JPH0451148B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0451148B2
JPH0451148B2 JP62069720A JP6972087A JPH0451148B2 JP H0451148 B2 JPH0451148 B2 JP H0451148B2 JP 62069720 A JP62069720 A JP 62069720A JP 6972087 A JP6972087 A JP 6972087A JP H0451148 B2 JPH0451148 B2 JP H0451148B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
surimi
meat
kamaboko
fish
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP62069720A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS63233753A (ja
Inventor
Kenshiro Fujimoto
Yasuo Suzuki
Masanori Konno
Kazuo Shoji
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
MYAGI PREFECTURE
Original Assignee
MYAGI PREFECTURE
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by MYAGI PREFECTURE filed Critical MYAGI PREFECTURE
Priority to JP62069720A priority Critical patent/JPS63233753A/ja
Publication of JPS63233753A publication Critical patent/JPS63233753A/ja
Publication of JPH0451148B2 publication Critical patent/JPH0451148B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fish Paste Products (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
「産業上の利用分野」 本発明は、各種練製品の原料と成る摺り身を、
かまぼこ形成能を有したまま粉末状や膠状などの
乾燥状態にした、いわゆる鮮肉性乾燥摺り身を提
供するとともに、そのかまぼこ形成能を有する乾
燥摺り身を製造する方法に関する技術である。 「背景技術」 一般に練製品は、魚肉を主原料とし、これを水
晒しして摺り身にしたうえ、塩を入れてすり潰
し、調味料、澱粉、その他の材料を加えて練り、
所定の形に成形し、次に蒸煮、油揚げなどの加熱
操作を施して、製品としたもので、かまぼこ、さ
つまあげ、ちくわ等種々のものがある。 当該練製品の原料は主として白身の魚種が用い
られている。グチ、オキギス、ハモ、ヒラメ、カ
レイ、タラ、ホツケ、サメなどがあるが、最近で
は、値段や漁獲量の関係で、スケトウタラの冷凍
摺り身が多く利用されている。また、練製品の副
原料としては澱粉が用いられ、調味料としては食
塩、砂糖、グルコース、味醂、化学調味料などが
用いられている。 水産練り製品は、摺り身の加熱方法により種類
が次のように分けられる。即ち、摺り身を蒸した
ものは蒸しかまぼこになり、焼いたものは焼きか
まぼこやちくわになり、揚げたものはさつま揚げ
になり、茹でたものははんぺん、なると巻き、し
んじよ等になる。 これら練製品は、その種類によつて製造法に細
かい手法の違いはあるが、一般的な基本操作は、
原料魚処理、採肉、水晒し、脱水といつた処理を
行なうことにより摺り身となし、当該摺り身を中
間原料として擂潰(塩ずり)、成型、加熱といつ
