JPS63182340A - 耐炎性ポリエステルの製造方法 - Google Patents

耐炎性ポリエステルの製造方法

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JPS63182340A
JPS63182340A JP1316787A JP1316787A JPS63182340A JP S63182340 A JPS63182340 A JP S63182340A JP 1316787 A JP1316787 A JP 1316787A JP 1316787 A JP1316787 A JP 1316787A JP S63182340 A JPS63182340 A JP S63182340A
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金 築治
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、耐炎性ポリエステルの製造方法に関するもの
であり、さらに詳しくは高い極限粘度のサーモトロピッ
ク液晶性を有する耐炎性ポリエステルを製造する方法に
関するものである。
(従来の技術) 従来より、ポリエステルは、一般成形品としての用途を
広く認められるに到っているが、多くのポリエステルは
曲げ強度、曲げ弾性率を始めとする種々の機械的物性が
不十分であるため、高物性を要求される分野には適して
いなかった。
近年、繊維、フィルムもしくは成形品のいずれかを問わ
ず、強度、剛性、耐熱性及び耐薬品性等に優れた素材に
対する要望が高まっている。
既に、かかる高物性を有するポリエステルの先鞭として
、W、J、ジャクリンはポリエチレンテレフタレートと
4−ヒドロキシ安息香酸(4HBA)とからなるサーモ
トロピック液晶性ポリエステル(LCP)を報告してお
り、かかるサーモトロピック液晶性ポリエステルに注目
が集まっている。このサーモトロピック液晶性ポリエス
テルは通常のサーモトロピック液晶性を示さないポリエ
ステルに数倍する機械的物性を有しており、高機能性高
分子に新しい可能性を見出した。
−aに、このサーモトロピック液晶性ポリエステルは、
製造の第一工程でポリエチレンテレフタレート(PET
) と4−アセトキシ安息香M C4HBA−A)とを
接触させてアシドリシス反応によりPETを解重合させ
、次いで第二工程でその解重合物を重縮合させることに
より製造される。
ところで、近年、火災予防の観点から各種プラスチック
製品の耐炎性への要請が強まっている。
特に、前記したPET/4HB^系のLCPは耐炎性が
芳香族系のLCPに比べ劣っているとされているので、
その対応策の確立が急がれている。
従来、ポリエステルに耐炎性を付与する方法は種々提案
されており、ポリエステルにリン化合物を含有させるこ
とが有効であるとされている。
例えば、特公昭55−41610号公報には耐炎性のポ
リエステルを製造するに際し、特定のリン化合物を添加
、共重合する方法が提案されているが、この方法で高重
合度のポリエステルを製造するには添加するリン化合物
を予め2僅のエステル形成性官能基を有する化合物とし
ておく必要があり、その場合2選択するエステル形成性
官能基を有する部分を構成する成分の種類によっては、
添加するリン化合物の価格が高くなったり、極めて製造
が困難であったりして、結局経済面での問題が残されて
いた。
また、特公昭56−9178号公報には特定の構造を有
するリン化合物をポリエステルに配合する方法が提案さ
れているが、この方法において用いられるP−tl結合
のようにポリエステルを解重合する官能基を有するリン
化合物はポリエステルの重合度を著しく低下させたり、
あるいはポリエステルの末端を封鎖したりして、得られ
るポリエステルの物性を低下させ、実用的でないという
問題がある。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は、物性を低下させることなくポリエステルに耐
