JP3419070B2 - 芳香族ポリエステルの製造方法 - Google Patents
芳香族ポリエステルの製造方法Info
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Description
製造方法に関する。
らなされ、ジカルボン酸、ジオール及びオキシ酸を重縮
合させて得られるポリエステルについての知見は多い。
例えば特公昭47─47870号公報にはテレフタル
酸、ヒドロキノンまたはジフェノール及びp─ヒドロキ
シ安息香酸を重縮合させて得られるポリエステルが記載
されている。このポリエステルは溶融成形可能である点
が大きな特徴である。特に、ジフェノールとして4,
4’─ジヒドロキシジフェニルを用いたポリエステルは
溶融安定性に優れ、近年溶融液晶ポリマーとして、繊
維、薄肉成形品の成形が可能であるところから大いに注
目を集めている。しかしながら上記液晶ポリマーは成形
品の異方性が大きいという問題があった。また最近、電
機・電子部品の分野では厚みが0.3mm未満の薄肉成
形品が要望されてきたが、このような薄肉成形品の成形
性が劣るという問題が生じた。
ルボン酸及びジオールからなるポリエステルを製造する
方法として、あらかじめ芳香族ヒドロキシカルボン酸の
オリゴマーを合成し、ポリエステルを製造する方法が知
られている。例えば、特開昭62─4722号公報にお
いては、芳香族ヒドロキシカルボン酸のオリゴマーとジ
カルボン酸、ジオールからなる原料オリゴエステルまた
はポリエステルを反応させて、ポリエステルを製造する
方法が開示されている。該公報においては、芳香族アセ
トキシカルボン酸を用いずに直接芳香族ヒドロキシカル
ボン酸からオリゴマーを合成することにより、生成ポリ
マー中に不溶不融の粒子(異種ポリマー)が存在せず、
エーテル結合のような異種結合の生成が少ない等を特徴
とすることが記されている。しかしながら上記方法を用
いて全芳香族ポリエステルを合成する場合、モノマーの
反応性が低く、非常に厳しい反応条件が必要になるとい
う問題があった。
のポリエステルの良好な耐熱性と、機械的物性を維持
し、かつ成形性(特に薄肉流動性)に優れ、異方性の小
さい成形品を与える芳香族ポリエステルを製造する方法
を提供することである。
問題を解決できるように、p─オキシベンゾイル構造単
位を含む溶融成形可能な耐熱性の芳香族ポリエステルに
ついて鋭意検討した結果、あらかじめ芳香族ヒドロキシ
カルボン酸とカルボン酸無水物を反応させた後に縮合さ
せ、得られた縮合物、芳香族ジカルボン酸と、及び別途
カルボン酸無水物と反応させた芳香族ジオールを重縮合
反応させることにより、良好な耐熱性と機械的物性を維
持し、かつ成形性(特に薄肉流動性)に優れ、異方性の
少ない成形品を得ることを見出し、本発明を完成させる
に至った。
を(A)30〜80モル%、(B)10〜35モル%及
び(C)10〜35モル%のモル比で重縮合させること
により、芳香族ポリエステルを製造する方法であり、あ
らかじめ化合物(A)とカルボン酸無水物とを反応させ
た後に縮合させ、縮合によって発生するカルボン酸の量
が理論量の10〜80%の範囲となった時に、該縮合
物、化合物(B)及びカルボン酸無水物と反応させた化
合物(C)を混合し、実質的に溶媒の存在しない状態で
重縮合することを特徴とする芳香族ポリエステルの製造
方法。 (A)HO─X─COOR1 (ただし、Xは、1,4─フェニレン基、1,3─フェ
ニレン基、4,4’─ビフェニリレン基又は2,6─ナ
フチレン基から選ばれ、その内50モル%以上が1,4
─フェニレン基である。R1 は水素、炭素数1〜6のア
ルキル基又は炭素数6〜16のアリール基から選ばれ
る。) (B)R2 CO─Ar─COR2 (ただし、Arは2価の芳香族基であり、Arの内50
モル%以上が1,4─フェニレン基、4,4’─ビフェ
ニリレン基又は2,6─ナフチレン基である。R 2 は水
酸基又は─OR3 から選ばれ、R3 は炭素数1〜6のア
ルキル基又は炭素数6〜16のアリール基から選ばれ
