JP3149281B2 - プリン様魚肉食品及びその製造方法 - Google Patents
プリン様魚肉食品及びその製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、魚肉を原料としたプリ
ン様のソフトで滑らかな物性を有する食品及びその製造
方法に関するものである。
ン様のソフトで滑らかな物性を有する食品及びその製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、食生活の多様化が進む中で、天然
の風味を残し、かつ新しい食感を持った食品の出現が期
待されている。特に日本型食生活の中で大きい比重を占
める魚肉に新規な物性を付与し、消費拡大を計ること
は、健康増進の上からも望ましいことと考えられる。
の風味を残し、かつ新しい食感を持った食品の出現が期
待されている。特に日本型食生活の中で大きい比重を占
める魚肉に新規な物性を付与し、消費拡大を計ること
は、健康増進の上からも望ましいことと考えられる。
【0003】日本の伝統的な食品の一つである豆腐は、
磨砕した大豆を加熱して得られる豆乳に凝固剤を加えて
造られ、また茶碗蒸しは、卵にだし汁を混合したものに
具を加えた後、加熱して造られるものでいずれも加熱ゲ
ルである。これらは豆腐が約90%、茶碗蒸し(具を除
く)が約95%と多量の水を含んでいるにもかかわらず、
均質なハイドロゲルを形成し、崩したときの分離水が少
なく、口に入れたときに舌にソフトで滑らかな食感を与
えるものである。
磨砕した大豆を加熱して得られる豆乳に凝固剤を加えて
造られ、また茶碗蒸しは、卵にだし汁を混合したものに
具を加えた後、加熱して造られるものでいずれも加熱ゲ
ルである。これらは豆腐が約90%、茶碗蒸し(具を除
く)が約95%と多量の水を含んでいるにもかかわらず、
均質なハイドロゲルを形成し、崩したときの分離水が少
なく、口に入れたときに舌にソフトで滑らかな食感を与
えるものである。
【0004】これに対して、魚肉を原料としたもので
は、カマボコに代表される練製品がある。そのほとんど
は、魚肉をチョッパーで採肉した後、水晒しを行って水
溶性タンパク質や脂質を除去して、ゲル形成能を高めた
筋原繊維タンパク質を主体とする加塩すり身に、卵白、
デンプン、砂糖、味淋、グルタミン酸ソーダなどの調味
料を加えて得られる水分含量70〜80%のペースト状のす
り身を、加熱してゲル化したものであって、弾力性のあ
る好ましい物性のものである。
は、カマボコに代表される練製品がある。そのほとんど
は、魚肉をチョッパーで採肉した後、水晒しを行って水
溶性タンパク質や脂質を除去して、ゲル形成能を高めた
筋原繊維タンパク質を主体とする加塩すり身に、卵白、
デンプン、砂糖、味淋、グルタミン酸ソーダなどの調味
料を加えて得られる水分含量70〜80%のペースト状のす
り身を、加熱してゲル化したものであって、弾力性のあ
る好ましい物性のものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、魚肉練
製品では、加水量を多くして、例えば水分90%程度にし
た場合には、加熱しても均質なゲルは形成されず、多量
の水が分離されるばかりでなく、部分的に熱凝固したゲ
ルは表面が粗く、すだちをしたザラついた食感となり、
滑らかなゲルとは全くかけ離れた好ましくないものにな
ってしまう。
製品では、加水量を多くして、例えば水分90%程度にし
た場合には、加熱しても均質なゲルは形成されず、多量
の水が分離されるばかりでなく、部分的に熱凝固したゲ
ルは表面が粗く、すだちをしたザラついた食感となり、
滑らかなゲルとは全くかけ離れた好ましくないものにな
ってしまう。
【0006】このように、水分含量の多い魚肉加水磨砕
物の場合には、加熱によってソフトで滑らかな食感を持
ったゲルは生成されないため、これまで魚肉を原料とし
たプリン様あるいは豆腐様の食品は製造することが出来
なかった。
物の場合には、加熱によってソフトで滑らかな食感を持
ったゲルは生成されないため、これまで魚肉を原料とし
