JPH0791374B2 - 共重合ポリエステル - Google Patents

共重合ポリエステル

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JPH0791374B2
JPH0791374B2 JP63094847A JP9484788A JPH0791374B2 JP H0791374 B2 JPH0791374 B2 JP H0791374B2 JP 63094847 A JP63094847 A JP 63094847A JP 9484788 A JP9484788 A JP 9484788A JP H0791374 B2 JPH0791374 B2 JP H0791374B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高弾性率、高強度、高伸度であり、かつ耐熱性
にすぐれる新規な共重合ポリエステルに関するものであ
る。
また、成形時にサーモトロピックな液晶を形成するので
成形性にもすぐれ、成形材料、フィルム、繊維等の製品
として利用し得る共重合ポリエステルに関するものであ
る。
〔従来の技術〕
近年、繊維、フィルムまたは成形品の何れかを問わず、
剛性、強度、伸度、耐熱性の優れた素材に対する要望が
高まっている。ポリエステルは、一般成形品の用途を広
く認められるに到っているが、多くのポリエステルは曲
げ弾性率、曲げ強度が劣るため、高弾性率、高強度を要
求される用途には適していなかった。
高弾性率、高強度が要求される用途に適しているポリエ
ステルとして近年では液晶性ポリエステルが注目される
ようになった。特に注目を集めるようになったのは、ジ
ャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス・ポリマー・ケ
ミストリー・エディション14巻(1976年)2043頁および
特公昭56−18016号公報にW.J.ジャクソンがポリエチレ
ンテレフタレートとアセトキシ安息香酸とからなる熱液
晶高分子を発表してからである。この中でジャクソン
は、この液晶高分子がポリエチレンテレフタレートの5
倍以上の剛性、4倍以上の強度、25倍以上の衝撃強度を
発揮することを報告し、高機能性樹脂への新しい可能性
を示した。
しかしながら、このジャクソンらによるポリマーは非常
にもろく、強度、伸度が低いという欠点があった。
そこで我々は先に、このジャクソンらのポリマーの極限
(破断)伸度を改良した共重合ポリエステルを提案し
た。(特開昭60−186527) しかし、この改良された共重合ポリエステルも今一歩極
限(破断)伸度が低く、強度が低いという問題点があっ
た。
さらに我々は不溶・不融粒子の生成を抑えた共重合ポリ
エステルを見出した。(特開昭62−41221) しかしながら、このポリエステルは耐熱性において劣る
場合があり、エンジニアリングプラスチックには不適当
である場合があった。
又、USP 4,035,356には耐摩耗性を改良するポリエステ
ルが開示されているが、このポリエステルも後で述べる
ように の連鎖が生成しやすいものであった。そのため不溶・不
融粒子ができやすく、従って得られるポリマーの破断伸
度が低下し、もろくなる傾向にあった。
〔発明の目的と問題点を解決するための手段〕
そこで高弾性率、高強度、高破断伸度でかつ耐熱性を高
めたポリエステルについて鋭意検討した結果、高弾性
率、高強度、高破断伸度でかつ耐熱性の改善されたポリ
マーを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明の要旨は、 次式(A)で表わされるテレフタル酸残基:10〜40当量
%、 次式(B)で表わされるエチレングリコール残基:5〜15
当量%、 −OCH2CH2O− (B) 次式(C)で表わされるハイドロキノン残基:15〜35当
量%、 次式(D)で表わされるジカルボン酸残基:5〜20当量
%、 (式中R1は1,4−フェニル基を除く2価の芳香族炭化水