る。) (C)HO─Ar’─OH (ただし、Ar’は2価の芳香族基である。) (II)化合物(A)がp−ヒドロキシ安息香酸であ
り、化合物(B)がテレフタル酸および/またはイソフ
タル酸であり、化合物(C)が4,4’─ジヒドロキシ
ジフェニルであることを特徴とする(I)記載の芳香族
ポリエステルの製造方法。
(A)、(B)及び(C)で表される化合物の構成比
は、得られる芳香族ポリエステルの物性から、好ましく
はモル百分率で(A)40〜70モル%、(B)15〜
30モル%及び(C)15〜30モル%である。式
(A)で表される化合物の例としてはp─ヒドロキシ安
息香酸、p─ヒドロキシ安息香酸メチル、p─ヒドロキ
シ安息香酸プロピル、p─ヒドロキシ安息香酸フェニ
ル、p─ヒドロキシ安息香酸ベンジル、2─ヒドロキシ
─6─ナフトエ酸、2─ヒドロキシ─6─ナフトエ酸、
2─ヒドロキシ─6─ナフトエ酸フェニル、p─(4─
ヒドロキシフェニル)安息香料酸等を挙げることができ
る。これらの中で特に好ましい化合物は、p─ヒドロキ
シ安息香酸及び/又はそのエステル形成性誘導体であ
る。
レフタル酸、イソフタル酸、4,4’─ジカルボキシジ
フェニル、1,2─ビス(4─カルボキシフェノキシ)
エタン、2,5─ジカルボキシナフタレン、1,4─ジ
カルボキシナフタレン、1,5─ジカルボキシナフタレ
ン、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、テ
レフタル酸ジフェニル、イソフタル酸ジフェニル、4,
4’─ジメトキシカルボニルジフェニル、2,6─ジメ
トキシカルボニルナフタレン、1,4─ジクロルカルボ
ニルナフタレン、1,5─ジフェノキシカルボニルナフ
タレンや、これらのアルキル、アリール、アルコキシ、
ハロゲン基の核置換体を挙げることができる。これらの
中で特に好ましい化合物は、テレフタル酸及び/又はイ
ソフタル酸である。
ドロキノン、レゾルシン、4,4’─ジヒドロキシジフ
ェニル、4,4’─ジヒドロキシベンゾフェノン、4,
4’─ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’─ジヒ
ドロキシジフェニルエタン、4,4’─ジヒドロキシジ
フェニルエーテル、2,2─ビス(4─ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、4,4’─ジヒドロキシジフェニルス
ルホン、4,4’─ジヒドロキシジフェニルスルフィ
ド、2,6─ジヒドロキシナフタレン、1,5─ジヒド
ロキシナフタレン等やこれらのアルキル、アリール、ア
ルコキシ、ハロゲン基の核置換体を挙げることができ
る。これらの中で特に好ましい化合物は、4,4’─ジ
ヒドロキシジフェニルである。
ボン酸無水物の例としては、無水酢酸、無水プロピオン
酸等を挙げることができる。反応温度は、カルボン酸無
水物の沸点付近が好ましい。反応時間は2〜20時間が
好ましく、3〜10時間がさらに好ましい。
(A)を縮合させ、縮合によって発生するカルボン酸の
量が理論量の10〜80%の範囲になった時に、化合物
(B)及びカルボン酸無水物と反応させた化合物(C)
を混合する。縮合反応の時の反応温度は縮合反応によっ
て生じるカルボン酸の沸点以上であればよい。縮合反応
で生成する化合物(A)からなるオリゴマーの数平均重
合度は、得られるポリエステルの物性から、好ましくは
1.1〜6量体さらに好ましくは1.3〜3.0量体で
ある。オリゴマーの数平均重合度は縮合によって副生し
た酢酸の留出量から反応度pを求め、公知の1/(1−
p)の式を用いて求めることができる。化合物(A)の
縮合物と化合物(B)および別途カルボン酸無水物と反
応させた化合物(C)を混合し、実質的に溶媒の存在し
ない状態で重縮合反応させる。
それ等の組み合わせでもよい。重縮合反応の温度は25
0〜390℃が好ましく、より好ましくは280〜35
0℃である。温度が250℃より低いと反応は起こりに
くく、390℃を越えると分解等の副反応が起こる場合
がある。
