JP2003055446A - 全芳香族ポリエステルの製造方法 - Google Patents

全芳香族ポリエステルの製造方法

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JP2003055446A
JP2003055446A JP2001247719A JP2001247719A JP2003055446A JP 2003055446 A JP2003055446 A JP 2003055446A JP 2001247719 A JP2001247719 A JP 2001247719A JP 2001247719 A JP2001247719 A JP 2001247719A JP 2003055446 A JP2003055446 A JP 2003055446A
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carbon atoms
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compound catalyst
acid
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JP2001247719A
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Hiroshi Sakurai
博志 櫻井
Toyoaki Ishiwatari
豊明 石渡
Masayuki Jokai
真之 畳開
Shunichi Matsumura
俊一 松村
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶融成形性が良好で優れた物性を有し、重合
反応器を腐食させることがない液晶性全芳香族ポリエス
テルの製造方法を提供する。 【解決手段】 ジアリールカーボネートと芳香族ヒドロ
キシカルボン酸、またはジアリールカーボネートと芳香
族ヒドロキシカルボン酸と芳香族ジカルボン酸および芳
香族ジオールを反応させて全芳香族ポリエステルを製造
する際に特定のピリジン系化合物触媒及び又はチタン系
化合物触媒を用いて、かつ原原料を特定の関係を満たす
ような仕込み比で仕込み溶融反応せしめる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶性を有する全
芳香族ポリエステルの新規な製造方法に関するものであ
る。さらに詳しく言えば、安価な原料を用いて重合反応
器を腐食させることなく、かつ溶融成形性がよく優れた
物性を有する成形物を容易に与える液晶性の全芳香族ポ
リエステルの新規な製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、産業分野での技術の進歩、及び省
エネルギー指向などのため、有機高分子材料の高性能
化、軽量化が求められている。これらのプラスチックへ
の高性能化の要求に対して、優れた機械的特性をもつポ
リマーとして分子鎖の平行配列を特徴とする光学異方性
の液晶ポリマーがある。
【0003】この液晶ポリマーとしては、全芳香族ポリ
エステルまたは全芳香族ポリエステルカーボネートが代
表的であり、その製造方法としては、芳香族ヒドロキシ
カルボン酸アルキルエステル、芳香族ジカルボン酸ジア
ルキルエステルおよび芳香族ジオールを反応せしめ特定
量のアルコールを留出させた後、特定量のジアリールカ
ーボネートを添加せしめることを特徴とする製造方法
(特開平4−249529号公報)、芳香族ジオールを
酸無水物によりアシル化した後、芳香族ヒドロキシカル
ボン酸と反応させ、得られた反応物と芳香族ジカルボン
酸とを重縮合させることを特徴とする製造方法(特開平
2−153922号公報)などが報告されている。しか
し、いずれの方法も、原料をあらかじめエステル化して
おく必要があり、コスト高になるといった問題点があっ
た。また、特開平2−153922号公報においては反
応の副生成物である酢酸による重合反応器の腐食を避け
るため、高価な重合反応器を使用しなければならないと
いった問題点があった。
【0004】そこで、原料をあらかじめエステル化しな
い方法として、芳香族ヒドロキシカルボン酸と芳香族ジ
オールとを、反応物のカルボキシル基価が1000当量
/106g以下に達するまで反応せしめ、次いでジアリ
ールカーボネートを添加せしめることを特徴とする液晶
性全芳香族ポリエステルカーボネートの製造方法(特開
平1−210422号公報)が開示されている。しか
し、この方法ではジアリールカーボネートを単に鎖延長
剤として用いているのみである。また、当該公報に開示
されている実施例はすべて多量の溶剤を使用しており、
かつジアリールカーボネートの添加に先立って溶剤の除
去工程が必要になるなど、この方法を工業的に実施する
には問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、耐
熱性、機械特性に優れた液晶性の全芳香族ポリエステル
の製造方法について鋭意研究を重ねた結果、重合反応器
腐食を促進させる酢酸等を副生成物として生じず、かつ
原料をあらかじめエステル化する工程を省き、ジアリー
ルカーボネート、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族
ジカルボン酸、および芳香族ジオールとから安価に液晶
性の全芳香族ポリエステルを製造する方法を提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、ジアリールカ
