JPS6319364B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、横置きタイプのエンジン本体にデイ
フアレンシヤルギヤを一体に組み込んだトランス
ミツシヨンを装着したパワーユニツトの前記デイ
フアレンシヤルギヤ近傍を支持する支持装置に関
する。

一般に、フロントエンジンフロントドライブ
（Ｆ・Ｆ）車又はリヤエンジンリヤドライブ
（Ｒ・Ｒ）車にあつては、エンジンルーム内スペ
ースを有効に利用するためエンジン本体を横（左
右方向）置きにしてある。そして、第１図に示す
ようにこの横置きされたエンジン本体１の左右方
向（図中左方）に、クラツチ２、トランスミツシ
ヨン３およびデイフアレンシヤルギヤ４が一体に
組み込まれた謂わゆるトランスアクスル５を装着
し、かかるエンジン本体１、トランスアクスル５
によつてパワーユニツト６が構成されている。

このパワーユニツト６は各種支持装置７（尚、
この支持装置は図示したもの以外にもパワーユニ
ツト６の下方〔図中裏側〕にも存在する。）によ
つて車体８側に支持され、かつ、該パワーユニツ
ト６のロール方向変位が規制されるようになつて
いる。従つて、前記支持装置７の中には前記デイ
フアレンシヤルギヤ４の近傍に配置される支持装
置７ａを備えたものがある。この支持装置７ａは
パワーユニツト６の静荷重を支持すると共に特に
前記パワーユニツト６のロール変位を規制するも
ので、内、外筒９，９ａ間に配設される弾性体で
形成されたマウントインシユレータ１０を有し、
前記外筒９ａからマウントブラケツト１１を突出
すると共に、前記内筒９にボルト１２を介して連
結するマウントサポート１３を設けてある。そし
て、前記マウントブラケツト１１をパワーユニツ
ト６（図ではエンジン本体１）に装着する一方、
前記マウントサポート１３を車体側のサポートメ
ンバ１４に装着し、前記パワーユニツト６の静荷
重を支持すると共に、パワーユニツト６の変位つ
まり、内筒９、外筒９ａ間の相対的なずれを前記
マウントインシユレータ１０で弾性的に規制する
ようにしてある。

ところで、前述したパワーユニツト６にあつて
は、デイフアレンシヤルギヤ４の左右方向から第
２図に示すように駆動輪１５，１５ａ（Ｆ・Ｆ車
の場合は前輪、Ｒ・Ｒ車の場合は後輪）を駆動す
るドライブシヤフト１６，１６ａがパワーユニツ
ト６と前記支持装置７ａが取り付けられるサポー
トメンバ１４（車体側）との間で突出するように
なつている。しかし、該ドライブシヤフト１６，
１６ａは、デイフアレンシヤルギヤ４の中心Ｃが
通常車体中央に位置しないことからその左側、右
側において長さが異つてくる。このため、前記ド
ライブシヤフト１６，１６ａを単に左、右におい
て夫々１本で形成すると、該ドライブシヤフト１
６，１６ａの傾き、即ち、駆動輪１５，１５ａに
対する傾きθに差が生じ、この傾き差によつて左
側、右側駆動輪１５，１５ａのトルク反力が異な
つてトルクステアが生じる。このように、トルク
ステアが生ずると車両走行が不安定になり危険性
が伴つてしまう。そこで、一般に実開昭56−
83528号公報にて知られているように、長い方の
ドライブシヤフト１６ａ（図では右側）のデイフ
アレンシヤルギヤ４側にジヨイント１７を介して
中間軸１８を設け、前記ジヨイント１７から先、
つまり該ジヨイント１７から駆動輪１５ａに至る
長さと、前述した短い方のドライブシヤフト１６
（図では左側）の長さとを同一にすることによつ
て、前記傾きθを等しくするようにしたものがあ
る。この場合、前記中間軸１８は路面Ｌに対して
平行に、かつ、回転自在に支持しておくことが必
要であるが、この支持手段としては前記中間軸１
８にセンターベアリング１９を嵌着し（第１図）、
このセンターベアリング１９をベアリングブラケ
ツト１９ａを介して前記パワーユニツト６（図で
はエンジン本体１）に装着することによつて、中
間軸１８の支持を行うようにしてある。従つて、
かかる従来のパワーユニツトの支持装置７ａにあ
つては、ベアリングブラケツト１９ａを装着する
ことと前記支持装置７ａのマウントブラケツト１
１を装着することは、夫々独立した組付工程であ
つて組付作業が能率的ではなかつた。