た工程を行なうことによつて製品化するものであ
る。 即ち、かまぼこ製造の原理は、かまぼこ形成能
を有する摺り身をつくり、この摺り身に食塩を加
えて魚肉をすり潰すと、筋肉蛋白質はミセルから
開放され、肉中のアクトミオシンが水和してゾル
となり、このものを放置すると座りを起こして再
びゲル状となり、さらに加熱によつて網目構造が
凝固し、固いゲル、すなわちかまぼことなる。そ
の製造工程について説明すると、次のようにな
る。 <原料魚処理> 魚の筋原繊維蛋白は不安定であるから、原料魚
は低温で迅速に処理することが必要である。先
ず、頭と内蔵を除去する。単一魚種を大量処理す
る場合には、魚体処理機が用いられるが、多種類
の魚を扱うときには手作業で行なう。こうして出
来たドレスは水洗いしてから採肉工程に移す。 <採肉> 大型魚は包丁で卸して採肉するが、普通は採肉
機を用いる。採肉機にはスタンプ型とロール型と
がある。これらは直径3.5〜4mmの細孔を無数に
あけた網目状の金属板または、ロールのうえでド
レスをプレスし、皮、骨を残し、肉だけ細孔を通
過させて集める装置で、自由に圧力の調節ができ
るようになつている。 <水晒し> 採肉機を通つて細かくされた肉(落し身)を3
〜5倍量の冷水の中に2〜3回浸漬、撹拌、排水
を繰り返して洗浄する工程である。水溶性蛋白、
臭気成分、色素、脂肪、汚物等を除去するために
行なうのであるが、魚種、鮮度、用途などによ
り、晒しの程度は異なる。これによつて、肉の足
形成能力が著しく向上する。晒し終つた肉は、濾
布で絞るか、遠心分離機あるいはスクリユウプレ
スにかけて水分含量80%ぐらいまで、脱水する。 <擂潰(塩ずり)> 晒し肉は、肉挽機或はサイレントカツターで2
〜3%の食塩とともに擂潰(塩ずり)、撹拌する。
筋原繊維を溶解させてアクトミオシンの糊を作る
工程である。 最初、1〜1.5%の食塩とともに5〜10分間荒
ずりしてから食塩濃度3〜4%で30〜40分間塩ず
りし、アクトミオシン−ゾルとした後、水伸ばし
て所定の濃度の摺り身に仕上げる。その際、水、
調味料、卵白、味醂、澱粉、食用油脂などを添加
する。摺り上り温度は5℃をこえないようにする
のが望ましい。 <成型> 摺り上つた摺り身は、手作業あるいは成型機に
よつて所定の形に成型する。 摺り身をそのまま放置すると、座りを起こし、
練り直すと、ゲル形成能力を失うので、成型はす
り身の温度を上げないようにして迅速に行なう。 <加熱> 摺り身の加熱には、茹でる、焼く、煮る、蒸
す、揚げるなどの手法が単独あるいは組み合わせ
て用いられる。肉蛋白質を変性凝固させるのが目
的であるが、殺菌と、澱粉を含むものにあつて
は、その糊化の目的もかねて行なう。 即ち、かまぼこ形成能を有する乾燥摺り身と
は、塩を入れて擂潰したとき弾力のあるゲルを形
成する能力のある水晒し魚肉のことをいう。 その技術条件は、第1に蛋白質は変性を起こし
ておらず塩を入れて擂潰したときゾル化するこ
と、第2にゲル化をさまたげる因子である水溶性
蛋白質や、多量の脂肪や臭気成分を除くこと、第
3に蛋白質は変性を起こさないように有機溶剤を
伴わないこと、第4にかまぼこ形成能を維持しな
がら水分を加減すること等である。 上記のように、従来よりかまぼこ形成能は生鮮
魚肉のみが持つ特性で、魚肉蛋白質の変性により
消失する。したがつて、練製品の原料になり得る
かまぼこ形成能を有する摺り身というのは、生鮮
魚肉をそのまま採肉して水晒しした生鮮摺り身で
ある場合か、当該生鮮摺り身に多糖類を加えて変
性を抑えながら凍結した冷凍摺り身である場合が
一般的である。このため、その保存や輸送に便利
でかまぼこ製造上の取扱いが容易という利点か
ら、かまぼこ形成能を有する乾燥摺り身の製造が
長年望まれてきた。 「本発明が解決すべき問題点」 近年、かまぼこ形成能のある鮮魚性魚粉の製造
法については、少しずつ研究されるようになり、
成功例もいくつか報告されるようになつたが、そ
れらは、いずれも技術課題である乾燥手段とし
て、真空凍結乾燥法を採用するものであつた。 しかし、当該真空凍結乾燥法は、高価な設備と