炎性を付与でき、しかもサーモトロピック液晶性を有す
るポリエステルを経済的に製造する方法を提供しようと
するものである。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、前記のごとき問題点のないサーモトロピ
ック液晶性を有する耐炎性ポリエステルの製造方法につ
いて鋭意研究の結果、不飽和化合物を予めポリエステル
の主鎖に共重合させておき、しかるのち、特定のP−H
結合を有するリン化合物を、該不飽和結合に付加させる
ことが極めて効果的であることを知見し、本発明に到達
した。
すなわち、本発明は、下記式(I)で表される芳香族オ
キシカルボン酸成分とアルキレンテレフタレート成分と
からなる極限粘度0.5以上のサーモトロピック液晶性
ポリエステルを製造するに際し、エステル形成性官能基
を有する不飽和化合物を該−サーモトロピック液晶性ポ
リエステルを構成する全繰り返し単位に対して0.5〜
10モルχとなるよう共重合させ、しかるのち下記式(
II)で示されるリン化合物を反応させることを特徴と
する耐炎性ポリエステルの製造方法を要旨とするものυ
=に’−Hz                  (
11λ(式においてArは2価の芳香族基を示す。ただ
し、芳香環は置換基で置換されていてもよい。また、P
は水素原子、ヒドロキシル基もしくは低級アシル基、R
,、R2は水素原子、アルキル基、了り−ル基、アルコ
キシ基及びアリロキシ基からなる群から選ばれた同種又
は異種の基であり、R1、R2は互いに環を形成してい
てもよい。) 本発明の方法により製造したポリエステルの極限粘度〔
η〕は、少なくとも0.5 d17g以上、好ましくは
0.5〜1.0 dl/g、最適には0.6〜0.8d
l/gである。極限粘度〔η〕が0.5 a/g以上で
ないと −目的とする曲げ特性を始めとする各種の物理
的、機械的物性値が劣る。
本発明において、サーモトロピック液晶性ポリエステル
は、前記式(I)で表される芳香族オキシカルボン酸成
分とアルキレンテレフタレート成分から主としてなる。
本発明において用いられる、芳香族オキシカルボン酸成
分は式(I)で示される化合物であり、例えば、4−ヒ
ドロキシ安息香酸(4118A)、■−ヒドロキシー4
−ナフトエ酸、4−ヒドロキシ−3−メチル安息香酸、
4−ヒドロキシ−3−クロル安息香酸、2−ヒドロキシ
−6−ナフトエ酸等もしくはこれらの酢酸エステル、プ
ロピオン酸エステル、酪酸エステル、イソプロピオン酸
エステル、α、α−ジメチルプロピオン酸エステル等の
低級脂肪酸エステルがあげられるが、4HBAもしくは
4−アセトキシ安息香酸(4)IB^−A)が最適であ
る。なお、芳香族オキシカルボン酸として芳香族オキシ
カルボン酸そのものを用いた時には、当然のことながら
、芳香族オキシカルボン酸と当量となる量以上(好まし
くは、1゜05〜1.25倍当it)の低級脂肪酸の酸
無水物を併用することは言うまでもない。また、サーモ
トロピック液晶性ポリエステルを得るためには、生成す
るサーモトロピック液晶性ポリエステルの剛直部分を担
うため、基本的にはパラ配向性、もしくはアンフィ配同
性の化合物が選ばれることが必要であるが、生成するポ
リエステルの液晶性、を損ねない限り、オルト、メタ、
アナ、エビ、カタ、ペリ、プロスの各配向性の化合物を
共重合することができる。
本発明にいうアルキレンテレフタレート成分とは、主と
して、PUTや、ポリブチレンチレフタレ−ト(PII
T)もしくはこれちのオリゴマー、七ツマー等に基づく
ものであるが、必要に応じて他の成分を共重合成分とし
て少量含有するものでもよいが、特にPETが好適であ
り、かかるPETの好ましい極限粘度は0.60d17
g以下、とくに0.20 d17g程度である。これら
の範囲を越えて極限粘度が高くなり過ぎると得られるポ
リエステルのランダム性が失われ易く、芳香族オキシカ
