明を省略する。
第5工程;浸透圧脱水材を用いて水分含量50%以下に
浸透圧脱水処理する。
浸透圧脱水処理は加熱しないので、蛋白質を熱変性させ
ないし、酵素、細菌の作用を抑制し、更に空気酸化を防
ぐので、脱水しながらもかまぼこ形成能を失活させるこ
とがない。種々の市販の吸水性ポリマーを用いて、真い
わしの水晒し肉の脱水性能を調べた結果は、第2図のと
おりである。
実験は、新鮮な真いわしの落し身と血合肉とを混合した
ものを原料とし、これをpH6,5に調整したあと、水
晒しして水分75.9%、脂質5.0%の晒し肉100
gを得たあと、市販されている高浸透圧樹脂をそのまま
、或はセロハンや紙シートと組み合わせて浸透圧脱水材
A−Fとなし、5℃の温度条件下で脱水処理した。脱水
後に脱水肉のかまぼこ形成能を調べたところ、すべて充
分なかまぼこ形成能を有しており、脱水処理前の水晒し
肉と比べても殆ど変わらなかった。脱水率は低くし過ぎ
ると、乾燥具が出たり、もどりが悪くなったりすること
も明らかになった。そこで最終時点の安全保蔵水分量を
保持するための貯蔵技術や包装技術との組み合わせを考
慮して乾燥度を決定するとよいことも解った。
本発明は以上のように、第1工程から第5工程までを順
次行なうことにより、かまぼこ形成能を有する乾燥摺り
身を製造するのである。
尚、前記浸透圧脱水材としては、高浸透性ポリマー、吸
水性ポリマー等の高分子吸収体を素材としたものをシー
ト状に加工したり、粒状にしたり、粉末状にしたり、半
透性膜でサンドイッチするなどの加工処理したものであ
ればよい。
第3発明は、赤身魚を原料とするかまぼこ形成能を有す
る乾燥摺り身の製造法である。
15℃以下の環境下で、生鮮赤身魚から落し身を採肉す
る第1工程、当該落し身をアルカリ水晒しによりpH5
,5〜pH10にpH調整する第2工程、そのpH調整
済の落し身を水晒しする第3工程、水晒し魚肉に蛋白変
性防止剤を添加する第4工程、浸透圧脱水材を用いて水
分含量50%以下に浸透圧脱水する第5工程までは、前
記第2発明と同じである。そこで、以上の工程までにつ
いての説明は、ここでは省略する。
第6工程:その脱水済摺り身を磨砕する。
この工程は、次の高圧液化、或は、超臨界ガス抽出時に
、抽料(被抽出物)と抽剤(例えば炭酸ガス)の接触効
率を高めるために、行なうものであり、冷却下で微粉化
させるものである。
第7工程=15℃以下で高圧液化ガス或は超臨界ガス抽
出により油脂分を抽出分離する この工程は、蛋白質変性を抑制しながら、赤身魚の保有
する油脂分を脱水済摺り身から抽出分離するものである
赤身魚の保有する油脂分を脱水済摺り身から抽出分離す
る本発明の場合に、例えば炭酸ガスを抽剤として用いる
と、高圧液化炭酸ガス(12℃、250atm )で抽
出が出来たものには、かまぼこ形成能があったが、超臨
界炭酸ガス(40℃、250atm )の抽出の場合に
は、かまぼこ形成能は失われてしまった(第2表)。勿
論、抽剤として炭酸ガスではなく、15℃以下の低温で
超臨界ガスになる性質をもったガスを選定すれば、超臨
界ガス状態で脂質を抽出処理しても、摺り身のかまぼこ
形成能は失われることがない。
尚、ここに高圧液化ガス或は超臨界ガス抽出というのは
、本来、液体になるべき圧力(臨界圧力)と温度(@昇
温度)を超えてもガス状態のままでいる物質を超臨界ガ
スといい、それに近い状態にあるものを高圧液化ガスと
いう。例えば、炭酸ガスの場合には、圧力をかけること
により、比較的簡単に作ることができる。その密度は、
気体の百倍近くあり、殆ど液体に近いが、粘土は気体に
近い。当該高圧液化ガス或は超臨界ガスは、物質の中に
入り込んで色々のものを溶かすが、圧力が低下するとす
