JPS6318943B2 - - Google Patents

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JPS6318943B2
JPS6318943B2 JP57138557A JP13855782A JPS6318943B2 JP S6318943 B2 JPS6318943 B2 JP S6318943B2 JP 57138557 A JP57138557 A JP 57138557A JP 13855782 A JP13855782 A JP 13855782A JP S6318943 B2 JPS6318943 B2 JP S6318943B2
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JP
Japan
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reaction
mercaptopropionitrile
acid
chloropropionitrile
thiosulfate
Prior art date
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Expired
Application number
JP57138557A
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English (en)
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JPS5929657A (ja
Inventor
Tetsuro Nakahama
Yasuyuki Takayanagi
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Nitto Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nitto Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明はβ−メルカプトプロピオニトリルの製
造法に関する。さらに具体的にはアクリロニトリ
ルから容易に得られるβ−クロロプロピオニトリ
ルとチオ硫酸塩を原料とするβ−メルカプトプロ
ピオニトリルの製造法に関する。 β−メルカプトプロピオニトリルは医薬、農薬
をはじめとする多くの有機合成品の原料として有
用な化合物である。 β−メルカプトプロピオニトリルの製造法とし
ては従来種々の方法が知られている。 代表的な製造法としてはβ−クロロプロピオニ
トリルあるいはアクリロニトリルとチオ尿素の反
応により生成するイソチウロニウム塩をアルカリ
加水分解してβ−メルカプトプロピオニトリルを
得る方法〔J.Org.Chem.26 1443(1961)参照〕、
またはβ−クロロプロピオニトリルと二硫化炭素
および水酸化ナトリウムとをイソプロパノール中
で反応させて、前生成するキサントゲン酸エステ
ルを減圧下熱分解する方法〔米国特許第3211777
号明細書参照〕、さらにはアクリロニトリルとチ
オ酢酸の反応で得られるチオ酢酸エステルを加水
分解する方法〔米国特許第2630448号明細書参照〕
などがある。 これらの方法によれば比較的容易にβ−メルカ
プトプロピオニトリルを得ることができるが、副
原料である硫黄源化合物に毒性が強く取扱い難い
二硫化炭素や工業原料としては高価なチオ尿素あ
るいはチオ酢酸を用いるなどの欠点を有し、必ず
しも経済的な工業的製法とは言い難い。 一方、より安価な原料を使用する製造法として
はアクリロニトリルと硫化水素の反応により直接
β−メルカプトプロピオニトリルを得る試みが提
案されている。〔米国特許第3280163号明細書およ
び特公昭43−18369号公報参照〕。しかしながら、
これらの反応は副生物のチオジプロピオニトリル
の生成を避けるため大過剰(3〜10倍モル)の硫
化水素を用い加圧下で行なわれ、そのため反応装
置は腐触性の非常に強い硫化水素の高圧系に耐え
得る特別な材質を選ぶ必要があり、工業的製法と
して非常に不利になる。 このような状況の中で、本発明者らは繊維原料
用などに大量生産されているアクリロニトリルか
ら安価に製造できるβ−クロロプロピオニトリル
を主原料とし、しかも安価で毒性の少ない硫黄源
を用いるβ−メルカプトプロピオニトリルの経済
的な工業的製法を開発すべく鋭意研究を行なつた