素基又は、R2−X−R3基を示す。但し、R2及びR3は2価
の芳香族炭化水素基であり、Xは酸素原子、硫黄原子、
スルホニル基、カルボニル基、炭化水素基、エステル基
又は直接結合を示す。) 次式(E)で表わされるオキシ安息香酸残基:15〜35当
量%、 次式(F)で表わされるオキシエトキシ安息香酸残基:4
当量%以上、 からなる共重合ポリエステルであり、各成分の当量数を
それぞれ〔A〕、〔B〕、〔C〕、〔D〕、〔E〕、
〔F〕で表わすと(ただし〔B〕、〔E〕としては
〔F〕の分は含めないものとする) かつ かつ であり、290℃、100sec-1での溶融粘度が30ポイズ以上
である共重合ポリエステルに存する。これらの共重合ポ
リエステルは、特定の溶融相において光学的異方性を示
すという特徴を有する。
本発明を詳細に説明するに、本発明共重合ポリエステル
の特徴は、高剛性、高強度でかつ破断伸度が高く、更に
すぐれた耐熱性をもつことである。
また、本発明の共重合ポリエステルは液晶性を示すこと
から流動性にもすぐれている。
本発明の共重合ポリエステルは前述の(A)、(B)、
(C)、(D)、(E)、(F)成分からなり、各成分
の組成は、(A)が10〜40当量%、好ましくは15〜40当
量%、(B)が5〜15当量%、(C)が15〜35当量%、
好ましくは18〜30当量%、(D)が5〜20当量%、
(E)が15〜35当量%、(F)が4当量%以上である。
更に、各成分の当量数〔A〕、〔B〕、〔C〕、
〔D〕、〔E〕及び〔F〕は、下記に示す式(1)、
(2)、(3)を満足するものである。すなわち、本発
明の第1の特徴は、 を満たすことである。上式(1)を満たすことにより強
度、伸度の向上を図ることができる。
であると、(E)の成分が多いので(E)の連鎖が増大
し、それが結晶を形成すると思われ、その結晶部分と他
の非晶部分との界面のボイドが増大するので、強度、伸
度が低下すると推定される。
すなわち、 にすることにより結晶形成が抑制され、その結果ボイド
の減少等により強度、伸度が向上するものと思われる。
さらにこの規定は、 が好ましく、さらに が好ましい。
第2の特徴は、 を満たすことである。
好ましくは、 更に好ましくは、 である。
(F)成分が上式(2)を満たさない場合、すなわち全
体の成分に対して無視できる程度の場合は、特開昭62−
41221でも示されているように極限(破断)伸度が非常
に低くなる。
(F)成分が上式(2)を満たす場合、すなわち全体の
成分に対して4当量%以上の場合は、強度、伸度ともに
向上する。これは、(F)成分が可撓性を付与する役割
を有するため、伸度向上に著しい効果をもたらすものと
推定される。
第3の特徴は、 を満たすことである。好ましくは、 であり、更に好ましくは、 である。
の時は、この種のポリエステルの耐熱性は低くエンジニ
アリングプラスチックとして使用するには好ましくな
い。
を満たすことにより耐熱性は向上し、エンジニアリング
プラスチックとして使用するに好ましいものとなる。
すなわち、高強度、高破断伸度、高耐熱にするためには
以上(1)、(2)、(3)のすべての条件を満たす必
要がある。
さらに高分子量のポリマーを得るためには、次式 0.9(〔A〕+〔D〕)/(〔B〕+〔C〕)1.1 (4) を満たすのが好ましい。
本発明の共重合ポリエステルは、上記(A)〜(F)の
構成成分からなる。
(D)の構成成分は (式中R1は1,4−フェニル基を除く2価の芳香族炭化水
素基又は R2−X−R3基を示す。
但しR2及びR3は2価の芳香族炭化水素基であり、Xは酸
素原子、硫黄原子、スルホニル基、カルボニル基、炭化
水素基、エステル基又は直接結合を示す。) で表わされるジカルボン酸成分である。
上記式中のXの炭化水素基としては、アルキレン基また
はアルキリデン基が好ましく挙げられる。
(D)式で示される芳香族ジカルボン酸残基の具体例と
しては、例えば、イソフタル酸、ナフタリン−2,6−ジ