し、場合により重縮合反応系を目標の温度にまで昇温さ
せたあと直ちに降温させてもよい。重縮合反応の時間は
0.5〜10時間が好ましい。
み合わせで行うことができる。本発明における重縮合反
応は触媒無しでも充分に反応するが、必要に応じてスズ
化合物、チタン化合物、アンチモン化合物、ゲルマニウ
ム化合物、リン化合物、アミン化合物等を触媒として使
用することもできる。(A)、(B)及び(C)で表さ
れる化合物の他に安定剤、充填剤等を併用して本発明の
重縮合反応を行うこともできる。
ルの場合、その分子量を測定する方法がまだ見出されて
いないか、又は見出されていても測定値の精度や再現性
が良好でない場合がある。そこで、得られた芳香族ポリ
エステルの分子量に代えて熱可塑性樹脂の加熱による溶
融流動性を表す指標として、流動温度(後述)を採用し
た。流動温度が低い樹脂ほど流動性が大、つまり分子量
が小の樹脂であることを示している。
エステルの流動温度が通常240〜330℃になるまで
反応を行うのが得られる芳香族ポリエステルの取扱い上
好ましく、物性上からはさらに固相重合等の方法により
高重合度化して、芳香族ポリエステルの流動温度を好ま
しくは280〜410℃、さらに好ましくは320〜4
00℃の範囲にする。重縮合反応で得られる芳香族ポリ
エステルの流動温度が240℃より低いとポリマーはそ
のあとの処理が難しく、流動温度が330℃より高い場
合には重合槽からの抜き出し、取扱い及びポリマーの品
質で問題があるので好ましくない。
維、フィルム、各種の形状のものに成形して用いること
ができるだけでなく、該芳香族ポリエステルとガラス繊
維、マイカ、タルク、シリカ、チタン酸カリウム、ウォ
ラストナイト、炭酸カルシウム、石英、酸化鉄、グラフ
ァイト、炭素繊維等の無機材料とからなる組成物は機械
的性質、電気的性質、耐薬品性、耐油性にも優れ、機械
部品、電気・電子部品、自動車部品等に用いることがで
きる。
れらに限定されるものでない。なお、実施例中の物性は
次の方法で測定された。 流動温度:(株)島津製作所製の高化式フローテスター
CFT─500型で測定され、4℃/分の昇温速度で
加熱溶融された樹脂を荷重100kg/cm2の下で内
径1mm、長さ10mmのノズルから押出す条件で測定
した時に、該溶融粘度が48,000ポイズを示す点に
おける温度である。この温度の低い樹脂ほど流動性が大
である。
mm、長さ46mm、幅5mmの矩形を有する4個取り
の金型を用いて本発明の組成物を溶融状態で一定の射出
条件のもとで充填した時の4つの矩形における長さ方向
の流動長を測定し、平均値を求め流動長として表した。
片から長さ方向に二等分したものを試験片とし、AST
M D256に準拠して測定した。 荷重たわみ温度:曲げ試験片を用いてASTM D─6
48に準拠して測定した。なお荷重たわみ温度の値が2
80℃以下のものについてはオイル槽式の装置で測定し
280℃を越えるものについては気槽式の装置で測定し
た。
mm、長さ46mm、幅5mmの矩形の試験片を成形し
錫60%と鉛40%とからなる260℃のハンダ浴HA
60Aに浸漬し、各温度で60秒間保持しながら該ハン
ダ浴を5℃ずつ昇温させるとき、同試験片が発泡または
3mm以上の変形を生じない最高温度として求めた。例
えば、300℃で初めて発泡または変形が生じた場合の
ハンダ耐熱性は295℃である。
さ3mmの成形品を作り、樹脂の流れ方向(MD)と直
角方向(TD)の射出成形金型寸法に対する成形品の寸
法からそれぞれの方向で、成形収縮率を求めた。該成形
収縮率から異方性比(TD/MD)を求めた。
のガラス製セパラブルフラスコに、p─ヒドロキシ安息
香酸、690.0g(5.0モル)及び無水酢酸56
1.0g(5.5モル)を仕込んだ。窒素雰囲気下で攪
拌しながら、150℃まで加温し、この温度で3時間還
流し、アセチル化反応を行った。還流冷却管を、リービ
ッヒ冷却管に交換し、系内を1℃/minの速度で20
5℃まで昇温しながら反応によって生じる酢酸を留去し
た。更に205℃で100分保持し、アセチル化反応時