ルボン酸成分だけが局部的にホモポリエステルを形成し
、これが高融点の結晶となってポリエステル溶融体から
析出し、異物となることがあるので好ましくない場合が
ある。 本発明において、ポリアルキレンテレフタレー
トは、従来公知の任意のポリエステルの製造法、たとえ
ばエステル化法、エステル交換法で製造できる。
本発明において用いられるエステル形成性官能基を有す
る不飽和化合物としては、カルボキシル基又は水酸基を
1〜4個、好ましくは2個有する化合物が適当である。
具体的には、フマル酸、マレイン酸、メサコン酸、シト
ラコン酸、グルタコン酸、イタコン酸等のジカルボン酸
、もしくはそれらの酸無水物、エステル等からなる不飽
和ジカルボン酸、又は2−ブテン−1,4−ジオール、
3−ブテン−1,2−ジオール等の不飽和ジオールもし
くはそれらのエステル等があげられるが、最も好ましい
のはマレイン酸もしくはその誘導体である。
本発明において、エステル形成性官能基を有する不飽和
化合物を共重合する割合は、サーモトロピック液晶ポリ
エステルを構成する全繰り返し単位に対し、0.5〜l
Oモル2であり、この共重合割合が0.5モルχより少
ないと実質上共重合の効果が発現しないし、一方、lO
モルχより多いと得られるポリエステルがサーモトロピ
ック液晶性を示さなくなったり、ひいてはゲル化等の好
ましくない現象を招来してともに好ましくない。
本発明において用いられる前記式(II)で示されるリ
ン化合物の具体な例としては次の化合物が挙げられる。
\□      \1゜ 本発明において、前記式(n)で示されるリン化合物の
含有割合は、リン化合物の割合があまりに少ないと、最
終的に得られるサーモトロピック液晶性ポリエステルの
耐炎性が不十分となり、一方、この割合が多すぎると得
られるポリエステルの物理的特性が損なわれることがあ
るので、通常不飽和化合物の不飽和結合の当量を越えな
い範囲の量で、かつ、全ポリエステルを構成する全繰り
返し単位に対し0.5〜10モルχ、好ましくは2.0
〜7.0モルχ、最適には2.5〜5.0モルχとする
のが適当である。なお、リン化合物のポリエステル中へ
の残存量は、リン化合物の種類によって異なるが、通常
70〜100%であるので、それを考慮して添加量を選
択すればよい。
本発明の方法によりポリエステルを製造するにあたり、
エステル形成性官能基を有する不飽和化合物はリン化合
物の添加前に予め添加してお(ことが必要である。この
方法には、大きく分けて3種類の方法がある。すなわち
、■ポリアルキレンテレフタレートの製造時に添加して
共重合させたのち、リン化合物を添加し、しかるのち芳
香族オキシカルボン酸と反応させる方法、■芳香族オキ
シカルボン酸とポリアルキレンテレフタレートと不飽和
化合物を反応させ、しかるのちリン化合物を添加する方
法、■芳香族オキシカルボン酸と不飽和化合物とを反応
させたのち、リン化合物を添加し、しかるのちポリアル
キレンテレフタレートと反応させる方法であるが、■の
方法が最適である。
より具体的には、不飽和化合物を共重合したポリアルキ
レンテレフタレートの極限粘度が0.5以上となった時
点で、反応系を窒素ガス下で常圧どし、260〜310
℃、好ましくは270〜290 ℃の温度で前記式(I
I)で示されるリン化合物を添加し、5〜60分間、好
ましくは10〜30分間攪拌下に反応させる。そののち
、(イ)アシル芳香族オキシカルボン酸、好ましくはそ
れと0.05〜0625倍当量の無水酢酸、もしくは、
(ロ)芳香族オキシカルボン酸とそれと当量以上の無水
酢酸、好ましくは1゜05〜1.25倍当量の無水酢酸
を添加し0.01〜10t。
rrの減圧下に260〜31O℃、好ましくは270〜
290℃の温度で所定の重合度のポリエステルが得られ
るまで重縮合すればよい。
本発明の製造方法において、前記したように無水酢酸の
ような低級脂肪酸の酸無水物を併用し、芳香族オキシカ
ルボン酸のヒドロキシル基を有効にアシル化することが