カルボン酸、ナフタリン−1,5−ジカルボン酸、ジフェ
ニル−4,4′−ジカルボン酸、ジフェニル−3,3′−ジカ
ルボン酸、メチルテレフタル酸、メチルイソフタル酸、
ジフェニルエーテル−4,4′−ジカルボン酸、ジフェニ
ルチオエーテル−4,4′−ジカルボン酸、ジフェニルス
ルホン−4,4′−ジカルボン酸、ジフェニルケトン−4,
4′−ジカルボン酸、2,2−ジフェニルプロパン−4,4′
−ジカルボン酸、テレフタル酸ジフェニル酸ジフェニ
ル、ジフェニルケトン−3,4′−ジカルボン酸のような
芳香族ジカルボン酸の残基が挙げられるが必ずしもこれ
らに限定されるものではない。またこれらは2種以上を
混合して使用してもよい。
このうち、イソフタル酸、ジフェニル−3,3′−ジカル
ボン酸、ジフェニルエーテル−4,4′−ジカルボン酸、
ナフタリン−2,6−ジカルボン酸が特に好ましい。
これらの構成成分を含有することにより、驚くべきこと
に、本発明で得られるポリマーは溶融相において光学的
に異方性を示し(液晶性を示し)、そのため成形性にす
ぐれている。また、該ポリマーは効率よい共重合体とな
っているため、ポイドが減少して強度や伸度が向上し、
更に弾性率も高く、耐熱性にもすぐれている。
例えばバイブロン(110Hz)で測定した40℃及び80℃に
おける複素弾性率|E*|をそれぞれ|E*40、|E*80
とすると、 でかつ |E*407.0×1010dyne/cm2 |E*805.0×1010dyne/cm2 という特徴を有する。
組成を選べば、 |E*40|E*8010.0×1010dyne/cm2 ともなりうる。
またレオロジー的には溶融粘度が低く、成形性は非常に
良好である。
本発明の共重合ポリエステルは各種製造法によって製造
されうる。例えば溶融重合法、溶液重合法、界面重合法
等がありうるが、プロセスの簡便さの点から溶融重合法
が好ましい。
溶融重合法においても各種の方法で製造することが可能
であるが、特開昭62−41220および特願昭62−28697に記
載した方法に準じて製造することが可能である。
すなわち、本発明の共重合ポリエステルはポリエステル
またはオリゴエステルとオキシカルボン酸とを反応させ
共重合オリゴマーとし(第一段階)、アシル化(第二段
階)、脱酢酸による重合(第三段階)より製造される
が、芳香族ジオール又は芳香族ジオールと芳香族ジカル
ボン酸は第二段階終了までに加えられる。また必要に応
じ、オキシカルボン酸を加えてもかまわない。
製造法をさらに詳細に説明するに、上述のポリエステル
またはオリゴエステルとしてはポリエチレンテレフタレ
ートまたはオリゴエチレンテレフタレートを用いる。特
にオリゴエチレンテレフタレートが好ましい。
オキシカルボン酸としてはp−ヒドロキシ安息香酸を用
いる。
反応方法としては、原料ポリエチレンテレフタレート又
はオリゴエチレンテレフタレートとp−ヒドロキシ安息
香酸を接触させて常圧下200〜320℃で加熱して共重合オ
リゴマーを形成させる第一段階、アシル化剤を加えてア
シル化を行なう第二段階、さらに減圧下250〜340℃で重
合させる第三段階よりなる。この場合、第2段階におけ
るアシル化剤としては無水酢酸を用いるのが好ましい。
ハイドロキノン、および/又は一部のテレフタル酸、 および/又は一部のp−ヒドロキシ安息香酸は第二段階
終了までに添加しておく、特に第一段階終了時に添加す
るのが好ましいが最初から加えておいても何ら差支えな
い。
第1の反応は220〜300℃の範囲ならどの温度でもよい
が、特に240℃〜290℃が好ましく、反応は20分〜5時間
の範囲で行なわれる。
反応はオキシカルボン酸化合物の残存量が仕込量に対
し、通常70モル%以下、好ましくは50モル%以下となる
まで行なわれる。
この反応中に(F)の成分が生成される。
第2段階のアシル化剤の量が、第2段階終了までに添加
される原料のうち、(C)、(D)、(E)成分を構成
する当量数と同当量〜1.5倍当量程度使用するのが好ま
しい。