高エネルギーとを必要とするので、どうしてもコ
スト高になつてしまい、商業的多量生産には適し
ていないというのが大きな欠点である。 また、一般に乾燥中の乾燥変性を防止するに
は、水をある安定域まで、適当な条件で脱水する
ことが必要とされているが、前記真空凍結乾燥し
た場合には、どうしても中心部に氷結水分の出来
る性質がある。特に、多量の食品を乾燥しようと
した場合には、表面部は乾燥しても中心部には、
いわゆる結合水および自由水を含めたバルクの水
の塊が残存し、全体に均一な乾燥が出来ない欠点
がある。このため、魚肉の乾燥を所定の安定域に
止めようとしてもうまくいかないことが多い。 さらに、魚肉を高真空下で凍結乾燥をしたもの
は、アデノシントリリン酸分解酵素(ATP−
ase)活性が失われるし、その乾燥製品への水の
吸着や酸化反応などにより貯蔵中の変質が早い性
質がある。しかも、真空凍結乾燥品は必ず多孔質
となるため、それが食物の風味を低下させ、品質
劣化速度を早める性質もある。 以上のように、従来の製法は、多量生産に不向
きであること、かまぼこ形状能の保持と乾燥技術
の両立が困難であること、かまぼこ形成能を保持
するための各種蛋白変性防止操作が充分ではない
こと、乾燥による風味の劣化を防止する技術が解
決していないこと等といつた点に未だ技術的課題
が残つており、満足すべき製造法にまでは至つて
いない。 本発明は、魚肉蛋白質の変性について研究し、
かまぼこ形成能を有しながら安定性がある乾燥摺
り身を提供することと、その効率的な製造法につ
いて開発したものである。すなわち、本件出願に
かかる発明は、第1に、当該乾燥摺り身の製造に
際しては、生鮮魚肉からどのようにしてかまぼこ
形成能阻害因子を除去するか、第2に乾燥工程に
おける蛋白質の変性をどのようにして防止するの
かという脱水条件の開発、第3に出来た乾燥摺り
身のかまぼこ形成能の維持をどのようにするかと
いう品質安定性保持条件の開発、第4に特に脂肪
分の多い赤身魚から蛋白変性しないように油脂分
を分離する方法の開発、といつた技術的課題が克
服されている。 [問題点を解決すべき手段] 第1発明は、かまぼこ形成能を有する乾燥摺り
身である。 それは、15℃以下の環境下で、生鮮魚肉をPH
5.5〜PH10に調整したうえ、水晒しした魚肉に蛋
白変性防止剤を15℃以下の環境下で、浸透圧脱水
により水分含量を50%以下にした乾燥摺り身で、
その具体的な商品化形状として、用途により、ペ
レツト状、膠状、または粉末状等に加工処理した
ものである。 即ち、本発明に係る乾燥摺り身は、まず原料で
ある生鮮魚肉の段階から商品化する段階まで一貫
して15℃以下の環境下におかれていることが必要
である。摺り身のかまぼこに形成能というのは、
温度によつて敏感に変化し、普通は25℃以上の環
境下に所定時間以上おかれた場合には失活する。
そこで、処理時から完成後にわたつて、一度も15
℃以上にはなつたことのない摺身であることが必
要である。例えば、第3表に示したように、本発
明により製造されたかまぼこ形成能を有する乾燥
摺り身を40℃の超臨界炭酸ガスにかけて、脂質を
抽出すると、かまぼこ形成能が失われるのに、同
じ乾燥摺り身を12°の高圧液化炭酸ガスで脂質を
抽出した場合には、かまぼこ形成能は失われてい
ない。この事実からも温度が高くなると、かまぼ
こ形成能が失活させることは明らかである。 また、本発明にかかる乾燥摺り身は、PH5.5〜
PH10の間にあることが必要である。従来の白身魚
肉の場合は殆どそのままで、PH条件を満足させて
いるが、赤身魚肉の場合には一般に酸性が強い場
合が多く、アルカリ水晒し等によつてPH調整し
て、上記PH条件を満足させる必要がある。即ち、
通常の赤身魚肉は、筋肉のPHが6以下で、筋肉蛋
白質の等電点に近いため、蛋白質分子間の静電気
引き合いが強く、通常の水晒しでは、足形成阻害
因子の除去が困難である。魚肉ねり製品の足とPH
との関係については第1図で示したとおりであ
る。 次に本発明は水晒しをしたものであることが必