ーボネート(A)および芳香族ヒドロキシカルボン酸
(B)を、またはジアリールカーボネート(A)、芳香族
ヒドロキシカルボン酸(B)、芳香族ジカルボン酸
(C)、および芳香族ジオール(D)を反応させて全芳香
族ポリエステルを製造する際、(I)下記式(E)
【0007】
【化3】
【0008】[式(E)中、R1,R2は、各々独立に、
水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数5〜10
のシクロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基およ
び炭素数7〜12のアラルキル基から選ばれるか、また
はこれらR1とR2は互いに結合してそれらが結合してい
る窒素原子と一緒になって飽和若しくは不飽和の5〜7
員環を形成していてもよい。R3は炭素数1〜6のアル
キル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6
〜12のアリール基および炭素数7〜12のアラルキル
基から選ばれる。nは0〜4の整数を示す。]で表され
るピリジン系化合物触媒の存在下、及び/または、下記
式(F) Ti(OR4p(OR5q (F) [式(F)中、R4は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素
数5〜10のシクロアルキル基または炭素数7〜12の
アラルキル基であり、R5は、炭素数6〜12のアリー
ル基である。p、qは、それぞれ、0〜4の整数であっ
て、p+q=4となる数である。]で示されるチタン系
化合物触媒の存在下で、(II)ジアリールカーボネート
(A)と芳香族ヒドロキシカルボン酸(B)を反応させて
全芳香族ポリエステルを製造する際は、N種類の芳香族
ヒドロキシカルボン酸(B)を下記式(1)および
(2)
【0009】
【数3】
【0010】[式(1)中のΣbNはN種類の芳香族ヒ
ドロキシカルボン酸の全仕込みモル数を示す。Nは1か
ら5までの整数である。b1は1からN個までの芳香族
ヒドロキシカルボン酸(B)のうち、最も仕込みモル数
の多い芳香族ヒドロキシカルボン酸(B)を示す。式
(2)中のaはジアリールカーボネート(A)の仕込み
モル数を示す。]の両方の式を満足する割合で用い、(I
II)ジアリールカーボネート(A)、芳香族ヒドロキシ
カルボン酸(B)、芳香族ジカルボン酸(C)、および芳
香族ジオール(D)を反応させて全芳香族ポリエステル
を製造する際は、下記式(3)、(4)および(5)
【0011】
【数4】
【0012】[式(3)、(4)および(5)中のa,
b,c,dはそれぞれジアリールカーボネート(A)、
芳香族ヒドロキシカルボン酸(B)、芳香族ジカルボン
酸(C)、および芳香族ジオール(D)の各仕込みモル数
を示す。]のすべての式を満足する割合で用い溶融反応
せしめる、液晶性を有する全芳香族ポリエステルの製造
方法についてである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の方法について詳細
に説明する。
【0014】本発明では、ジアリールカーボネート
(A)、芳香族ヒドロキシカルボン酸(B)、芳香族ジカ
ルボン酸(C)、および芳香族ジオール(D)を原料に用
いる。
【0015】本発明で使用するジアリールカーボネート
(A)は例えば、ハロゲン原子などで置換された若しく
は未置換の炭素数13〜30のジアリールカーボネート
が挙げられ、具体的にはジフェニルカーボネート、ジ−
p−トリルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ジ
−p−クロロフェニルカーボネート、フェニル−p−ト
リルカーボネート等が挙げられるが、これらのうちジフ
ェニルカーボネートが特に好ましい。これらジアリール
カーボネートは単独で使用しても2種以上を併用しても
よい。
【0016】本発明で使用する芳香族ヒドロキシカルボ
ン酸(B)としては、例えばハロゲン原子などで置換さ
れた若しくは未置換の炭素数7〜20までの芳香族ヒド
ロキシカルボン酸があげられ、具体的にはp−ヒドロキ
シ安息香酸、m−ヒドロキシ安息香酸、3−メトキシ−
4−ヒドロキシ安息香酸、3,5−ジメトキシ−4−ヒ
ドロキシ安息香酸、3−メチル−4−ヒドロキシ安息香
酸、3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ安息香酸、2,
6−ジメトキシ−4−ヒドロキシ安息香酸、3−クロロ
−4−ヒドロキシ安息香酸、2−クロロ−4−ヒドロキ
シ安息香酸、2,3−ジクロロ−4−ヒドロキシ安息香
酸、3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、2,
5−ジクロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、3−ブロモ−
4−ヒドロキシ安息香酸、3−フェニル−4−ヒドロキ
シ安息香酸、2−フェニル−4−ヒドロキシ安息香酸、
3−フェノキシ−4−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロ
キシ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−5−クロロ−
2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−5−メチル−2−ナ
