JPH0747624B2 - 芳香族ポリエステルおよびその製造方法 - Google Patents

芳香族ポリエステルおよびその製造方法

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JPH0747624B2
JPH0747624B2 JP12349688A JP12349688A JPH0747624B2 JP H0747624 B2 JPH0747624 B2 JP H0747624B2 JP 12349688 A JP12349688 A JP 12349688A JP 12349688 A JP12349688 A JP 12349688A JP H0747624 B2 JPH0747624 B2 JP H0747624B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は で示される構成単位を含有する芳香族ポリエステルに関
するものである。
このポリエステルは溶融時に液晶性(光学的異方性)を
示すので成形性(流動性)に優れており、高弾性率かつ
高強度であり、高い耐熱性を有する。特にハンダ耐性に
優れているため、精密部品や電気・電子材料や自動車用
部品等の成形品やフィルム・繊維等として利用されう
る。
又、本発明のポリエステルは本発明の製造方法により製
造することによって、従来の一般的なポリエステル製造
装置で製造できることより、生産性が向上したり、コス
トダウンにもつながる。
〔従来技術と問題点〕
で示される構成単位を含有する芳香族ポリエステルとし
ては、従来より多数の例が知られている。例えばブリテ
ィッシュ・ポリマー・ジャーナル154('80)、マクロモ
レキュールズ16(7)1027('83)、IUPAC Macromol.S
ymp.28th,800('82)、USP4,067,852、USP4,664,972、
特開昭62−156313、特開昭62−206017、特開昭62−3962
3、特開昭62−48722等である。
これらはいずれもハンダ耐熱が不足していたり、ハンダ
耐熱を有するポリエステルの場合は、従来法のポリエス
テルの製造装置(例えば、たて型反応機で320℃で反応
させるバルク法)では製造できないような場合があっ
た。
例えばブリテッシュ・ポリマー・ジャーナル154('80)
及びUSP4,067,852によれば、 から成るポリエステルは融点が330℃以上と高く、320℃
以下で従来使用されているポリエステルの製造装置では
製造できず、溶媒を使用し、335℃という高温下で製造
している。まして のポリエステルは更に融点が高い(500℃以上)ので、
製造は無理である。
また、マクロモレキュールズ 16 1027('83)の記述で
は、 融点を下げているが、この場合融点は大幅に低下するが
非晶性となり、260℃のハンダ耐性は無くなってしま
う。
から成るポリエステルについては多数の記載があるが、
この場合も従来の通常のポリエステルの製造装置で製造
できないことは明らかである。
〔問題点を解決するための手段〕
従来の製造装置(例えば320℃以下の温度でのバルク
法、たて型重合槽)で製造でき、かつハンダ耐熱(260
℃、10sec以上とする)に耐え、かつ高弾性率、高強
度、高流動性の全芳香族ポリエステルについて鋭意検討
した結果、非常に驚くべきことに、以下の成分をもつ全
芳香族ポリエステルは上記目的を達成することを見出
し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、 (イ) 1〜45当量%の式(1)で示される2,6ナフタ
レンジカルボン酸残基、 (ロ) 2〜45当量%の式(2)で示されるジカルボン
酸残基、 (ハ) 3〜45当量%の式(3)で示される4,4′ビフ
ェノール残基、 (ニ) 10〜90当量%の式(4)で示されるオキシ安息
香酸残基、 から成る芳香族ポリエステルであり、(1)、(2)、
(3)、(4)の当量数を〔1〕、〔2〕、〔3〕、
〔4〕で表わすと、0.9(〔1〕+〔2〕)/〔3〕
1.1であり、320℃、100sec-1での溶融粘度が10ポイズ
以上の芳香族ポリエステル、 (ここに当量%は、〔1〕+〔2〕+〔3〕+〔4〕を
全量とした場合の全量に対する値である。) および、出発原料として、 (ホ) 1〜45モル%の式(5)で示される2,6−ナフ
タレンジカルボン酸、 (ヘ) 2〜45モル%の式(6)で示されるジカルボン