要である。水晒しによつて足形成阻害因子である
水溶性蛋白質、臭気成分、色素、脂肪、汚物等が
除去される。したがつて、水晒しが肉の足形成能
力を著しく向上させる。 また、本発明は、水晒し魚肉に蛋白変性防止剤
を添加したものである。 例えば、糖類、重合リン酸塩は、蛋白質の変性
防止に有効で、無塩摺り身の場合は、蔗糖、ソル
ビツト、グルコースの1〜2種を5〜8%、ピロ
リン酸ナトリウムおよびトリリン酸ナトリウムを
各々0.1〜0.15%加えるのが一般的である。尚、
ピロリン酸ナトリウム、トリリン酸ナトリウムな
どの重合リン酸塩は、強力増強剤(水和促進剤)
としての効果も大きい。 更にまた、本発明は、浸透圧脱水により、水分
含量を50%以下に乾燥したものである。 蛋白質や核酸などの生体高分子の保存や精製に
際して、乾燥するとその過程で変性・失活するも
のが少なくない。なぜなら、生体高分子の表面に
は、疎水性水和をふくむ各種の自由度の小さい水
和水があり、溶媒の水とともに、これらの水分子
が生体高分子の構造と機能の発現に大きな役割を
果たしていると考えられるからである。 かまぼこ形成能を有する状態で摺り身から水分
を除去するには、極力蛋白質変性を防止しなけれ
ばならない。 従来、魚の干物の製造など天日または熱風によ
り乾燥する場合には、次のような欠点を有するの
で、かまぼこ形成能を有する乾燥粉末を実現でき
ない。 蛋白質が変性して肉質が硬くなる。 酵素や細菌の作用により、粘度低下を起こ
す。 脂質の酸化、変敗を起こす(空気酸化)。 分解酵素作用により、旨味成分が減少する。 これに対して、半透明を通して浸透圧利用の脱
水処理が開発され、食品脱水用に一部では使われ
始めてきた。これは過熱されないので、蛋白変性
を起こさないし、上記欠点が解消されるので、か
まぼこ形成能維持に力を発揮する(第2図)。 浸透圧脱水材としては、食用糖類(例えば蔗糖
やマルトース)と、高分子吸収剤(例えばポリア
クリル酸ソーダを組み合わせた高浸透圧物質液)
と、パツクした半透性膜袋(シート状)を用いる
方法である。 本発明者は、魚肉の蛋白を変性させる要因は、
熱運動、PH、塩、有機溶媒、生体内物質およびそ
の分解物、低温、凍結、凍結乾燥であることを研
究し、その防止対策として、それぞれ低温、PH調
整、脱塩、有機溶媒の不使用、水晒しによる足形
成阻害因子の除去、蛋白変性防止剤添加、凍結乾
燥の不使用、浸透圧脱水処理の採用をすることと
し、その具体的諸条件を整え、変性要因を排除し
て乾燥摺り身となしたものである。 製品としては、乾燥したまま膠状にしたり、ペ
レツト状にしたり、磨砕して粉末状にしたものと
して加工処理すればよい。尚、浸透圧脱水の効率
を高めるため、予備的に圧搾脱水して含水率を70
〜80%にしたうえで、浸透圧脱水するとよい。 第2発明は、上記乾燥摺り身の製造法に関す
る。 その製造は次の工程によつて行なわれる。 第1工程;15℃以下の環境下で生鮮魚から落し身
を採肉する。 生鮮魚から落し身を採肉する方法は従来通り
であるが、処理時の温度が15℃以下に保たれる
ように注意する。 第2工程;当該落し身をPH5.5〜PH10に調整する。
白身魚の場合には、殆ど考慮しなくてもよい
が、赤身魚の場合には、PH6以下の場合が多い
のでアルカリ水晒しを必要とする。 この砕、アルカリ水晒しをすると、蛋白変性
因子の除去と同時に足形成阻害因子の除去が可
能となる。この方法は例えば0.5%重炭酸ソー
ダ液に落し身を30分間浸漬した後、上澄液を捨
て、水晒しを行なう。但し、第1図のように摺
り身はPH6.5〜7.0の時に最も足形成能が大き
く、摺り身のPH調整は常に注意深く凍なう必要
がある。 第3工程;PH調整済の落し身を水晒しする。 この水晒しは、足形成阻害因子である水溶性
蛋白質や脂肪分を洗い流す効果がある。この水
晒しが、魚肉にかまぼこ形成能を出させる必須
の操作である。当該水晒しの方法は、従来と同
じ数回繰り返すが、やがて落し身は膨潤し、脱
水が困難となる。従つて、ごく少量の食塩か、
にがりを最終の水晒し液に加え、電荷の分布を