に生じた酢酸〔300g(5.0モル)〕、過剰の無水
酢酸〔51g(0.5モル)〕、およびp─アセトキシ
安息香酸の縮合反応により副生する酢酸の理論量〔30
0g(5.0モル)〕のうちの30wt%(90g)
の、計441gが留去したところで、内容物810gを
系外に取り出した。反応度pは0.3(副生する酢酸の
理論量の30%)であり、得られたp─ヒドロキシ安息
香酸の縮合物(オリゴマー)の数平均重合度〔1/(1
−0.3)〕は1.4であった。
を有する3lのガラス製セパラブルフラスコに、4,
4’─ジヒドロキシジフェニル465g(2.5モル)
及び無水酢酸561g(5.5モル)を仕込んだ。窒素
雰囲気下で攪拌しながら、150℃まで加温し、この温
度で3時間還流し、アセチル化反応を行った。内容物を
冷却し、前記のp─ヒドロキシ安息香酸の縮合物(オリ
ゴマー)810gとテレフタル酸415g(2.5モ
ル)を仕込んだ後、還流冷却管を、リービッヒ冷却管に
交換し系内を1℃/minの速度で、305℃まで昇温
しながら、反応によって生じた酢酸を留去した。更に3
05℃で100分保持し、高粘度の黄淡色のポリマーを
取出した。このポリマーの流動温度は260℃であっ
た。
に粉砕した後、電気炉に仕込み、窒素雰囲気下に室温か
ら250℃まで1時間で上げ、250℃から347℃ま
で5時間かけて上げ、347℃で3時間、固相重合を行
った。得られたポリマーの流動温度は392℃であっ
た。このポリマー1200gと直径13μm、重量平均
長50μmのガラス繊維〔日本板硝子(株)製〕800
gとからなる混合物を池貝鉄工(株)製、30mmφ2
軸押出し機 PCM─30を用いて390℃で造粒し
た。得られたペレットの流動温度は383℃であった。
出成形機 PS─40E5ASEにより、シリンダー温
度400℃で良好に成形することができ、試験片を作製
した。得られた試験片から荷重たわみ温度、耐ハンダ
性、異方性比及びアイゾット衝撃強度を前述の方法によ
り測定した。これらの結果を表1にまとめて示す。ま
た、上記のペレットを日精樹脂工業(株)製の射出成形
機 PS10E1ASEにより、シリンダー温度400
℃で良好に成形することができ、試験片を作製した。得
られた試験片から薄肉流動性を前述の方法により測定し
た。これらの結果を表1にまとめて示す。
化反応を行った。続いて還流冷却管をリービッヒ冷却管
に交換し、系内を1℃/minの昇温速度で220℃ま
で昇温しながら、反応によって生じる酢酸を留去した。
更に220℃で60分保持し、アセチル化反応時に生じ
た酢酸、過剰の無水酢酸およびp─ヒドロキシ安息香酸
の縮合反応により副生する酢酸のうちの50wt%、計
501gが留去したところで内容物750gを系外に取
り出した。得られたp─ヒドロキシ安息香酸の縮合物
(オリゴマー)の数平均重合度は2.0であった。
シジフェニルのアセチル化反応を行った。続いて内容物
を冷却し、前記のp─ヒドロキシ安息香酸の縮合物(オ
リゴマー)750gとテレフタル酸415g(2.5モ
ル)を仕込んだ後、実施例1と同様に重縮合反応を行い
高粘度の黄淡色のポリマーを取出した。このポリマーの
流動温度は255℃であった。
気下に、室温から250℃まで1時間で上げ、250℃
から353℃まで5時間かけて上げ、353℃で3時
間、固相重合を行った。得られたポリマーの流動温度は
393℃であった。
ラス繊維を充填し造粒した。得られたペレットの流動温
度は379℃であった。このペレットを実施例1と同様
の方法で成形し、得られた試験片の物性を測定した。こ
れらの結果を表1にまとめて示す。
のガラス製セパラブルフラスコに、p─ヒドロキシ安息
香酸690.0g(5.0モル)、テレフタル酸415
g(2.5モル)、4,4’─ジヒドロキシジフェニル
465g(2.5モル)及び無水酢酸1122g(11
モル)を仕込んだ。窒素雰囲気下で攪拌しながら150
℃まで加温し、この温度で3時間還流し、アセチル化反
応を行った。還流冷却管をリービッヒ冷却管に交換し、
系内を1℃/minの速度で305℃まで昇温しなが