たプリン様あるいは豆腐様の食品は製造することが出来
なかった。
【0007】一方、近年、静水圧を食品加工に利用しよ
うとする試みが行われている。魚肉あるいは魚肉すり身
に静水圧を利用したものとしては、特開平2−7284
4号に示される魚肉の消臭・脱色加工方法や、特開平2
−117367号に示される魚肉又は畜肉タンパク質の
高圧変性の抑制法等を挙げることができるが、いずれも
魚肉の切身又はすり身を2000kg/cm2以上の静水圧で加圧
処理するもので、魚肉あるいはすり身に等量以上の水分
を加えたものを静水圧加圧して食品を製造しようとする
試みは全くされていない。
うとする試みが行われている。魚肉あるいは魚肉すり身
に静水圧を利用したものとしては、特開平2−7284
4号に示される魚肉の消臭・脱色加工方法や、特開平2
−117367号に示される魚肉又は畜肉タンパク質の
高圧変性の抑制法等を挙げることができるが、いずれも
魚肉の切身又はすり身を2000kg/cm2以上の静水圧で加圧
処理するもので、魚肉あるいはすり身に等量以上の水分
を加えたものを静水圧加圧して食品を製造しようとする
試みは全くされていない。
【0008】したがって、本発明の目的は、魚肉と水と
食塩を原料とし、魚肉本来の風味を有し、ソフトで滑ら
かな食感を有するプリン様魚肉食品及びその製造方法を
提供することにある。
食塩を原料とし、魚肉本来の風味を有し、ソフトで滑ら
かな食感を有するプリン様魚肉食品及びその製造方法を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため、鋭意研究を行った結果、静水圧加圧を
利用することによって、魚肉に対する加水量を多くして
も均質なゲルの形成が可能となることを見い出し、本発
明を完成するに至った。
を達成するため、鋭意研究を行った結果、静水圧加圧を
利用することによって、魚肉に対する加水量を多くして
も均質なゲルの形成が可能となることを見い出し、本発
明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明のプリン様魚肉食品は、
魚肉と、該魚肉に対して重量比で1〜5倍量の水と、0.
5 〜5.0 重量%の食塩とを含有し、全体として均質なゲ
ルを形成していることを特徴とする。
魚肉と、該魚肉に対して重量比で1〜5倍量の水と、0.
5 〜5.0 重量%の食塩とを含有し、全体として均質なゲ
ルを形成していることを特徴とする。
【0011】また、本発明のプリン様魚肉食品の製造法
は、魚肉に、該魚肉に対して重量比で1〜5倍量の水
と、0.5 〜5.0 重量%の食塩とを加えて磨砕した後、20
00〜7000kg/cm2の静水圧下で加圧することを特徴とす
る。
は、魚肉に、該魚肉に対して重量比で1〜5倍量の水
と、0.5 〜5.0 重量%の食塩とを加えて磨砕した後、20
00〜7000kg/cm2の静水圧下で加圧することを特徴とす
る。
【0012】以下、本発明について好ましい態様を挙げ
て更に詳細に説明する。
て更に詳細に説明する。
【0013】本発明で使用する魚肉の種類は、特に制限
はなく、例えばカツオ、マグロ、イワシをはじめとする
各種の魚肉を使用することができる。また、魚肉は、採
肉したそのままのものでも、水晒ししたものでも、いず
れも使用できる。魚肉に水及び食塩を加えて磨砕を行う
には、例えば高速カッター等の高速に回転する刀を持っ
たフードカッターが使用できるが、均一に磨砕できる機
械であれば上記機械に限定されるものではない。
はなく、例えばカツオ、マグロ、イワシをはじめとする
各種の魚肉を使用することができる。また、魚肉は、採
肉したそのままのものでも、水晒ししたものでも、いず
れも使用できる。魚肉に水及び食塩を加えて磨砕を行う
には、例えば高速カッター等の高速に回転する刀を持っ
たフードカッターが使用できるが、均一に磨砕できる機
械であれば上記機械に限定されるものではない。
【0014】魚肉に対する水の添加割合は、重量比で1
〜5倍量とすることが必要であり、好ましくは2〜4倍
量である。また、魚肉加水磨砕物中の食塩の濃度は、0.
