JPS6316160B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は一般家庭において使用するセンサー機
能を有する洗濯機に関するものである。

従来例の構成とその問題点 従来、洗濯機の洗濯，すすぎ工程の時間及び回
数はタイマープログラムによつて決つており、衣
類の汚れ程度及び、量に応じて使用者が経験と勘
によつて洗濯時間及びすすぎ回数を設定してい
た。その為、設定時間の間違い、或いは使い勝手
が悪いという問題があつた。そこで、センサーを
設けて、洗濯する衣類の汚れ程度及び量に応じ
て、洗濯時間、すすぎ回数を制御する方式が考え
られている。

このセンサーは、洗濯液及びすすぎ液の光の透
過率の変化を検出して、洗濯時間及びすすぎ回数
を決める方式のものであるが、洗剤による泡が検
出部に流れ込むと、液の透過率を正確に検出でき
ず、誤つた判断をしてしまうことになるという問
題点があつた。

発明の目的 本発明の目的は、洗濯液及びすすぎ液の光の透
過率を検出して洗濯時間及びすすぎ回数を決める
センサー機能を有する洗濯機において、センサー
部へ洗剤による泡が流入して検出誤動作を起こさ
ないように、センサー部への泡の流入を防止し、
洗濯液及びすすぎ液の正確な光の透過率を検出す
ることができる洗濯機を提供するものである。

発明の構成 本発明の洗濯機は、パルセーターを内蔵する洗
濯兼脱水槽と、外槽と、外槽底面の排水口に連ら
なる排水経路に設けた排水コツクと、排水経路に
設けた発光素子及び受光素子より成るセンサー部
とを有し、前記排水口上部の外槽内壁面に洗濯兼
脱水槽底面近くの高さに位置して泡阻止体を突設
し、洗濯及びすすぎ工程中のパルセーターの回転
により洗濯兼脱水槽及び外槽内に多量に発生する
泡を泡阻止体によりセンサー部へ流入することを
防止するものである。

実施例の説明 以下添付図面に基づいて本発明の一実施例につ
いて説明する。第１図，第２図において、１は洗
濯機本体、２は外槽、３は壁面に多数の穴４を有
する洗濯兼脱水槽、５は洗濯兼脱水槽３内の衣類
を撹拌する為の正逆回転するパルセーター、６は
ブレーキ・クラツチ機構を内蔵するメカケース、
７は前記洗濯兼脱水槽３を固定した脱水軸であ
る。８はパルセーター５を正逆回転させるととも
に、洗濯兼脱水槽３を脱水回転させるモータであ
る。９は外槽２を洗濯機本体１に懸垂支持してい
る防振機構、１０は外槽２底面の排水口１３と連
らなる排水経路１４に設けられた排水コツク、１
１は外槽２内壁面でかつ排水口１３の上部に位置
する所に設けてある凸状のリブ等からなる泡阻止
体である。泡阻止体１１は外槽２の内壁に内方に
向けて突設されており、その高さは５〜15mmで、
取付け位置は洗濯兼脱水槽３の底面近くの高さで
ある。また泡阻止体１１の巾は、排水口１３の径
が30mmの場合、約100mm程度が適当である。１２
は排水経路１４の一部に、発光素子及び受光素子
を対峙して設けたセンサー部である。前記排水経
路１４は、それ自体が透光性材料から構成されて
いてもよく、またセンサー部１２部分のみを透光
性にした構成としてもよい。

上記構成において動作について以下に説明す
る。洗濯及びすすぎ工程時は、パルセーター５が
正逆回転し洗濯兼脱水槽３内の衣類を撹拌する。
洗濯時には衣類から脱落した汚れにより洗濯液は
徐々に濁度が増し、光の透過率は減少する。本実
施例の洗濯機では、この透過率の変化をセンサー
部１２で検出してこれが一定の透過率になれば洗
浄終了を検知する。すすぎ時においても、すすぎ
液の濁度の大きさを検出して、必要なすすぎ回数
を設定するものである。

洗濯液及びすすぎ液には洗剤成分が含まれてお
り、洗濯兼脱水槽３及び外槽２に多量の泡が発生
する。この泡が洗濯及びすすぎ工程時にセンサー
部１２部分に入り込むと光を遮ぎるため、洗濯液
及びすすぎ液の光の透過率を正確には検出できな
くなる。第３図は洗濯工程における洗濯液の光の
透過率の変化を示しており、センサー部１２部分
へ烹が流入しない場合はａ曲線のように安定した
変化となり、泡が流入するとｂ曲線のように不安
定な変化となる。

