JPH0747625B2 - 芳香族ポリエステルおよびその製造方法 - Google Patents

芳香族ポリエステルおよびその製造方法

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JPH0747625B2
JPH0747625B2 JP63255590A JP25559088A JPH0747625B2 JP H0747625 B2 JPH0747625 B2 JP H0747625B2 JP 63255590 A JP63255590 A JP 63255590A JP 25559088 A JP25559088 A JP 25559088A JP H0747625 B2 JPH0747625 B2 JP H0747625B2
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Description

〔産業上の利用分野〕
本発明は、特定の構成単位を特定の割合で含有する芳香
族ポリエステルに関するものである。詳しくは、本発明
で示される構成単位を含有する芳香族ポリエステルに関
するものである。 このポリエステルは溶融時に液晶性(光学的異方性)を
示すので成形性(流動性)に優れており、高弾性率かつ
高強度であり、高い耐熱性を有する。特にハンダ耐性に
優れているため、精密部品や電気・電子材料や自動車用
部品等の成形品やフィルム・繊維等として利用されう
る。 又、本発明のポリエステルは本発明の製造方法により製
造することによって、従来の一般的なポリエステル製造
装置で製造できることより、生産性が向上したり、コス
トダウンにもつながる。 〔従来技術と問題点〕 で示される構成単位を含有する芳香族ポリエステルとし
ては、従来より多数の例が知られている。例えばブリテ
ィッシュ・ポリマー・ジャーナル154('80)、マクロモ
レキュールズ 16(7)1027('83)、IUPAC Macromol.
Symp.28th,800('82)、USP4,067,852、USP4,664,972、
特開昭62−156313、特開昭62−206017、特開昭62−3962
3、特開昭62−48722等である。 これらはいずれもハンダ耐熱が不足していたり、ハンダ
耐熱を有するポリエステルの場合は、従来法のポリエス
テルの製造装置(例えば、たて型反応機で320℃で反応
させるバルク法)では製造できないような場合があっ
た。 例えばブリティッシュ・ポリマー・ジャーナル154('8
0)によれば、 から成るポリエステルは融点が330℃以上と高く、320℃
以下で従来使用されているポリエステルの製造装置では
製造できない。まして のポリエステルは更に融点が高い(500℃以上)ので、
製造は無理である。 また、マクロモレキュールズ 16 1027('83)の記述
では、 及び から成るポリエステルについて詳述されているが、これ
ら4成分の場合、いかなる組成でも融点は320℃以上と
高く、この場合も320℃以下の重合装置では製造できな
い。 同文献では、 のかわりに を用いて融点を下げているが、しかし、この場合融点は
大幅に低下する一方ポリマーが非晶性となり、260℃の
ハンダ耐性を有しなくなってしまう。 USP4,067,852(DE2,721,786)によると、 から成るポリエステルが開示されているが、このポリマ
ーも溶媒を使用し、その上335℃という高温を用いて製
造している。 から成るポリエステルについては多数の記載があるが、
この場合も従来の通常のポリエステルの製造装置で製造
できないことは明らかである。 〔問題点を解決するための手段〕 従来の製造装置(例えば320℃以下の温度でのバルク
法、たて型重合槽)で製造でき、かつハンダ耐熱(240
℃又は260℃、10sec以上とする)に耐え、かつ高弾性
率、高強度、高流動性の芳香族ポリエステルについて鋭
意検討した結果、非常に驚くべきことに、以下の成分を
もつ芳香族ポリエステルは上記目的を達成することを見
出し、本発明に到達した。 すなわち本発明は、 (イ)2〜40モル%の式(1)で示される2,6−ナフタ
レンジカルボン酸単位、 (ロ)0〜40モル%の式(2)で示されるジカルボン酸
単位、 (ハ)3〜40モル%の式(3)で示される4,4′−ビフ
ェノール単位、 (ニ)3〜40モル%の式(4)〜式(7)で示されるジ
