JP2591054B2 - 芳香族ポリエステルおよびその製造方法 - Google Patents

芳香族ポリエステルおよびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は を含有する芳香族ポリエステルに関するものである。 このポリエステルは溶融時に液晶性を示すので流動性
がよく成形性にすぐれ、また高弾性率に加え衝撃強度が
高く、かつ高い耐熱性を有するポリエステルのため、精
密部品や電気・電子材料や自動車用部品等の成形品やフ
ィルム、繊維等として利用されうる。 〔従来技術とその問題点〕 を含有するポリエステルとしては、USP4,237,259及びUS
P4,268,647の中に(1)と とからなるポリエステルの記載があるが、液晶性を示す
等の記載や機械物性値等の記載は全くない。 又、3,4′−官能基をもつ化合物残基として からなるものを用いたポリマーの例としては特開昭60−
38425、USP4,496,712、特開昭58−53920、特開昭60−14
7434、特開昭62−74928、特開昭62−86017、特開昭58−
8727等があるが、これらは耐衝撃性の低い場合が多い。 を用いたポリエステルとして、これと の共重合体が良く知られており、耐衝撃性にすぐれたポ
リマーである。 これは非晶性であることと同時に分子鎖中にイソプロ
ピリデン基 を含有していることに困っていると思われる。 しかしながら、(6)が非常にフレキシブルでキンク
性のため、液晶性は全くなく、それどころか、ポリマー
鎖同志がからみ合うので溶融粘度の非常に高いポリエス
テルが得られ、成形性に難のあるポリマーとなる。 一方、成形時に液晶性を示すポリエステルは、成形性
にすぐれているため近年非常に注目をあびている。 そうした液晶性ポリエステルとしては、剛直成分に、
(i)アルキレン鎖のようなフレキシブル成分を導入し
たり、 等のキンク成分を導入したり、(iii)芳香族環に置換
基を導入したりする方法によって得られている。 そのうち(ii)による方法を用いた例は多々あるが、
その中で の成分を用いた液晶ポリマーの検討例としては、例えば
マクロモレキュールズ(Macromolecules 14 1405('8
1))に記載がある。この文献は(7)タイプ(いわゆ
る4,4′−官能基タイプ)を検討しているが、この中で
特に(6)を用いた場合は少量添加すると大幅に液晶性
が低下し、25%含有系ではもはや液晶性を示さない。 又、特開昭61−73730によると(6)を用いて可撓性
を付与しているが、この場合液晶性は大幅に低下してし
まう。 〔問題点を解決するための手段〕 可撓性を付与し、かつ液晶性を高め、耐熱性を有する
液晶ポリエステムについて鋭意検討した結果、非常に驚
くべきことに、 3,4′−官能基を有する(1)を用いた芳香族ポリエ
ステルは上記目的を達成することを見出し、本発明に到
達した。 すなわち、本発明は、 (1)(イ) 1〜35当量%の式(1)で示される 2,2−(3,4′−ジヒドロキシジフェニル)プロパン残基 (ロ) 0〜35当量%の式(2)で示される4,4′−ジ
ヒドロキシジフェニル残基 (ハ) 0〜35当量%の式(3)で示されるハイドロキ
ノン残基 (ニ) 5〜45当量%の式(4)で示されるテレフタル
酸残基および/又はイソフタル酸残基 (ホ) 15〜90当量%の式(5)で示されるオキシカル
ボン酸残基 からなる芳香族ポリエステルで、(1)、(2)、
(3)、(4)の当量数を〔1〕、〔2〕、〔3〕、
〔4〕で表わすと 0.9(〔1〕+〔2〕+〔3〕)〔4〕1.1であ
り、320℃、100sec -1での溶融粘度が30ポイズ以上の芳
香族ポリエステル、 および (2) 出発原料として (ヘ) 1〜35モル%の式(8)で表わされる2,2−