本発明はかかる従来の実状に鑑みて、デイフア
レンシヤルギヤの近傍に存在する支持装置はセン
ターベアリングの近傍にも位置することから、こ
のセンターベアリングをパワーユニツト側に支持
するベアリングブラケツトと、前記支持装置のマ
ウントブラケツトとのそれぞれの中間部分を一体
に結合すると共に、この一体に結合された両ブラ
ケツトに共通の取付部を形成し、この取付部をパ
ワーユニツトに装着することにより、前記両ブラ
ケツトの装着を１回の組付作業で行なうことがで
き作業能率の著しい向上を図ることができるよう
にしたものである。また、本発明にあつては、通
常、前記両ブラケツトの取付部はボルト等の固定
部材によつてパワーユニツトに装着されるのであ
るが、該パワーユニツトに形成される前記固定部
材のための装着部が前記取付部の減少に伴つて減
少し、該装着部を形成する加工作業を少くするこ
とができる。更に、本発明にあつては、前記両ブ
ラケツトが中間部分で結合されることにより、セ
ンターベアリングの車体側支持点の距離が短くな
り、ベアリングブラケツトの強度を増大させるこ
とができる。

以下、本発明の一実施例を図に基づいて詳細に
説明する。尚、この実施例を説明するにあたつて
従来の構成と同一部分には同一符号を付して述べ
る。

即ち、第３図は本発明のパワーユニツトの支持
装置２０を示し、１はパワーユニツト６を構成す
るエンジン本体で、このエンジン本体１には後述
する固定部材としてのボルト２１を螺着するため
の装着部２２を形成してある。１０は弾性体とし
てのマウントインシユレータで、このマウントイ
ンシユレータ１０はゴム等で円筒状に形成され、
内側に内筒９および外側に外筒９ａを夫々固着し
てある。１３は車両前後方向に延設されたサポー
トメンバ４５に溶着等により固定、立設されたマ
ウントサポートで、このマウントサポート１３の
上端部には前記マウントインシユレータ１０の内
筒９に挿通したボルト１２を装着して、該マウン
トサポート１３でマウントインシユレータ１０を
車体側（サポートメンバ４５）に支持するように
してある。１８は左、右ドライブシヤフトのうち
長い方のドライブシヤフトに設けられた中間軸
で、この中間軸１８にはセンターベアリング１９
が嵌着されている。３０は第４図にも示したが前
記マウントインシユレータ１０の外筒９ａを圧入
するカラー４６が一端に固設されるマウントブラ
ケツトで、このマウントブラケツト３０の他端部
には２箇所（３箇所以上でもよい）のボルト２３
挿通孔３１を形成してある。４０は第５図にも示
したが一端部に前記センターベアリング１９の外
側に嵌合する環状支持部４１を形成したベアリン
グブラケツトで、このベアリングブラケツト４０
には前記マウントブラケツト３０のボルト挿通孔
３１に対応したボルト取付孔４２を形成してあ
る。そして、前記マウントブラケツト３０の挿通
孔３１にボルト２３を挿通し、このボルト２３を
ベアリングブラケツト４０の取付孔４２に螺合固
定することによつて、マウントブラケツト３０と
ベアリングブラケツト４０を固定するようにして
ある。尚、このとき前記挿通孔３１と取付孔４２
のうちの１対のものは、マウントブラケツト３０
とベアリングブラケツト４０のそれぞれの中間部
分に形成され、当該中間部分がボルト２３を介し
て一体に結合される。また、これらマウントブラ
ケツト３０とベアリングブラケツト４０をパワー
ユニツト６へ装着する共通の取付部４３として、
ベアリングブラケツト４０の他端部に２個所（３
個所以上でもよい）のボルト２１挿通孔４４を形
成してある。従つて、前述のエンジン本体１に形
成する装着部２２は、前記共通の取付部４３とし
た挿通孔４４に対応するように形成された螺合孔
２４によつて形成してある。そして、最終的な車
体の組付段階で、前記挿通孔４４に挿通したボル
ト２１を前記螺合孔４４に螺合、固定することに
より、マウントブラケツト３０、ベアリングブラ
ケツト４０を同時にパワーユニツト６に装着する
ようにしてある。

以上の構成により、本実施例にあつてはマウン
トブラケツト３０にベアリングブラケツト４０を
予めボルト２３を介して装着しておくことができ
るため、車体の最終組付時にはこれらマウントブ
ラケツト３０、ベアリングブラケツト４０両者の
共通の取付部４３をエンジン本体１の装着部２２
にボルト２１を介して装着すればよく、２つのブ
ラケツト３０，４０を１回の装着作業で組付ける
ことができる。また、前記マウントブラケツト３
０、ベアリングブラケツト４０に共通な取付部４
３を１つ設けることによつて、パワーユニツト６
（エンジン本体１）に形成する前記装着部２２の
数も１つでよく、該装着部２２を形成するための
加工作業を減少することができる。更に、マウン
トブラケツト３０、ベアリングブラケツト４０は
それぞれの中間部分がボルト２３を介して結合さ
れることにより、センターベアリングを車体側に
取り付けられるマウントブラケツトに直接に支持
させることができ、該車体側支持点とセンターベ
アリング１９との間の水平方向の距離(l)（ただ
し、このｌは図示しない）を短くすることができ
る。従つて、センターベアリング１９の車両上下
方向に作用する荷重（Ｐ）（ただし、このＰは図
示しない）と前記距離(l)との積で得られるモーメ
ントを小さくすることができ、ベアリングブラケ
ツトの強度が大幅に増大される。