オール単位の少なくとも1つ、 (ホ)20〜80モル%の式(8)で示されるオキシ安息香
酸単位、 から成る芳香族ポリエステルであり、320℃、100sec-1
での溶融粘度が10ポイズ以上の芳香族ポリエステル。 (ここで(1),(2),(3),(4),(5),
(6),(7),(8)で示される上記単位のモル数を
各々〔1〕,〔2〕,〔3〕,〔4〕,〔5〕,
〔6〕,〔7〕,〔8〕,で表わすと、モル%は〔1〕
+〔2〕+〔3〕+〔4〕+〔5〕+〔6〕+〔7〕+
〔8〕(=〔A〕とする)に対する値である、)、及び
出発原料として、 (ヘ)2〜40モル%の式(9)で示される2,6−ナフタ
レンジカルボン酸、 (ト)0〜40モル%の式(10)で示されるジカルボン
酸、 (チ)3〜45モル%の式(11)で示される4,4′−ビフ
ェノール、 (リ)3〜40モル%の式(12)〜式(15)で示されるジ
オール化合物の少なくとも1つ、 (ヌ)10〜90モル%の式(16)で示されるヒドロキシ安
息香酸、 (ここで(9),(10),(11),(12),(13),
(14),(15),(16)で示される上記化合物のモル数
を各々
〔9〕,〔10〕,〔11〕,〔12〕,〔13〕,〔1
4〕,〔15〕,〔16〕で表わすと、モル%は
〔9〕+〔1
0〕+〔11〕+〔12〕+〔13〕+〔14〕+〔15〕+〔1
6〕(=〔B〕とする)に対する値である。) を使用し、系中で酸無水物を添加して反応させ、100〜4
00℃の温度において酸及び酸無水物を留去しつつ反応さ
せることを特徴とする芳香族ポリエステルの製造方法に
存する。 本発明をさらに詳細に説明する。 本発明の芳香族ポリエステルにおいては、その構成単位
として、前記式(1)で示される2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸単位、式(3)で示される4,4′−ビフェノー
ル単位、式(4)〜式(7)で示されるジオール単位の
少なくとも1つ及び式(8)で示されるオキシ安息香酸
単位を含有することが必須の要件である。 式(1)で示される2,6−ナフタレンジカルボン酸単位
の含有比率は、〔A〕に対して2〜40モル%であり、好
ましくは3モル%以上、35モル%以下、さらに好ましく
は3モル%以上、30モル%以下である。これは2モル%
以上存在するだけで液晶性を高めるだけでなく、通常の
ポリエステル製造装置(320℃以下)で製造できるとい
う驚くべき特徴を有する。通常のポリエステルの製造装
置とは、例えば繊維便覧(原料編)p.808の図7.11に記
載されているようなものが挙げられる。また、製造でき
るということは、重合槽の中で固化してしまうことなく
流動可能であり、そのため重合槽から抜き出すことがで
きることを意味する。また、液晶性を高めることによ
り、弾性率の向上や、成形性の良化がもたらされる。該
2,6−ナフタレンジカルボン酸単位の含有比率が2モル
%未満、および40モル%をこえる領域では、重合中に固
化し、抜き出すことができなくなり、好ましくない。 式(2)で示されるジカルボン酸単位の含有比率は、
〔A〕に対して0〜40モル%であり、好ましくは2モル
%以上、35モル%以下、さらに好ましくは5モル%以
上、30モル%以下である。(2)の成分を含有しなくて
も液晶性は発現し、通常の装置で製造可能であるが、更
に2モル%以上存在するだけで液晶性をより高めるだけ
でなく通常のポリエステル製造装置(320℃以下)で製
造しやすくなるという驚くべき特徴を有する。ここで、
通常の装置で製造できるということは、前述のとおりで
ある。40モル%をこえる領域では、重合中に固化し、抜
き出すことができなくなり好ましくない。 式(2)で示されるジカルボン酸単位としては、テレフ
タン酸単位および/又はイソフタル酸単位が挙げられ
る。テレフタル酸単位、イソフタル酸単位それぞれ単独
に含有していても混合して共重合体としてもよい。共重
合体とするときはテレフタル酸単位の量がイソフタル酸
単位の量より多い方が好ましい。テレフタル酸単位のみ
が特に好ましい。 (2)と(1)の比率(〔2〕/〔1〕)は、0
〔2〕/〔1〕10が好ましい。(2)の化合物として
特にテレフタル酸単位を含有する場合は0.2〔2〕/
〔1〕7が特に好ましい。〔2〕/〔1〕が10を超え