結果、硫黄源としてチオ硫酸塩を用いてβ−メル
カプトプロピオニトリルの前駆体としてBunte塩
を生成させ、次いでこれを酸により加水分解する
ことにより高収率でβ−メルカプトプロピオニト
リルが得られることを見出して本発明に到達し
た。 すなわち、本発明は、水性媒体中でβ−クロロ
プロピオニトリルをチオ硫酸塩と反応させること
により、β−メルカプトプロピオニトリルの前駆
体としてBunte塩を生成せしめ、次いでこの
Bunte塩を酸の存在下で加水分解することを特徴
とするβ−メルカプトプロピオニトリルの製造法
である。 本発明の反応を一般式で示すと次のようにな
る。 〔ただし、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金
属またはアンモニウムイオン、nはMの原子価ま
たはイオン価で1または2である。〕 本発明に用いる主原料のβ−クロロプロピオニ
トリルは如何なる供給源から選ばれたものでもよ
い。β−クロロプロピオニトリルをアクリロニト
リルに対する塩化水素の付加反応によつて得る場
合には、溶媒の存在下または不存在下にアクリロ
ニトリル中へ塩化水素ガスを室温以下の温度に保
ちながらボールフイルターなどを通して導入する
ことによりほぼ定量的に合成することができる。 また、本発明で用いるチオ硫酸塩はチオ硫酸ナ
トリウム、チオ硫酸カリウムなどのチオ硫酸アル
カリ金属塩、チオ硫酸マグネシウム、チオ硫酸カ
ルシウムなどのチオ硫酸アクリル土類金属塩およ
びチオ硫酸アンモニウムなどであり、これらは1
種類または2種類以上の混合物として用いてもよ
い。チオ硫酸塩の結晶水の有無は何ら制限はな
い。これらのチオ硫酸塩の中では、大量に安価に
工業生産されているチオ硫酸ナトリウムの5水塩
(通称「ハイポ」)を用いるのが工業的製法には最
も好ましい。 次に、本発明の一般的実施態様について説明す
る。 1 Bunte塩の生成 β−クロロプロピオニトリルとチオ硫酸塩との
反応によるBunte塩の生成は水性媒体中にてほぼ
両者を等モル用いて行なわれるが、 β−クロロプロピオニトリル:チオ硫酸塩 =1:0.8〜1.2(モル比) の範囲で、いずれか一方の原料を過剰に用いても
よい。 水性媒体としては、例えば、水、または水−ア
ルコール、水−ジオキサン、水−テトラヒドロフ
ランあるいは水−ジメチルスルホキシドなどの混
合液が用いられるが、工業的には水または水−ア
ルコール混合液中での反応が有利である。 水性媒体中のβ−クロロプロピオニトリルおよ
びチオ硫酸塩の濃度はそれぞれ5〜50重量%程度
とするのが好ましいが、この場合必ずしも均一に
混合している必要はない。 反応温度は通常60℃から反応液の沸点の範囲で
あり、また反応時間は15分から5時間程度で充分
である。 反応後、得られたBunte塩は溶媒抽出などによ
り無機塩類と分離してから次の加水分解を行なつ
てもよいが、通常はそのまま引き続き酸を加えて
加水分解を行なう。Bunte塩を単離する場合はア
ルコール類による熱抽出などを用いることができ
る。 2 加水分解 Bunte塩の加水分解に用いる酸としては、塩
酸、硫酸、リン酸などの鉱酸類、ギ酸、シユウ酸
などの有機カルボシ酸類、P−トルエンスホン酸
などの有機スルホン酸類、および強酸性イオン交
換樹脂などの固体酸があるが、反応速度および反
応後の分離工程などを勘案すると工業的には硫
酸、塩酸などの鉱酸類が好ましい。 使用する酸の量はβ−クロロプロピオニトリル
を基準とし、 β−クロロプロピオニトリル:酸 =1:0.5〜5.0(モル比) 好ましくは、 β−クロロプロピオニトリル:酸 =1:1.0〜2.5(モル比) の範囲で選ばれる。 酸の濃度は10〜40重量%の範囲が好ましい。 加水分解反応の温度は通常60℃から反応液の沸
点の範囲であり、反応時間は30分から8時間程度
で充分である。 なお、ここで例えば反応温度85℃以上で5時間
以上反応を行なうことにより、得られたβ−メル
カプトプロピオニトリルとさらにβ−メルカプト
プロピオン酸に加水分解できるため、条件を適当
に選べばβ−クロロプロピオニトリルからβ−メ
ルカプトプロピオン酸の一貫製造が可能である。 3 回収 反応終了後、反応混合物からのβ−メルカプト
プロピオニトリルの分離および精製は有機溶剤に
よる抽出と抽出液の蒸留により行なうことができ
る。抽出溶剤としてはβ−メルカプトプロピオニ
トリルを溶解し、しかも水と混和しないものであ