好ましいが、さらに、PETもしくはそのオリゴマー、
モノマーの全グリコール末端基の当量数を越える量の低
級脂肪酸の酸無水物を添加することが反応速度を向上さ
せかつ異物の発生を抑制する点で好ましい方法である。
なお、かかるPETの全グリコール末端基は、極限粘度
が0.1 dl/gの時は、1 、200〜1 、50
0当量八on−PET、極限粘度が0.2 d17gの
時は、600〜700当量/1on−PET程度である
かかる低級脂肪酸の酸無水物としては、通常炭素原子1
〜8個の低級脂肪酸の酸無水物、すなわち、無水酢酸、
無水プロピオン酸、無水モノクロル酢酸、無水ジクロル
酢酸、無水トリクロル酢酸、無水モツプロム酢酸、無水
ジブロム酢酸、無水トリブロム酢酸、無水モノフルオロ
酢酸、無水ジフルオロ酢酸、無水トリフルオロ酢酸、無
水ブロム酢酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、無水
コハク酸、無水β−ブロムプロピオン酸、無水酪酸、無
水イソ酪酸、無水プロピル酢酸、無水吉草酸、無水ピバ
ル酸等が挙げられるが、価格と沸点のレベルから、無水
酢酸が特に好適に用いられ、以後の説明は無水酢酸(^
c20)で代表させる。
なお、前記式(n)で示されるリン化合物は、若干の還
元性を有している場合があるので、リン化合物を添加す
る以前に添加する重縮合触媒としては、後述するものの
うち、たとえばアンチモン等、還元性の雰囲気では失活
するおそれのあるものは使用しないほうがよい。
以下、本発明の方法が特に好適に適用出来る例として不
飽和化合物を共重合したPETを第一構成単位、4HB
A残基を第二構成単位とするポリエステルを例にとって
、本発明の製造方法をさらに詳しく説明することにする
第一構成単位と第二構成単位の比率は、通常繰り返し単
位モル比で5:95〜95:5であり、好ましくは30
ニア0〜70 : 30であり、サーモトロピック液晶
性ポリエステルを得るためには、第一構成単位と第二構
成単位の比率は、好ましくは繰り返し単位モル比で50
 :50〜70:30となる範囲で適宜選択すればよい
本発明においては、不飽和化合物を共重合したPETを
主たる構成成分とするポリエステルを極限度0.5以上
となるまで重縮合し、しかるのち、反応系を窒素ガス下
で常圧とし、260〜310℃、好ましくは270〜2
90℃の温度で前記式(If)で示されるリン化合物を
添加し、5〜60分間、好ましくは10〜30分間攪拌
下に反応させ、その後、4HBA−八と前記した量のA
c、0とを反応機に仕込み、後述する反応スケジュール
(a)、(b)、(C)及び(d)の順で反応させるの
が適当である。まず、(a)不活性雰囲気で、150℃
を越えない温度で、30分〜4時間反応させる。温度が
150℃を越えたり、反応時間が30分未満であると反
応が不十分となり、重縮合段階における反応速度が緩慢
になる時があるため好ましくない。一方、4時間以上反
応させても、効果は飽和状態となるだけであるから、経
済面でこれも好ましくない。ついで(b)不活性雰囲気
で、150℃〜230℃の温度で、30分〜8時間反応
させる。
温度が230℃越えたり、反応時間が30分未満である
と反応が不十分となり、最終的に得られるポリエステル
の極限粘度が上昇しなくなったり、4−アセトキシ安息
香酸が前記したようにホモポリエステルを形成したり、
4−アセトキシ安息香酸やAc、0が飛散したりして好
ましくない。一方、8時間以上反応させ゛ても、効果は
飽和状態となるばかりか却って得られるポリエステルの
色調を損ねるだけであるから、これも好ましくない。そ
の後、(C)不活性雰囲気で、230℃から250℃〜
310℃の温度まで昇温し、遅くとも温度が270℃に
到達した時点で、フルバキュームまで60分以上、好ま
しくは、その時間が90分となるような減圧スケジュー
ルで減圧を開始する。温度が310℃越えたりすると、