ると流動開始点が高くなり、ポリマーを反応槽から抜き
出すのが困難となるので好ましくない。 式(3)で示される4,4′−ビフェノール単位の含有比
率は、〔A〕に対して3〜40モル%であり、好ましくは
4モル%以上、30モル%以下、さらに好ましくは5モル
%以上、25モル%以下である。 3モル%以上存在するだけで液晶性を高めるだけでな
く、通常のポリエステル製造装置(320℃以下)で製造
できるという驚くべき特徴を有する。3モル%未満、お
よび40モル%をこえる領域では重合中に固化し、ポリマ
ーを抜き出すことが困難となり、好ましくない。 本発明の芳香族ポリエステルは、式(4)から式(7)
のジオール単位のうちの少なくとも1つの単位を含むこ
とが必須である。 式(4)から式(7)のジオール単位の合計量の含有比
率は〔A〕に対して3〜40モル%である。 3モル%以上存在するだけで液晶性を高めるだけでな
く、通常のポリエステル製造装置(320℃以下)で製造
できるという驚くべき特徴を有する。3モル%未満、お
よび40モル%をこえる領域では重合中に固化し、ポリマ
ーを抜き出すことが困難となり、好ましくない。 これらのジオール単位のうち特に式(4)のハイドロキ
ノン単位および/又は式(5)のメチルハイドロキノン
単位を含有するときは、ハイドロキノン単位および/又
はメチルハイドロキノン単位の含有比率は〔A〕に対し
て5モル%以上、30モル%以下が好ましく、特に7モル
%以上、25モル%以下が好ましい。 また、式(4)および/又は式(5)の単位と式(3)
で示される単位との比率(〔4〕+〔5〕)/〔3〕は
0.1〜10、特に0.3〜3の範囲が好ましい。 式(6)のトリメチルハイドロキノン単位および/又は
式(7)のレゾルシン単位を含有するときは、トリメチ
ルハイドロキノン単位および/又はレゾルシン単位の含
有比率は〔A〕に対して4モル%以上25モル%以下が好
ましく、特に5モル%以上、20モル%以下が好ましい。
但し、レゾルシン単位としては15モル%以下が好まし
い。 式(6)および/又は式(7)の単位と式(3)の単位
の比率(〔6〕+〔7〕)/〔3〕は0.05〜5、特に0.
2〜2の範囲が好ましい。 以上述べた(1)〜(7)の構成単位については、これ
らの量は、 0.8(〔1〕+〔2〕)/ (〔3〕+〔4〕+〔5〕+〔6〕+〔7〕)1.2 となるようにするのが好ましい。この範囲外では、重合
度が不十分となる。より好ましくは、 0.9(〔1〕+〔2〕)/ (〔3〕+〔4〕+〔5〕+〔6〕+〔7〕)1.1 特に 0.95(〔1〕+〔2〕)/ (〔3〕+〔4〕+〔5〕+〔6〕+〔7〕)1.05 が好ましい。 式(8)で示されるオキシ安息香酸単位の含有比率は、
〔A〕に対して20〜80モル%であり、好ましくは25モル
%以上、75モル%以下、さらに好ましくは30モル%以
上、70モル%以下である。 20モル%以上、80モル%以下存在することにより、液晶
性を高めるだけでなく、通常のポリエステル製造装置
(320℃以下)で製造できるという驚くべき特徴を有す
る。 20モル%未満および80モル%を超える領域では、重合中
に固化し、ポリマーを反応槽から抜き出すことが困難と
なるので好ましくない。 式(8)で示されるオキシ安息香酸単位の具体例として
は、p−ヒドロキシ安息香酸、m−ヒドロキシ安息香
酸、の残基が挙げられる。 これらの単位はそれぞれ単独で含有していてもよいし、
共重合体としてもよい。p−ヒドロキシ安息香酸単位
と、m−ヒドロキシ安息香酸単位を共重合体とするとき
は、p−ヒドロキシ安息香酸単位の量をより多くするこ
とが好ましい。p−ヒドロキシ安息香酸単位を単独で含
有することも好ましい。 式(1),(2)及び(8)で示される構成単位の含有
量については、 0.1(〔1〕+〔2〕)/〔8〕9 特に 0.2(〔1〕+〔2〕)/〔8〕4 を満たすのが好ましい。 (〔1〕+〔2〕)/〔8〕の比率が0.1未満又は9を
超える場合は流動開始点は高くなり、ポリマーを反応槽
から抜き出すのが困難となるので好ましくない。 尚、本発明では、ここに挙げた成分以外の成分を若干
(約3モル%以下)含有することは、一向に差し支えな
い。 これらの構成単位を含有することにより、驚くべきこと
に、生成ポリマーは溶融相において光学的に異方性を示
し(液晶性を示し)、そのため成形性にすぐれ、かつ高
