JPH027748Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は建設機械のクローラに使用されるクロ
ーラフレームに関するものである。

従来、クローラは第１図例に示すような構造と
なつている。すなわち、油圧シヨベルの場合であ
ると、上部旋回部１を支持する車体フレーム２の
両側にクローラフレーム３が設けられるととも
に、このクローラフレーム３に、ループ状のクロ
ーラベルト４を回転させる駆動輪５と、この駆動
輪５とともにクローラベルト４をクローラフレー
ム３の前後方向に張つた状態で支持する遊動輪６
と、クローラベルト４の回転位置を案内する複数
のローラ７，７，…とをそれぞれ回転自在に支持
したものである。また、前記クローラフレーム３
は、クローラベルト４の張力を調整し得るように
かつ走行中の遊動輪６にかかる衝撃をばね等によ
り緩和し得るように、遊動輪６をクローラフレー
ム３の前後方向に摺動可能に支持する必要があ
る。このために、クローラフレーム３は、車体フ
レーム２に取付けられる主フレーム８と、この主
フレーム８の端部に固着される遊動輪支持ボツク
ス９とからなる構造とされ、それぞれ別々に製作
されて遊動輪６を摺動させる支持面等を正確に加
工した後、これらをつき合わせた状態で上下方向
の位置合わせをしながら連結することにより固着
されるものである。

しかしながら、このようなクローラフレーム３
では、遊動輪支持ボツクス９の重量を支持した状
態で上下方向に移動させながら連結作業をする必
要があり、作業性が悪く、かつ、位置合わせ精度
の向上が困難であるなどの問題点がある。

本考案は前記事情に鑑みてなされたもので、主
フレームと遊動輪支持ボツクスとの連結の際の位
置合わせ作業が簡単で工期の短縮を図ることがで
き、また、遊動輪支持ボツクスの加工精度に対応
して精度が高くかつ強固な連結部を得ることので
きる建設機械のクローラフレームを提供すること
を目的とするものである。

以下、本考案を第２図ないし第４図に示す一実
施例に基づいて説明する。

本考案に係るクローラフレーム１１は、車体フ
レーム２に取付けられる主フレーム１２と、この
主フレーム１２の端部に固着される遊動輪支持ボ
ツクス１３とからなり、前記主フレーム１２の端
部に遊動輪支持ボツクス１３の端部１４を当接さ
せてこれらの前後方向の位置合わせをする縦板１
５が設けられ、また、主フレーム１２の下部に前
後方向に沿う梁１６が固着され、この梁１６の一
部が、縦板１５よりも第２図左方に突出して遊動
輪支持ボツクス１３を載置して主フレーム１２と
の上下方向の位置合わせをするための固定座１７
とされるものである。なお、梁１６は第３図例に
示すように主フレーム１２の下部に片側一対ずつ
設けられる。

遊動輪支持ボツクス１３は、第４図に示すよう
に、一対の溝形鋼２１が、その溝を内向させるよ
うに相互間隔をおいて平行に並べられて、その間
が連結部材２２によつて一体に連結されることに
より、全体として箱形形状をなしており、上方お
よび下方が開放状態とされて、その間から外周部
を突出させた状態として第４図鎖線で示すように
遊動輪６を支持するものである。そして、該遊動
輪支持ボツクス１３の端部１４が主フレーム１２
の縦板１５の表面に、溝形鋼２１の下面１８が梁
１６の固定座１７にそれぞれ溶接等により固着さ
れている。また、溝形鋼２１の内側には、遊動輪
６を摺動自在に支持するために前後方向に沿つて
平行な軸受支持面１９が形成され、一方、前記主
フレーム１２には駆動輪５と連結される油圧モー
タ（図示略）等を収納するケース２０が一体に設
けられる。

なお、このようなクローラフレームは、建設機
械における各機種の走行装置に適用可能であるこ
とは勿論である。

以上の説明から明らかなように、本考案の建設
機械のクローラフレームによれば、次のような効
果を奏することができる。

(i) 主フレームにおける縦板の表面と梁とに遊動
輪支持ボツクスにおける端部と溝形鋼の下面と
を接触させるようにして、遊動輪支持ボツクス
を乗せるだけで、主フレームに対する前後方向
および上下方向の位置合わせがなされるととも
に、縦板の表面および溝形鋼の下面で広い固着
面を確保し得て、これらを連結する作業が簡単
で、工期の短縮を図ることができる。

(ii) 遊動輪支持ボツクスは溝形鋼によつて高い機
械的強度を発揮し得るとともに、該遊動輪支持
ボツクスを載置する梁が主フレームの下部に固
着されているから、遊動輪支持ボツクスの重量
が支持されて連結部全体の剛性が高められる。

(iii) 遊動輪支持ボツクスは、溝形鋼と連結部材と
によつて一体化された構成であるから、主フレ
ームとは別に製作しておくことが可能であると
ともに、溝形鋼によりボツクス形状をなしてい
るから、定盤等の上での組み立て作業も正確か
つ容易に行い得て、高精度に製作することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は油圧シヨベルにおけるクローラフレー
ムの従来例を示す側面図、第２図は本考案に係る
クローラフレームの一実施例を示すもので、遊動
輪支持ボツクスが分離されている状態の側面図、
第３図は第２図の矢印で示す方向の矢視図、第
４図は第２図の−線に沿う矢視断面図であ
る。 ２……車体フレーム、４……クローラベルト、
３……駆動輪、６……遊動輪、１１……クローラ
フレーム、１２……主フレーム、１３……遊動輪
支持ボツクス、１４……端部、１５……縦板、１
６……梁、１７……固定座、２１……溝形鋼、２
２……連結部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 建設機械のクローラベルトを支持するクローラ
   フレームにおいて、車体フレームに取付けられる
   主フレームと、該主フレームの端部に固着される
   遊動輪支持ボツクスとを有するとともに、前記主
   フレームの端部には、遊動輪支持ボツクスの端部
   を当接させてこれらの前後方向の位置合わせをす
   る縦板が設けられ、主フレームの下部には、遊動
   輪支持ボツクスを載置して上下方向の位置合わせ
   をする梁が縦板よりも突出して設けられ、かつ、
   前記遊動輪支持ボツクスは、遊動輪を支持する一
   対の溝形鋼が、その溝を内向させた状態として連
   結部材によつて一体に連結され、該溝形鋼の下面
   が前記主フレームの梁に固着されていることを特
   徴とする建設機械のクローラフレーム。