(3,4′−ジヒドロキシジフェニル)プロパン (ト) 0〜35モル%の式(9)で表わされる4,4′−
ジヒドロキシジフェニル (チ) 0〜35モル%の式(10)で表わされるハイドロ
キノン (リ) 5〜45モル%の式(11)で表わされるテレフタ
ル酸および/又はイソフタル酸 (ヌ) 15〜90モル%の式(12)で表わされるオキシカ
ルボン酸 またはこれらの誘導体を使用し、系中で酸無水物を添加
して反応させ、100〜400℃の温度において酸及び酸無水
物を留去しつつ反応させることを特徴とする全芳香族ポ
リエステルの製造方法に存する。 本発明をさらに詳細に説明する。 本発明の芳香族ポリエステルにおいては、その構成成
分として前記(イ)の2,2−(3,4′−ジヒドロキシジフ
ェニル)プロパン残基を含有することが必須の要件であ
り、その含有比率は全成分合計を100当量%として1〜3
5当量%であり、1当量%以上存在するだけで液晶性を
高め、その結果弾性率の向上や、成形性の良化をもたら
す、という驚くべき特徴を有する。その含有比率は好ま
しくは2当量%以上、30当量%以下、さらに好ましくは
4当量%以上、27当量%以下である。35当量%を越える
と、コスト的な問題や耐熱性の低下の点で好ましくな
い。 本発明の芳香族ポリエステルは、その構成成分として
前記(ロ)、(ハ)のそれぞれ(2)、(3)式で示さ
れる4,4′−ジヒドロキシジフェニル残基および/又は
ハイドロキノン残基を含有してもよい。 (ロ)、(ハ)の含有比率は全成分合計を100当量%
としてそれぞれ0〜35当量%、0〜35当量%である。特
に好ましくは、それぞれ0〜30当量%、0〜30当量%、
さらに好ましくはそれぞれ、2〜30当量%、0〜20当量
%である。 それぞれ35当量%を越えると成分性が悪くなり好まし
くない。 本発明の芳香族ポリエステルは、更にその構成成分と
して、前記(ニ)の(4)式で示されるテレフタル酸残
基および/又はイソフタル酸残基を含有する。 (ニ)の含有比率は、全成分合計を100当量%として
5〜45当量%である。特に好ましくは10〜40当量%、さ
らに好ましくは15〜35当量%である。 5当量%未満、又は45当量%を越えるときは、いずれ
も成形性が悪化し、好ましくない。これらの当量数
〔4〕は 0.9(〔1〕+〔2〕+〔3〕)〔4〕1.1になる
ようにする。 特に 0.95(〔1〕+〔2〕+〔3〕)〔4〕1.05 が好ましい。 テレフタル酸残基、イソフタル酸残基それぞれ単独に
用いても併用してもよい。併用するときはテレフタル酸
残基の量がイソフタル酸残基の量より多いのが好まし
い。 本発明の芳香族ポリエステルは更に、その構成成分と
して前記(ホ)の(5)式で示される芳香族オキシカル
ボン酸残基を含有する。 (5)式で示される芳香族オキシカルボン酸残基の具
体例としては、p−ヒドロキシ安息香酸、m−ヒドロキ
シ安息香酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸の残基が
挙げられる。 これらの残基はそれぞれ単独に用いてもよいし、2以
上を併用してもよい。p−ヒドロキシ安息香酸残基と、
m−ヒドロキシ安息香酸残基又は、2−ヒドロキシ−6
−ナフトエ酸残基を併用するときは、p−ヒドロキシ安
息酸残基の量を他より多くすることが好ましい。p−ヒ
ドロキシ安息香酸残基を単独で用いることも好ましい。 (ホ)の含有比率は全成分合計を100当量%として、1
5〜90当量%である。特に好ましくは20〜80当量%、さ
らに好ましくは20〜70当量%である。 ここに挙げた成分以外の成分を若干含有(約3当量%
以下)することは一向に差し支えない。 これらの構成成分を含有することにより、驚くべきこ
とに、生成ポリマーは溶融相において光学的に異方性を