弾性率高強度を有し、さらに耐熱性の良好な芳香族ポリ
エステルが得られ、かつ従来の装置で製造できることを
見出した。 特に、式(1),(3),(4)〜(7)の少なくとも
1つ及び(8)の成分を含有することにより、従来のポ
リエステル製造装置(例えば、たて型のポリエチレンテ
レフタレート製造装置)を利用しても槽の底からポリマ
ーを抜き出すことができるという大きなメリットがある
ことがわかった。(以下、抜出し性と表現する)それは
(1),(3),(4)〜(7),(8)を組み合わせ
ることにより、流動開始温度が低くなることによると考
えられる。 本発明の芳香族ポリエステルは、物性的には耐熱性にす
ぐれたものである。例えばバイブロン(110Hz)で測定
した40℃、150℃における複素弾性率/E*/をそれぞれ/E
*/40,/E*/150とすると、/E*/150//E*/401/3 でかつ/E*/1504.0×1010dyne/cm2 /E*/408.0×1010dyne/cm2 という特徴を有する。組成比を選べば /E*/150//E*/401/2 /E*/1506.0×1010dyne/cm2 /E*/4012.0×1010dyne/cm2 である。 又、240℃における複素弾性率を/E*/240とすると、 /E*/2402.0×1010dyne/cm2 という非常に高い耐熱性を示すという特徴をも有する。
このため240℃でのハンダ耐性をも有する。 更に組成比を選べば、260℃における複素弾性率を/E*/
260とすると /E*/2602.0×1010dyne/cm2 という非常に高い耐熱性を示すこともある。このため26
0℃でのハンダ耐熱をも有する。 このように、本発明の芳香族ポリエステルは、240℃、
更に組成比を選べば260℃で上記のような高い弾性率を
示し、かつ320℃では通常のポリエステル製造装置で溶
融法で製造できるという大きな特徴をもっている。 またレオロジー的には溶融粘度が低く、成形性が良好で
ある。 本発明の芳香族ポリエステルは、320℃、100sec-1での
溶融粘度が10ポイズ以上であることが必須であり、10ポ
イズ未満では充分な強度が得られない。320℃、100sec
-1での好ましい溶融粘度は100ポイズ以上、特に100〜1
0,000ポイズが成形性の点で好適である。 本発明の芳香族ポリエステルを製造するには、(1)の
2,6−ナフタレンジカルボン酸単位、(2)のジカルボ
ン酸単位、(3)の4,4′−ビフェノール単位、(5)
〜(7)の少なくとも1つのジオール単位、(8)のオ
キシ安息香酸単位に対応する原料を所定比率で用いて、
周知の重合方法、例えば、溶融重合法、溶液重合法また
は界面重合法等に従って処理すればよい。とくに溶融重
合法は、重合反応後の後処理が不要であるため工業的生
産上有利であり、また、溶液重合法及び界面重合法は、
重合反応が比較的低温で実施し得る利点がある。 溶融重合法の場合は、前記の原料成分の一部を、アシル
化物又はエステルとして使用し、200〜400℃の温度で重
合する方法、あるいは前記原料成分にアシル化剤を加え
て重合する方法が採られる。 また、溶液重合法または界面重合法では、カルボン酸残
基に対応する原料モノマーとして、一般に酸ハライドと
くに酸クロライドが用いられ、界面重合法では原料のオ
キシ残基は塩にしておく要がある。 特に本発明における製造法はコスト、作業性等の面から
すぐれている。 生成ポリエステルの組成は仕込原料組成と同等なので、
所望のポリエステルの組成となるように仕込原料組成を
決めることができる。 触媒としてはBuSnOOH,Bu2SnO,Ti(OiPr)4,Zn(OAc)2,
Sn(OAc)等が用いられるが、使用しなくてもよい。 酸無水物(17)としては無水酢酸、無水プロピオン酸、
無水安息香酸等を挙げることができる。特に無水酢酸
(18)が好ましい。使用する酸無水物のモル数を〔18〕
とすると、 0.8〔18〕/{2×(〔11〕+〔12〕 +〔13〕+〔14〕+〔15〕)+〔16〕}2.0 となるのが好ましく、特に、 1.0〔18〕/{2×(〔11〕+〔12〕 +〔13〕+〔14〕+〔15〕)+〔16〕}1.5 が好ましい。 反応温度としては100℃〜400℃の温度いずれも使用する
ことが可能であるが、酸無水物を添加して、アシル化を