フトエ酸、7−ヒドロキシ−5−メトキシ−2−ナフト
エ酸、6−ヒドロキシ−7−クロロ−2−ナフトエ酸、
4−カルボキシ−4'−ヒドロキシビフェニル等を例示
できる。これらのうち特にp−ヒドロキシ安息香酸と6
−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸が好ましい。これらは単
独で使用しても2種以上を併用してもよいが、2種以上
併用するのが好ましい。また、芳香族ヒドロキシカルボ
ン酸の一部(例えば50モル%以下、好ましくは30モ
ル%以下の割合)をε―ヒドロキシカプロン酸の如き脂
肪族ヒドロキシカルボン酸またはシクロヘキサンヒドロ
キシカルボン酸の如き脂環族ヒドロキシカルボン酸で置
換しても良い。
【0017】本発明で使用する芳香族ジカルボン酸
(C)は、例えばハロゲン原子などで置換された若しく
は未置換の炭素数8〜30の芳香族ジカルボン酸が挙げ
られるが、具体的にはナフタレン−1,5−ジカルボン
酸、ビフェニル−2,2’−ジカルボン酸、ビフェニル
−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,
4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4’−
ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレ
ン−2,6’−ジカルボン酸等を例示できる。また(C)
成分の一部を液晶性を損なわない範囲で、コハク酸、ア
ジピン酸等の如き脂肪族ジカルボン酸やシクロヘキサン
ジカルボン酸の如き脂環族ジカルボン酸で置き換えても
良い。またこれらの化合物は単独で使用しても、2種以
上を併用しても良い。
【0018】本発明で使用する芳香族ジオール(D)
は、炭素数6〜30までの芳香族ジオールが挙げられ、
ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、エチルヒドロキノ
ン、プロピルヒドロキノン、ブチルヒドロキノン、クロ
ロヒドロキノン、ブロモヒドロキノン、フェニルヒドロ
キノン、レゾルシノール、2,6−ジヒドロキシナフタ
レン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒ
ドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレ
ン、2,5−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒド
ロキシナフタレン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)
−メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
エタン、ビスフェノールA、1,1−ビス−(4−ヒド
ロキシフェニル)−シクロヘキサン、ビス−(4−ヒド
ロキシフェニル)−スルホン、4,4’−ジヒドロキシ
ビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテ
ル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、
4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン等を例示でき
る。なお、液晶性を損なわない範囲で脂肪族ジオール、
例えばエチレングリコール、ネオペンチルグリコール等
や脂環族ジオール、例えばシクロヘキサンジメタノー
ル、シクロヘキサンジオール等の如き他種のジオールの
1種または2種以上を用いても良い。またこれらの芳香
族ジオールは単独で使用しても、2種以上を併用しても
良い。
【0019】本発明では、ジアリールカーボネート
(A)と芳香族ヒドロキシカルボン酸(B)を反応させて
全芳香族ポリエステルを製造する場合、N種類の芳香族
ヒドロキシカルボン酸(B)を下記式(1)および
(2)
【0020】
【数5】
【0021】[式(1)中のΣbNはN種類の芳香族ヒ
ドロキシカルボン酸の全仕込みモル数を示す。Nは1か
ら5までの整数である。b1は1からN個までの芳香族
ヒドロキシカルボン酸(B)のうち、最も仕込みモル数
の多い芳香族ヒドロキシカルボン酸(B)を意味する。式
(2)中のaはジアリールカーボネート(A)の仕込み
モル数を示す。]の両方の式を満足する割合で用いる必
要がある。
【0022】上記式(1)は、N種類の芳香族ヒドロキ
シカルボン酸の全仕込みモル数(ΣbN)に対する最も
仕込みモル数の多い芳香族ヒドロキシカルボン酸
(b1)の仕込みモル数の比を表している。この比(b1
/ΣbN)が0.5より小さいと生成したポリマーに液
晶性が発現しにくく好ましくない。また、0.9より大
きいと溶融重合中ポリマーが固化してしまい好ましくな
い。上記式(1)において、0.55≦b1/ΣbN
0.85の範囲が好ましく、さらには0.6≦b1/Σ
N≦0.8の範囲が特に好ましい。なお、式(1)中の
1として、p−ヒドロキシ安息香酸または6−ヒドロ
キシ−2−ナフトエ酸を用いるのが特に好ましい。
【0023】また、上記式(2)は、N種類の芳香族ヒ
ドロキシカルボン酸の全仕込みモル数に対するジアリー
ルカーボネート(A)の仕込みモル数の比を表している。
この比a/ΣbNが0.9より小さいと重合度が上がり
にくく、また、1.1より大きいと重合に長時間を要す
ためポリマーが着色してしまい、いずれも好ましくな
い。上記式(2)において、0.95≦a/ΣbN≦1.
