JP2838118B2 - 芳香族ポリエステルの製造方法 - Google Patents

芳香族ポリエステルの製造方法

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JP2838118B2
JP2838118B2 JP63220843A JP22084388A JP2838118B2 JP 2838118 B2 JP2838118 B2 JP 2838118B2 JP 63220843 A JP63220843 A JP 63220843A JP 22084388 A JP22084388 A JP 22084388A JP 2838118 B2 JP2838118 B2 JP 2838118B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は耐熱性に優れ、かつ溶融成形性の良好な芳香
族ポリエステルの製造方法に関する。
[従来の技術] 耐熱性ポリエステルを得る試みは古く、芳香族ジカル
ボン酸と芳香族ジフェノールとからなる芳香族ポリエス
テルや、芳香族オキシカルボン酸から得られる芳香族ポ
リエステルについての知見は多い。
芳香族ポリエステルの製造方法としては、懸濁重合
法、界面重合法、溶液重合法、塊状重合法などが知られ
ているが、前3者は後処理、例えば溶剤除去、重合体の
洗浄、排水負荷といった問題を有している。塊状重合は
経済性は好ましいが、ポリエステルの重縮合反応の平衡
定数がポリアミドに比べて小さいため、重縮合反応を進
めるためには反応温度を上げるか、減圧下に反応を行
い、副生する物質を急速に除去する方法を取る必要があ
った。特に、耐熱性ポリエステルは高温での反応を要求
されるため、安定な状態でポリマーを得ることがなかな
か難しいという問題があった。
[発明が解決しようとする課題] かかる現状に鑑み、本発明の目的は耐熱性に優れ、か
つ成形性、特に溶融成形性の良好な芳香族ポリエステル
を均一な品質で安定に製造する方法を提供することであ
る。
[課題を解決するための手段] すなわち本発明は、実質的に重縮合時に溶媒のない塊
状重縮合法により芳香族ポリエステルを製造するにあた
り、 下式(A)、(B)及び(C)で表わされる化合物を
(A)30〜80モル%、(B)10〜35モル%、及び(C)
10〜35モル%で混合して反応槽に仕込み、重縮合させる
ことにより、芳香族ポリエステルを製造する方法におい
て、該重縮合反応が常圧下、270〜380℃で行われ、生成
した芳香族ポリエステルの流動温度が240℃以上で、か
つ重縮合温度より20℃以上低い流動温度に達した時点
で、反応槽の内容物である芳香族ポリエステルを溶融状
態で回収することを特徴とする芳香族ポリエステルの製
造方法に関するものである。
(A)R1O−X−COOR2 (ただしXは 選ばれ、その内の50モル%以上が である。R1は水素、ホルミル基、アセチル基、プロピオ
ニル基、ベンゾイル基から選ばれ、R2は水素、炭素数1
〜6のアルキル、6〜18のアリール基から選ばれる。) (B)R3O−Ar−OR3 (ただしArは二価の芳香族基である。R3は水素、アセチ
ル基、プロピオニル基、ベンゾイル基から選ばれる。) (C)R4CO−Ar′−COR4 (ただしAr′は二価の芳香族基であり、Ar′の内の50モ
ル%以上が である。R4はOR5、ハロゲンから選ばれ、R5は水素、炭
素数1〜6のアルキル、6〜18のアリール基から選ばれ
る。) 上述の式(A)、(B)及び(C)で表わされる化合
物を(A)30〜80モル%、(B)10〜35モル%、及び
(C)10〜35モル%で混合し、重縮合させることにより
得られる芳香族ポリエステルは結晶性で、機械的物性、
耐薬品性、耐熱性に優れているといった特徴を有してい
る。各化合物の更に好ましい混合割合は、(A)40〜70
モル%、(B)15〜30モル%、及び(C)15〜30モル%
である。更に溶融状態で異方性を示すものもあり、良好
な溶融成形性をも有する。
化合物(A)の割合が80モル%を越えると、芳香族ポ
リエステル中には加熱によって溶融しない部分が存在す
る場合が多いため、溶融加工性が著しく悪くなり、また
30モル%未満では芳香族ポリエステルの結晶性が低く、
好ましくない。化合物(A)の中のXの内、 の割合が50モル%を下回ると、目的の芳香族ポリエステ
ルの結晶性が減少して好ましくない。
化合物(B)及び(C)の割合が10〜35モル%にある
とき、芳香族ポリエステルはバランスの取れた特徴を示
す。
なお仕込み時における化合物(B)と(C)のモル比