ぐ普通の炭酸ガスに戻る。このような性質を利用して、
各種の成分を抽出する方法を高圧液化ガス或は超臨界ガ
ス抽出という。
「実施例」 実施例1゜ 真いわしをミンチ状にしたものを、pH7に調整したう
えで水晒しした後、蛋白変性防止剤として原料に対して
20%のソルビトールを添加し、5℃、20気圧で一晩
浸透圧脱水して90gの乾燥摺り身を得た。その得られ
た乾燥摺り身の性状は、第2表の2に示したとおり、塩
可溶性窒素量も、ATP−ase活性も、折曲げテスト
も、かまぼこ形成能を充分有している数値を示している
実施例2゜ 真いわしをミンチ状にしたものを、pH7に調整したう
えで水晒しした後、蛋白変性防止剤として原料に対して
20%のソルビトールを添加し、5℃、20気圧で一晩
浸透圧脱水して得られた乾燥摺り身90gを12℃、2
50atmの液化炭酸ガスで200g/時間で抽出した
結果、85gの粉末状の乾燥摺り身と一5gの魚油な得
た。その乾燥摺り身の性状は、第2表の3に示したとお
り、塩可溶性窒素量も、ATP−ase活性も、折曲げ
テストも、かまぼこ形成能を充分有している数値を示し
ている。
「効 果」 叙上のように、第1発明は、50%以下に乾燥されてい
ても、かまぼこ形成能を有している摺り身を提供するも
のである。
出来た乾燥摺り身について、脱水肉の水分、脂質含量、
およびかまぼこ形成能を測定した。その結果、本発明に
かかる乾燥摺り身は、充分かまぼこ形成能を有している
ことが判明した。
その結果は、第2表により明らかにする。当該第2表の
測定方法は、折曲げテストと、塩可溶性窒素量、ATP
−ase活性、を測定する方法である。折曲げテストは
、174円にしてもひびの入らないものを「A A、l
lと評価し1.172円にしてもひびの入らないものを
[rAJlと評価し、1/2円にするとひび割れるもの
をFB、11と評価し、1/2円にして壊れるものをI
rCJlと評価した。
また、前記塩可溶性窒素量は、試料的1gに0゜6M塩
化カリウムを加えて抽出した。冷却遠心分離した上澄液
中のタンパク量をロウリイ (Lowry)法で測定し
、0.6M塩化カリウムの塩可溶性窒素量を全窒素量に
対する%で示した。
また、前記ATP−ase活性というのは、反応混合液
にATPを加え、25℃で5分間反応させて、トリクロ
ロ酢酸(TCA)で反応をとめ、この5分間に生成する
リン酸量を測定した。ATP−ase活性は、蛋白質1
mg当り1分間に生成する無機リン酸量をμmoles
濃度で示したものである。
また、普通の摺り身と、本発明の乾燥摺り身を0℃の環
境下で貯蔵したときの蛋白変性と、脂質酸化と、臭いの
変化の状態を観測したのが、第3図である。
第2発明は、かまぼこ形成能を有する乾燥摺り身の製造
法である。それは、低温管理、pH調整、水晒し、変性
防止剤の添加、浸透圧脱水、を組み合わせることにより
製造出来るものであり、そのうち1工程でも条件を外れ
ると、蛋白変性をおこし、かまぼこ形成能が失活する。
特に、かまぼこ形成能を失わない乾燥手段として、浸透
圧脱水法を組み合わせたことが、経済的で、多量生産向
きであり、確実性の高い製造法である。
第3発明は、基本的には第2発明と共通の構成要素をも
った製造法であるが、赤身魚で、油脂分の多い鮮魚肉の
場合には、油脂分がかまぼこ形成能を低減させるので、
温度を15℃以上にあげることなく、油脂分と水と乾燥
摺り身粉末とに分離させる必要がある。そのため、脱水
済み摺り身を磨砕したうえ、15℃以下で高圧液化ガス
或は超臨界ガス抽出により油脂分を抽出分離する工程が
付加されたものである。これによって、従来油脂が多く
て困難とされていた、いわしなどの赤身魚をかまぼこ形