主に行うときは100〜200℃程度、その後縮合を主に行う
ときは昇温し、250〜400℃を使用することが好ましい。
酸や酸無水物の留去のためにN2やAr等の不活性ガスをフ
ローしたり、減圧を適用したりすることが可能である。 以上のような製造法をとることにより、従来のポリエス
テル特にポリエチレンテレフタレート製造用のイカリ翼
やヘリカル翼をもったたて型撹拌装置を使用しても、本
発明のポリマーは反応器からとり出すことが可能である
という操作上の利点のあることがわかった。 またさらに重合度を高めたい場合は固相重合を適用する
ことも可能である。 本発明の芳香族ポリエステルは溶融相において光学的に
異方相(液晶性)を示しうるので流動性が非常に良く、
そのため成形性が良好で押出成形、射出成形、圧縮成形
等の一般的な溶融成形を行なうことが可能であり、成形
品、フィルム、繊維等に加工することができる。 特に高流動であることより精密成形品等に適している。
又、成形時に本発明の芳香族ポリエステルに対し、ガラ
ス繊維、炭素繊維等の繊維類や、タルク、マイカ、炭酸
カルシウム等のフィラー類、または、核剤、顔料、酸化
防止剤、滑剤、その他安定剤や難燃剤等の各種充てん
剤、を添加剤、あるいは熱可塑性樹脂等を添加して成形
品に所望の特性を付与することも可能である。 特にこれらの充てん剤を添加することにより、熱変形温
度の上昇、弾性率の向上等をもたらし、そのため260℃
のハンダ耐性も得ることが可能となる。 又、他のポリマーとのブレンドやアロイ化によって他の
ポリマーの特徴と本発明の芳香族ポリエステルの両方の
長所を合わせもつ組成物を検出することも可能である。 〔実施例〕 次に本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、本
発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定され
るものではない。 なお、実施例中の溶融粘度の測定には、フローテスター
(島津製作所製)を用い、温度320℃、剪断速度(γ)1
00sec-1、シリンダーノズルの長さ/直径=20を使用し
た。 赤外分光光度計はNicolst社製の20DXBFT−IRを使用して
ポリマーをヘキサフルオロイソプロパノールに溶解させ
るか、又はKBrディスクにてテストサンプルとした。 成形は日本製鋼社製0.1oz射出成形機を用いて行い、320
℃にて成形片を作成した。 バイブロンは東洋ボールドウィン社製のレオバイブロン
を用い上の成形片を110Hz下で使用した。 液晶性の評価はホットステージ付偏光顕微鏡を用いて行
った。 流動開始温度はバイブロンデータから判定した。 ハンダ耐性の評価はJIS C5034表1のB条件にて240℃
又は260℃のハンダ浴に10秒間浸漬することにより行な
った。 実施例1 撹拌浴、減圧口、N2導入口を備えた反応器に4,4′−ジ
ヒドロキシジフェニル 16.89g(0.091モル) ハイドロキノン 9.99g(0.091モル) テレフタル酸 15.07g(0.091モル) 2,6−ナフタレンジカルボン酸 19.61g(0.0091モル) p−ヒドロキシ安息香酸 58.45g(0.423モル) を仕込み、減圧下窒素置換した後、N2シールをし、無水
酢酸88.26g(0.86モル)を投入した。撹拌下、重合管を
145℃の油浴に浸漬して、1時間反応させた後、1.5時間
かけて320℃まで昇温した。 次いで45分かけて圧力を常圧から10mmHgまで減圧し、更
に15分かけて0.3mmHgまで減圧し、その後1時間反応さ
せて重合反応を終了した。 このポリマーは自重で流れ、反応器の底から抜き出すこ
とが可能であった。こうして得られたポリマーの溶融粘
度(320℃、100sec-1)は、320ポイズであった。 このポリマーを0.1oz射出成形機で320℃にて成形し、そ
の成形片のバイブロンを測定した。 その結果、 |E*|40=10.5 GPa |E*|150=4.6 GPa |E*|260=3.9 GPa であった。また、成形片で引張試験を行ったところ、 引張弾性率 61,700 kg/cm2 引張強度 1,270 kg/cm2 破断伸度 3.1% であった。 また、同じ成形片を用い、ハンダ耐熱(260℃、10秒
間)を測定したところ、何らの外観変化も認められなか
った。 このポリマーのIRチャートを第1図に示す。尚、このポ
