JPS6322943Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は砂糖、塩、こしよう等の内填物を少量
宛振出すことの出来る振出容器に関するものであ
り、製作が容易で、且つ容器表面に予め表示され
ている意匠用等の印刷部を汚損する原因となる熱
接着工程を経ることなく製作することの出来る嵌
合式振出容器を提供するものである。

砂糖、塩、こしよう等の内填物を少量宛振出す
ことの出来る振出容器には、ガラス製容器やプラ
スチツク製容器等と共に、比較的安価な容器とし
てコンポジツト管（紙管）からなる胴部に合成樹
脂製の振出口を熱接着で取り付けたコンポジツト
管容器が利用されているが、このコンポジツト管
を利用した振出容器は、コンポジツト管と合成樹
脂製の振出口との熱接着のために複雑な装置を必
要とし、その製作工程に繁雑な部分が存するばか
りか、この熱接着工程においてコンポジツト管表
面の印刷部が汚損される場合が存する等の欠点を
有していた。

本考案は、従来のコンポジツト管よりも安価な
紙製の容器を容器本体として使用することが出
来、かかる容器本体と、これに嵌合方式により組
み立てられている合成樹脂製の振出口部と同じく
合成樹脂製の止栓体と、前記振出口部を閉塞する
合成樹脂製のキヤツプとからなる嵌合式振出容器
とすることにより、紙製の容器本体に予め印刷さ
れている意匠用等の印刷部を汚損する原因となる
熱接着工程を経ることなく製作することが出来、
しかもその製作が容易な嵌合式振出容器を提供し
得たものである。

本考案の振出容器は、略筒状の胴壁部と、該胴
壁部上縁の延長壁部たる上辺壁部と、前記胴壁部
の上方開口部を閉塞する方向に前記胴壁部上縁位
置に張り出し形成されており、その中央部が開口
部とされている端壁部とを有する紙製の容器本体
と、前述の容器本体における胴壁部内周面に接す
る周壁部と、同じく前記容器本体における端壁部
に設けられている開口部から前記上辺壁部を越え
て突出し、かつ先端近傍に大外経部分を有する管
状部と、前記容器本体における端壁部裏面に接
し、前記周壁部と管状部とに連らなる肩壁部とか
らなる合成樹脂製振出口部と、前記容器本体にお
ける上辺壁部の上縁にその周縁下端部が面接触す
る肩部と、該肩部から中心に向かつて突出し、前
記振出口部における管状部の大外径部分直下に嵌
合する中空の頚部と、前記肩部裏面から下方に突
出し、かつ前記容器本体の上辺壁部内周面に接す
る脚部とからなる合成樹脂製止栓体と、前記振出
口部における管状部上縁の周壁に接する密封用凸
条を裏面に有する頂部と、該頂部周縁から垂下す
るスカート部とからなり、頂部とスカート部との
間には指掛用の張出部が形成されている合成樹脂
製キヤツプとを有する構成のものであつて、前記
容器本体と振出口部と止栓体とは嵌合方式による
組立構成とされている振出容器である。

以下本考案の嵌合式振出容器について、その具
体的な構成を図面実施例に基いて説明する。

第１図において、符号１９で表示される本考案
の実施例品たる嵌合式振出容器は、紙製の容器本
体４と、合成樹脂製振出口部９と、前記振出口部
９と紙製の容器本体４とを嵌着、固定する合成樹
脂製止栓体１３と、前記合成樹脂製振出口部９を
閉塞する合成樹脂製キヤツプ１５と、紙製の容器
本体４の底板２０とから成るものである。

紙製の容器本体４は、テーパーが付されている
略筒状の胴壁部１と、該胴壁部上縁の延長壁部た
る上辺壁部２と、前記胴壁部１の上方開口部を閉
塞する方向に前記胴壁部上縁位置に張り出し形成
されており、その中央部が開口部とされている端
壁部３とから成るものであり、胴壁部１の下端が
カール縁１８に構成されているものである。この
容器本体４は、通常の紙カツプを得る際に使用さ
れるような材料、例えば熱可塑性合成樹脂皮膜を
有する板紙を利用して、紙カツプを作る手順で製
作したもの等がそのまま使用され得るが、容器本
体４に具備される防湿性や遮光性等の点から、ポ
リエチレン層／印刷インキ層／アルミ箔／紙層／
ポリエステル層／ポリエチレン層等の積層シート
から得られる紙製の容器本体４が使用されるのが
好ましい。