尚、本実施例にあつてはマウントブラケツト３
０とベアリングブラケツト４０とを結合するにあ
たつてボルト２３を介して固定するようにしたも
のを開示したが、前記マウントブラケツト３０、
ベアリングブラケツト４０を溶接等により固着、
若しくはそれら両者を一体に成形するようにした
ものでもよい。この場合は、前記両ブラケツト３
０，４０の結合を更に確実に行なうことができ
る。また、本実施例では共通の取付部４３をベア
リングブラケツト４０の他端部に形成したものを
示したが、これに限ることなくマウントブラケツ
ト３０の他端部に形成するようにしたものでもよ
い。

以上説明したように本発明は、横置きされるエ
ンジン本体の左右方向一側に、デイフアレンシヤ
ルギヤを一体に組み込んだトランスミツシヨンが
装着されるパワーユニツトにおいて、前記デイフ
アレンシヤルギヤの左右方向に夫々突出されるド
ライブシヤフトの一方に設けられた中間軸を該中
間軸に嵌着されるセンターベアリングを有するベ
アリングブラケツトを介して前記パワーユニツト
側に支持すると共に、前記パワーユニツトのデイ
フアレンシヤルギヤ近傍を、前記センターベアリ
ングと独立して設けられる弾性体を有するマウン
トプラケツトを介して車体側に支持し、これらベ
アリングブラケツトとマウントブラケツトとのそ
れぞれの中間部分を一体に結合すると共に、この
一体に結合された両プラケツトに、前記パワーユ
ニツトに装着するための共通の取付部を形成した
ので、前記両ブラケツトのパワーユニツトへの装
着を１回の組付作業で行なうことができ作業能率
の著しい向上を図ることができる。また、前記取
付部を共通にしてその数を減少させることによ
り、パワーユニツト側に形成される前記取付部の
装着部数をも減少させ、その加工作業を少くする
ことができる。更に、結合された前記ブラケツト
の中間部分が一体に結合されることにより、セン
ターベアリングを車体側に支持する距離を短くす
ることができ、該センターベアリングの支持強度
を向上させて、路面から入力される振動に対する
共振点を高くすることができ、こもり音等の高周
波領域の音振性能が著しく向上されるという優れ
た効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のパワーユニツトの支持構造を示
す一部断面図、第２図はＦ・Ｆ車又はＲ・Ｒ車に
おけるドライブシヤフトの概略構成図、第３図は
本発明のパワーユニツトの支持構造の一実施例を
示す側面図、第４図は本発明にかかるマウントブ
ラケツトを示しＡ図は側面図、Ｂ図はその平面
図、第５図は本発明にかかるベアリングブラケツ
トを示しＡ図は側面図、Ｂ図はその正面図であ
る。 １……エンジン本体、３……トランスミツシヨ
ン、４……デイフアレンシヤルギヤ、５……トラ
ンスアクスル、６……パワーユニツト、７ａ，２
０……支持装置、１１，３０……マウントブラケ
ツト、１５，１５ａ……駆動輪、１６，１６ａ…
…ドライブシヤフト、１７……ジヨイント、８…
…中間軸、１９……センターベアリング、１９
ａ，４０……ベアリングブラケツト、４３……共
通の取付部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 横置きされるエンジン本体の左右方向一側
   に、デイフアレンシヤルギヤを一体に組み込んだ
   トランスミツシヨンが装着されるパワーユニツト
   において、前記デイフアレンシヤルギヤの左右方
   向に夫々突出されるドライブシヤフトの一方に設
   けられた中間軸を、該中間軸に嵌着されるセンタ
   ーベアリングを有するベアリングブラケツトを介
   して前記パワーユニツト側に支持すると共に、前
   記パワーユニツトのデイフアレンシヤルギヤ近傍
   を、前記センターベアリングと独立して設けられ
   る弾性体を有するマウントブラケツトを介して車
   体側に支持し、これらベアリングブラケツトとマ
   ウントブラケツトとのそれぞれの中間部分を一体
   に結合すると共に、この一体に結合された両ブラ
   ケツトに、前記パワーユニツトに装着するための
   共通の取付部を形成したことを特徴とするパワー
   ユニツトの支持装置。