酸、 (ト) 3〜45モル%の式(7)で示される4,4′−ビ
フェノール、 (チ) 10〜90モル%の式(8)で示されるヒドロキシ
安息香酸、 (ここで(5)、(6)、(7)、(8)のモル数を
〔5〕、〔6〕、〔7〕、〔8〕で表わすと、ここにモ
ル%は、〔5〕+〔6〕+〔7〕+〔8〕を全量とした
場合の値である) を使用し、系中で酸無水物を添加して反応させ、100〜4
00℃の温度において酸及び酸無水物を留去しつつ反応さ
せることを特徴とする全芳香族ポリエステルの製造方
法、 に存する。
本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の芳香族ポリエステルにおいては、その構成成分
として、前記式(1)で示される2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸残基、式(2)で示されるジカルボン酸残基、
式(3)で示される4,4′−ビフェノール残基、及び式
(4)で示されるオキシ安息香酸残基を含有することが
必須の要件である。
式(1)で示される2,6−ナフタレンジカルボン酸残基
の含有比率は、〔1〕+〔2〕+〔3〕+〔4〕の和に
対して1〜45当量%であり、好ましくは2当量%以上、
35当量%以下、さらに好ましくは3当量%以上、30当量
%以下である。これは1当量%以上存在するだけで液晶
性を高めるだけでなく、通常のポリエステル製造装置
(320℃以下)で製造できるという驚くべき特徴を有す
る。通常のポリエステルの製造装置とは、例えば繊維便
覧(原料編)p.808の図7.11に記載されているようなも
のと考えればよい。また、製造できるということは、重
合槽の中で固化してしまうことなく流動可能であり、そ
のため重合槽から抜き出すことができることを意味す
る。
液晶性を高めるということは、弾性率の向上や、成形性
の良化をもたらすということである。該2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸残基の含有比率が1当量%未満、および
45当量%をこえる領域では、重合中に固化し、抜き出す
ことができなくなり、好ましくない。
式(2)で示されるジカルボン酸残基の含有比率は、
〔1〕+〔2〕+〔3〕+〔4〕の和に対して2〜45当
量%であり、好ましくは3当量%以上、35当量%以下、
さらに好ましくは5当量%以上、30当量%以下である。
2当量%以上存在するだけで液晶性を高めるだけでなく
通常のポリエステル製造装置(320℃以下)で製造でき
るという驚くべき特徴を有する。
通常の装置で製造できるということは、前述のとおりで
ある。
液晶性を高めるということは、弾性率の向上や、成形性
の良化をもたらすということである。
2当量%未満および45当量%をこえる領域では、重合中
に固化し、抜き出すことができなくなり好ましくない。
式(2)で示されるジカルボン酸残基としては、テレフ
タル酸残基および/又はイソフタル酸残基が挙げられ
る。テレフタル酸残基、イソフタル酸残基それぞれ単独
に用いても混合して共重合体としてもよい。共重合体と
するときはテレフタル酸残基の量がイソフタル酸残基の
量より多い方が好ましい。
式(3)で示される4,4′−ビフェノール残基の含有比
率は、〔1〕+〔2〕+〔3〕+〔4〕の和に対して3
〜45当量%であり、好ましくは5当量%以上、40当量%
以下、さらに好ましくは7当量%以上、35当量%以下で
ある。
3当量%以上存在するだけで液晶性を高めるだけでな
く、通常のポリエステル製造装置(320℃以下)で製造
できるという驚くべき特徴を有する。
通常の装置で製造できるということは前述のとおりであ
る。
液晶性を高めるということは弾性率の向上や、成形性の
良化をもたらすということである。
3当量%未満、および45当量%をこえる領域では重合中
に固化し、抜き出すことができなくなり、好ましくな
い。
これらの量は、 0.9(〔1〕+〔2〕)/〔3〕1.1 となるようにする。この範囲外では、重合度が不十分と
なる。
特に 0.95(〔1〕+〔2〕)/〔3〕1.05 が好ましい。
式(4)で示されるオキシ安息香酸残基の含有比率は、
〔1〕+〔2〕+〔3〕+〔4〕の和に対して10〜90当
量%であり、好ましくは20当量%以上、80当量%以下、
さらに好ましくは30当量%以上、75当量%以下である。
10当量%以上、90当量%以下存在することにより、液晶