合成樹脂製の振出口部９は、前記容器本体４に
おける胴壁部１の内周面に接する周壁部５と、同
じく前記容器本体４における端壁部３に形成され
ている開口部から前記容器本体４の上辺壁部２を
越えて突出し、かつその先端近傍に大外径部分６
を有する管状部７と、前記容器本体４における端
壁部３裏面に接し、前述の周壁部５と管状部７と
に連らなる肩壁部８とから構成されるものであ
り、第２図に示されているように、大外径部分６
は管状部７の先端外面に形成されているテーパー
部２２に続いて形成されている。尚、図面には示
されていないが、周壁部５の外周面には容器本体
４における胴壁部１の内周面との間の接触をより
確実にするための環状突起が形成されていてもよ
いことは勿論である。

合成樹脂製の止栓体１３は、前記容器本体４に
おける上辺壁部２の上縁に、その周縁下端部２３
が面接触する肩部１０と、該肩部１０から中心に
向かつて突出し、前述の振出口部９における管状
部７の大外径部分６直下に嵌合する中空の頚部１
１と、前記肩部１０裏面から下方へ突出し、かつ
前記容器本体４の上辺壁部２内周面に接する脚部
１２とで構成されているものである。前記中空の
頚部１１は、第３図に示されるように、頚部１１
の内径が、該頚部が嵌合する前記振出口部９にお
ける管状部７の大外径部分６の外径より称々小さ
く形成されており、止栓体１３の中空の頚部１１
内に前記振出口部９の管状部７が挿入され、中空
の頚部１１が管状部７の大外径部分６を一たび通
り過ぎると、中空の頚部１１の上縁２４が管状部
７の大外径部分６下端たる段部２５に係合され、
振出口部９と止栓体１３との間には、もまや分離
不可能な嵌合が達成される。また中空の頚部１１
の高さは、中空の頚部１１の上縁２４が振出口部
９の管状部７における大外径部分６下端たる段部
２５を押し上げ、振出口部９の肩壁部８が前記容
器本体４の端壁部３の裏面に緊密に押し付けられ
るような高さとされている。更に、脚部１２は、
図示実施例においては４本が設けられているが、
この数は適宜増減され得るものであり、また、一
連の環状構成のものであつても良い。また図示実
施例に示される止栓体１３においては、肩部１０
の外周面には、キヤツプ１８のスカート部１６下
部内周面に形成されている凸条部２６が接当する
凹状段部２７が形成されており、キヤツプ１８と
止栓体１３との係合が、凸条部２６と凹状段部２
７との係止でも達成されるようにされている。

合成樹脂製のキヤツプ１８は、前記振出口部９
の管状部７上縁の周壁に接する密封用凸条１４及
び１４′が裏面に形成されている頂部１５と、該
頂部周縁から垂下する前述のスカート部１６とか
らなり、頂部１５とスカート部１６との間には、
指掛用の張出部１７が形成されており、張出部１
７直下に構成される凹状段部２８に指先を置いて
張出部１７の裏面に指を掛け、キヤツプ１８を開
き得るようにされている。この図示実施例に示さ
れるキヤツプ１８の頂部１５裏面に形成されてい
る密封用凸条１４′は、前記振出口部９の管状部
７上縁の内周壁に接するように構成されており、
管状部７上縁の外周壁に接するように構成されて
いる密封用凸条１４の長さは、該凸条１４の下端
が、振出口部９の管状部７における大外径部分６
上に密接するような長さとされているものであ
る。

尚、容器１９の底板２０は、例えばブリキ等の
金属板で構成されているものである。

また、図示実施例は、キヤツプが半球状の外郭
で構成されている場合を示したが、角柱状の外郭
でも構成され得るものであることは勿論である。

次に、前記構成からなる本考案の実施例品たる
嵌合式振出容器の製作工程を説明する。

先ず、紙製の容器本体４は、前述の通り、通常
の紙カツプの製作と同様にして製作されるもの
で、略筒状の胴壁部１の上縁の延長壁部たる上辺
壁部２は、胴壁部１を形成する際の上端を折り返
して形成されており、胴壁部１の上縁位置に張り
出し形成されている端壁部３は、前記上端を折り
返して形成されている上辺壁部２の内壁と外壁と
の間にはさみ付けられて固定されている固定部を
有する１片のシートで構成されているものであ
る。