等電点域にひき戻すと脱水しやすくなる。この
ときの食塩濃度は0.3%またはそれより若干低
い濃度でよい。 第4工程;水晒し魚肉に蛋白変性防止剤を添加す
る。 水晒し魚肉に蛋白変性防止剤を添加した場合
のかまぼこ形成能に与える影響は表1に表わし
たとおりである。また、当該蛋白変性防止剤
は、第1発明にて説明したものと同じであるの
で、ここではその説明を省略する。 第5工程;浸透圧脱水材を用いて水分含量50%以
下に浸透圧脱水処理する。 浸透圧脱水処理は加熱しないので、蛋白質を
熱変性させないし、酵素、細菌の作用を抑制
し、更に空気酸化を防ぐので、脱水しながらも
かまぼこ形成能を失活させることがない。種々
の市販の吸水性ポリマーを用いて、真いわしの
水晒し肉の脱水性能を調べた結果は、第2図の
とおりである。実験は、新鮮な真いわしの落し
身と血合肉とを混合したものを原料とし、これ
をPH6.5に調整したあと、水晒しして水分75.9
%、脱質5.0%の晒し肉100gを得たあと、市販
されている高浸透圧樹脂をそのまま、或はセロ
ハンや紙シートと組み合わせて浸透圧脱水材A
〜Fとなし、5℃の温度条件下で脱水処理し
た。脱水後に脱水肉のかまぼこ形成能を調べた
ところ、すべて充分なかまぼこ形成能を有して
おり、脱水処理前の水晒し肉と比べても殆ど変
わらなかつた。脱水率は低くし過ぎると、乾燥
臭が出たり、まどりが悪くなつたりすることも
明らかになつた。そこで最終時点の安全保蔵水
分量を保持するための貯蔵技術や包装技術との
組み合わせを考慮して乾燥度を決定するとよい
ことも解つた。 本発明は以上のように、第1工程から第5工程
までを順次行なうことにより、かまぼこ形成能を
有する乾燥摺り身を製造するのである。 尚、前記浸透圧脱水材としては、高浸透性ポリ
マー、吸水性ポリマー等の高分子吸収体を素材と
したものをシート状に加工したり、粒状にした
り、粉末状にしたり、半透性膜でサンドイツチす
るなどの加工処理したものであればよい。 第3発明は、赤身魚を原料とするかまぼこ形成
能を有する乾燥摺り身の製造法である。 15℃以下の環境下で、生鮮赤身魚から落し身を
採肉する第1工程、当該落し身をアルカリ水晒し
によりPH5.5〜PH10にPH調整する第2工程、その
PH調整済の落し身を水晒しする第3工程、水晒し
魚肉に蛋白変性防止剤を添加する第4工程、浸透
圧脱水材を用いて水分含量50%以下に浸透圧脱水
する第5工程までは、前記第2発明と同じであ
る。そこで、以上の工程までについての説明は、
ここでは省略する。 第6工程:その脱水済摺り身を磨砕する。 この工程は、次の高液化、或は、超臨界ガス
抽出時に、抽料(被抽出物)と抽剤(例えば炭
酸ガス)の接触効率を高めるために、行なうも
のであり、冷却下で微粉化させものである。 第7工程:15℃以下で高圧液化ガス或は超臨界ガ
ス抽出により油脂分を抽出分離する。 この工程は、蛋白質変性を抑制しながら、赤
身魚の保有する油脂分を脱水済摺り身か抽出分
離するものである。 赤身魚の保有する油脂分を脱水済摺り身から抽
出分離する本発明の場合に、例えば炭酸ガスを抽
剤として用いると、高圧液化炭酸ガス(12℃、
250atm)で抽出が出来たものには、かまぼこ形
成能があつたが、超臨界炭酸ガス(40℃、
250atm)の抽出の場合には、かまぼこ形成能は
失われてしまつた(第2表)。勿論、抽剤として
炭酸ガスではなく、15℃以下の低温で超臨界ガス
になる性質をもつたガスを選定すれば、超臨界ガ
ス状態で脂質を抽出処理しても、摺り身のかまぼ
こ形成能は失われることがない。 尚、ここに高圧液化ガス或は超臨界ガス抽出と
いうのは、本来、液体になるべき圧力(臨界圧
力)と温度(臨界温度)を超えてもガス状態のま
までいる物質を超臨界ガスといい、それに近い状
態にあるものを高圧液化ガスという。例えば、炭
酸ガスの場合には、圧力をかけることにより、比
較的簡単に作ることができる。その密度は、気体
の百倍近くあり、殆ど液体に近いが、粘土は気体
に近い。当該高圧液化ガス或は超臨界ガスは、物
質の中に入り込んで色々のものを溶かすが、圧力