はポリマー物性、特に熱安定性から100:100〜110:100で
ある。
式(A)で表わされる化合物の例としてはp−ヒドロ
キシ安息香酸、p−ホルモキシ安息香酸、p−アセトキ
シ安息香酸、p−プロピロキシ安息香酸、p−ヒドロキ
シ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸プロピル、
p−ヒドロキシ安息香酸フェニル、p−ヒドロキシ安息
香酸ベンジル、p−アセトキシ安息香酸メチル、2−ヒ
ドロキシ−6−ナフトエ酸、2−アセトキシ−6−ナフ
トエ酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸メチル、2−
ヒドロキシ−6−ナフトエ酸フェニル、2−アセトキシ
−6−ナフトエ酸メチル等を挙げることができる。特に
好ましい化合物は、p−ヒドロキシ安息香酸、及び/又
はそのエステル形成性誘導体である。
式(B)で表わされる化合物の例として、ヒドロキノ
ン、レゾルシン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル、4,
4′−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4′−ジヒドロキ
シジフェニルメタン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル
エタン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4′−
ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキ
シジフェニルスルフィド、2,6−ジヒドロキシナフタレ
ン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシ
ナフタレン、1,4−ジアセトキシベンゼン、1,3−ジアセ
トキシベンゼン、4,4′−ジプロピオニルオキシジフェ
ニル、2,6−ジホルモキシナフタレン等や、これらのア
ルキル、アリール、アルコキシ、ハロゲン基の核置換体
を挙げることができる。特に好ましい化合物は、ヒドロ
キノン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル、及び/又は
そのエステル形成性誘導体から選ばれたものである。
式(C)で表わされる化合物の例として、テレフタル
酸、イソフタル酸、4,4′−ジカルボキシジフェニル、
1,2−ビス(4−カルボキシフェノキシ)エタン、2,6−
ジカルボキシナフタレン、1,4−ジカルボキシナフタレ
ン、1,5−ジカルボキシナフタレン、テレフタル酸ジメ
チル、イソフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジフェニ
ル、イソフタル酸ジフェニル、テレフタル酸ジクロリ
ド、イソフタル酸ジクロリド、4,4′−ジメトキシカル
ボニルジフェニル、2,6−ジメチルカルボニルナフタレ
ン、1,4−ジクロルカルボニルナフタレン、1,5−ジフェ
ノキシカルボニルナフタレンや、これらのアルキル、ア
リール、アルコキシ、ハロゲン基の核置換体を挙げるこ
とができる。
本発明の芳香族ポリエステルの上記の(A)、(B)
及び(C)で表わされる化合物からなる混合物を重合槽
中で重縮合反応させることにより得られるが、これ等化
合物の重合槽への仕込みは一括方式でも、分割方式でも
よい。反応は不活性気体、例えば窒素雰囲気下に常圧で
行うことができ、プロセスは回分式、連続式、又はそれ
等の組み合わせを採用できる。
なお式(A)、(B)及び(C)で表わされる化合物
をより重縮合反応し易い化合物に変える反応(例えばエ
ステル化反応)を重縮合反応に先立って、該重縮合反応
を行うのとは別の、又は同一の反応槽で行った後、引き
続き重縮合反応を行うこともできる。
本発明における重縮合反応の温度は、270〜380℃が好
ましく、より好ましくは280〜330℃である。温度が270
℃より低いと反応の進行が遅く、380℃を越えると分解
等の副反応が起こりやすい。多段階の反応温度を採用し
ても構わないし、場合により、昇温途中で、あるいは最
高温度に達したらすぐに反応生成物である芳香族ポリエ
ステルを溶融状態で抜出し、回収することもできる。
重縮合反応の触媒として、Ge、Sn、Ti、Sb、Co、Mn等
の化合物を用いることもできる。
反応槽の形状は既知のものを用いることができる。縦
型の撹拌槽の場合、多段のパドル翼、タービン翼や、ダ
ブルヘリカル翼が好ましく、横型の撹拌槽では、1軸、
