JPS63227424A - 四輪駆動型作業車 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は四輪駆動型の作業車において、特に前輪への伝
動変速系の構造に関する。

〔従来の技術〕

四輪駆動型の作業車の一例である農用トラクタにおいて
は、後輪駆動速度と略等しい駆動速度で伝動する標準駆
動状態と、後輪駆動速度よりも大きい駆動速度で伝動す
る増速駆動状態とに切換操作可能な前輪変速装置を備え
、旋回時に前輪変速装置を増速駆動側に切換操作するこ
とにより、軟弱な地面でも比較的容易に急旋回が行える
よう構成したものがあり、近年では前記前輪変速装置を
前車軸ケース内に収めるようにしたものも開発されてい
る。

〔発明が解決しようとする問題点〕

例えば、農用トラクタにおいては機体後部に走行用ミッ
ションが配置されている為、さらに、機体後部に作業装
置を連結する場合が多い為に、機体の重心が後部側に片
寄る傾向にある。従って、比較的重量物となる前輪変速
装置を前車軸ケースに収めることは重量バランスの面か
ら好ましいのであるが、次のような不都合がある。

つまり、変速装置の一般的な形として並列配置された２
本の伝動軸間にギヤ機構等により変速比の異なる複数の
動力伝達系を構成し、この複数の動力伝達系の中より１
つの動力伝達系を選択することによって変速を行うよう
な形式が多くある。

従って、前輪変速装置を先のように２本の伝動軸を並設
した構造とすると、前輪変速装置及びこれを収める前車
軸ケースが大型化してしまい、前車軸ケース周りの他の
装置に構造的な制約が加えられてしまうと共に、地面か
ら前車軸ケースまでの地上高が低くなってしまう。

ここで、本発明は前述の問題に着目して四輪°駆動型作
業車において、前輪変速装置を前車軸ケース内にコンパ
クトに収めることを目的としている。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明の特徴は先に述べたような四輪駆動型作業車にお
いて、左右の前車軸６と動力を分配する第１デフ機構を
設け、一方の前車軸に円筒軸を遊転自在に外嵌すると共
に、エンジンからの動力を受け取り前記第１デフ機構の
ピニオンギヤケースと前記円筒軸とに動力を分配する第
２デフ機構を前記前車軸に外嵌して、前記第２デフ機構
をロックする状態と前記円筒軸を固定する状態とに切換
操作可能に構成してあることにあり、その作用及び効果
は次のとおりである。

〔作　用〕

前記第２デフ機構をロック状態とすると第１デフ機構の
ピニオンギヤケースと円筒軸は同速度で回転駆動される
。この状態は動力を第２デフ機構を介さずに第１デフ機
構に直接に伝達するのと同じ状態であり、前後輪の駆動
速度が略等しい標準駆動状態となる。これに対し、前記
円筒軸を固定状態とすると、デフ機構の特性により前の
状態よりも２倍の速度で第１デフ機構のピニオンギヤケ
ースが回転駆動される。この状態が増速駆動状態となる
。

以上のように、従来構成のような２本の伝動軸を並列配
置して前輪変速装置を構成するのではな（，１本の前車
軸に対して２組のデフ機構を直列配置するだけで前輪変
速装置を構成することができ、さらに、第１・第２の両
デフ機構の外径も略同径に構成することができる。従っ
て、前輪変速装置を持たずに１組のデフ機構のみを収め
た通常の四輪駆動用の前車軸ケースをあまり大きくせず
とも、前輪変速装置を前車軸ケース内に構成することが
できるのである。

〔発明の効果〕

以上述べたように、前輪変速装置をコンパクトにまとめ
て前車軸ケース内に収めることができるようになったの
で、前車軸ケース周りの各装置に大幅な改造を施さずと
も、前輪変速装置を装備できるようになり製作コストの
面で有利な構成となった。又、地面から前車軸ケースま
での最低地上高を低めることなく前輪変速装置を装備で
きるようになった。

〔実施例〕

以下、本発明の実施例の一つである四輪駆動型の農用ト
ラクタについて、図面に基づいて説明する。

第４図に示すように、左右一対の操向型の前輪（１）及
び後輪（２）を各々駆動自在に支持した機体フレーム（
３）にエンジン（４）、主クラッチ（５）、ミッション
ケース（６）及び操縦部（７）を搭載し、機体後部にロ
ータリー耕耘装置等の各種作業装置を昇陣操作するリフ
トアーム（８）及び作業装置に動力を伝達するＰＴＯ軸
（２８）を設けて四輪駆動型の農用トラクタを構成して
いる。

次に、動力伝達系統について述べると、エンジン（４）
からの動力は主クラッチ（５）からミッションケース（
６）内の主変速装置及び副変速装置（以上図示せず）に
送られ変速操作されて後輪（２）に伝達されると共に、
前記副変速装置から分岐した動力は前輸出力軸（１５）
から前車軸ケース（９）内の前輪変速装置に送られ変速
操作され前輪（１）に伝達されるのである。