性を高めるだけでなく、通常のポリエステル製造装置
(320℃以下)で製造できるという驚くべき特徴を有す
る。
通常の装置で製造できるということは前述のとおりであ
る。
液晶性を高めるということは、弾性率の向上や、成形性
の良化をもたらすということである。
10当量%未満および90当量%を超える領域では、重合中
に固化し、抜き出すことができなくなり好ましくない。
式(4)で示されるオキシ安息香酸残基の具体例として
は、p−ヒドロキシ安息香酸、m−ヒドロキシ安息香
酸、の残基が挙げられる。
これらの残基はそれぞれ単独に用いてもよいし、共重合
体として使用してもよい。p−ヒドロキシ安息香酸残基
と、m−ヒドロキシ安息香酸残基を共重合体とするとき
は、p−ヒドロキシ安息香酸残基量をより多くすること
が好ましい。p−ヒドロキシ安息香酸残基を単独で用い
ることも好ましい。
ここに挙げた成分以外の成分を若干(約3当量%以下)
含有することは、一向に差し支えない。
これらの構成成分を含有することにより、驚くべきこと
に、生成ポリマーは溶融相において光学的に異方性を示
し(液晶性を示し)、そのため成形性にすぐれ、かつ高
弾性率高強度を有し、さらに耐熱性の良好な全芳香族ポ
リエステルが得られ、かつ従来の装置で装置できること
を見出した。
特に、式(1)、(2)、(3)、(4)の成分を含有
することにより、従来のポリエステル製造装置(例え
ば、たて型のポリエチレンテレフタレート製造装置)を
利用しても槽の底からポリマーを抜き出すことができる
という大きなメリットがあることがわかった。(以下、
抜出し性と表現する)それは(1)、(2)、(3)、
(4)の成分を組み合わせることにより、流動開始温度
が低くなることによると考えられる。
一方、物性的には耐熱性にすぐれるポリマーが得られ
る。例えばバイブロン(110Hz)で測定した40℃、150℃
における複素弾性率1E*1をそれぞれ1E*140,1E*1150
すると、 でかつ 1E*11505.0×1010dyne/cm2 1E*14010.0×1010dyne/cm2 という特徴を有する。組成を選べば 1E*115010.0×1010dyne/cm2 1E*14015.0×1010dyne/cm2 である。
又、260℃における複素弾性率を1E*1260とすると、 1E*12602.0×1010dyne/cm2 という非常に高い耐熱性を示すという特徴をも有する。
このため260℃でのハンダ耐性をも有する。
本発明の芳香族ポリエステルは、260℃で上記のような
高い弾性率を示し、かつ320℃では通常のポリエステル
製造装置で溶融法で製造できるという大きな特徴をもっ
ている。
またレオロジー的には溶融粘度が低く、成形性が良好で
ある。
本発明の芳香族ポリエステルは、320℃、100sec-1での
溶融粘度が10ポイズ以上であることが必須であり、10ポ
イズ未満では充分な強度が得られない。320℃、100sec
-1での好ましい溶融粘度は100ポイズ以上、特に100〜1
0,000ポイズが成形性の点で好適である。
本発明の芳香族ポリエステルを製造するには、所定比率
の(1)の2,6−ナフタレンジカルボン酸残基、(2)
のジカルボン酸残基、(3)の4,4′−ビフェノール残
基、(4)のオキシ安息香酸残基あるいはこれ等の誘導
体を原料として、周知の重合方法、例えば、溶融重合
法、溶液重合法または界面重合法等に従って処理すれば
よい。とくに溶融重合法は、重合反応後の後処理が不要
であるため工業的生産上有利であり、また、溶液重合法
及び界面重合法は、重合反応が比較的低温で実施し得る
利点がある。
溶融重合法の場合は、前記の原料成分の一部を、アシル
化物又はエステルとして使用し、200〜400℃の温度で重
合する方法、あるいは前記原料成分にアシル化剤を加え
て重合する方法が採られる。
また、溶液重合法または界面重合法では、カルボン酸残
基に対応する原料モノマーとして、一般に酸ハライドと
くに酸クロライドが用いられ、界面重合法では原料のオ
キシ残基は塩にしておく要がある。
特に本発明における製造法はコスト、作業性等の面から
すぐれている。すなわち本発明である製造法は、出発原
料として (ホ) 1〜45モル%の式(5)で示される2,6−ナフ
タレンジカルボン酸、 (ヘ) 2〜45モル%の式(6)で示されるジカルボン
酸、 (ト) 3〜45モル%の式(7)で示される4,4′−ビ
