JP3599891B2 - エビ肉入り練り製品の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エビ肉入り練り製品の製造方法に関し、魚肉すり身に生エビ及び/又はエビすり身を加え混合したすり身を成型、加熱したエビ肉入り練り製品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
魚肉ねり製品は、魚肉すり身にゲルを形成させたもので、独特の食感を持った食品で、原料の魚により物性に多少の違いがあるものの基本的には同質の食感を有するものである。
近年、エビなどの甲殻類は、味、食感が好まれ種々の食材として広く用いられているが、ねり製品としてはあまり用いられていない。それはエビなどの甲殻類の肉身は、魚肉と性質を異にすることによるものである。
【0003】
このような問題を解決するものとして、すり身の調製の際の擂潰時に乾燥卵白とグリシンを添加するエビ肉を主原料とする冷凍すりみの製造法が提案されている(例えば、特開昭63−83426号公報)。
また、小型むきエビの適度の大きさの肉塊体に魚肉のすり身と卵白を主体とした練肉状の結着材を加えて混合し、これを大型のむきエビ形状に成形したエビ様食品の製造方法が提案されている(例えば、特開昭56−23872号公報)。
【0004】
【発明が解決しょうとする課題】
上記従来技術の擂潰時に乾燥卵白とグリシンを添加して冷凍すり身を製造するものでは、乾燥卵白の添加によりゲル形成能が発揮され、耐冷凍性が付与されることが述べられているが、このエビ肉を主原料とする冷凍すり身により製造されたねり製品は、魚肉と性質を異にするエビ肉のすり身によりねり製品の物性が変わり、ねり製品としての製品独特の食感である、弾力が強く歯切れのよい食感が充分とはいえないものであった。
また、小型むきエビの肉に魚肉のすり身と卵白を主体とした練肉状の結着材を加えて混合したエビ様食品の製造は、ねり製品とはいえないもので、ねり製品独特の食感を有するものではなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、塩ズリされた魚肉すり身に、生エビ及び/又はエビすり身と、卵白を加え調製してすり身とし、これを成型、加熱するエビ肉入り練り製品の製造方法であって、前記卵白の添加量が、塩ズリされた魚肉すり身の10〜50%であることを特徴とするエビ肉入り練り製品の製造方法である。
また、本発明のエビ肉入り練り製品の製造方法は、前記卵白が生卵白であることを特徴とするものである。
【0006】
【作用】
本発明において、塩ズリされた魚肉すり身に、生エビ及び/又はエビすり身を加えエビすり身入りねり製品を製造する際に、卵白を加えることにより、魚肉すり身のゲルの低下を防止することができ、ねり製品として魚肉すり身にエビすり身を加えた時の足が抜けること(ゲルがでないこと)及び、エビすり身が魚肉すり身と接着しないということを防止することができ、エビ肉がねり製品の風味、物性を変え、ねり製品独特の食感を持ったエビ肉入り練り製品を製造することができるものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明において、塩ズリされた魚肉すり身は、例えばヘッドカッターで頭部と胸鰭を切断した後、内臓を除去し魚体処理機で処理してから採肉機にかけ、水晒し、この魚肉に塩2〜3%部の食塩を加えて擂り潰すと粘ちょうな塩ズリされた魚肉すり身が得られるもので、これは食塩の塩溶効果によって筋原繊維が解謬し、その主要構成蛋白質であるアクトミオシンが中に分散して強く水を引きつけるものである。
【0008】
また、生エビ、エビすり身肉は、頭部を除き、殻むき、内臓洗浄などの処理をしてエビ肉採肉機にかけて採肉し異物を除去し、水洗浄した生エビ及び/又は擂潰したエビすり身を用いるものである。
エビ肉は酵素作用が強く、魚肉すり身と混合したとき魚肉すり身のゲル形成能が失われてゲルを形成しにくくなり、またエビ肉の蛋白質は魚肉の蛋白質に比べて変性しやすくゲル形成能が失れ易いものである。そこで、塩ズリされた魚肉すり身に生エビ、エビすり身と、これに卵白を加え混合することにより、魚肉すり身のゲル形成能が失なわれにくく、エビ入りねり製品加工の中で卵白のプロテアーゼ阻害物質を活用し、ゲルの作り込みを行うことができる。
【0009】
卵白は、これにより魚肉すり身のゲル形成能の低下を防止し、ねり製品として適度でしっかりしたゲルを有したものが得られ、即ちねり製品独特の弾力が失われず、それでいてエビ肉を入れたソフトな食感のものが得られる。
その添加量は塩ズリされた魚肉すり身の10〜50%で、10%以下ではゲル形成能の低下防止の効果が弱く、また50%以上では水ぽっくなり魚肉のゲルの特徴が失われる。好ましくはその添加量は30〜50%である。卵白としては、特に生卵白が好ましい。
【0010】
また、卵白を加えすり身を調製することについては、塩ズリされた魚肉すり身に生エビ及び/又はエビすり身と卵白を加え、練り製品に準じて、砂糖、澱粉、水を加え混合し、擂潰機、またはサイレントカッターなどで混合する。
また、成型はすり身を調製した後なるべく速やかに行う。これはすり身を放置しておくと坐り(粘ちょうを失ってゲル化すること)が起こるためである。
また、加熱としては蒸煮、湯煮、油ちょう、焼き、及びこれらを組み合わせて行うものである。
【0011】
【実施例】
次ぎに、本発明の実施例を示す。
魚肉すり身200部に塩6部を加え塩ズリした後、砂糖10部、グルソー4部、澱粉(馬澱)30部、水60部を加え混合しすり身とし、これを2つに分割した。
2つに分割した一つは、本発明のねり製品である生卵白を加えるもので、魚肉すり身100部に、エビすり身30部、生卵白40部を加え混合したものを調製し、これをエビボールに成型し、加熱として160℃の油で揚げ、エビボールを調製した。
【0012】
本発明のねり製品である生卵白を加えて製造したものは、適度でしっかりしたゲルを有したエビすり身入り練り製品が得られ、エビすり身が魚肉すり身と接着し、エビすり身がねり製品の風味をよくしねり製品独特の食感を持った練り製品が得られた。
これに対して、2つに分割したもう一つは、比較例を示すもので、生卵白を加えないものである。魚肉すり身100部に、エビすり身30部、水30部を加え混合したものを調製し、これを成型し、160℃の油で揚げ、エビボールを調製した、この比較例のものは、水っぽくもろく足の抜けたゲルで、これはエビ肉の強い酵素作用でゲル形成能が失われてゲルを形成しないものであった。
【0013】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、塩ズリされた魚肉すり身に生エビ及び/又はエビすり身を加えエビ肉入りねり製品を製造する際に卵白を加えることにより、ねり製品として魚肉すり身にエビすり身を加えた時の足が抜けること及びエビすり身が魚肉すり身と接着しないということが防止でき、エビすり身がねり製品の風味をよくし、ねり製品独特の足ある弾力をを有するソフトな食感のものが得られるという効果を奏するものである。
Claims (2)
- 塩ズリされた魚肉すり身に、生エビ及び/又はエビすり身と、卵白を加え調製してすり身とし、これを成型、加熱するエビ肉入り練り製品の製造方法であって、前記卵白の添加量が、塩ズリされた魚肉すり身の10〜50%であることを特徴とするエビ肉入り練り製品の製造方法。
- 前記卵白が、生卵白であることを特徴とする請求項1記載のエビ肉入り練り製品の製造方法。
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