れば何でも差し支えないが、特にベンゼン、トル
エン、ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタ
ン、1,1,1−トリクロルエタン、クロロホル
ムおよびエーテルなどが用いられる。 以下、実施例により本発明をさらに具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定され
るものではない。 製造例〔β−クロロプロピオニトリルの製造〕 撹拌機、冷却コンデンサー、温度計およびガス
導入管を付した反応器に108.7gのアクリロニト
リルを仕込み、水冷して5℃に冷却後、ガス導入
管から74.3gの塩化水素を約7時間かけて導入し
た。塩化水素ガス導入中は反応器内の液温は2〜
6℃に保つた。塩化水素導入終了後、室温で2時
間熟成し、次いで反応混合物を減圧蒸留したとこ
ろ、171g(沸点94〜96℃/50mmHg、収率93.8
%、純度98%のβ−クロロプロピオニトリルが得
られた。 実施例 1 1 Bunte塩の生成 温度計、撹拌機、滴下ロートおよび冷却コンデ
ンサ−を付した反応器に250.8gのチオ硫酸ナト
リウム5水塩と200gの水を仕込み撹拌溶解させ
た。この溶液に上記製造例に示したβ−クロロプ
ロピオニトリル91.6gを200gのエタノールに溶
かした溶液を滴下ロートを通して添加し、還流下
に5時間反応させた。 次いで、減圧下に溶媒を留去し、若干含水した
エタノール600gで熱抽出した。得られた淡クリ
ーム色の固体をさらにエタノールから再結したと
ころ153g(収率81%)の白色結晶状のBunte塩
が得られた。 生成物の元素分析値は第1表の通りであつた。
【表】 2 加水分解 このようにして得られたBunte塩48gを210g
の水と75gの36%塩酸の混合液に溶解して90℃で
1時間反応を行なつたのち、反応液の一部を分取
してガスクロマトグラフ分析を行なつた結果、
15.6g(反応収率72%)のβ−メルカプトプロピ
オニトリルの生成を認めた。 さらに、反応液を100mlの1,2−ジクロルエ
タンで抽出後、この抽出液を蒸留することによつ
て14.2g(沸点67〜68℃/7mmHg、収率65%、
純度99%)のβ−メルカプトプロピオニトリルが
得られた。 参考例 1 実施例1の1),で合成したBunte塩48gを水
160gと36%塩酸125gの混合溶液に溶かして90℃
で8時間反応を行なつたのち、反応液の一部を分
取してガスクロマト分析を行なつた結果、19.3g
(反応収率73%)のβ−メルカプトプロピオン酸
と0.3g(反応収率1.3%)のβ−メルカプトプロ
ピオニトリルの生成を認めた。 実施例 2 実施例1と同様の反応器に前記製造例に示した
22.9のβ−クロロプロピオニトリル、62.7gのチ
オ硫酸ナトリウム5水塩および100gの水を仕込
み90℃で1時間反応させた。 次いで、滴下ロートより38gの98%硫酸を滴下
し、引き続き90℃で30分間反応させた。 得られた反応液のガスクロマトグラフ分析結果
は第2表の通りであつた。
【表】 実施例 3 加水分解の反応時間を1時間にした以外は実施
例2と全く同様に反応を行なつたところ、第3表
に示す結果が得られた。
【表】 実施例 4〜6 チオ硫酸塩の種類と使用量を変えた以外は実施
例2と同様に反応を行なつたところ第4表に示す
結果が得られた。
【表】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 水性媒体中でβ−クロロプロピオニトリルを
    チオ硫酸塩と反応させることによりβ−メルカプ
    トプロピオニトリルの前駆体としてBunte塩を生
    成せしめ、次いでこのBunte塩を酸の存在下で加
    水分解することを特徴とするβ−メルカプトプロ
    ピオニトリルの製造法。
JP13855782A 1982-08-11 1982-08-11 β−メルカプトプロピオニトリルの製造法 Granted JPS5929657A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5855453A (ja) * 1981-09-29 1983-04-01 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 光学活性メルカプトカルボン酸の製法

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