が低下するとすぐ普通の炭酸ガスに戻る。このよ
うな性質を利用して、各種の成分を抽出する方法
を高圧液化ガス或は超臨界ガス抽出という。 「実施例」 実施例 1 真いわしをミンチ状にしたものを、PH7に調整
したうえで水晒しした後、蛋白変性防止剤として
原料に対して20%のソルビトールを添加し、5
℃、20気圧で一挽浸透圧脱水して90gの乾燥摺り
身を得た。その得られた乾燥摺り身の性状は、第
2表の2に示したとおり、塩可溶性窒素量も、
ATP−ase活性も、折曲げテストも、かまぼこ形
成能を充分有している数値を示している。 実施例 2 真いわしをミンチ状にしたものを、PH7に調整
したうえで水晒しした後、蛋白変性防止剤として
原料に対して20%のソルビトールを添加し、5
℃、20気圧で一晩浸透圧脱水して得られた乾燥摺
り身90gを12℃、250atmの液化炭酸ガスで200
g/時間で抽出した結果、85gの粉末状の乾燥摺
り身と5gの魚油を得た。その乾燥摺り身の性状
は、第2表の3に示したとおり、塩可溶性窒素量
も、ATP−ase活性も、折曲げテストも、かまぼ
こ形成能を充分有している数値を示している。 「効果」 叙上のように、第1発明は、50%以下に乾燥さ
れていても、かまぼこ形成能を有している摺り身
を提供するものである。 出来た乾燥摺り身について、脱水肉の水分、脂
質含量、およびかまぼこ形成能を測定した。その
結果、本発明にかかる乾燥摺り身は、充分かまぼ
こ形成能を有していることが判明した。 その結果は、第2表により明らかにする。当該
第2表の測定方法は、折曲げテストと、塩可溶性
窒素量、ATP−ase活性、を測定する方法であ
る。折曲げテストは、1/4円にしてもひびの入ら
ないのを『AA』と評価し、、1/2円にしてもひび
の入らないものを『A』と評価し、1/2円にする
とひび割れるものを『B』と評価し、1/2円にし
て壊れるものを『C』と評価した。 また、前記塩可溶性窒素量は、試料約1gに
0.6M塩化カリウムを加えて抽出した。冷却遠心
分離した上澄液中のタンパク量をロウリイ
(Lowry)法で測定し、0.6M塩化カリウムの塩可
溶性窒素量を全窒素量に対する%で示した。 また、前記ATP−ase活性というのは、反応混
合液にATPを加え、25℃で5分間反応させて、
トリクロロ酢酸(TCA)で反応をとめ、この5
分間に生成するリン酸量を測定した。ATP−ase
活性は、蛋白質1mg当り1分間に生成する無機リ
ン酸量をμmles濃度で示したものである。 また、普通の摺り身と、本発明の乾燥摺り身を
0℃の環境下で貯蔵したときの蛋白変性と、脂質
酸化と、臭いの変化の状態を観測したのが、第3
図である。 第2発明は、かまぼこ形成能を有する乾燥摺り
身の製造法である。それは、低温管理、PH調整、
水晒し、変性防止剤の添加、浸透圧脱水、を組み
合わせることにより製造出来るものであり、その
うち1工程でも条件を外れると、蛋白変性をおこ
し、かまぼこ形成能が失活する。特に、かまぼこ
形成能を失わない乾燥手段として、浸透圧脱水法
を組み合わせたことが、経済的で、合量生産向き
であり、確実性の高い製造法である。 第3発明は、基本的には第2発明と共通の構成
要素をもつた製造法であるが、赤身魚で、油脂分
の多い鮮魚肉の場合には、油脂分がかまぼこ形成
能を低減させるので、温度を15℃以上にあげるこ
となく、油脂分と水と乾燥摺り身粉末とに分離さ
せる必要がある。そのため、脱水済み摺り身を磨
砕したうえ、15℃以下で高圧液化ガス或は超臨界
ガス抽出により油脂分を抽出分離する工程が付加
されたものである。これによて、従来油脂が多く
て困難とされていた、いわしなどの赤身魚をかま
ぼこ形成能を有する粉末状などの摺り身に製造出
来ることとなつた。
【表】
【表】
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図は、魚肉練製品の足とPHの関係を記録し
たグラフであり、第2図は、浸透圧脱水における
水分含量の経時的変化を示すグラフでり、第3図