フェノール、 (チ) 10〜90モル%の式(8)で示されるヒドロキシ
安息香酸、 (ここで、(5)、(6)、(7)、(8)のモル数を
〔5〕、〔6〕、〔7〕、〔8〕で表わすと、モル%
は、〔5〕、+〔6〕+〔7〕+〔8〕を全量とした場
合の値である) を使用し、系中で酸無水物を添加して反応させ、100〜4
00℃の温度において酸及び酸無水物を留去しつつ反応さ
せることを特徴とする全芳香族ポリエステルの製造方法
である。
これら生成ポリエステルの組成は仕込原料組成と同等な
ので、所望のポリエステルの組成となるように仕込原料
組成を決めればよい。
触媒としてはBuSnOOH,Bu2SnO,Ti(OiPr)4,Zn(OAc)2,
Sn(OAc)等が用いられるが使用しなくてもよい。
酸無水物(9)としては無水酢酸、無水プロピオン酸、
無水安息香酸等を挙げることができる。特に無水酢酸
(10)が好ましい。使用する酸無水物のモル数を〔10〕
とすると 0.8〔10〕/(2×〔7〕+〔8〕)2.0 となるのが好ましく、特に 1.0〔10〕/(2×〔7〕+〔8〕)1.5 が好ましい。
反応温度としては100℃〜400℃の温度いずれも使用する
ことが可能であるが、酸無水物を添加して、アシル化を
主に行うときは100〜200℃程度、その後縮合を主に行う
ときは昇温し、250〜400℃を使用することが好ましい。
酸や酸無水物の留去のためにN2やAr等の不活性ガスをフ
ローしたり、減圧を適用したりすることが可能である。
以上のような製造法をとることにより、従来のポリエス
テル特にポリエチレンテレフタレート製造用のイカリ翼
やヘリカル翼をもったたて型撹拌装置を使用しても、本
発明のポリマーは反応器からとり出すことが可能である
という操作上の利点のあることがわかった。
またさらに重合度を高めたい場合は固相重合を適用する
ことも可能である。
本発明の共重合ポリエステルは溶融相において光学的に
異方相を示しうるので流動性が非常に良く、そのため成
形性が良好で押出成形、射出成形、圧縮成形等の一般的
な溶融成形を行なうことが可能であり、成形品、フィル
ム、繊維等に加工することができる。
特に高流動であることより精密成形品等に適している。
又、成形時に本発明の共重合ポリエステルに対し、ガラ
ス繊維、炭素繊維等の繊維類や、タルク、マイカ、炭酸
カルシウム等のフィラー類、または、核剤、顔料、酸化
防止剤、滑剤、その他安定剤や難燃剤等の各種充てん
剤、を添加剤、あるいは熱可塑性樹脂等を添加して成形
品に所望の特性を付与することも可能である。
又、他のポリマーとのブレンドやアロイ化によって他の
ポリマーの特徴と本発明の芳香族ポリエステルの両方の
長所を合わせもつ組成物を検出することも可能である。
〔実施例〕
次に本発明を実施例について更に詳細に説明するが、本
発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定され
るものではない。
なお、実施例中の溶融粘度の測定には、キャピラリーレ
オメーター(インテスコ社製)を用い、温度320℃、剪
断速度()100sec-1、シリンダーノズルの長さ/直径
=30を使用した。
赤外分光光度計はNicolst社製の20DXBFT−IRを使用し
た。ポリマーをヘキサフルオロイソプロパノールに溶解
させるか、又はKBrディスクにてテストサンプルとし
た。
成形は日本製鋼社製0.1 oz 射出成形機を用いて行い、
成形片を作成した。
バイプロンは東洋ボールドウィン社製のレオバイプロン
を用い上の成形片を110Hz下で使用した。
光学異方性はホットステージ付き偏光顕微鏡を用いて行
った。
流動開始温度はバイプロンデータから判定した。
実施例1 撹拌翼、減圧口、N2導入口を備えた反応器に 4,4′−ジヒドロキシジフェニル 31.99g(0.172モル) テレフタル酸 14.28g(0.086モル) 2,6−ナフタレンジカルボン酸 18.58g(0.086モル) p−ヒドロキシ安息香酸 55.38g(0.401モル) を仕込み、減圧下、窒素置換した後、N2シールをし、無
水酢酸83.63g(0.82モル)を投入した。
以下撹拌下で、重合管を145℃の油浴に浸漬して、1時
間反応させた後、1.5時間かけて320℃まで昇温した。
次いで30分かけて圧力を常圧から0.3mmHgまで減圧し、
さらに0.3mmHgで30分間320℃で反応させて、重合反応を
終了した。
このポリマーは自動で流れ、反応器の底から抜き出すこ