5 〜5.0 重量%とすることが必要であり、好ましくは1.
0 〜3.0 重量%である。魚肉に対する加水量及び魚肉磨
砕物中の食塩の濃度は、目標とするゲルの強度によって
決定される他、魚種の魚肉タンパク質組成と成分によっ
て決定される。また、同一の魚種であっても漁獲時期の
違いによる魚肉成分の相違によって異なり、水晒しの有
無あるいは水晒しの程度によっても異なる。
〜5倍量とすることが必要であり、好ましくは2〜4倍
量である。また、魚肉加水磨砕物中の食塩の濃度は、0.
5 〜5.0 重量%とすることが必要であり、好ましくは1.
0 〜3.0 重量%である。魚肉に対する加水量及び魚肉磨
砕物中の食塩の濃度は、目標とするゲルの強度によって
決定される他、魚種の魚肉タンパク質組成と成分によっ
て決定される。また、同一の魚種であっても漁獲時期の
違いによる魚肉成分の相違によって異なり、水晒しの有
無あるいは水晒しの程度によっても異なる。
【0015】水の添加割合が魚肉に対して等倍量より少
ない場合は、硬くしかも弾力性が強くなりすぎてプリン
様の食感が得られなくなり、水の添加割合が魚肉に対し
て5倍量を超えると、静水圧加圧を利用しても離水量が
多くなり良好で均一なゲルとはならない。同様に、食塩
の濃度が、0.5 〜5.0 重量%より低すぎても高すぎて
も、離水量が多くなり良好で均一なゲルとはならない。
ない場合は、硬くしかも弾力性が強くなりすぎてプリン
様の食感が得られなくなり、水の添加割合が魚肉に対し
て5倍量を超えると、静水圧加圧を利用しても離水量が
多くなり良好で均一なゲルとはならない。同様に、食塩
の濃度が、0.5 〜5.0 重量%より低すぎても高すぎて
も、離水量が多くなり良好で均一なゲルとはならない。
【0016】本発明の好ましい態様では、魚肉に水と食
塩を上記範囲の量となるように加えて均一に磨砕し、こ
の魚肉加水磨砕物から筋を篩別除去し、所望の形状をな
すプラスチック製容器にヘッドスペースが可及的に少な
くなるように入れ、更に必要があれば脱気して、密封し
た後、静水圧加圧装置に入れて常温下で加圧する。プラ
スチック製容器としては、例えば、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリエステル、ナイロン、ポリ塩化ビニリ
デン、アルミ箔などで構成される積層フィルムからなる
所望の形状のフレキシブルなケーシングが好ましく用い
られる。静水圧加圧装置としては、金属、セラミックス
の粉末加工に用いられているCIP (Cold Isostatic P
ress) 装置が好ましく用いられる。
塩を上記範囲の量となるように加えて均一に磨砕し、こ
の魚肉加水磨砕物から筋を篩別除去し、所望の形状をな
すプラスチック製容器にヘッドスペースが可及的に少な
くなるように入れ、更に必要があれば脱気して、密封し
た後、静水圧加圧装置に入れて常温下で加圧する。プラ
スチック製容器としては、例えば、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリエステル、ナイロン、ポリ塩化ビニリ
デン、アルミ箔などで構成される積層フィルムからなる
所望の形状のフレキシブルなケーシングが好ましく用い
られる。静水圧加圧装置としては、金属、セラミックス
の粉末加工に用いられているCIP (Cold Isostatic P
ress) 装置が好ましく用いられる。
【0017】静水圧加圧の圧力は、2000〜7000kg/cm2で
あることが必要であり、好ましくは2500〜5000kg/cm2で
ある。最も好ましい圧力は、目標とするゲルの強度、魚
種及び魚肉の水晒し等の処理の有無によって決定される
ものである。また、圧力保持時間は、所定の圧力に達し
てから5〜20分間で十分である。
あることが必要であり、好ましくは2500〜5000kg/cm2で
ある。最も好ましい圧力は、目標とするゲルの強度、魚
種及び魚肉の水晒し等の処理の有無によって決定される