は0℃貯蔵における乾燥摺り身の蛋白変性と脂質
酸化であり、第4図、第5図は、本発明の製造工
程を示すブロツク図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 15℃以下の環境下で、生鮮魚肉をPH5.5〜PH
    10に調整したうえ水晒しした魚肉に、蛋白変性防
    止剤を添加し、15℃以下の環境下で浸透圧脱水に
    より水分含量を50%以下にしたことを特徴とする
    かまぼこ形成能を有する乾燥摺り身。 2 上記乾燥摺り身ペレツト状、膠状、または粉
    末状にしたことを含む特許請求の範囲第1項記載
    のかまぼこ形成能を有する乾燥摺り身。 3 15℃以下の環境下で、生鮮魚から落し身を採
    肉する第1工程、当該落し身をPH5.5〜PH10にPH
    調整する第2工程、PH調整済の落し身を水晒しす
    る第3工程、水晒し魚肉に蛋白変性防止剤を添加
    する第4工程、浸透圧脱水材を用いて水分含量50
    %以下に浸透圧脱水する第5工程を行なうことに
    より得られるかまぼこ形成能を有する乾燥摺り身
    の製造法。 4 15℃以下の環境下で、生鮮赤身魚から落し身
    を採肉する第1工程、当該落し身をアルカリ晒し
    によりPH5.5〜PH10にPH調整する第2工程、その
    PH調整済の落し身を水晒しする第3工程、水晒し
    魚肉に蛋白変性防止材を添加する第4工程、浸透
    圧脱水材を用いて水分含量50%以下に浸透圧脱水
    する第5工程、その脱水済摺り身を磨砕する第6
    工程、15℃以下で高圧液化ガス抽出或は超臨界ガ
    ス抽出により油脂分を抽出分離する第7工程によ
    り得られる赤身魚を原料とするかまぼこ形成能を
    有する乾燥摺り身の製造法。 5 前記浸透圧脱水材として、高浸透性ポリマ
    ー、吸水性ポリマー等、高分子吸収体を素材とし
    たものをシート状にしたり、粒状にしたり、粉末
    状にしたり、半透性膜でサンドイツチするなど加
    工処理したものを用いることを特徴とする特許請
    求の範囲第3項または第4項記載のかまぼこ形成
    能を有する乾燥摺り身の製造法。
JP62069720A 1987-03-23 1987-03-23 かまぼこ形成能を有する乾燥摺り身、およびその製造法 Granted JPS63233753A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62069720A JPS63233753A (ja) 1987-03-23 1987-03-23 かまぼこ形成能を有する乾燥摺り身、およびその製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62069720A JPS63233753A (ja) 1987-03-23 1987-03-23 かまぼこ形成能を有する乾燥摺り身、およびその製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63233753A JPS63233753A (ja) 1988-09-29
JPH0451148B2 true JPH0451148B2 (ja) 1992-08-18

Family

ID=13410952

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62069720A Granted JPS63233753A (ja) 1987-03-23 1987-03-23 かまぼこ形成能を有する乾燥摺り身、およびその製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS63233753A (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