洗濯時及びすすぎ時における泡の流れは次に示
すとおりである。パルセーター５が正逆回転する
と渦巻き水流を発生し、洗濯兼脱水槽３内の水は
壁面に設けた穴４より外槽２に流出する。この
時、発生した泡も一緒に流出する。外槽２に流出
した泡は、外槽２と洗濯兼脱水槽３との間を上部
から外槽底部に向かつて気泡となつて水と共に流
れる。そして第２図に示すように、洗濯兼脱水槽
３の底面近くでは洗濯兼脱水槽３の底面に沿つて
流れる流れと、そのまま外槽２底部に流れる流れ
とが生じる。洗濯兼脱水槽３の底面に沿つて流れ
る流れは、そのままパルセーター５によつて洗濯
兼脱水槽３内に吸い上げられる。一方外槽２底部
に流れる流れは、外槽２の底部外周からパルセー
ター５の位置する中央に向かつて流れ、パルセー
ター５によつて吸い上げられ洗濯兼脱水槽３内に
流入する。しかし排水口１３が外槽２の底面に設
けてある為、前記外槽２底部に向かつて流れる流
れの一部はそのまま排水口１３に流れ込み、セン
サー部１２による透過率の検出を不安定なものと
してしまう。ところが実施例のように、外槽内壁
面に洗濯兼脱水槽３の底面近くの高さに位置して
泡阻止体１１を突設することにより、この部分に
おいて、外槽底部に流れる流れが弱まり、排水口
１３への泡の流入が阻止されセンサー部１２へ泡
が流入しなくなる。よつて洗濯液及びすすぎ液の
光の透過率を安定的に正確に検出できるものであ
る。

第４図は本発明の他の実施例で、泡阻止体１１
を２段に設けたものである。この実施例では、１
段の場合に比べて、外槽２の底部へ流れる流れを
２回さえぎつている為、泡阻止体１１の高さが低
いものであつてもセンサー部１２への泡の流入を
防止できる。

第５図は洗濯兼脱水槽３の底部の曲面形状に合
わせて、泡阻止体１１に傾斜を設けて外槽２に取
付けた実施例を示している。このようにすること
により、外槽上部よりの流れは、泡阻止体１１に
より方向を変えられセンサー部１２へは泡が流入
し難くなるものである。

なお上記各実施例では、泡阻止体１１を１段或
いは２段に設けるもの、或いは傾斜させて設ける
例を示したが、その数は３段以上であつても良
く、要は排水口上部の外槽２内壁面に洗濯兼脱水
槽３の底面近くの高さに位置して泡阻止体１１を
設ければ良いものである。

発明の効果 上記各実施例から明らかなように、本発明の洗
濯機は、排水口上部の外槽内壁面に洗濯兼脱水槽
の底面近くの高さに位置して泡阻止体を突設した
簡単な構成により、洗濯及びすすぎ工程中に泡が
センサー部へ流入することを防止して、洗濯液及
びすすぎ液の光の透過率（濁度）を正確に検出
し、洗浄検知及びすすぎ検知の信頼性を向上する
ことができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す全自動洗濯機
の縦断面図、第２図は同全自動洗濯機の要部の拡
大断面図、第３図は洗濯工程時のセンサー部にお
ける洗濯液の光の透過率の時間的変化を示した透
過率変化図、第４図，第５図はそれぞれ本発明の
他の実施例を示す要部の拡大断面図である。 ２…外槽、３…洗濯兼脱水槽、５…パルセータ
ー、１０…排水コツク、１１…泡阻止体、１２…
センサー部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ パルセーターを内蔵する洗濯兼脱水槽と、洗
   濯機本体に防振機構で懸垂支持された外槽と、外
   槽底面の排水口に連らなる排水経路に設けた排水
   コツクと、排水経路に設けた発光素子及び受光素
   子より成るセンサー部とを有し、前記排水口上部
   の外槽内壁面に洗濯兼脱水槽底面近くの高さに位
   置して泡阻止体を突設した洗濯機。 ２ 泡阻止体を複数段設けた特許請求の範囲第１
   項記載の洗濯機。 ３ 泡阻止体を洗濯兼脱水槽の底部角の曲面形状
   に合わせて傾斜させた特許請求の範囲第１項記載
   の洗濯機。