リマーの組成比は、 (1)/(2)/(3)/(4)/(5) =11.5/11.5/11.5/11.5/54 であった。 実施例2 撹拌翼、減圧口、N2導入口を備えた反応器に、 4,4′−ジヒドロキシジフェニル 16.74g(0.09モル) メチルハイドロキノン 11.16g(0.09モル) テレフタル酸 14.94g(0.09モル) 2,6−ナフタレンジカルボン酸 19.44g(0.09モル) p−ヒドロキシ安息香酸 57.96g(0.42モル) を仕込み、減圧下、窒素置換した後、N2シールをし、無
水酢酸87.52g(0.86モル)を投入した。撹拌下、重合管
を145℃の油浴に浸漬して1時間反応させた後、1.5時間
かけて320℃まで昇温した。 次いで45分かけて圧力を常圧から10mmHgまで減圧し、更
に15分かけて0.3mmHgまで減圧し、その後2時間反応さ
せて重合反応を終了した。 このポリマーは自重で流れ、反応器の底から抜き出すこ
とが可能であった。こうして得られたポリマーを0.1oz
射出成形機で320℃にて成形し、その成形片のバイブロ
ンを測定した。このバイブロンチャートを第2図に示
す。 この図から明らかなように、 /E*/40=14.0 GPa /E*/150=5.3 GPa /E*/260=3.4 GPa であった。更に、成形片で引張試験を行ったところ、 引張弾性率 76,300 kg/cm2 引張強度 1,310 kg/cm2 破断伸度 2.9% であった。 また、同じ成形片を用い、ハンダ耐熱(260℃、10秒
間)を測定したところ、何らの外観変化も認められなか
った。 このポリマーのIRチャートを第3図に示す。このポリマ
ーの組成比は、 (1)/(2)/(3)/(4)/(5) =11.5/11.5/11.5/11.5/54 であった。 実施例3 撹拌翼、減圧口、N2導入口を備えた内容積20のたて型
反応器に、 4,4′−ジヒドロキシジフェニル 819g(4.5モル) トリメチルハイドロキノン 669g(4.5モル) テレフタル酸 730g(4.5モル) 2,6−ナフタレンジカルボン酸 950g(4.5モル) p−ヒドロキシ安息香酸 2,833g(21モル) を仕込み、減圧下、窒素置換した後、N2シールをし、無
水酢酸4,277g(42モル)を投入した。撹拌下、145℃で
1時間反応させた後、320℃まで昇温して、3時間重合
を行った。 最終圧力は0.5mmHgであった。 このポリマーは自重で流れ、反応器の底から抜き出すこ
とが可能であった。こうして得られたポリマーの溶融粘
度(320℃,1000sec-1)は、210ポイズであった。 このポリマーを0.1oz射出成形機で320℃にて成形し、そ
の成形片のバイブロンを測定した。その結果、 /E*/40=17.9 GPa /E*/150=7.9 GPa /E*/260=1.0 GPa であった。また、成形片で引張試験を行ったところ、 引張弾性率 97,600 kg/cm2 引張強度 1,490 kg/cm2 破断伸度 1.9% であった。 また、同じ成形片を用い、ハンダ耐熱(240℃、10秒
間)を測定したところ、何らの外観変化も認められなか
った。 このポリマーとIRチャートを第4図に示す。このポリマ
ーの組成比は、 (1)/(2)/(3)/(4)/(5) =11.5/11.5/11.5/11.5/54 であった。 このポリマーにガラス繊維を30重量%添加し、2軸押出
機を用いて混練機、0.1oz成形機にてダンベル片を作成
した。 このもののハンダ耐性(260℃、10秒間)を測定したと
ころ、何ら外観上の変化は認められなかった。 比較例1 テレフタル酸を30.14g(0.182モル)に変え、2,6−ナフ
タレンジカルボン酸を使用しなかった以外は、実施例1
と同様に行った。 この場合重合初期に固化してしまい、反応器の底から抜
き出すことはできなかった。 実施例4〜20,24〜33 組成及び組成比を第1表に示したように変更した以外
は、実施例1と同様に行った。 重合挙動、物性値は第1表に示した。 実施例21,22,23 組成及び組成比を第2表に示したように変更した以外
は、実施例3と同様に行った。 但し、実施例21,22は300℃で重合を行った。 重合挙動、物性値は第1表に示した。 但し、ハンダ耐性の評価は、実施例4〜20及び31〜33で