示し(液晶性を示し)、そのため成形性にすぐれ、かつ
高弾性率を有し、又耐衝撃性に優れ、さらに耐熱性の良
好な芳香族ポリエステルが得られ、かつ従来の装置で製
造できることを見出した。 特に、前記(1)の2,2−(3,4′−ジヒドロキシジフ
ェニル)プロパン残基を含有することにより、従来のポ
リエステル製造装置(例えば、たて型のポリエステルテ
レフタレート製造装置)を利用しても槽の底からポリマ
ーを抜き出すことができるという大きなメリットがある
ことがわかった。(以下、抜出し性と表現する。) それは(1)の2,2−(3,4′−ジヒドロキシジフェニ
ル)プロパン残基と(4)及び(5)の成分を組み合わ
せることにより、流動開始温度が低くなることによると
考えられる。 一方、本発明のポリマーは、物性的には耐熱性にすぐ
れている。例えばバイブロン(110Hz)で測定した40
℃、150℃における複素弾性率/E/をそれぞれ/E
/40,/E/150とすると でかつ /E/1506.0×1010dyne/cm2 /E/4010.0×1010dyne/cm2 という特徴を有する。組成を選べば /E/15010.0×1010dyne/cm2、/E/4015.0×1010d
yne/cm2である。 又、耐衝撃性にすぐれている。三菱化成法ダンベルを
用いて耐衝撃性試験(Izod衝撃試験)を測定すると、 Izod衝撃値10kg・cm/cmであり、 組成を選べば20kg・cm/cmとなる。 またレオロジー的には溶融粘度が低く、成形性が良好
である。 これらの結果は2,2−(3,4′−ジヒドロキシジフェニ
ル)プロパン残基特有の構造に由来するものである。 (1)の構造を持つ化合物は、分子模型を組んでみる
とよくわかるように、分子鎖は (キンク)になるというよりも (クランクシャフト)的になり、これが液晶性に大きく
寄与し、このようなクランクシャフト成分を用いること
が液晶ポリマーには非常に有効と考えられる。((6)
(キンク)になり、しかもねじれを伴っている。) このことから(1)を用いた芳香族ポリエステルの方
が剛直で、からみ合いが少ないことが予想され、(1)
の構造が得られる芳香族ポリエステルの液晶性に大きく
寄与することがわかる。 又、(1)は分子内に をもつため、得られる芳香族ポリエステルの主鎖中に を導入することができ、そのため耐衝撃性が高くなるも
のと推定される。 本発明の芳香族ポリエステルを製造するには、所定比
率の(イ)の2,2−(3,4′−ジヒドロキシジフェニル)
プロパン残基、必要ならば(ロ)、(ハ)の4,4′−ジ
ヒドロキシジフェニル残基、ハイドロキノン残基、さら
に(ニ)のテレフタル酸残基及び/又はイソフタル酸残
基、(ホ)の芳香族オキシカルボン酸残基、あるいはこ
れ等の誘導体を残基に持った化合物を原料として、周知
の重合方法、例えば、溶融重合法、溶液重合法または界
面重合法等に従って処理すればよい。とくに溶融重合法
は、重合反応後の後処理が不要であるため工業的生産上
有利であり、また、溶液重合法及び界面重合法は、重合
反応が比較的低温で実施し得る利点がある。 溶融重合法の場合は、前記の原料成分の一部を、アシ
ル化物又はエステルとして使用し、200〜400℃の温度で
重合する方法、あるいは前記原料成分にアシル化剤を加
えて重合する方法が採られる。 また、溶液重合法または界面重合法では、カルボン酸
残基に対応する原料モノマーとして、一般に酸ハライド
とくに酸クロライドが用いられ、界面重合法では原料の
オキシ残基は塩にしておく要がある。 本発明の全芳香族ポリエステルは320℃、100sec-1
の溶融粘度が30ポイズ以上であることが必須であり、30
ポイズ未満では充分な強度が得られない。320℃、100se
c-1での好ましい溶融粘度は100ポイス以上、特に100〜1