ものである。また、圧力保持時間は、所定の圧力に達し
てから5〜20分間で十分である。
【0018】なお、本発明においては、原料として、魚
肉、水、食塩の他に、卵白、デンプン、味淋、グルタミ
ン酸ソーダ、砂糖等の添加物を加えることもできる。
肉、水、食塩の他に、卵白、デンプン、味淋、グルタミ
ン酸ソーダ、砂糖等の添加物を加えることもできる。
【0019】
【作用】本発明によれば、魚肉に対して重量比で1〜5
倍量の水と、0.5 〜5.0 重量%の食塩とを加えて磨砕し
た後、2000〜7000kg/cm2の静水圧下で加圧することによ
り、離水することなく均質なゲルを形成することが可能
となる。こうして得られた食品は、加熱によって得られ
るような表面が粗く、すだちをしたざらついた食感のも
のとは全く異なり、プリン様のソフトでキメが細かく、
滑らかな食感を有しており、容器から取り出しても型崩
れすることがなく、均質なゲルとなっており、離水も認
められないか、あるいは極めて少量認められるにすぎな
い。
倍量の水と、0.5 〜5.0 重量%の食塩とを加えて磨砕し
た後、2000〜7000kg/cm2の静水圧下で加圧することによ
り、離水することなく均質なゲルを形成することが可能
となる。こうして得られた食品は、加熱によって得られ
るような表面が粗く、すだちをしたざらついた食感のも
のとは全く異なり、プリン様のソフトでキメが細かく、
滑らかな食感を有しており、容器から取り出しても型崩
れすることがなく、均質なゲルとなっており、離水も認
められないか、あるいは極めて少量認められるにすぎな
い。
【0020】
【実施例】次に本発明を実施例によって更に詳細に説明
する。
する。
【0021】実施例1 冷凍カツオを解凍して3枚におろし、骨、表皮及び血合
肉を除去した後、魚肉をミンチ状に細断した。このミン
チ状の魚肉100 gに対して、1%の食塩水をそれぞれ10
0 、200 、300 、400 、500 g加え、フードカッターを
用いて均一になるように2分間磨砕した後、16メッシュ
の篩を通して筋を除去し、魚肉加水磨砕物を得た。
肉を除去した後、魚肉をミンチ状に細断した。このミン
チ状の魚肉100 gに対して、1%の食塩水をそれぞれ10
0 、200 、300 、400 、500 g加え、フードカッターを
用いて均一になるように2分間磨砕した後、16メッシュ
の篩を通して筋を除去し、魚肉加水磨砕物を得た。
【0022】加水量が異なるそれぞれの魚肉加水磨砕物
を、プラスチック製容器に満タンになるように65〜70g
充填して密封し、CIP装置を用いて常温下で20分間、
3000kg/cm2の静水圧加圧を行った(これらを加圧区とす
る)。また、比較のために、上記と同じ魚肉加水磨砕物
を同様の容器に充填して密封したものを、60、80、100
℃の各温度の湯浴中で20分間加熱した(これらを加熱区
とする)。
を、プラスチック製容器に満タンになるように65〜70g
充填して密封し、CIP装置を用いて常温下で20分間、
3000kg/cm2の静水圧加圧を行った(これらを加圧区とす
る)。また、比較のために、上記と同じ魚肉加水磨砕物
を同様の容器に充填して密封したものを、60、80、100
℃の各温度の湯浴中で20分間加熱した(これらを加熱区
とする)。
【0023】こうして得られたそれぞれの製品を4℃の
冷蔵庫に入れて一昼夜放置した後、開封し、離水の状況
を観察すると共に、食感の評価を行った。離水状況の結
果を表1に示す。
冷蔵庫に入れて一昼夜放置した後、開封し、離水の状況
を観察すると共に、食感の評価を行った。離水状況の結
果を表1に示す。
【0024】
【表1】 (表中、◎は分離せず、○は僅かに分離、△は明らかに
分離、×は大量に分離を意味している。)
分離、×は大量に分離を意味している。)
【0025】表1に示されるように、3000kg/cm2で加圧
処理したものは、加熱区と比べて離水量が少なく、魚肉
に対して4倍量の食塩水を加えても僅かに離水する程度