これに対して、合成樹脂製振出口部９と合成樹
脂製止栓体１３と合成樹脂製キヤツプ１５とは、
通常のプラスチツク立体成形品の成形手段で得ら
れるものである。

容器本体４に対して止栓体１３を利用して振出
口部９を嵌合するには、先ず初めに、振出口部９
を適当な治具の上に、管状部７が上を向くように
して載せ、該治具上に保持する。次いで前記容器
本体４の底板２０が取り付けられていないもの
を、前記振出口部９の管状部７上方から下降さ
せ、振出口部９の肩壁部８上に容器本体４の端壁
部３を載せる。しかる後に、合成樹脂製の止栓体
１３を、前記振出口部９の管状部７に、前記止栓
体１３の中空の頚部１１が管状部７の大外径部分
６直下に嵌合するように嵌合させる。これは、止
栓体１３の中空の頚部１１の内壁が振出口部９の
管状部７の外壁に接しながら下降し、中空の頚部
１１が振出口部９の管状部７の大外径部分６を通
過すると、中空の頚部１１の上縁２４が大外径部
分６によつて構成される段部２５に接触し、止栓
体１３が振出口部９の管状部７からもはや脱抜し
得なくなるとともに、管状部７が上方に押し上げ
られる結果、振出口部９の肩壁部８が容器本体４
の端壁部３にしつかりと押さえ付けられ、かつ、
振出口部９の周壁部５が容器本体４の胴壁部１に
しつかりと押さえ付けられ、振出口部９が容器本
体４に嵌合、固定される。

かくして、容器本体４に振出口部９と止栓体１
３とを嵌合した後、合成樹脂製のキヤツプ１８で
前記振出口部９の管状部７を閉塞し、内填物充填
工程で、容器本体４の底部開放口から内填物の充
填を行い、充填操作完了後、前述の底板２０を取
り付けるものである。

本考案の嵌合式振出容器は以上の通りの構成か
ら成るもので、紙カツプの製作と同様にして製作
された容器本体に振出口部が止栓体を利用して嵌
合、固定された構成のものであるから、振出口部
の取り付けに際しては熱接着工程を経ることがな
いので、従来のコンポジツト管容器の場合よりも
使用材料を廉価に抑えられるばかりか、組立工程
も簡単に済むので、極めて経済的に製作し得ると
いう作用、効果を奏するものである。

また、前述の通り、口部の取り付けの際に熱接
着工程を利用することがないので、加熱により容
器本体に予め付されていた印刷模様等を汚損する
ことが無く、歩留り良く製作し得るという作用、
効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例品たる嵌合式振出容器
の半部を断面で示した正面図、第２図は合成樹脂
製の振出口部を示す図であり、イ図は平面図、ロ
図は半部を断面で示した正面図、ハ図は底面図、
第３図は合成樹脂製の止栓体を示す図であり、イ
図は平面図、ロ図は半部を断面で示した正面図、
ハ図は底面図、第４図は合成樹脂製のキヤツプを
示す図であり、イ図は平面図、ロ図は半部を断面
で示した正面図、ハ図は底面図である。 １：胴壁部、２：上辺壁部、３：端壁部、４：
紙製の容器本体、５：周壁部、６：大外径部分、
７：管状部、８：肩壁部、９：合成樹脂製振出口
部、１０：肩部、１１：中空の頚部、１２：脚
部、１３：合成樹脂製止栓体、１４：密封用凸
条、１５：頂部、１６：スカート部、１７：張出
部、１８：合成樹脂製キヤツプ、１９：嵌合式振
出容器、２３：肩部１０の周縁下端部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 略筒状の胴壁部と、該胴壁部上縁の延長壁部た
   る上辺壁部と、前記胴壁部の上方開口部を閉塞す
   る方向に前記胴壁部上縁位置に張り出し形成され
   ており、その中央部が開口部とされている端壁部
   とを有する紙製の容器本体と、 前記容器本体における胴壁部内周面に接する周
   壁部と、同じく前記容器本体における端壁部に設
   けられている開口部から前記上辺壁部を越えて突
   出し、かつ先端近傍に大外径部分を有する管状部
   と、前記容器本体における端壁部裏面に接し、前
   記周壁部と管状部とに連らなる肩壁部とからなる
   合成樹脂製振出口部と、 前記容器本体における上辺壁部の上縁にその周
   縁下端部が面接触する肩部と、該肩部から中心に
   向かつて突出し、前記振出口部における管状部の
   大外径部分直下に嵌合する中空の頚部と、前記肩
   部裏面から下方に突出し、かつ前記容器本体の上
   辺壁部内周面に接する脚部とからなる合成樹脂製
   止栓体と、 裏面に、前記振出口部における管状部上縁の周
   壁に接する密封用凸条を有する頂部と、頂部周縁
   から垂下するスカート部とからなり、頂部とスカ
   ート部との間には指掛用の張出部が形成されてい
   る合成樹脂製キヤツプ とを有する振出容器で、 前記容器本体と振出口部と止栓体とは嵌合方式
   による組立構成とされていることを特徴とする 嵌合式振出容器。