0,000ポイズが成形性の点で好適である。320℃で溶融し
ない場合は溶融粘度は∞ということとし、その場合もこ
の範ちゅうに入るものとする。 特に本発明における製造法はコスト、作業性等の面か
らすぐれている。すなわち本発明である製造法は、 出発原料として、 (ヘ) 1〜35モル%の式(8)で表わされる2,2−
(3,4′−ジヒドロキシジフェニル)プロパン (ト) 0〜35モル%の式(9)で表わされる4,4′−
ジヒドロキシジフェニル (チ) 0〜35モル%の式(10)で表わされるハイドロ
キノン (リ) 5〜45モル%の式(11)で表わされるテレフタ
ル酸および/又はイソフタル酸 (ヌ) 15〜90モル%の式(12)で表わされるオキシカ
ルボン酸 またはこれらの誘導体を使用し、系中で酸無水物を添加
して反応させ、100〜400℃の温度において酸及び酸無水
物を留去しつつ反応させる。 これら生成ポリエステルの組成は仕込原料組成と同等
なので所望のポリエステルの組成となるように仕込原料
組成を決めればよい。 触媒としてはBuSnOOH,Bu2SnO,Ti(OiPr)4,Zn(OAc)
2,Sn(OAc)等が用いられるが使用しなくてもよい。 酸無水物(13)としては無水酢酸、無水プロピオン
酸、無水安息香酸等を挙げることができる。特に無水酢
酸(14)が好ましい。使用する酸無水物のモル数を〔1
4〕とすると 0.8〔14〕
(2〔8〕+2〔9〕+2〔10〕+〔12〕)2.0 特に1.0以上1.5以下が好ましい。 反応温度としては100℃〜400℃の温度いずれも使用す
ることが可能であるが、酸無水物を添加して、アシル化
を主に行うときは100〜200℃程度、その後縮合を主に行
うときは昇温し、250〜400℃を使用することが好まし
い。酸や酸無水物の留去のためにN2やAr等の不活性ガス
をフローしたり、減圧を適用したりすることが可能であ
る。 以上のような製造法をとることにより、従来のポリエ
ステル特にポリエチレンテレフタレート製造用のイカリ
翼やヘリカル翼をもったたて型撹拌装置を使用しても、
本発明のポリマーは反応器からとり出すことが可能であ
るという操作上の利点のあることがわかった。 またさらに重合度を高めたい場合は固相重合を適用す
ることも可能である。 本発明の共重合ポリエステルは溶融相において光学的
に異方性を示しうるので流動性が非常に良く、そのため
成形性が良好で押出成形、射出成形、圧縮成形等の一般
的な溶融成形を行なうことが可能であり、成形品、フィ
ルム、繊維等に加工することができる。 特に高流動であることより精密成形品等に適してい
る。 又、成形時に本発明の共重合ポリエステルに対し、ガ
ラス繊維、炭素繊維等の繊維類、タルク、マイカ、炭酸
カルシウム等のフィラー類、核剤、顔料、酸化防止剤、
滑剤、その他安定剤や難燃剤等の充填剤あるいは添加
剤、熱可塑性樹脂等を添加して成形品に所望の特製を付
与することも可能である。 又、他のポリマーとのブレンドやアロイ化によって他
のポリマーの特徴と本発明の芳香族ポリエステルの両方
の長所を合わせもつ組成物を創出することも可能であ
る。 〔実施例〕 次に本発明を実施例について更に詳細に説明するが、
本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定さ
れるものではない。 なお、実施例中の溶融粘度の測定には、キャビラリー
レオメーター(インテスコ社製)を用い、温度320℃、
剪断速度()100sec-1、シリンダーノズルの長さ/直
径=30を使用した。 赤外分光光度計はNicolet社製の20DXBFT−IRを使用し
た。ポリマーをヘキサフルオロイソプロパノールに溶解
させるか、又はKBrディスクにてテストサンプルとし
た。 成形は日本製鋼社製0.1oz射出成形機を用いて行い、