は260℃にて、事例21〜30では240℃にて行なった。 尚、これのポリマーにそれぞれガラス繊維を30重量%添
加し、2軸押出機で混練した後、0.1oz成形機でダンベ
ル片を作成した。これら試験片を260℃のハンダ浴に10
秒間浸漬したところ、何ら外観上の変化は求められなか
った。 比較例2〜5 第1表に示す組成で実施例1と同様に行った。 結果は第2表に示した。 但し、比較例5のハンダ耐性の評価は、240℃にて行な
ったものであり、複素弾性率/E*/は40℃、150℃、240
℃における値を測定した。 〔発明の効果〕 本発明の芳香族ポリエステルは優れた耐熱性(ハンダ耐
性)を有し、かつ溶融相で液晶性を示すので流動性に優
れている。特に で示される単位を含有するので、流動性において極めて
優れたものとなっている。そのため成形性が良好である
という特徴を有する。又、力学的特性としては弾性率が
高く、また機械的強度にも優れたものである。 更に、本発明の芳香族ポリエステルは350℃以下、特に3
20℃以下の温度で成形できるという特徴をも有する。 以上の性状に基づいて、本発明の芳香族ポリエステルは
射出成形体、フィルム、繊維等の用途に好適に利用され
る。特に実面実装技術に対応した電気・電子部品や封止
材等に用いられる。 また、本発明の芳香族ポリエステルは、一般に320℃以
下の温度で溶融状態を示すことから、溶融重合法により
製造した場合、反応後、加圧することにより、あるいは
自重により、生成ポリマーを反応容器から容易に取り出
すことができる操作上の利点をも有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例1で得られたポリマーのIRチャート図
である。第2図は、実施例2で得られたポリマーのバイ
ブロンチャート図である。図中、1はE′、2はE″、
3はtan αを示す。第3図は実施例2で得られたポリマ
ーのIRチャート図である。第4図は、実施例3で得られ
たポリマーのIRチャート図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)2〜40モル%の式(1)で示される
    2,6−ナフタレンジカルボン酸単位、 (ロ)0〜40モル%の式(2)で示されるジカルボン酸
    単位、 (ハ)3〜40モル%の式(3)で示される4,4′−ビフ
    ェノール単位、 (ニ)3〜40モル%の式(4)〜式(7)で示されるジ
    オール単位の少なくとも1つ、 (ホ)20〜80モル%の式(8)で示されるオキシ安息香
    酸単位、 から成る芳香族ポリエステルであり、320℃、100sec-1
    での溶融粘度が10ポイズ以上の芳香族ポリエステル。 (ここで(1),(2),(3),(4),(5),
    (6),(7),(8)で示される上記単位のモル数を
    各々〔1〕,〔2〕,〔3〕,〔4〕,〔5〕,
    〔6〕,〔7〕,〔8〕,で表わすと、モル%は〔1〕
    +〔2〕+〔3〕+〔4〕+〔5〕+〔6〕+〔7〕+
    〔8〕に対する値である。)
  2. 【請求項2】出発原料として、 (ヘ)2〜40モル%の式(9)で示される2,6−ナフタ
    レンジカルボン酸、 (ト)0〜40モル%の式(10)で示されるジカルボン
    酸、 (チ)3〜40モル%の式(11)で示される4,4′−ビフ
    ェノール、 (リ)3〜40モル%の式(12)〜式(15)で示されるジ
    オール化合物の少なくとも1つ、 (ヌ)20〜80モル%の式(16)で示されるヒドロキシ安
    息香酸、 (ここで(9),(10),(11),(12),(13),
    (14),(15),(16)で示される上記化合物のモル数
    を各々〔9〕,〔10〕,〔11〕,〔12〕,〔13〕,〔1
    4〕,〔15〕,〔16〕で表わすと、モル%は〔9〕+〔1
    0〕+〔11〕+〔12〕+〔13〕+〔14〕+〔15〕+〔1
    6〕に対する値である。)を使用し、系中で酸無水物を
    添加して反応させ、100〜400℃の温度において酸及び酸
    無水物を留去しつつ反応させることを特徴とする芳香族
    ポリエステルの製造方法。
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