得られるポリエステルの色調を損ねるだけであるし、一
方、減圧スケジュールが60分未満であると、4−アセ
トキシ安息香酸が飛散したりしてともに好ましくない。
しかるのち、(d1通常260〜310℃の温度で、0
.01torr〜10torr程度の高減圧下に数十分
〜数時間、溶融相で酢酸(AcOII)を溜出させつつ
、重縮合反応させることによって、ポリエステルを製造
することができる。
本発明においては、前記した二つの構成単位の他、例え
ば2.2−ビス(4゛−ヒドロキシフェニル)プロパン
、ハイドロキノン、レゾルシン、4.4”−ジヒドロキ
シビフェニル、1.4−ブタンジオール、1.6−ヘキ
サンジオール、シクロヘキサンジメタツール、ペンタエ
リスリトール、ナフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、
アジピン酸、セバシン酸、2.2−ビス(4″−カルボ
キシフェニル)プロパン、ビス(4−カルボキシフェニ
ル)メタン、ビス(4−カルボキシフェニル)エーテル
、トリメリット酸等が共重合成分として好適に用いられ
る。
また、通常、重縮合反応には触媒が用いられるが、本発
明の方法によりポリエステルを製造するには、例えば、
各種金属化合物あるいは有機スルホン酸化合物の中から
選ばれた1種以上の化合物が用いられる。
かかる金属化合物としては、アンチモン、チタン、ゲル
マニウム、スズ、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム、
カルシウム、マンガン、ナトリウム、カリウムあるいは
コバルトなどの化合物が用いられ、一方有機スルホン酸
化合物としては、スルホサリチル酸、O〜スルホ安息香
酸無水物(OSB)などの化合物が用いられるが、三酸
化アンチモン<CS)やOSBが特に好適に用いられる
。前記触媒の添加量としては、ポリエステルの構成単位
1モルに対し通常0.1 xlO−’ 〜100 xl
O−’−t−ル、好ましくは0.5 Xl0−’〜50
X10−’モル、最適には1×10−4〜l0XIO−
’モル用いられる。
また、本発明の方法によれば、例えばポリエステルの熱
的特性値としては融点200℃以上、熱変形温度60℃
以上、好ましくは融点220℃以上、熱変形温度100
℃以上、最適には融点220〜250℃、熱変形温度1
00〜130℃のポリエステルが得られ、かかるポリエ
ステルは耐熱性と各種の物理的、機械的特性値とを兼ね
備えている点で好ましいものである。
(作用) 本発明の方法によって高い極限粘度を有し、耐炎性に優
れたポリエステルを経済的に製造することができる理由
は十分解明されているわけではないが、ポリエステルの
主鎖中に予め不飽和化結合を存在させ、しかるのち、か
かる不飽和結合にP−■結合を有するリン化合物がポリ
エステルの主鎖にペンダント状に付加する結果、ポリエ
ステルの物理的性質を低下させることなく、優れた耐炎
性を有するポリエステルが得られるものと推察される。
(実施例) 以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明する
なお、例中のポリマーの〔η〕は、フェノールと四塩化
エタンの等重量混合溶媒中20℃で測定した溶液粘度か
ら求めた。
また、ポリアルキレンテレフタレートの全グリコール末
端基は、極限粘度から逆算した全末端基数から後述する
カルボキシル末端基数を引いたものである。カルボキシ
ル末端基はベンジルアルコール中で1710規定の水酸
化ナトリウム溶液で滴定して求めた。
また、本発明に言うサーモトロピック液晶性はホットス
テージ付Leitz偏光顕微鏡で確認した。
また、ポリエステル中のリン原子の含有量は、蛍光X線
法により定量した。
また、耐炎性はJIS K 7201規格に準拠し、限
界酸素指数(LOI)により評価した。
実施例1 テレフタル酸(TP^) 498gとエチレングリコー
ル(EG)279gとマレイン酸18.3g(マレイン