成形片を作成した。 バイブロンは東洋ボールドウィン社製のレオバイブロ
ンを用い上の成形片を110Hz下で使用した。 光学異方性はホットステージ付き偏光顕微鏡を用いて
行った。 流動開始温度はバイブロンのデータから判定した。 実施例1 撹拌翼、窒素導入口、減圧口を備えたガラス重合管に
p−ヒドロキシ安息香酸55.6g(0.40モル)、テレフタ
ル酸28.70(0.17モル)、2,2−(3,4′−ジヒドロキシ
ジフェニル)プロパン19.7g(0.09モル)、4,4′−ジヒ
ドロキシジフェニル16.1g(0.09モル)を仕込み、減圧
−窒素置換を3回繰り返し、最後に窒素を満たした。こ
れに無水酢酸83.94gを滴下し、撹拌を開始し、重合管を
150℃のオイルバスに浸漬した後1時間撹拌を続け、ア
セチル化を行なった。その後0.5/mmの流量の窒素気流
下にし、オイルバスの温度を320℃まで90分かけて昇温
した。 ここで徐々に減圧を適用し、75分間重合を行なった。 このポリマーは自重で流れ、反応器の底からとりだす
ことが可能であった。こうして得られたポリマーの溶融
粘度(320℃、100sec-1)は410ポイズであった。 さらにこのポリマーを0.1oz射出成形機で成形し、そ
の成形片のバイブロンを測定した。 バイブロンより /E/40=22.4GPa /E/150=11.3GPa であった。 (衝撃強度は24.0kg・cm/cmであった。) またこのポリマーは約230℃以上で流動開始し、光学
異方性を示した。このポリマーのIRチャートを第1図に
示す。 このポリマーの組成は〔1〕/〔2〕/〔3〕/
〔4〕/〔5〕=11.5/11.5/0/23/54であった。 実施例2〜7 〔1〕〜〔5〕の組成を第1表のように変えた以外
は、実施例1と同様に重合を行なった。 得られたポリマーの各種測定結果を第1表に示した。 また、実施例2のバイブロンチャートを第2図に、実
施例3のIRチャートを第3図に示した。 比較例1 実施例1の2,2−(3,4′−ジヒドロキシジフェニル)
プロパンのかわりに2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパンを用いた以外は実施例1のとおりに行っ
た。実施例1と同様に成形を行い、バイブロンを測定し
たところ、このポリマーの弾性率は4.3GPaしかなかっ
た。 比較例2 実施例3の2,2−(3,4′−ジヒドロキシジフェニル)
プロパンのかわりに2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパンを用いた以外は実施例3のとおりに行っ
た。実施例1と同様に成形を行い、バイブロンを測定し
たところ、このポリマーの弾性率は2.7GPaしかなかっ
た。 比較例3 実施例1の のかわりに を用いて芳香族ポリエステルを製造した。 このポリエステルの衝撃強度は9.0kg・cm/cmであっ
た。 実施例8 2,2−(3,4′−ジヒドロキシジフェニル)プロパン 8.0
g(0.04モル) 4,4′−ジヒドロキシジフェニル 26.2g(0.14モル) テレフタル酸 29.2g(0.18モル) p−ヒドロキシ安息香酸 56.6g(0.41モル) 及び無水酢酸 85.5g(0.84モル) を使用した以外は実施例1と同様に行った。 320℃になってから常圧のまま20分間重合したところ
でポリマーを抜出し、抜出したポリマーを260℃で固相
重合を3時間行った。 その結果溶融粘度(320℃、100sec-1)は1130ポイズ
となった。 さらにこのポリマーを0.1oz射出成形機で成形し、そ
の成形片のバイブロンを測定した。 その結果 /E/40=16.0GPa /E/150=8.5GPa であった。第4図にそのバイブロンチャートを示す。 さらに衝撃強度は17.0kg・cm/cmであった。流動開始