又は2軸の撹拌軸に垂直に、種々の形状の翼、例えばレ
ンズ翼、眼鏡翼、多円平板翼等が設置されているものが
よい。また翼にねじれを付けて、撹拌性能や送り機構を
向上させたものもよい。
反応槽の加熱は熱媒、気体、電気ヒーターにより行う
が、均一加熱という目的で撹拌軸、翼、邪魔板等も加熱
することが好ましい。
反応槽が多段に分かれていたり、仕切られている場合
には、最終の部分の反応温度が本発明でいうところの重
縮合温度である。
重縮合反応の時間は反応条件等により適宜決められる
べきであるが、該反応温度において0.5〜5時間が好ま
しい。
本発明において重要であるのは重縮合反応により得ら
れるポリエステルの流動温度が240℃以上で、かつ重縮
合温度より20℃以上低い流動温度に達した時点で、反応
槽の内容物であるそのポリエステルを溶融状態で回収す
る点である。更に好ましくは得られるポリエステルの流
動温度が260℃以上で、かつ重縮合温度より25℃以上低
い流動温度に達した時点でそれを溶融状態で回収するこ
とがよい。流動温度が240℃以上ないと、ポリエステル
の分子量が十分でなく、成形加工上、物性上問題があ
る。また固相重合等の後処理を施すにしても、ポリエス
テル同士の融着や副生物が大量に生じ、経済的にも好ま
しくない。流動温度が重縮合温度に近いと、ポリエステ
ルの粘度が高くなり、回収が難しくなるばかりか、撹拌
混合性も悪くなり、不均一加熱のため、ポリマーの熱安
定性に悪影響を及ぼす。
ポリエステルを溶融状態で取出すのは不活性気体雰囲
気中が好ましいが、水分が少なければ空気中でも良い。
溶融状態でポリエステルを取出す機構としては押出
機、ギヤポンプが考えられるが、単なるバルブだけでも
良い。取出されたものは、目的に応じて、ストランドカ
ッター、シートカッター、粉砕機等で細かくすることが
できる。
溶融粘度に大きな変化を与えない前提で、重縮合系に
溶媒、滑剤、安定剤、添加剤を加えておくこともでき
る。
[実施例] 以下、本発明を実施例および比較例により具体的に説
明するが、本発明はこれにより限定されるものではな
い。
なおポリエステルの流動温度とは溶融流動性を表わす
指標であり、その測定方法としては毛細管型レオメータ
ー((株)島津製作所製フローテスターCFT−500型)で
測定され、4℃/分の昇温速度で加熱溶融されたサンプ
ル樹脂を100kg/cm2の荷重の下で、内径1mm、長さ10mmの
ノズルから押出した時に、該溶融粘度が48,000ポイズを
示す点における温度として表わされる。
また本発明におけるポリエステルは、結晶性のため均
一に溶解しうる溶媒がなかったりして、分子量測定が困
難であるものが多く、分子量の目安として流動温度を用
いる。
光学異方性の測定は加熱ステージ上に置かれた粒径25
0μm以下のサンプル樹脂粉末を偏光下25℃/分で昇温
して肉眼観察により行った。
重量減少は理学電気(株)製の熱天秤TG−DTA標準型
を用いて、粒径250μm以下のサンプル樹脂約20mgを空
気中において昇温速度10℃/分で加熱した時の重量の経
時変化を測定した。またこの測定値から、もとの重量に
対して2.5%の重量減少率を示す温度を求めた。
成形品の引張試験はASTM D−638に準拠し、ダンベル
型試験片を用い、試料数6、標線間距離40mm、引っ張り
速度5mm/分で行った。熱変形温度はASTM D−648に従
い、18.6kg/cm2の圧力下に測定した。成形品の白色度は
大きさ40mm×40mmの板状成形品を用い、日本電色工業
(株)製のデジタル色差計ND−101−DPにより測定し
た。測定値は純黒を0、純白を100とし、酸化チタンの
標準品(白色度94.5)で補正して求めた。
実施例1 3段パドル翼を有し、かつ重合槽の槽壁と撹拌翼との
間隙の小さい重合槽にp−アセトキシ安息香酸1,152g
(6.40モル)、4,4′−ジアセトキシジフェニル491g
(1.82モル)及び4,4′−ジカルボキシジフェニル436g
(1.80モル)を仕込んだ。内容物を窒素ガス雰囲気下に
撹拌しながら200℃から1℃/分の速度で昇温し、320℃
で2時間20分重合させた。
この間に重縮合反応によって副生する酢酸を留去し続
けた。重合途中でポリマーをサンプリングし、その流動
温度を測定した。320℃で1時間での流動温度が267℃
で、2時間で286℃であった。
重合槽の下部にあるバルブを開け、窒素雰囲気下の取
出し箱にポリエステルを抜出した。ポリエステルは溶融
状態で容易に抜出すことができ、反応槽を後で分解して
みたが槽壁やバルブ部にポリエステルは殆ど付着してい
なかった。