酸の共重合割合は5モルχ)とからなる混合物をオート
クレーブ中で260℃で2.5時間加熱してエステル化
反応を行った。次いで、二酸化ゲルマニウムを触媒とし
て2.5X10−’モル/酸成分添加し、系の温度を1
時間で275℃に昇温し、系の圧力を徐々に滅じて1時
間後に0.1 torrとし、この条件で、さらに重縮
合反応を続けた。このポリエステル(PET−1)の極
限粘度が0.62となった時点で反応系を窒素ガスで常
圧にし、前記式(h)で示されるリン化合物(IIcA
 )を16.5g(全酸成分1モルに対してHCAが2
.36モルχとなる量)添加し、275℃で20分攪拌
した。その後、2.000当量八on−PIET−1の
^c、0及びPFiT−1に対し1.5倍モルの4−ア
セトキシ安息香酸を添加し、5時間かけて230℃まで
順次昇温し、そのまま2時間攪拌混合した。次いで、さ
らに2時間かけて270℃まで昇温し、その後、フルバ
キューム(ltorr)まで90分となるような減圧ス
ケジュールで減圧を開始した。最終的に通常270℃の
温度で、0.3 torrの減圧下に4時間、溶融相で
重縮合反応させた。
その結果、極限粘度0.72のサーモトロピック液晶性
ポリエステルが得られた。そして、このポリエステルか
ら得た1/3インチ厚みの試験片のLOIは33であっ
た。
実施例2 テレフタル酸(TP八) 498gとエチレングリコー
ル(EG) 279gとらなる混合物をオートクレーブ
中で260℃で2.5時間加熱してエステル化反応を行
った。次いで、マレイン酸18.3g(マレイン酸の共
重合割合は5モルχ)と、二酸化ゲルマニウムを触媒と
して2.5 X 10−’モル/酸成分添加し、系の温
度を1時間で275℃に昇温し、260℃で30分間攪
拌した。その後は実施例1とほぼ同様に反応させた。
その結果、極限粘度0.67のサーモトロピック液晶性
ポリエステルが得られた。そして、このポリエステルか
ら得た173インチ厚みの試験片のLOTは32であっ
た。
実施例3 リン化合物として前記式0)の化合物を用いた他は、実
施例1とほぼ同様に反応させてサーモトロピック液晶性
ポリエステルを得た。結果を第1表に示した。
実施例4 マレイン酸の共重合割合を17.6モルχとし、また、
HCAを全酸成分1モルに対しHCAが8.24モルχ
となる量用いた以外は実施例1とほぼ同様に反応させて
サーモトロピック液晶性ポリエステルを得た。結果を第
1表に示した。
実施例5〜8 リン化合物として前記式(al、(b)、(C)及び(
e)のリン化合物を使用し、いずれも全酸成分1モルに
対しリン化合物が2.5モルχとなる量用いた以外は実
施例1とほぼ同様に反応させてサーモトロピック液晶性
ポリエステルを得た。結果を第1表に示した。
実施例9〜11 不飽和化合物としてそれぞれ無水マレイン酸、イタコン
酸、あるいは2−ブテン1,4−ジオールを使用した以
外はほぼ実施例1と同様に反応させてサーモトロピック
液晶性ポリエステルを得た。結果を第2表に示した。
実施例12 アシル芳香族オキシカルボン酸として、4−アセトキシ
安息香酸と3−アセトキシ安息香酸とをモル比で9:1
となるように用いた以外はほぼ実施例1と同様に反応さ
せてサーモトロピック液晶性ポリ □エステルを得た。
結果を第3表に示した。
実施例13 アシル芳香族オキシカルボン酸として、2−アセトキシ
−3−ナフトエ酸を用いた以外はほぼ実施例1と同様に
反応させてサーモトロピック液晶性ポリエステルを得た
。結果を第3表に示した。
実施例14 テレフタル酸ジメチル(DMT) 582gと1.4−
ブタンジオール(BD) 660gからなる混合物と触
媒としてテトラブチルチタネート2゜4X10−’モル
/酸成分をオートクレーブに仕込み、エステル交換を行
った。次いで、マレイン酸18.3g(マレイン酸共重
合割合は5モルχ)を添加し、その後は実施例2とほぼ
同様に反応させてサーモトロピック液晶性ポリエステル