05の範囲がさらに好ましく、0.97≦a/ΣbN
1.03の範囲が特に好ましい。
【0024】一方、ジアリールカーボネート(A)、芳
香族ヒドロキシカルボン酸(B)、芳香族ジカルボン酸
(C)、および芳香族ジオール(D)を反応させて全芳香
族ポリエステルを製造する場合、下記式(3)、(4)
および(5)
【0025】
【数6】
【0026】[式(3)、(4)および(5)中のa,
b,c,dはそれぞれジアリールカーボネート(A)、
芳香族ヒドロキシカルボン酸(B)、芳香族ジカルボン
酸(C)、および芳香族ジオール(D)の各仕込みモル数
を示す。]のすべてを満足する割合で用いる必要があ
る。
【0027】上記式(3)は芳香族ヒドロキシカルボン
酸(B)、芳香族ジカルボン酸(C)、および芳香族ジオ
ール(D)の仕込みモル数の和に対する芳香族ヒドロキ
シカルボン酸(B)の仕込みモル数の比を表している。こ
の比b/(b+c+d)が0.5より小さいと生成した
ポリマーに液晶性が発現しにくく好ましくない。また、
0.9より大きいと溶融重合中ポリマーが固化してしま
い好ましくない。上記式(3)において、0.55≦b
/(b+c+d)≦0.85の範囲が好ましく、さらに
は0.6≦b/(b+c+d)≦0.8の範囲が特に好
ましい。
【0028】上記式(4)は芳香族ヒドロキシカルボン
酸(B)、芳香族ジカルボン酸(C)、および芳香族ジオ
ール(D)との仕込みモル数に対するジアリールカーボ
ネート(A)の仕込みモル数の比を表している。 一般に、芳香族ジカルボン酸(c)のカルボン酸基と芳香
族ジオール(d)のヒドロキシル基の反応性は低く長時
間を要する。そこで、カルボン酸基をフェニルエステル
化することで、ヒドロキシル基との反応性を著しく向上
させる必要があり、本願発明ではこのためにジアリール
カーボネートを添加している。この場合、ジアリールカ
ーボネートの添加量はカルボン酸基と等モル程度必要と
なる。例えば、芳香族ジカルボン酸(C)成分と芳香族
ジオール(D)成分が等モルの場合には、つまりc=d
の場合には、芳香族ヒドロキシカルボン酸(B)に対し
ては芳香族ヒドロキシカルボン酸(B)と等モルのジア
リールカーボネートを、芳香族ジカルボン酸(C)に対
しては芳香族ジカルボン酸の2倍モルのジアリールカー
ボネートを添加する必要があり、a=b+2c=b+c
+dとなる。一方、芳香族ジカルボン酸(C)と芳香族
ジオール(D)が等モルで無い場合には、つまり、芳香
族ジカルボン酸(C)のモル数より芳香族ジオール(D)
のモル数が過剰な場合には、芳香族ヒドロキシカルボン
酸(B)と等モルのジアリールカーボネートと芳香族ジ
カルボン酸(C)の2倍モルのジアリールカーボネート
に加えて、芳香族ジカルボン酸(C)に対して過剰な芳
香族ジオールのモル数、つまり(d−c)モルのジアリ
ールカーボネートを添加する必要があり、a=b+2c
+(d−c)=b+c+dとなる。上記式(4)におい
て、a/(b+c+d)が0.9より小さいと重合度が
上がりにくく、また、1.1より大きいと重合時間が長
くなるためポリマーが着色してしまい、いずれも好まし
くない。上記式(4)において、0.95≦b/(b+
c+d)≦1.05の範囲が特に好ましい。
【0029】一方、上記式(5)は芳香族ジカルボン酸
(C)に対する芳香族ジオール(D)の仕込みモル数の比
を表している。芳香族ジカルボン酸(C)に対する芳香族
ジオール(D)の仕込みモル数の比(d/c)が1.0
より小さいとポリマーの重合度が上がり難く、1.5よ
り大きいと液晶性が損なわれるのでいずれも好ましくな
い。より好ましい範囲としては、1.0≦d/c≦1.
3である。
【0030】上記式(5)において、芳香族ジカルボン
酸(C)の仕込みモル数と芳香族ジオール(D)の仕込み
モル数の比が1、つまりc=dのとき得られるポリマー
は実質的には全芳香族ポリエステルとなる。一方、芳香
族ジカルボン酸(C)の仕込みモル数と芳香族ジオール
(D)の仕込みモル数の比が1より大きく1.5以下の
とき、得られるポリマーは実質的に全芳香族ポリエステ
ルカーボネートとなる。本発明でいう全芳香族ポリエス
テルとは、芳香族ジカルボン酸(C)の仕込みモル数と
芳香族ジオール(D)の仕込みモル数の比が1より大き
く1.5以下である全芳香族ポリエステルカーボネート
を含めたものもさす。
【0031】本発明では、ジアリールカーボネート
(A)と芳香族ヒドロキシカルボン酸(B)を反応させて
全芳香族ポリエステルを製造する際、またはジアリール
カーボネート(A)、芳香族ヒドロキシカルボン酸
(B)、芳香族ジカルボン酸(C)、および芳香族ジオー
ル(D)を反応させて全芳香族ポリエステルを製造する
際、下記式(E)
【0032】
【化4】
【0033】[式(E)中、R1,R2は、各々独立に、
水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数5〜10
のシクロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基およ
び炭素数7〜12のアラルキル基から選ばれるか、また
はこれらR1とR2は互いに結合してそれらが結合してい
る窒素原子と一緒になって飽和若しくは不飽和の5〜7
員環を形成していてもよい。R3は炭素数1〜6のアル
キル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6
〜12のアリール基および炭素数7〜12のアラルキル