成能を有する粉末状などの摺り身に製造出来ることとな
った。
【図面の簡単な説明】
第1図は、魚肉練製品の足とpHの関係を記録したグラ
フであり、第2図は、浸透圧脱水における水分含量の経
時的変化を示すグラフであり、第3図は0℃貯蔵におけ
る乾燥摺り身の蛋白変性と脂質酸化であり、第4図、第
5図は、本発明の製造工程を示すブロック図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)15℃以下の環境下で、生鮮魚肉をpH5.5〜
    pH10に調整したうえ水晒しした魚肉に、蛋白変性防
    止剤を添加し、15℃以下の環境下で浸透圧脱水により
    水分含量を50%以下にしたことを特徴とするかまぼこ
    形成能を有する乾燥摺り身。
  2. (2)上記乾燥摺り身をペレット状、膠状、または粉末
    状にしたことを含む特許請求の範囲第1項記載のかまぼ
    こ形成能を有する乾燥摺り身。
  3. (3)15℃以下の環境下で、生鮮魚から落し身を採肉
    する第1工程、当該落し身をpH5.5〜pH10にp
    H調整する第2工程、pH調整済の落し身を水晒しする
    第3工程、水晒し魚肉に蛋白変性防止剤を添加する第4
    工程、浸透圧脱水材を用いて水分含量50%以下に浸透
    圧脱水する第5工程を行なうことにより得られるかまぼ
    こ形成能を有する乾燥摺り身の製造法。
  4. (4)15℃以下の環境下で、生鮮赤身魚から落し身を
    採肉する第1工程、当該落し身をアルカリ晒しによりp
    H5.5〜pH10にpH調整する第2工程、そのpH
    調整済の落し身を水晒しする第3工程、水晒し魚肉に蛋
    白変性防止剤を添加する第4工程、浸透圧脱水材を用い
    て水分含量50%以下に浸透圧脱水する第5工程、その
    脱水済摺り身を磨砕する第6工程、15℃以下で高圧液
    化ガス抽出或は超臨界ガス抽出により油脂分を抽出分離
    する第7工程により得られる赤身魚を原料とするかまぼ
    こ形成能を有する乾燥摺り身の製造法。
  5. (5)前記浸透圧脱水材として、高浸透性ポリマー、吸
    水性ポリマー等、高分子吸収体を素材としたものをシー
    ト状にしたり、粒状にしたり、粉末状にしたり、半透性
    膜でサンドイッチするなど加工処理したものを用いるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第3項または第4項記載
    のかまぼこ形成能を有する乾燥摺り身の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2014042106A1 (ja) * 2012-09-11 2014-03-20 新洋水産有限会社 血合肉を利用したすり身製品、血合肉を利用した練り物製品、血合肉を利用したすり身製品の製造方法及び血合肉を利用した練り物製品の製造方法
JP2017212966A (ja) * 2016-06-02 2017-12-07 佐賀玄海漁業協同組合 凍結乾燥魚粉の製造方法

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WO2014042106A1 (ja) * 2012-09-11 2014-03-20 新洋水産有限会社 血合肉を利用したすり身製品、血合肉を利用した練り物製品、血合肉を利用したすり身製品の製造方法及び血合肉を利用した練り物製品の製造方法
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