を得た。結果を第3表に示す。
比較例1 マレイン酸の添加量を1.2g(マレイン酸の共重合割
合は0.34モルχ)とした以外はほぼ実施例2と同様
に反応させてサーモトロピック液晶性ポリエステルを得
た。得られたポリエステルの極限粘度は0.39に止ま
り、かろうじて得た試料のLOIは27であった。
比較例2 マレイン酸の添加量を67.0g(13,5モルχ)と
した以外はほぼ実施例2と同様に反応させてポリエステ
ルを得たが、サーモトロピック液晶性を示さないばかり
か、ゲル状を呈して実用上の使用に耐えないものであっ
た。
第1表 第2表 第3表 比較例3 リン化合物としてリン酸トリフェニルを20.7g使用
した以外はほぼ実施例2と同様に反応させてポリエステ
ルを得たが、サーモトロピック液晶性を示さないばかり
か、やはりゲル状を呈して実用上の使用に耐えないもの
であった。
(発明の効果) 本発明によれば、ポリエステルの優れた物理的性質を低
下させることなく、耐炎性に優れたサーモトロピック液
晶性ポリエステルを経済的に安定して製造することがで
きる0本発明によって得られるサーモトロピック液晶性
ポリエステルは特に難燃性を要求される用途に使用され
る高物性の素材として極めて有用である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)下記式( I )で表される芳香族オキシカルボン
    酸成分とアルキレンテレフタレート成分とからなる極限
    粘度0.5以上のサーモトロピック液晶性ポリエステル
    を製造するに際し、エステル形成性官能基を有する不飽
    和化合物を該サーモトロピック液晶性ポリエステルを構
    成する全繰り返し単位に対して0.5〜10モル%とな
    るよう共重合させ、しかるのち下記式(II)で示される
    リン化合物を反応させることを特徴とする耐炎性ポリエ
    ステルの製造方法。 ▲数式、化学式、表等があります▼( I ) ▲数式、化学式、表等があります▼(II) (式においてArは2価の芳香族基を示す。ただし、芳
    香環は置換基で置換されていてもよい。また、Rは水素
    原子、ヒドロキシル基もしくは低級アシル基、R_1、
    R_2は水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキ
    シ基及びアリロキシ基からなる群から選ばれた同種又は
    異種の基であり、R_1、R_2は互いに環を形成して
    いてもよい。)
  2. (2)ポリアルキレンテレフタレート成分と不飽和化合
    物を反応させたのち、リン化合物を添加し、しかるのち
    、芳香族オキシカルボン酸成分を反応させる特許請求の
    範囲第1項記載の耐炎性ポリエステルの製造方法。
  3. (3)不飽和化合物がマレイン酸又はそのエステル形成
    性誘導体である特許請求の範囲第1項記載の耐炎性ポリ
    エステルの製造方法。
  4. (4)リン化合物が下記式(III)で示される化合物で
    ある特許請求の範囲第1項記載の耐炎性ポリエステルの
    製造方法。 ▲数式、化学式、表等があります▼(III) (式において、ベンゼン環は置換基で置換されていても
    よい。) (4)芳香族オキシカルボン酸成分が4−オキシ安息香
    酸成分である特許請求の範囲第1項記載のポリエステル
    の製造方法。
  5. (5)ポリエステルの極限粘度が0.5以上となった時
    点で前記式(II)で示されるリン化合物を不飽和化合物
    の不飽和結合の当量を越えない量で添加し、ついで重縮
    合を完結させることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    記載のポリエステルの製造方法。
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