基から選ばれる。nは0〜4の整数を示す。]で示され
るピリジン系化合物触媒の存在下、及び/または、下記
式(F)で表されるチタン系化合物触媒の存在下、 Ti(OR4p(OR5q (F) [上記式(F)中、R4は、炭素数1〜6のアルキル基、
炭素数5〜10のシクロアルキル基または炭素数7〜1
2のアラルキル基であり、R5は、炭素数6〜12のア
リール基である。p、qは、それぞれ、0または1〜4
の整数であって、p+q=4となる数である。]で反応
させることを最大の特徴とする。この式(E)で示される
ピリジン系化合物触媒においてR1,R2は、各々独立
に、水素原子;メチル基、エチル基、n-プロピル基、is
o-プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチ
ル基、n-ヘキシル基等の炭素数1〜6のアルキル基;シ
クロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数5〜10
のシクロアルキル基;フェニル基、ナフチル、ビフェニ
ル基等の炭素数6〜12のアリール基および;ベンジル
基、フェニネチル等の炭素数7〜12のアラルキル基か
ら選ばれるか、またはこれらR1とR2は互いに結合して
それらが結合している窒素原子と一緒になってピロリジ
ン環、ピペリジン環、ピロリン環、ピロール環などの飽
和若しくは不飽和の5〜7員環を形成していてもよい。
またR3は具体的には上記のR1,R2であげた炭素数1
〜6のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル
基、炭素数6〜12のアリール基、および炭素数7〜1
2のアラルキル基での中から選ばれるのが好ましい。こ
れらの中でもさらに下記式(G)
【0034】
【化5】
【0035】で表されるピリジン系化合物触媒を用いる
のがさらに好ましい。式(G)において、R1,R2は前述
の上記式(E)の説明と同様な置換基であることが好ま
しい。さらにはR1,R2が水素原子;メチル基、エチル
基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、sec-
ブチル基、tert-ブチル基、n-ヘキシル基等の炭素数1
〜6のアルキル基から選ばれるか、またはこれらR1
2は互いに結合してそれらが結合している窒素原子と
一緒になってピロリジン環、ピペリジン環、ピロリン
環、ピロール環などの飽和若しくは不飽和の5〜7員環
を形成していることが最も好ましい。
【0036】さらに式(F)で示されるチタン系化合物
触媒においてR4はメチル基、エチル基、n-プロピル
基、iso-プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert
-ブチル基、n-ヘキシル基等の炭素数1〜6のアルキル
基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数5
〜10のシクロアルキル基;およびベンジル基、フェニ
ネチル等の炭素数7〜12のアラルキル基から選ばれる
のが好ましく、R5はフェニル基、ナフチル基、ビフェ
ニル基等の炭素数6〜12のアリール基から選ばれるの
が好ましい。さらにこれらの中で下記式(H)または(I) Ti(OR44 (H) Ti(OR54 (I) [式(H)(I)中、R4、R5は上記式(F)の定義に同じ
である。]で表されるチタン系化合物触媒を用いるのが
さらに好ましい。R4およびR5は前述の上記式(F)の
説明と同様な置換基であることが好ましい。さらに式
(I)で表される化合物を用いるのが最も好ましい。
【0037】また本発明においては上記式(E)で表さ
れるピリジン系化合物触媒と上記式(F)で表されるチ
タン系化合物触媒を併用して用いるのも好ましい。
【0038】本発明の反応においては、はじめに主とし
てジアリールカーボネートが、芳香族ヒドロキシカルボ
ン酸、芳香族ジカルボン酸および芳香族ジオールと反応
してフェノール類と炭酸ガスを生じる。一般に、芳香族
ジカルボン酸は溶解性が低く融点も高いため、この初期
の反応が開始されるには高温、長時間を必要とした。こ
のため、従来の方法では該反応中における昇華物の発生
量が多かった。しかし、上記式(E)、(F)、(G)、
(H)、および(I)で表わされるピリジン系化合物触媒お
よびチタン系化合物触媒のうち少なくとも1種を触媒に
用いると、反応が非常に低温で、しかも短時間で開始さ
れることが判明した。そのため、反応に要する時間が著
しく短くなり、昇華物の発生量も著しく少なくなること
がわかった。
【0039】かかるピリジン系化合物触媒(E)として
は、例えば、4−アミノピリジン、4−ジメチルアミノ
ピリジン、4−ジエチルアミノピリジン、4−ピロリジ
ノピリジン、4−ピペリジノピリジン、2−メチル−4
−ジメチルアミノピリジン等が挙げられる。これらのう
ち、4−ジメチルアミノピリジン、4−ピロリジノピリ
ジンが特に好ましい。これらは単独で用いても、複数を
併用しても構わない。かかるピリジン系化合物触媒
(E)の使用量は上記ジアリールカーボネート(A)に対
して、0.005モル%〜10モル%の量とすることが
好ましい。0.005モル%より少ないと該化合物の触
媒としての効果が不十分となる。また、10モル%より
多いと得られるポリマーの物性が低下することがあり好
ましくない。より好ましくは、0.01モル%〜1モル
%である。また、かかるピリジン系化合物触媒(E)を