アシル化剤として無水酢酸を用いる場合はアシル化反応
は100〜180℃で行なうのが好ましい。
第3段階の重合は250〜340℃で重合させるが、特に270
〜320℃で行なうのが好ましい。又、760mmHgから1mmHg
まで徐々に減圧にする場合に要する時間は30分以上、好
ましくは60分以上の時間で実施され、特に30mmHgから1m
mHgまでの減圧を徐々に行うことが重要である。
また第一段階〜第三段階において無触媒でも可能である
が必要に応じ触媒の存在下で実施される。
第一段階、第二段階および第三段階で使用される触媒と
してはエステル交換触媒、重縮合触媒、アシル化触媒、
脱カルボン酸触媒が使用され、これらは混合して使用し
てもかまわない。その使用量はポリマーに対して5〜5
0,000ppm好ましくは50〜5000ppmである。
最終生成物の溶融粘度は290℃、102sec-1で測定した値
が30ポイズ以上、好ましくは50ポイズ以上5000ポイズ以
下、更に好ましくは100ポイズ以上2000ポイズ以下であ
る。
本発明の共重合ポリエステルは溶融相において光学的に
異方相を示しうるので流動性が非常に良く、そのため成
形性が良好で押出成形、射出成形、圧縮成形等の一般的
な溶融成形を行なうことが可能であり、成形品、フィル
ム、繊維等に加工することができる。
特に高流動であることにより精密成形品等に適してい
る。
又、成形時に本発明の共重合ポリエステルに対し、ガラ
ス繊維、炭素繊維等の繊維類、タルク、マイカ、炭酸カ
ルシウム等のフィラー類、核剤、顔料、酸化防止剤、滑
剤、その他安定剤、難燃剤等の充てん剤や添加剤、熱可
塑性樹脂等を添加して成形品に所望の特性を付与するこ
とも可能である。
又、他のポリマーとのブレンドやアロイ化によって他の
ポリマーの特徴と本発明の共重合ポリエステルの両方の
長所を合わせもつ組成物を創出することも可能である。
〔実施例〕
次に本発明を実施例について更に詳細に説明するが、本
発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定され
るものではない。
なお、実施例中の溶融粘度の測定には、キャピラリーレ
オメーター(インテスコ社製)を用い。温度290℃、剪
断速度(γ)100sec-1、シリンダーノズルの長さ/直径
=30を使用した。
赤外分光光度計はNicolet社製の20DXBFT−IRを使用し
た。ポリマーをヘキサフルオロイソプロパノールに溶解
させるか、又はKBrディスクにてテストサンプルとし
た。
NMRは日本電子製のJNM−GX270を使用した。ポリマーを
トリフルオロ酢酸又はヘキサフルオロイソプロパノール
等に溶融させることによりテストサンプルとした。
成形は日本製鋼社製0.1OZ射出成形機を用いて行い、成
形片を作成した。
バイブロンは東洋ボールドウィン社製のレオバイブロン
を用い上の成形片を110Hz下で使用した。
引張特性(引張弾性率、引張強度、破断伸度)は東洋ボ
ールドウィン社製TENSILON/UTM−IIILを用いて測定し
た。また、耐熱性の尺度であるTg(ガラス転移温度)は
バイブロンのE″より求めた。
さらに、バイブロンの40℃、及び80℃の弾性率をそれぞ
れ|E*40、|E*80とし、|E*80/|E*40、及び|
E*80の値をもって耐熱性の尺度とした。
光学異方性(液晶性)は、ホットステージ付き偏光顕微
鏡を用いて観察した。
実施例1 攪拌翼、窒素導入口、減圧口を備えたガラス重合管にp
−ヒドロキシ安息香酸44.2(0.32モル)、ポリエチレン
テレフタレートオリゴマー(ηinh=0.12dl/g)30.7g
(0.16モル)、を仕込み、減圧−窒素置換を3回繰り返
し、最後に窒素を満たし、0.5l/minの流量の窒素気流下
におく。重合管を270℃のオイルバスに浸漬すると30分
程で内容物が溶融するので、攪拌を開始し、そのまま2
時間エステル交換を行ない共重合オリゴマーを作る。
その後140℃まで30分程で降温し、ハイドロキノンを24.
