JPS6321982Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、自動車の生産ラインのボデー溶接
工程で使用する溶接治具に関するものである。

自動車の生産ラインにおいて、モデル・チエン
ジに伴う設備改造、あるいは２車種混合生産に対
応する設備変換のための治具の変更は、精度を保
証しながら短期間で実施する必要がある。しかし
ながら、従来の治具構造では短期間にモデル・チ
エンジに伴う設備改造を行なうのは困難であつ
た。また２車種混合生産に対応するため、両方の
モデルに適合する治具部を備えると、部品数量、
形状ともに複雑となり、治具中央部に設置される
ワーク搬送用トランスフアー装置の駆動部の保守
が困難となるなど問題を含んでいた。

この考案は上記の問題を解消し、一方のモデル
の生産ラインを稼働させながら、例えば土、日曜
の休日の間に他方のモデルのボデー用治具に改造
する、いわゆるランニング・チエンジの可能な自
動車ボデー溶接治具の提供を目的とする。

この考案によれば、主に定盤とワーク基準受け
とワーク搬送用トランスフアー装置とからなる従
来の溶接治具に対して、定盤の上に脚部を介して
取外し可能に中間定盤を固定し、この上に特定モ
デルのワークを要求位置に保持するワーク基準受
けを固定した中間定盤組立を複数個連結して自動
車ボデー溶接治具を構成したことによつてランニ
ング・チエンジが可能となる。

以下実施例を示す図面に基づいて、この考案を
説明する。図はこの考案によるアンダー・ボデ
ー・サブアツセンブリ溶接治具の横断面図であ
る。図中１は工場フロアに固定された定盤で長手
方向に複数台の自動車のアンダー・ボデーＢを搭
載できる長さを有している。定盤１の中央に沿つ
てワーク搬送用トランスフアー装置２が取り付け
られている。３は中間定盤であり、トランスフア
ー装置２の左右に沿つて配置され、ほぼアンダ
ー・ボデーＢ１台分の作業ができる長さを有して
いる。左右の各中間定盤３は、長手方向の両端に
設けた脚部４を介して定盤１に取外し可能に固定
されている。５はワーク基準受けであり、特定モ
デルのワークを要求位置に保持するための寸法形
状および精度を有し、中間定盤３に固定されてい
る。左右の中間定盤３および脚部４の両端部は、
相互に連結部材６によつて結合され、ワーク基準
受け５の治具精度を保証している。上記左右の中
間定盤３、脚部４、ワーク基準受け５ならびに前
後の連結部材６からなる中間定盤組立７は、定盤
１に対して容易に着脱可能である。この中間定盤
７を複数個定盤１上に結合して、アンダー・ボデ
ー溶接治具が構成されている。これと同様にし
て、サイド・アツセンブリ、メーン・ボデー増打
ちラインなどの溶接治具も構成される。

上記のように構成されたアンダー・ボデー溶接
治具を備えた自動車の生産ラインにおいて、一つ
のモデルから別のモデルの生産に転換する場合、
あらかじめもう一方のモデル用のワーク基準受け
５を含む中間定盤組立７を準備しておけば、土、
日曜の休日など短期間にアンダー・ボデー溶接治
具の交換ができ、いわゆるランニング・チエンジ
が可能である。また定盤１上における中間定盤３
の固定は、前後端の脚部４で行なわれるため、ト
ランスフアー装置２の駆動部のリンク、ヒンジ・
ピン等の保守が、中間定盤３の下方の隙間Ａから
容易に行なわれる。

この考案は以上説明したように、ワーク搬送用
トランスフアー装置の左右に配置されて相互に連
結部材で結合され、脚部を介して定盤に取外し可
能に固定された中間定盤と、特定モデルのワーク
を要求位置に保持するための寸法形状と精度を有
し中間定盤に固定されたワーク基準受けとからな
る中間定盤組立を複数個連結した自動車ボデー溶
接治具であるから、自動車の生産ラインにおい
て、モデル・チエンジや多車種混合生産に対応す
るボデー溶接治具のランニング・チエンジを可能
にする効果がある。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案による実施例のアンダー・ボデー
溶接治具の横断面図である。 １……定盤、２……トランスフアー装置、３…
…中間定盤、４……脚部、５……ワーク基準受
け、６……連結部材、Ａ……隙間、Ｂ……アンダ
ー・ボデー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ワーク搬送用トランスフアー装置の左右に配置
   されて相互に連結部材で結合され、脚部を介して
   定盤に取外し可能に固定された中間定盤と、特定
   モデルのワークを要求位置に保持するための寸法
   形状と精度を有し前記中間定盤に固定されたワー
   ク基準受けとからなる中間定盤組立を複数個連結
   したことを特徴とする自動車ボデー溶接治具。