有機酸塩または無機酸塩の形で用いてもよい。これらは
単独で用いても、複数を併用しても構わない。
【0040】一方、チタン系化合物触媒(F)として
は、例えば、テトラフェノキシチタン、ブトキシトリフ
ェノキシチタン、ジブトキシジフェノキシチタン、テト
ラブトキシチタン、テトラクレゾキシチタン、エトキシ
トリクレゾキシチタン、ジエトキシジクレゾキシチタン
等を例示できるが、これらのうち、テトラフェノキシチ
タン、テトラブトキシチタンが特に好ましくい。これら
は単独で用いても、複数を併用しても構わない。チタン
系触媒(F)の使用量は上記ジアリールカーボネート
(A)に対して、0.00005モル%〜1モル%の量
とすることが好ましい。0.00005モル%より少な
いと該化合物の触媒としての効果が不十分となる。ま
た、1モル%より多いと得られるポリマーの物性が低下
することがあり好ましくない。より好ましくは、0.0
001モル%〜0.1モル%である。
【0041】これらのピリジン系化合物触媒、チタン系
化合物触媒は優れた触媒活性を有し、それぞれ単独で使
用しても十分に効果を発揮するが、両者を併用して使用
する方法もまた好ましい。さらに本発明においては必要
に応じてピリジン系化合物触媒、チタン系化合物触媒以
外の他のエステル交換触媒と併用しても差し支えない。
具体的には従来公知のエステル交換触媒であり、例えば
酢酸マグネシウム、酢酸マンガン、酢酸ナトリウム、酢
酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチ
ウム、ナトリウムフェノラート、ジルコニウムプロピラ
ート、二酸化ゲルマニウム、三酸化アンチモン、二酢酸
ジブチルスズ、ジブチルジメトキシスズ等を1種または
2種以上併用することがこのましく採用できる。
【0042】本発明の全芳香族ポリエステルは、上述の
原料を上述のような触媒の存在下で160℃以上400
℃以下の温度で溶融反応せしめる方法が好ましい。さら
に詳細には160℃以上300℃未満の温度、かつ常圧
下または減圧下で反応させた後、さらに10mmHg
(1.33kPa)以下の圧力、300℃以上400℃
以下の温度、好ましくは300℃以上360℃以下の温
度で反応させることが好ましい。なお、常圧時には、窒
素、アルゴン、二酸化炭素等の不活性ガス雰囲気下とす
ることが好ましい。
【0043】まず、160℃以上300℃未満の温度、
かつ常圧下または減圧下で反応させるのは、最初から3
00℃以上の高温、かつ10mmHg以下の高真空下で
反応を行うと原料が反応系外に留去され反応収率が低下
し、好ましくないためである。この条件下では、2時間
から10時間程度反応させるのが好ましい。この間にフ
ェノール類および炭酸ガスが発生する。ついで、10m
mHg(1.33kPa)以下の高真空下、300℃以
上400℃以下の温度で重合させる。この段階で反応系
の圧力を10mmHg(1.33kPa)を越える低真
空下で反応させると、ポリマーの重合度が上がらず好ま
しくない。またこの段階で反応温度が300℃より低温
であると、重合速度が著しく遅くなり、また400℃よ
り高温であるとポリマーの分解等が起こり、いずれの場
合も好ましくない。この条件では、数十分から5時間程
度反応させるのが好ましい。
【0044】上述の方法を実施することで、溶融時に液
晶状態を示す全芳香族ポリエステルを得ることができ
る。さらに本発明の方法を採用することで従来の技術の
ような高価な芳香族ヒドロキシカルボン酸アルキルエス
テル、芳香族ジカルボン酸ジアルキルエステル、アシル
化した芳香族ジオールを用いることなく液晶性全芳香族
ポリエステルを製造することができる。また重合反応中
に酢酸などの金属に対して腐食性のある化合物が留出し
重合反応器を腐食すること、あるいはこれを防ぐために
高価な耐腐食性の強い素材で作られた重合反応器を使用
することもない。
【0045】ここでいう液晶状態は偏光顕微鏡を用いて
観察することができる。すなわち、溶融状態において9
0°に交差した一対の偏光子を備えた光学系において、
全範囲またはその一部に光を通過させる性質を示した場
合、光学異方相を示したと判定しその全芳香族ポリエス
テルをサーモトロピック液晶として分類できる。このよ
うにして得られた液晶性全芳香族ポリエステルは、光学
異方性で一軸方向の機械的性質がとりわけ優れており、
押し出し成型、圧縮成型、ブロー成型などの通常の溶融
成形に供することにより、繊維、フィルム、成型品、容
器、ホースなどに加工することができる。
【0046】また、成形時には本発明の全芳香族ポリエ
ステルにガラス繊維、炭素繊維、アスベストなどの強化
剤、充填剤、難燃剤、顔料、酸化防止剤、安定剤、可塑
剤、滑剤、離型剤などの添加剤や他の熱可塑性樹脂を添
加して、成形品に所望の特性を付与することができる。
【0047】
【発明の効果】本発明の全芳香族ポリエステルは、前述
のように原料に高価なエステル化物やアシル化物を用い
たり、重合反応器の腐食を懸念することなく製造するこ
とができ、また得られた全芳香族ポリエステルは溶融成
形性がよく、かつ、その液晶性に起因する平行な分子配
列により、機械的性質が極めて優れている。
【0048】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて本発明を
詳述するが、本発明はこれらによっていささかも限定さ
れるものではない。なお、実施例中「部」は「重量部」
を意味する。得られたポリマーの固有粘度は、温度60
℃にてペンタフルオロフェノール中で測定した値であ