であった。これに対して、加熱区では、2倍量以上の食
塩水を添加すると、明らかに離水が認められた。
処理したものは、加熱区と比べて離水量が少なく、魚肉
に対して4倍量の食塩水を加えても僅かに離水する程度
であった。これに対して、加熱区では、2倍量以上の食
塩水を添加すると、明らかに離水が認められた。
【0026】また、食感では、3000kg/cm2で加圧したも
のは、食塩水の添加割合に関わらずいずれもソフトで滑
らかなプリン様の舌ざわりとなり、特に食塩水を3倍量
加えたものが最もキメが細かかった。これに対して加熱
処理したものは、すべてザラついた食感であり滑らかさ
が欠けていた。また、加熱区における水の分離の多いも
のは結着性が乏しく、容器から出すと型崩れを起こし
た。
のは、食塩水の添加割合に関わらずいずれもソフトで滑
らかなプリン様の舌ざわりとなり、特に食塩水を3倍量
加えたものが最もキメが細かかった。これに対して加熱
処理したものは、すべてザラついた食感であり滑らかさ
が欠けていた。また、加熱区における水の分離の多いも
のは結着性が乏しく、容器から出すと型崩れを起こし
た。
【0027】実施例2 マグロの落し身から魚肉を採取し、ミンチ状に細断し
た。このミンチ状の魚肉100 gに対して、2%食塩水を
それぞれ200 、300 、400 g加えて、実施例1と同様に
魚肉加水磨砕物を調整し、プラスチック製容器に満タン
になるように65〜70g充填して密封した後、常温下で20
分間、2000、2500、3000、5000、7000kg/cm2の静水圧加
圧を行ったところ、各圧力条件ともに均質な滑らかなゲ
ルが得られた。特に魚肉に対して3倍量の食塩水を加え
たものは、2500〜5000kg/cm2の加圧によって、非常に滑
らかでしかも弾力性のあるプリン様のゲルとなった。魚
肉の2倍量の食塩水を加えたものはやや硬い食感のゲル
となった。
た。このミンチ状の魚肉100 gに対して、2%食塩水を
それぞれ200 、300 、400 g加えて、実施例1と同様に
魚肉加水磨砕物を調整し、プラスチック製容器に満タン
になるように65〜70g充填して密封した後、常温下で20
分間、2000、2500、3000、5000、7000kg/cm2の静水圧加
圧を行ったところ、各圧力条件ともに均質な滑らかなゲ
ルが得られた。特に魚肉に対して3倍量の食塩水を加え
たものは、2500〜5000kg/cm2の加圧によって、非常に滑
らかでしかも弾力性のあるプリン様のゲルとなった。魚
肉の2倍量の食塩水を加えたものはやや硬い食感のゲル
となった。
【0028】実施例3 実施例1と同様にミンチ状に細断したカツオ魚肉100 g
に対して、食塩10g、卵白5g、コーンスターチ5g、
砂糖5g、及び水345 gを加えて魚肉加水磨砕物を調整
し、プラスチック製容器に満タンになるように70g充填
して密封した後、常温下で20分間、3000kg/cm2で静水圧
加圧を行ったところ、滑らかで弾力性の大きな均質なプ
リン様のゲルが得られた。
に対して、食塩10g、卵白5g、コーンスターチ5g、
砂糖5g、及び水345 gを加えて魚肉加水磨砕物を調整
し、プラスチック製容器に満タンになるように70g充填
して密封した後、常温下で20分間、3000kg/cm2で静水圧
加圧を行ったところ、滑らかで弾力性の大きな均質なプ
リン様のゲルが得られた。
【0029】実施例4 実施例2と同様なミンチ状のマグロ魚肉100 gに対し
て、食塩3g及び水300gを加えて魚肉加水磨砕物を調
整し、プラスチック製容器に満タンになるように70g充
填して密封した後、常温下で20分間、3000kg/cm2で静水
圧加圧した。こうして得られたゲルを約5mmの厚さにス
ライスし、沸騰水中に5分間保つことにより、結着性の
非常に強い豆腐様の魚肉が得られた。
て、食塩3g及び水300gを加えて魚肉加水磨砕物を調
整し、プラスチック製容器に満タンになるように70g充