取出したポリエステルを粉砕機で平均粒径1mm以下の
粒子に粉砕した後、流動温度を測定したところ、293℃
であった。ポリマーの収量は、1,455g(理論収量に対し
て98.8%)であった。
このポリマー粉末はキシレン、テトラヒドロフラン、
クロロホルム、フェノールとテトラクロルエタンとの6:
4混合物(体積)、及びm−クレゾールにそれぞれ不溶
であった。このポリマーは325℃以上の溶融状態で光学
異方性が観察され、また広角X線回折から結晶性である
ことが認められた。このポリマーは250℃まで重量減少
を示さず、元の重量に対して2.5%の重量減少率を示す
温度は412℃であった。
このポリエステル600gと直径13μm、平均長さ50μm
のガラス繊維400gとからなる混合物は330℃で良好に造
粒することができ、ペレットを得た。このペレットは住
友重機械工業(株)製の射出成形機ネオマットN47/28に
よりシリンダー温度335℃で良好に射出成形することが
でき、試験片を得た。得られた試験片は引張強度980kg/
cm2、弾性率5.2×104kg/cm2、熱変形温度246℃、白色度
73であった。
比較例1 実施例1において320℃での重縮合を更に2時間続け
たところ、撹拌負荷が異常に大きくなり、撹拌が停止し
た。この時のポリエステルの流動温度は311℃であり、
反応槽から抜出すことができなかった。
比較例2 実施例1において重縮合温度が320℃に達した時点で
実施例1と同様にしてポリエステルの抜出しを行った。
このときのポリエステルの流動温度は226℃であった。
このポリマーは250℃までで1.7%の重量減少を示し、
元の重量に対して2.5%の重量減少率を示す温度は277℃
であった。
このポリエステル600gと直径13μm、平均長さ50μm
のガラス繊維400gとからなる混合物の造粒を行ったが、
ガス発生が多く、問題であった。
実施例2 実施例1と同様にしてp−アセトキシ安息香酸720g
(4.00モル)、4,4′−ジアセトキシジフェニル546g
(2.02モル)、テレフタル酸332g(2.00モル)を仕込み
重縮合反応させ、サンプリングによる反応物の流動温度
が286℃になった時点(320℃で2時間反応させた時点)
で内容物を抜き出した。溶融状態で問題無く淡黄褐色の
ポリエステルを回収することができた。
ポリエステルの収量は1,103g(理論収量に対して99.2
%)であった。
このポリマーは実施例1と同じ溶媒にそれぞれ不溶で
あった。このポリマーは325℃以上で溶融状態での光学
異方性が観察され、広角X線回折からこのポリマーが結
晶性であることが認められた。
このポリマーは250℃まで重量減少を示さず、元の重
量に対して2.5%の重量減少率を示す温度は410℃であっ
た。
このポリマーを用いたこと以外は実施例1と同様にし
てこのポリマーとガラス繊維とを混合し、造粒し、330
℃で射出成形した。造粒性及び成形性は良く、試験片の
引張強度1,040kg/cm2、弾性率6.7×104kg/cm2、熱変形
温度238℃、白色度74であった。
実施例3 実施例1と同じ反応槽にp−ヒドロキシ安息香酸607g
(4.40モル)、テレフタル酸ジクロリド406g(2.00モ
ル)、反応媒体としてのキシレン1.8lを仕込み、窒素雰
囲気下に激しく撹拌しながら120℃で1時間、130℃で1
時間、140℃で4時間反応させた。反応で副生する塩化
水素はカセイソーダ水溶液で中和した。反応率は92%で
あった。このあと、2,6−ジヒドロキシナフタレン323g
(2.02モル)と無水酢酸448g(4.40モル)を仕込み、14
0℃で4時間アセチル化反応を行った。昇温速度2℃/
分で320℃まで昇温し、キシレン、無水酢酸、酢酸を除
去し、実質的に無溶媒で重縮合を行った。途中のサンプ
リングで内容物の流動温度が275℃になってから20分後
に反応槽底部のバルブを開けたところ、問題なく、ポリ
エステルを抜出すことができた。取出したポリエステル
の流動温度は282℃であった。
ポリエステルの収量は1,100g(理論収量に対して99.3
%)であった。
このポリマーは実施例1と同じ溶媒にそれぞれ不溶で
あった。このポリマーは330℃以上で溶融状態での光学
異方性が観察され、広角X線回折からこのポリマーが結
晶性であることが認められた。
このポリマーは250℃まで重量減少を示さず、元の重
量に対して2.5%重量減少率を示す温度は425℃であっ
た。
このポリマーを用いたこと以外は実施例1と同様にし
てこのポリマーとガラス繊維とを混合し、造粒し、330
℃で射出成形した。造粒性及び成形性は良く、試験片の