る。ポリマーの液晶相の確認は、柳本製作所製の偏光顕
微鏡を備えたメルティング装置を用い、クロスニコル下
で観察した重合体が溶融時に光学異方相を示すことで確
認した。
【0049】[実施例1]ジフェニルカーボネート32
1.3部、p−ヒドロキシ安息香酸144.9部、6−
ヒドロキシ−2−ナフトエ酸84.6部、4−ジメチル
アミノピリジン0.11部、炭酸カリウム0.036部
を撹拌装置および窒素導入口を備えた真空留出系を有す
る反応容器に入れ、220℃で反応を開始した。フェノ
ールと炭酸ガスの留出を確認した後、約3時間かけて温
度を290℃、圧力を50mmHg(6.66kPa)
まで到達させた。その後さらに、310℃、1mmHg
(0.13kPa)下で60分反応させることで、クリ
ーム色の全芳香族ポリエステルを得た。この全芳香族ポ
リエステルの固有粘度は4.8であり、偏光顕微鏡観察
下、溶融状態で光学異方相を示した。
【0050】[実施例2]ジフェニルカーボネート56
7部、p−ヒドロキシ安息香酸182部、テレフタル酸
25.8部、イソフタル酸11.1部、ナフタレン−
2,6’−ジカルボン酸48.0部、4,4‘−ジヒド
ロキシビフェニル82.7部、4−ジメチルアミノピリ
ジン0.15部、炭酸カリウム0.036部を撹拌装置
および窒素導入口を備えた真空留出系を有する反応容器
に入れ、200℃で反応を開始した。フェノールと炭酸
ガスの留出を確認した後、約3時間かけて温度を290
℃、圧力を50mmHg(6.66Pa)まで到達させ
た。その後さらに、310℃、1mmHg(0.13P
a)下で90分反応させることで、茶褐色の全芳香族ポ
リエステルを得た。この全芳香族ポリエステルの固有粘
度は5.1であり、偏光顕微鏡観察下、溶融状態で光学
異方相を示した。
【0051】[実施例3]ジフェニルカーボネート32
1.3部、p−ヒドロキシ安息香酸144.9部、6−
ヒドロキシ−2−ナフトエ酸84.6部、テトラフェノ
キシチタン0.042部を撹拌装置および窒素導入口を
備えた真空留出系を有する反応容器に入れ、220℃で
反応を開始した。フェノールと炭酸ガスの留出を確認し
た後、約3時間かけて温度を290℃、圧力を50mm
Hg(6.66kPa)まで到達させた。その後さら
に、310℃、1mmHg(0.13kPa)下で60
分反応させることで、クリーム色の全芳香族ポリエステ
ルを得た。この全芳香族ポリエステルの固有粘度は5.
2であり、偏光顕微鏡観察下、溶融状態で光学異方相を
示した。
【0052】[実施例4]ジフェニルカーボネート32
1.3部、p−ヒドロキシ安息香酸144.9部、6−
ヒドロキシ−2−ナフトエ酸84.6部、4−ジメチル
アミノピリジン0.06部、テトラフェノキシチタン
0.021部を撹拌装置および窒素導入口を備えた真空
留出系を有する反応容器に入れ、220℃で反応を開始
した。フェノールと炭酸ガスの留出を確認した後、約3
時間かけて温度を290℃、圧力を50mmHg(6.
66kPa)まで到達させた。その後さらに、310
℃、1mmHg(0.13kPa)下で60分反応させ
ることで、クリーム色の全芳香族ポリエステルを得た。
この全芳香族ポリエステルの固有粘度は4.9であり、
偏光顕微鏡観察下、溶融状態で光学異方相を示した。
【0053】[比較例1]4−ジメチルアミノピリジン
の代わりに二酢酸ジブチルスズ0.05部を使用した以
外は実施例1に従って重合したが、270℃、200m
mHg(26.7kPa)でフェノールと炭酸ガスの留
出は確認できず、原料であるジフェニルカーボネートが
反応系外に留出した。
【0054】[比較例2]4−ジメチルアミノピリジン
の代わりに炭酸カリウム0.06部を使用した以外は実
施例1に従って重合したが、270℃、200mmHg
(26.7kPa)でフェノールと炭酸ガスの留出は確
認できず、原料であるジフェニルカーボネートが反応系
外に留出した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 畳開 真之 山口県岩国市日の出町2番1号 帝人株式 会社岩国研究センター内 (72)発明者 松村 俊一 山口県岩国市日の出町2番1号 帝人株式 会社岩国研究センター内 Fターム(参考) 4J029 AA08 AB04 AC02 AD09 BA03 BA10 BB04A BB05A BB05B BB10A BB12A BB13A BC05A BC06A BD04A BD06A BD07A BD09A BE05A BF14A BG05X BH02 CA04 CA06 CB05A CB06A CB10A CC05A CC06A CD03 CF08 CH02 DB07 DB13 EA02 EB04A EB05A EB05B EB08 EC06A EC06B EC10 ED05A ED06A EE05 EE10 HC02 HC05A HC05B JA091 JA121 JB131 JB171 JB201 JC231 JF021 JF031 JF041 JF331 JF361 JF371 JF471 JF541 KB02 KD01 KD05 KE06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジアリールカーボネート(A)および芳
    香族ヒドロキシカルボン酸(B)を、またはジアリール
    カーボネート(A)、芳香族ヒドロキシカルボン酸
    (B)、芳香族ジカルボン酸(C)、および芳香族ジオー