3g(0.22モル)、イソフタル酸17.7g(0.106モル)とテ
レフタル酸8.9g(0.054モル)を添加し、次に無水酢酸9
7.1g(0.95モル)を30分かけて滴下し、そのままさらに
1時間攪拌を続けアシル化を行なう。その後オイルバス
の温度を290℃まで2時間かけて昇温し、酢酸亜鉛二水
和物0.068gを加え、徐々に減圧を適用する。そして0.3m
mHgの高真空になってから1時間30分重合を行なう。生
成物はガラス重合管を割って取り出しチップ化した後13
0℃で一晩真空乾燥する。得られたポリマーは乳白色不
透明であった。原料のp−ヒドロキシ安息香酸、PETオ
リゴマーおよびハイドロキノンの反応率はほぼ100%で
あった。
このポリマーを日本電子製270MHz NMR(JNM−GX−270)
を用い、トリフルオロ酢酸を溶媒として用いて分析を行
なったところ4.92ppmに ユニットメチレンプロトンおよび のβメチレンのプロトン、4.54ppmに のαメチレンのプロトン、7.40ppmに ユニットのベンゼン環のα−ブロトンおよび のベンゼン環のプロトンの吸収、8.42ppmに ユニットのベンゼン環のβ−プロトン、8.22ppmに ユニットのベンゼン環のプトロンの吸収があり、9.2ppm
ユニットの*のプロトンの吸収があった。
また、このポリマーを日本電子NMR(JNM−GX−270)FT
−NMR SPECTROMETERを用いてトリフルオロ酢酸を溶媒と
して13C−NMRを測定したところ、151.0ppmに の*炭素の吸収がみられた。
それらを定量した結果(A)、(C)、(D)について
は仕込組成と良い一致を示し、ヒドロキシ安息香酸の仕
込については仕込量と(E)+(F)が良い一致を示
し、ポリエチレンテレフタレートオリゴマー中のエチレ
ングリコール成分の仕込量と(B)+(F)が良い一致
を示した。
その結果、 テレフタル酸残基(A) 22.1当量% エチレングリコール残基(B) 10.9当量% ハイドロキノン残基(C) 22.8 〃 イソフタル酸残基(D) 11.0 〃 オキシ安息香酸残基(E) 27.5 〃 オキシエトキシ安息香酸残基(F) 5.6 〃 であった。
すなわち、 であった。
このものの引張特性は、 引張弾性率 68,000kg/cm2 引張強度 1,730kg/cm2 破断伸度 5.1% Tg 109℃ であった。
また、|E*40=12.3GPa、|E*80=10.3GPaであり、
290℃、100sec-1での溶融粘度は820ポイズであった。ま
た、290℃において光学異方性を示した。
実施例2〜8 各成分の組成や(D)の種類を第1表のようにかえた以
外は実施例1と同様に重合を行なった。各組成と物性値
は第1表に示した。これらの結果より、前述の式
(1)、(2)、(3)を満たすものは、引張特性(弾
性率、強度、破断伸度)がすぐれ、かつTgがいずれも90
℃を超えるという良好な物性を持つものが得られること
がわかった。
比較例1〜8 各成分の組成を第2表のようにかえた以外は、実施例1
と同様にポリマーを製造した。各種物性の測定結果を第
2表に示した。前述の式(1)、(2)、(3)のうち
1つでも満たさない場合には、引張強度、破断伸度等の
引張特性の低下、或いはTgの低下(90℃以下)といった
傾向が見られた。
〔発明の効果〕 本発明の共重合ポリエステルは溶融成形時に、液晶性を
示すため流動性にすぐれ、そのため成形性にすぐれ、か
つ高弾性率を示すポリマーである。そのうえ強度、伸度
にすぐれるため、ねばり強いポリマーであるため、アロ
イ材としたりガラス繊維や炭素繊維とのブレンドして使
用することもできる。更に耐熱性にもすぐれている。
従って、成形材料、フィルム、繊維として製品化でき、
特に精密成形材料として非常に有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次式(A)で表わされるテレフタル酸残
    基:10〜40当量% 次式(B)で表わされるエチレングリコール残基:5〜15
    当量%、 −OCH2CH2O− (B) 次式(C)で表わされるハイドロキノン残基:15〜35当
    量%、 次式(D)で表わされるジカルボン酸残基:5〜20当量
    %、 (式中R1は1,4−フェニル基を除く2価の芳香族炭化水
    素基又は、R2−X−R3基を示す。但し、R2及びR3は2価
    の芳香族炭化水素基であり、Xは酸素原子、硫黄原子、
    スルホニル基、カルボニル基、炭化水素基、エステル基
    又は直接結合を示す。) 次式(E)で表わされるオキシ安息香酸残基:15〜35当
    量%、 次式(F)で表わされるオキシエトキシ安息香酸残基:4
    当量%以上、 からなる共重合ポリエステルであり、 各成分の当量数をそれぞれ〔A〕、〔B〕、〔C〕、
    〔D〕、〔E〕、〔F〕で表わすと(ただし〔B〕、
    〔E〕としては〔F〕の分は含めないものとする)、 かつ、 かつ、 であり、290℃、100sec-1での溶融粘度が30ポイズ以上
    である共重合ポリエステル。
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