引張強度1,100kg/cm2、弾性率6.1×104kg/cm2、熱変形
温度248℃、白色度75であった。
実施例4 実施例1と同じ反応槽にp−アセトキシ安息香酸576g
(3.20モル)、2−アセトキシ−6−ナフトエ酸644g
(2.80モル)、1,4−ジアセトキシ−2メチルベンゼン4
26g(2.05モル)、テレフタル酸332g(2.00モル)を仕
込み、内容物を窒素ガス雰囲気下に撹拌しながら200℃
から1℃/分の速度で昇温し、310℃で2時間50分重合
させた。
この間に重縮合反応によって副生する酢酸を留去し続
けた。重合途中でポリマーをサンプリングし、その流動
温度を測定した。反応温度310℃で反応時間1時間での
流動温度が242℃で、2時間で261℃で、2時間30分で27
2℃であった。そこで(流動温度が272℃になった時点
で)、重合槽の下部にあるバルブを開け、窒素雰囲気下
の取出し箱にポリエステルを抜出した。ポリエステルは
溶融状態で容易に抜出すことができた。
取出したポリエステルの流動温度は279℃であった。
ポリエステルの収量は1,357g(理論収量に対して99.2
%)であった。
このポリマーは実施例1と同じ溶媒にそれぞれ不溶で
あった。このポリマーは320℃以上で溶融状態での光学
異方性が観察され、広角X線回折からこのポリマーが結
晶性であることが認められた。
このポリマーは250℃まで重量減少を示さず、元の重
量に対して2.5%の重量減少率を示す温度は435℃であっ
た。
このポリマーを用いたこと以外は実施例1と同様にし
てこのポリマーとガラス繊維とを混合し、造粒し、330
℃で射出成形した。造粒性及び成形性は良く、試験片の
引張強度1,150kg/cm2、弾性率6.1×104kg/cm2、熱変形
温度248℃、白色度73であった。
[発明の効果] 本発明により、均一で良質な芳香族ポリエステルを製
造することができる。
本発明で得られる芳香族ポリエステルは繊維、フィル
ム、各種の形状を有するものに成形して用いることがで
きるのみならず、ポリエステルとガラス繊維、マイカ、
タルク、シリカ、チタン酸カリウム、ウォラストナイ
ト、炭酸カルシウム、石英、酸化鉄、グラファイト、炭
素繊維等とからなる組成物は機械的性質、電気的性質、
耐薬品性、耐油性に優れているので、機械部品、電気、
電子部品、自動車部品に用いることができる。
フロントページの続き (72)発明者 岩田 篤和 大阪府大阪市此花区春日出中1番98号 住友化学工業株式会社内 (72)発明者 早津 一雄 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友 化学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭52−92295(JP,A) 特開 昭63−168429(JP,A) 特開 平1−294732(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下式(A)、(B)及び(C)で表わされ
    る化合物を(A)30〜80モル%、(B)10〜35モル%、
    (C)10〜35モル%及び(B)と(C)のモル比100:10
    0〜110:100で混合して反応槽に仕込み、重縮合させるこ
    とにより、芳香族ポリエステルを製造する方法におい
    て、該重縮合反応が常圧下、270〜380℃で行われ、生成
    した芳香族ポリエステルの流動温度が240℃以上で、か
    つ重縮合温度より20℃以上低い流動温度に達した時点
    で、反応槽の内容物である芳香族ポリエステルを溶融状
    態で回収することを 特徴とする芳香族ポリエステルの製造方法。 (A)R1O−X−COOR2 (ただしXは 選ばれ、その内の50モル%以上が である。R1は水素、ホルミル基、アセチル基、プロピオ
    ニル基、ベンゾイル基から選ばれ、R2は水素、炭素数1
    〜6のアルキル、6〜18のアリール基から選ばれる。) (B)R3O−Ar−OR3 (ただしArは二価の芳香族基である。R3は水素、アセチ
    ル基、プロピオニル基、ベンゾイル基から選ばれる。) (C)R4CO−AR′−COR4 (ただしAr′は二価の芳香族基であり、Ar′の内の50モ
    ル%以上が である。R4はOR5、ハロゲンから選ばれ、 R5は水素、炭素数1〜6のアルキル、6〜18のアリール
    基から選ばれる。)
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