    ル(D)を反応させて全芳香族ポリエステルを製造する
    に際し、(I)下記式(E) 【化1】 [式(E)中、R1,R2は、各々独立に、水素原子、炭
    素数1〜6のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアル
    キル基、炭素数6〜12のアリール基および炭素数7〜
    12のアラルキル基から選ばれるか、またはこれらR1
    とR2は互いに結合してそれらが結合している窒素原子
    と一緒になって飽和若しくは不飽和の5〜7員環を形成
    していてもよい。R3は炭素数1〜6のアルキル基、炭
    素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜12のア
    リール基および炭素数7〜12のアラルキル基から選ば
    れる。nは0〜4の整数を示す。]で表されるピリジン
    系化合物触媒の存在下、及び/または、下記式(F) Ti(OR4p(OR5q (F) [式(F)中、R4は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素
    数5〜10のシクロアルキル基または炭素数7〜12の
    アラルキル基であり、R5は、炭素数6〜12のアリー
    ル基である。p、qは、それぞれ、0〜4の整数であっ
    て、p+q=4となる数である。]で表されるチタン系
    化合物触媒の存在下で、(II)ジアリールカーボネート
    (A)および芳香族ヒドロキシカルボン酸(B)を反応さ
    せて全芳香族ポリエステルを製造する際は、N種類の芳
    香族ヒドロキシカルボン酸(B)を下記式(1)および
    (2) 【数1】 [式(1)中のΣbNはN種類の芳香族ヒドロキシカル
    ボン酸の全仕込みモル数を示す。Nは1から5までの整
    数である。b1は1からN個までの芳香族ヒドロキシカ
    ルボン酸(B)のうち、最も仕込みモル数の多い芳香族
    ヒドロキシカルボン酸を示す。式(2)中のaはジアリ
    ールカーボネート(A)の仕込みモル数を示す。]の両方
    の式を満足する割合で用い、(III)ジアリールカーボ
    ネート(A)、芳香族ヒドロキシカルボン酸(B)、芳香
    族ジカルボン酸(C)、および芳香族ジオール(D)を反
    応させて全芳香族ポリエステルを製造する際は、下記式
    (3)、(4)および(5) 【数2】 [式(3)、(4)および(5)中のa,b,c,dは
    それぞれジアリールカーボネート(A)、芳香族ヒドロ
    キシカルボン酸(B)、芳香族ジカルボン酸(C)、およ
    び芳香族ジオール(D)の各仕込みモル数を示す。]の
    すべての式を満足する割合で用い、溶融反応せしめるこ
    とを特徴とする液晶性全芳香族ポリエステルの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 ピリジン系化合物触媒とチタン系化合物
    触媒の共存下で反応させることを特徴とする請求項1に
    記載の液晶性全芳香族ポリエステルの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の上記式(E)で表される
    ピリジン系化合物触媒の代わりに下記式(G) 【化2】 [式(G)中、R1,R2は上記式(E)の定義に同じであ
    る。]で表されるピリジン系化合物触媒を用いることを
    特徴とする請求項1または請求項2のいずれか1つに記
    載の液晶性全芳香族ポリエステルの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の式(G)で表されるピリ
    ジン系化合物触媒においてR1,R2が各々独立に、水素
    原子、炭素数1〜6のアルキル基から選ばれるか、また
    はこれらR1とR2は互いに結合してそれらが結合してい
    る窒素原子と一緒になって飽和若しくは不飽和の5〜7
    員環を形成しているピリジン系化合物触媒を用いること
    を特徴とする請求項3に記載の液晶性全芳香族ポリエス
    テルの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の上記式(E)のチタン系
    化合物触媒化合物の代わりに、下記式(H)または(I) Ti(OR44 (H) Ti(OR54 (I) [式(H)(I)中、R4、R5は上記式(F)の定義に同じ
    である。]で表されるチタン系化合物触媒を用いること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の液晶
    性全芳香族ポリエステルの製造方法。
  6. 【請求項6】 160℃以上400℃以下の温度で溶融
    反応せしめることを特徴とする請求項1〜5のいずれか
    1つに記載の液晶性全芳香族ポリエステルの製造方法。
  7. 【請求項7】 160℃以上300℃未満の温度、かつ
    常圧下または減圧下で反応させた後、さらに10mmH
    g(1.33kPa)以下の圧力、300℃以上400
    ℃以下の温度で反応せしめることを特徴とする請求項1
    〜6のいずれか1つに記載の液晶性全芳香族ポリエステ
    ルの製造方法。
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