とが可能であった。こうして得られたポリマーの溶融粘
度(320℃、100sec-1)は、860ポイズであった。
さらにこのポリマーを0.1 oz 射出成形機で成形し、(3
20℃にて成形)その成形片のバイブロンを測定した。こ
のバイブロンチャートを第1図に示す。
この図から明らかなように、 1E*140=13.4GPa 1E*1150=6.8GPa 1E*1260=5.2GPa であった。
また、同じ成形片をJIS C 5034表1のB条件にてハンダ
耐熱を測定したところ、何らの外観変化も認められなか
った。
またこのポリマーは、290℃以上で流動開始し、光学異
方性を示した。このポリマーのIRチャートを第2図に示
す。
このポリマーの組成比は、 (1)/(2)/(3)/(4)=11.5/11.5/23/54 であった。
比較例1 テレフタル酸を28.56g(0.172モル)に変え、2,6−ナフ
タレンジカルボン酸を使用しなかった以外は、実施例1
と同様に行った。
この場合重合初期に固化してしまい、反応器の底から抜
き出すことはできなかった。
実施例2〜16及び比較例2〜5 組成および組成比を第1表に示したように変えた以外は
実施例1と全く同様に行った。
無水酢酸の量(〔10〕)は、 〔10〕=1.1×(2×〔7〕+〔8〕)とした。
〔発明の効果〕 本発明の芳香族ポリエステルは、優れた耐熱性を有し
(即ちハンダ耐性を有する)、かつ溶融相で液晶性を示
すので流動性にすぐれ、そのため成形性にすぐれるとい
う特徴を有する。又、力学的特性としては、弾性率が高
く、強度にも非常にすぐれている。また本発明の芳香族
ポリエステルは、350℃以下の温度特に320℃以下で成形
できるという特徴を有する。
以上の性状に基づいて、本発明の芳香族ポリエステルは
射出成形体、フィルム、繊維等の用途に利用される。
また、本発明の全芳香族ポリエステルは、一般に320℃
以下の温度で溶融状態を示すことから、溶融重合法によ
り製造した場合、反応後、加圧することにより、あるい
は自重により、生成ポリマーを反応容器から容易に取り
出すことができる操作上の利点を有することがわかっ
た。
更に、原料モノマーの種類、組成比率を適切に選ぶこと
により、溶融相において光学的に異方性、液晶性を示す
こと(直交偏光子を利用した慣用の偏光法により確認し
得る)もあり、その場合、その温度域で成形すれば、高
弾性率の成形体、フィルム、繊維等を得ることが可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例1で得られたポリマーの成形片のバイ
ブロンチャートを示す図である。図中、1はE′、2は
tanα、3はE″を示す。 第2図は、実施例1で得られたポリマーのIRチャートを
示す図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ) 1〜45当量%の式(1)で示され
    る2,6−ナフタレンジカルボン酸残基、 (ロ) 2〜45当量%の式(2)で示されるジカルボン
    酸残基、 (ハ) 3〜45当量%の式(3)で示される4,4′−ビ
    フェノール残基 (ニ) 10〜90当量%の式(4)で示されるオキシ安息
    香酸残基、 から成る芳香族ポリエステルであり、(1)、(2)、
    (3)、(4)の当量数を〔1〕、〔2〕、〔3〕、
    〔4〕で表わすと、0.9(〔1〕+〔2〕)/〔3〕
    1.1であり、320℃、100sec-1での溶融粘度が10ポイズ
    以上の芳香族ポリエステル。(ここに当量%は、〔1〕
    +〔2〕+〔3〕+〔4〕を全量とした場合に対する値
    である。)
  2. 【請求項2】出発原料として、 (ホ) 1〜45モル%の式(5)で示される2,6−ナフ
    タレンジカルボン酸、 (ヘ) 2〜45モル%の式(6)で示されるジカルボン
    酸、 (ト) 3〜45モル%の式(7)で示される4,4′−ビ
    フェノール、 (チ) 10〜90モル%の式(8)で示されるヒドロキシ
    安息香酸、 を使用し、系中で酸無水物を添加して反応させ、100〜4
    00℃の温度において酸及び酸無水物を留去しつつ反応さ
    せることを特徴とする全芳香族ポリエステルの製造方
    法。
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