温度は310℃であった。IRチャートを第5図に示す。 このポリマーの元素分析値は C=73.38、H=3.78、O=22.84 (理論値 C=73.34、H=3.77、O=22.89)であっ
た。 実施例9〜19、比較例4〜6 〔1〕〜〔5〕の組成を第2表のように変えた以外
は、実施例8と同様にポリマー製造を行なった。 各種測定結果を第2表に示した。 また、実施例9のIRチャート図を第6図に示した。 〔発明の効果〕 本発明の芳香族ポリエステルは優れた耐熱性を有し、
かつ溶融相で液晶性を示すので流動性にすぐれ、そのた
め成形性にすぐれるという特徴を有する。又、力学的特
性としては弾性率が高く、耐衝撃性にも非常にすぐれて
いる。 また、本発明の芳香族ポリエステルは350℃以下の温
度で成形できるという特徴を有する。 以上の性状に基づいて、本発明の芳香族ポリエステル
は射出成形体、フィルム、繊維等の用途に利用される。 また、本発明の全芳香族ポリエステルは、一般に330
℃以下の温度で溶融状態を示すことから、溶融重合法に
より製造した場合、反応後、加圧することにより、ある
いは自重により、生成ポリマーを反応容器から容易に取
り出すことができる操作上の利点を有するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例1において得られたポリマーのIRチャ
ート図である。 第2図は、実施例2のバイブロンチャート図である。図
中、1はE′、2はE″、3はtan αを示す。 第3図は、実施例3において得られたポリマーのIRチャ
ート図である。 第4図は、実施例8のバイブロンチャート図である。図
中、1はE′、2はE″、3はtan αを示す。 第5図は、実施例8において得られたポリマーのIRチャ
ート図である。 第6図は、実施例9において得られたポリマーのIRチャ
ート図である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ) 1〜35当量%の式(1)で示され
    る2,2−(3,4′−ジヒドロキシジフェニル)プロパン残
    (ロ) 0〜35当量%の式(2)で示される4,4′−ジ
    ヒドロキシジフェニル残基 (ハ) 0〜35当量%の式(3)で示されるハイドロキ
    ノン残基 (ニ) 5〜45当量%の式(4)で示されるテレフタル
    酸残基および/又はイソフタル酸残基 (ホ) 15〜90当量%の式(5)で示されるオキシカル
    ボン酸残基 からなる芳香族ポリエステルで、(1)、(2)、
    (3)、(4)の当量数を〔1〕、〔2〕、〔3〕、
    〔4〕で表わすと 0.9(〔1〕+〔2〕+〔3〕)〔4〕1.1であ
    り、320℃、100sec -1での溶融粘度が30ポイズ以上の芳
    香族ポリエステル。
  2. 【請求項2】出発原料として、 (へ) 1〜35モル%の式(8)で表わされる2,2−
    (3,4′−ジヒドロキシジフェニル)プロパン (ト) 0〜35モル%の式(9)で表わされる4,4′−
    ジヒドロキシジフェニル (チ) 0〜35モル%の式(10)で表わされるハイドロ
    キノン (リ) 5〜45モル%の式(11)で表わされるテレフタ
    ル酸および/又はイソフタル酸 (ヌ) 15〜90モル%の式(12)で表わされるオキシカ
    ルボン酸 またはこれらの誘導体を使用し、系中で酸無水物を添加
    して反応させ、100〜400℃の温度において酸及び酸無水
    物を留去しつつ反応させることを特徴とする全芳香族ポ
    リエステルの製造方法。
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