次に、前車軸ケース（９）について述べると、第２図及
び第３図に示すように前車軸ケース（９）両端の縦軸芯
（ｐ＋）周りに前輪支持ケース（１０）が回動自在に支
持されると共に、両前輪支持ケース（１０）からナック
ルアーム（１１）が延出され、両ナックルアーム（１１
）に亘ってタイロッド（１２）が架設されている。前記
両ナックルアーム（１１）からは前車軸ケース（９）側
に凸部（ｌｌａ）が突出しており、ドラッグリンク（１
３）を介しての前輪（１）の操向操作による最大操向角
はナックルアーム（１１）に設けた凸部（ｌｌａ）の前
車軸ケース（９）側面への接当によって決まるのである
。

次に、前車軸ケース（９）内の前輪変速装置について詳
述すると、第１図に示すように、左右の前輪（１）に動
力を伝達する前車軸（１４ａ）　、　（１４ｂ）が前車
軸ケース（９）内に支持され、この両前車軸（１４ａ）
　、　（１４ｂ）に対する第１デフ機構（１６）が設け
られている。又、前記第１デフ機構（１６）におけるピ
ニオンギヤ（１７）を自由回転自在に支持するピニオン
ギヤケース（１８）の一端を軸芯方向に延設しギヤ部（
１８ａ）を設け、このピニオンギヤケース（１８）と同
様にギヤ部（１９ａ）’を有する円筒軸（１９）を前記
前車軸（１４ａ）に自由回転自在に外嵌している。

そして、前記ピニオンギヤケース（１８）と円筒軸（１
９）に対する第２デフ機構（２０）が前車軸（１４ａ）
に外嵌してあり、第２デフ機構（２０）におけるピニオ
ンギヤ（２１）を自由回転自在に支持するピニオンギヤ
ケース（２２）に対して、前記前輸出力軸（１５）に連
結された入力軸（２３）がギヤ咬合している。これに対
し、前記円筒軸（１９）には前後に咬合部を有するシフ
ト部材（２４）がスプライン嵌合されている。このシフ
ト部材（２４）は操縦ハンドル（２５）と連係されてお
り、直進状態ではシフト部材（２４）は前記ピニオンギ
ヤケース（２２）の咬合部（２２ａ）に咬合っている。

前記状態ではピニオンギヤケース（２２）に対して円筒
軸（１９）が固定されたいわゆるデフロック状態となり
、第１デフ機構（１６）のピニオンギヤケース（１８）
と円筒軸（１９）とは同速度で駆動され、前後輪（１）
　、　（２）の駆動速度が略等しい標準駆動状態で動力
が第１デフ機構（１６）に伝達される。

前記直進状態から操縦ハンドル（２５）を設定角度以上
に操向操作すると、前記シフト部材（２４）が逆方向に
スライド操作されて前車軸ケース（９）内の咬合部（９
ａ）にシフト部材（２４）が咬合い、円筒軸（１９）が
前車軸ケース（９）に対して固定されることになる。こ
のような状態となると、デフ機構の特性から第１デフ機
構（１６）のピニオンギヤケース（１８）が前述の直進
時に比べて２倍の速度で回転駆動されることになる。こ
れが前輪（１）が後輪（２）よりも増速される増速駆動
状態である。

次に、操縦ハンドル（２５）とシフト部材（２４）との
連係を断つと共に、シフト部材（２４）を両校合部（９
ａ）　、　（２２ａ）に咬合わない第１図に示すような
中立状態に保持しておくと、前記円筒軸（１９）は無負
荷の自由回転状態となる。この状態となると、第２デフ
機構（２０）に伝達されてくる動力は円筒軸（１９）を
空転させるだけで第１デフ機構（１６）には伝達されな
くなる。これが後輪（２）のみによる二輪駆動状態であ
る。

尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にする為
に符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構造
に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る四輪駆動型作業車の実施例を示し、
第１図は前車軸ケース内の横断平面図、第２図は前車軸
ケース及び前輪支持ケース付近の背面図、第３図は前輪
支持ケース付近の平面図、第４図は農用トラクタの全体
側面図である。 （４）・・・・・・エンジン、（１４ａ）　、　（１４
ｂ）・・・・・・前車軸、（１６）・・・・・・第１デ
フ機構、（１８）・・・・・・ピニオンギヤケース、（
１９）・・・・・・円筒軸、（２０）・・・・・・第２
デフ機構。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 　左右の前車軸（１４ａ）、（１４ｂ）に動力を分配す
   る第１デフ機構（１６）を設け、一方の前車軸（１４ａ
   ）に円筒軸（１９）を遊転自在に外嵌すると共に、エン
   ジン（４）からの動力を受け取り前記第１デフ機構（１
   ６）のピニオンギヤケース（１８）と前記円筒軸（１９
   ）とに動力を分配する第２デフ機構（２０）を前記前車
   軸（１４ａ）に外嵌して、前記第２デフ機構（２０）を
   ロックする状態と前記円筒軸（１９）を固定する状態と
   に切換操作可能に構成してある四輪駆動型作業車。