填して密封した後、常温下で20分間、3000kg/cm2で静水
圧加圧した。こうして得られたゲルを約5mmの厚さにス
ライスし、沸騰水中に5分間保つことにより、結着性の
非常に強い豆腐様の魚肉が得られた。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
魚肉を原料として、食品添加物を使用することなく、ソ
フトで滑らかなプリン様の物性を持った食品を提供する
ことが可能となった。また、魚肉を水晒しせずに使用可
能なため、従来水晒しによって廃棄されていた水溶性タ
ンパク質等の有効な成分が活用できる。その結果、排水
負荷の低減にもなり、環境に優しい食品加工法を提供す
ることができる。
魚肉を原料として、食品添加物を使用することなく、ソ
フトで滑らかなプリン様の物性を持った食品を提供する
ことが可能となった。また、魚肉を水晒しせずに使用可
能なため、従来水晒しによって廃棄されていた水溶性タ
ンパク質等の有効な成分が活用できる。その結果、排水
負荷の低減にもなり、環境に優しい食品加工法を提供す
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 孝司 静岡県静岡市鷹匠3丁目12−8 グラン ビュー鷹匠803号 (72)発明者 良知 昭吾 静岡県焼津市一色100 (56)参考文献 特開 昭56−72653(JP,A) 特開 平3−277253(JP,A) 特開 平2−72844(JP,A) 特開 平4−51873(JP,A) 特開 平2−245160(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/325
Claims (2)
- 【請求項1】 魚肉と、該魚肉に対して重量比で1〜5
倍量の水と、0.5 〜5.0 重量%の食塩とを含有し、全体
として均質なゲルを形成していることを特徴とするプリ
ン様魚肉食品。 - 【請求項2】 魚肉に、該魚肉に対して重量比で1〜5
倍量の水と、0.5 〜5.0 重量%の食塩とを加えて磨砕し
た後、2000〜7000kg/cm2の静水圧下で加圧することを特
徴とするプリン様魚肉食品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27365192A JP3149281B2 (ja) | 1992-09-17 | 1992-09-17 | プリン様魚肉食品及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27365192A JP3149281B2 (ja) | 1992-09-17 | 1992-09-17 | プリン様魚肉食品及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0698725A JPH0698725A (ja) | 1994-04-12 |
JP3149281B2 true JP3149281B2 (ja) | 2001-03-26 |
Family
ID=17530659
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27365192A Expired - Fee Related JP3149281B2 (ja) | 1992-09-17 | 1992-09-17 | プリン様魚肉食品及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3149281B2 (ja) |
-
1992
- 1992-09-17 JP JP27365192A patent/JP3149281B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0698725A (ja) | 1994-04-12 |
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