ら、反応によって生じる酢酸を留去した。更に305℃
で90分保持し、高粘度の黄淡色のポリマーを取出し
た。このポリマーの流動温度は260℃であった。
気下に室温から250℃まで1時間で上げ、250℃か
ら326℃まで5時間かけて上げ、326℃で3時間固
相重合を行った。得られたポリマーの流動温度は381
℃であった。
ラス繊維を充填し造粒、成形した。得られたペレットの
流動温度は381℃であった。得られた試験片の物性を
表1にまとめて示す。表1より比較例1の物性は実施例
1、2に比べ、耐ハンダ性、薄肉流動性に劣り、異方性
が大きくなっていることがわかる。
反応を行った。続いて、還流冷管をリービッヒ冷却管に
交換し、系内を1℃/minの昇温速度で260℃まで
昇温しながら、反応によって生じる酢酸を留去した。更
に260℃で60分保持し、アセチル化反応時に生じた
酢酸、過剰の無水酢酸およびp─ヒドロキシ安息香酸の
縮合反応により副生する酢酸のうちの92wt%、計6
27gが留去したところで内容物624gを系外に取出
した。得られたp─ヒドロキシ安息香酸オリゴマーの数
平均重合度は12.5であった。
ジフェニルのアセチル化反応を行った。続いて、内容物
を冷却し、p─ヒドロキシ安息香酸オリゴマー624g
とテレフタル酸を仕込んだ後、実施例1と同様に重縮合
反応を行い、高粘度の黄淡色のポリマーを取出した。こ
のポリマーの流動温度は250℃であった。これを実施
例1と同様に粉砕し、窒素雰囲気下に室温から250℃
まで、1時間で上げ、250℃から370℃まで5時間
かけて上げ、370℃で3時間固相重合を行った。得ら
れたポリマーの流動温度は395℃であった。
ラス繊維を充填し、造粒した。得られたペレットの流動
温度は375℃であった。このペレットを実施例1と同
様の方法で成形し、得られた試験片の物性を測定した。
これらの結果を表1にまとめて示す。表1から比較例2
の物性は実施例1、2に比べ、荷重たわみ温度、耐ハン
ダ性、衝撃強度が劣っていることがわかる。
を用いることにより、従来のポリエステルの良好な耐熱
性と機械的物性を維持し、かつ成形性(特に薄肉流動
性)に優れ、異方性の小さい成形品を与える芳香族ポリ
エステルを安定に製造することができる。
Claims (2)
- 【請求項1】下式(A)、(B)及び(C)で表される
化合物を(A)30〜80モル%、(B)10〜35モ
ル%及び(C)10〜35モル%のモル比で重縮合させ
ることにより、芳香族ポリエステルを製造する方法であ
り、あらかじめ化合物(A)とカルボン酸無水物とを反
応させた後に縮合させ、縮合によって発生するカルボン
酸の量が理論量の10〜80%の範囲となった時に、該
縮合物、化合物(B)及びカルボン酸無水物と反応させ
た化合物(C)を混合し、実質的に溶媒の存在しない状
態で重縮合することを特徴とする芳香族ポリエステルの
製造方法。 (A)HO─X─COOR1 (ただし、Xは、1,4─フェニレン基、1,3─フェ
ニレン基、4,4’─ビフェニリレン基又は2,6─ナ
フチレン基から選ばれ、その内50モル%以上が1,4
─フェニレン基である。R1 は水素、炭素数1〜6のア
ルキル基又は炭素数6〜16のアリール基から選ばれ
る。) (B)R2 CO─Ar─COR2 (ただし、Arは2価の芳香族基であり、Arの内50
モル%以上が1,4─フェニレン基、4,4’─ビフェ
ニリレン基又は2,6─ナフチレン基である。R 2 は水
酸基又は─OR3 から選ばれ、R3 は炭素数1〜6のア
ルキル基又は炭素数6〜16のアリール基から選ばれ
る。) (C)HO─Ar’─OH (ただし、Ar’は2価の芳香族基である。) - 【請求項2】化合物(A)がp−ヒドロキシ安息香酸で
あり、化合物(B)がテレフタル酸および/またはイソ
フタル酸であり、化合物(C)が4,4’─ジヒドロキ
シジフェニルであることを特徴とする請求項1記載の芳
香族ポリエステルの製造方法。
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