MY169384A (en) * 2012-09-11 2019-03-26 Shinyo Suisan Co Ltd Minced-fish product using dark flesh, paste product using dark flesh, method for manufacturing minced-fish product using dark flesh, and method for manufacturing paste product using dark flesh
JP6621375B2 (ja) * 2016-06-02 2019-12-18 佐賀玄海漁業協同組合 凍結乾燥魚粉の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS63233753A (ja) 1988-09-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20110212250A1 (en) Low-cholesterol shrimp and method of obtaining same
WO2001064052A1 (fr) Procede d'impregnation d'aliments, oeufs enrichis en vitamine c et oeufs de cane fermentes ainsi obtenus
RU2560071C1 (ru) Способ получения сухого пищевого продукта
RU2385629C1 (ru) Способ приготовления соевых белковых продуктов
JP5220852B2 (ja) 大豆加工食品およびその製造方法
US4888181A (en) Sea food flavored food products
JPH0451148B2 (ja)
CA1064763A (en) Method for the production of fish meat powder retaining functional properties of fresh fish meat
Arvanitoyannis et al. Osmotic dehydration: theory, methodologies, and applications in fish, seafood, and meat products
SU1212314A3 (ru) Способ получени структурированных продуктов из м са водных животных
JP7241500B2 (ja) 乾燥畜肉の製造方法
WO2021200993A1 (ja) 冷却保存用の加熱済畜肉加工品の品質低下抑制用組成物
KR102159021B1 (ko) 솔잎 추출물을 유효성분으로 포함하는 유바 필름 및 이의 식육제품 케이싱 용도
JPH09107926A (ja) 乾燥貝柱製品の製造方法
JPH02142453A (ja) イワシ加工食品の製法
JPH0127712B2 (ja)
JPS6135821B2 (ja)
JP2022083887A (ja) 氷再結晶化抑制剤、冷凍食品又はフリーズドライ食品の製造方法、及び大豆発酵物又はその抽出物
JPS6240978B2 (ja)
Cortez-Vega et al. Effect of washing cycles on the quality of surimi-like material obtained from mechanically deboned chicken meat
JP2008035757A (ja) 魚肉の臭気を除去するための方法
JPH02182180A (ja) 冷凍食物製品及びその製法
JP3149281B2 (ja) プリン様魚肉食品及びその製造方法
JP2021103954A (ja) 多孔質高活性魚肉タンパク質乾燥材料の製造方法、多孔質高活性魚肉タンパク質乾燥材料、及びこれを原料とする魚肉練り製品
JPS63233766A (ja) 食用魚粉の製造法