JPS603823Y2 - 脱水洗濯機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は同一槽で洗濯と脱水を行なう脱水洗濯機に関す
るもので、衣類に付着した異物が内槽外へ飛び出すのを
防止すると共に、洗濯、あるいは溢水すすぎ時において
水の飛散による外槽外への溢水を防止することを目的と
するものである。

従来、使用者が気づかずに衣類に異物、例えばヘアーピ
ン、マツチの軸等が付着した状態で洗濯を行なうと、こ
の異物が内槽に設けられた脱水用の小穴から外槽内に飛
び出すことがあり、この場合、内槽と外槽の間に異物が
挾持され、内槽の回転中に異状台を発生したり、排水口
に引掛り、さらにその異物に糸屑が付着し、排水口を塞
いだり、排水弁に引掛り水洩れを生じたりするなどの不
都合が発生するものであった。

一方、これを防止するため、内槽に設ける脱水用の小穴
を異物が通らない程度の小径に形成すると、洗濯中にパ
ルセータ−のポンプ作用で外槽内の水を内槽内に押し上
げた時に、前記小穴が小さいため内槽内の水位が上昇し
、特に溢水すすぎ時には給水された水が内槽から外槽に
十分流出されず、水位が異常に上昇し、内槽内に不規制
な水流を生じ、この水流によって外槽外に溢水するなど
の不都合が生じる欠点があった。

本考案は上記従来の欠点に鑑みてなされたもので、以下
本考案の一実施例を添付図面を参照して説明する。

第１図において、１は外筐体、２はサスペンションロッ
ド３を介して外筐体１に懸架された外槽で、上部に溢水
口４を有し、底部に排水弁５と接続する排水口６を有し
、さらに最上部には衣類の飛び出しを防止するカバー７
を取付けている。

８は外槽２内に回転自在に装備した内槽で、上部には脱
水回転時のアンバランスを是正するバランサー９を取付
けている。

１０は内槽８の側壁に形成した外側方向に突出する凹状
溝で、所定の間隔を置いて垂直方向に複数個形威してあ
り、この凹状溝１０には多数の極小穴１１が穿設しであ
るとともに、最上部のバランサー９の下端部近傍に位置
する部分には極小穴１１より十分に大きい小穴１２が設
けられている。

１３は内槽８の内底部中央に回転自在に装備したパルセ
ータ−１１４は給水弁、１５はモーターである。

第２図は小穴１２の形成位置の詳細を示すもので、その
中心がバランサー９の下端付近に対応して設けられてお
り、かつ、バランサー９の下部側面で小穴１２の上方部
が若干覆われているので、内槽８内の異物が外へ流出し
難いようになっている。

普通内槽８内に入る異物としては衣類のポケット内のマ
ツチの軸やヘアーピン等であり、直径が３Ｔｒｒｆｎ位
であり、多数の極小穴１１はそれより小さな直径にしで
あるが、小穴１２は８〜１−の直径にすることができる
。

これは小穴１２の直径に対して異物が流出できるのはＡ
又はＢの大きさのものであり、十分に小さいこと更にこ
れらの異物は通常内槽８の底部付近又は衣類と共にパル
セータ−１３の水流により回転するが、通常衣類はバラ
ンサー９の内側に触れても内槽８とバランサー９で構成
される隅部は接触し難く、従って異物もこの小穴１２付
近に浮遊することは稀である為である。

このように異物が内槽８から流出し難いのみならず、内
錐８内と外槽２内との氷の循環は極小穴１１においては
その直径が小さく不十分であるのに対し、小穴１２にお
いてはその直径が大きく十分に行なわれる。

水のような液体は小穴を通過する際の抵抗が直径の２乗
に反比例し、特に直径２〜５ＴｒｒＩｎ位ではオリフィ
ス効果で更に流通抵抗が大となるのに対し、小穴１２は
バランサー９の下端部で若干影響されるものの溝１０が
あるのでほとんど影響されず、パルセータ−１３の回転
によるポンプ効果で外槽２内の水を内槽８内へ流入せし
めたり、渦巻等のために上昇する内槽８内の水位を外槽
内へ還元することにより安定する。

そして衣類の不規則な動きによりとびはねた水滴がカバ
ー７を乗り越え溢水する等の事故を防止できると共に内
槽８内と外槽２内の水の循環を良くするので洗滌やすす
ぎ効果が良くなる。

これらのことは給水しながらすすぎを行う溢水すすぎに
おいて特に顕著な効果あり、汚水を速やかに外槽２へ流
出させ溢水口３より排出せしめる。

以上の説明から明らかなように本考案によれば、内槽か
ら異物が流出するのを確実に防止することができ、異物
の流出による種々の事故を未然に防ぐことができること
ともに、内槽と外槽との間における水の循環を阻害する
こともなく、特に内槽内に給水しなから内槽内底部に配
したパルセータ−を攪拌動作させて溢水すすぎを行う構
成にあっては、前記内槽内での不規制な水流が生じず、
水の飛びばねや不必要な外槽外への溢水を防止でき、汚
水をすみやかに外槽内に排出し、これより溢水口を介し
機外に排出できるために、すすぎ効果が良好となる。

さらに、内槽とバランサーとの間の位置関係と、小穴の
位置を決めるだけで良＜、コストアップを招くことなく
、所期の目的を達威し得る等、実用上の価値はきわめて
大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例をを示す脱水洗濯機の断面図
、第２図は同要部の拡大断面図である。 ２・・・・・・外槽、４・・・・・・溢水口、５・・・
・・・排水弁、６・・・・・・排水口、８・・・・・・
内槽、９・・・・・・バランサー、１０・・・・・・凹
状溝、１１・・・・・・極小穴、１２・・・・・・小穴
、１３・・・・・・パルセータ−０

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）上部に直接外部に連通ずる溢水口を有すると共に
   、下部に排水口を有する外槽と、この外槽内に回転自在
   に装備した上部に円環状のバランサーを有する内槽と、
   この内槽の内底部に回転自在に装備したパルセータとを
   備え、前記内槽内に給水しなから内槽内底部に配したパ
   ルセータ−を攪拌動作させることで溢水すすぎが行なえ
   るように構威し、前記内槽の側壁に外側方向に突出する
   凹状溝を周方向にて所定の間隔を置き垂直方向に長くな
   るように複数個形威し、この凹状溝には多数の極小穴を
   穿設すると共に、前記バランサーの下端近傍部における
   内槽側壁に前記極小穴に比べ比較的大径の小穴を穿設し
   たことを特徴とする脱水洗濯機。
2. （２）小穴の中心をバランサーの下端近辺に対応させ前
   記小穴の上方部をバランサーの下部側面で覆ったことを
   特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項に記載の脱水
   洗濯機。