JPS5818875Y2 - 二槽式洗濯機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は樹脂等にて洗濯槽と脱水槽とを一体成形してな
る水槽を具備した二槽式洗濯機に関し、詳しくは、その
脱水側の排水機能の改良に係る。

従来、脱水籠内に被洗濯物を入れて脱水運転させた場合
、この運転時に小物の被洗濯物が、脱水槽内に落ちて、
脱水側排水口を詰まらせ、排水不能になるといったケー
スがあった。

そこで、脱水側排水口の近辺に被洗濯物等の異物がつま
らないように複数個の流れ防止用のリブなるものが設け
られていた。

しかし、従来のこの種構造によれば、被洗濯物が脱水側
排水口側に向けて流動することは防止できるが、流れ防
止用リブにかかった被洗濯物がせきとしての役目を生じ
て、排水性能が悪くなり、泡立ちした洗剤の泡で脱水能
が正常回転に達せず、脱水モータの温度上昇を招く原因
ともなっていた。

本考案は上記従来の欠点を解消すべくなされたもので、
以下、その一実施例を図面に従って説明する。

図において、１は外槽で、その上部には洗濯槽２及び脱
水槽３を一体に具備する樹脂製等の水槽４の上部が装着
され、さらに、その上部にタイムスイッチ等を収納する
パネルボックス５及び表示板６が装着されている。

外槽１底部にはサスペンション７を介して脱水モータ８
が弾性支持されており、このモータ８の回転力はブレー
キドラム９．脱水軸１０．カップリング１１を経て、脱
水槽３内に装設された複数個の水抜き孔１２を有する脱
水能１３に伝達される。

１４は脱水ハツチ、１５は脱水蓋を示す。

又、脱水槽３底部には脱水側排水口１６が設けられてい
る。

１７は緩衝ゴム取付面で、シール部材１８及び軸受１９
を有する逆皿状の緩衝ゴム２０が装着されている。

２１は洗濯槽２内底部に設けられ、メタルケース２２に
て回動自在に支承されたパルセータで、このメタルケー
ス２２下端には、インペラプーリー２３が回動自在に固
着されており、インペラプーリー２３の回転によりパル
セータ２１か゛回動する。

２４は外槽１底部より延設した受は座で、パツキン２５
を介して洗濯モータ２６が固着されている。

洗濯モータ２６の回転軸先端にはモータープーリー２７
が固着してあり、このモータープーリー２７とインペラ
プーリー２３との間にはベルト２８か゛張架されている
。

２９は洗濯槽２底部に位置する洗濯側排水口で、排水ホ
ース３０の一端が連通して固着されており、このホース
３０の他端はコック３１を経て外槽１の側壁に設けられ
た抜き穴３２を通過して機外に延出せしめている。

一方、脱水槽３底部は脱水側排水口１６に向ってなだら
かな下方への傾斜状態になっていると同時に洗濯槽２と
脱水槽３とをつなぐ隔壁部３３側の緩衝ゴム取付面１７
の側壁の一部より脱水槽３の内方に突出すべく凸部３４
が設けられ、この凸部３４の側壁と脱水槽３側壁との間
に溝部３５を有している。

詳しくは、前記凸部３４は脱水槽３の底面と緩衝ゴム取
付面１７との間の中間部分にその高さを設定する。

上記構成において、次にその作用効果を述べる。

まず、洗濯物が脱水ハツチ１４と脱水液１３の上端部と
の間から脱水槽３内底部に落下した場合、溝部３５は凸
部３４の存在によりその全体をふさがれるといったこと
がなく、脱水動作時脱水籠１３の水抜き孔１２から脱水
槽３内に流出した水は、すみやかに溝部３５を通り、脱
水側排出口１６から外部に排出で゛きる。

そして、このように排水性能に優れていることから、脱
水槽３内底部において排水の泡立ちが生じず、脱水液１
３が泡によって回転を阻止されるといったことが生じ難
く、脱水モータ８の異常温度上昇が生じるのを防止でき
る。

この泡の発生に関してさらに言及すれば、溝部３５は凸
部３４の存在により、溝部３５以外の部分に比して、排
水時の流速が大となり、脱水液、ひいては脱水時に生じ
た泡を排水口１６側に引き込む力が増大し、それだけ脱
水液１３の回転によって巻き上げられる泡の量が軽減さ
れ、良好な脱水運転が行える。

また、洗濯機に排水ポンプを付加し、このポンプの作動
によって、強制排水するものにおいては、脱水液１３下
端から脱水槽３底面に至る間の容積が大きいものほど良
く、この容積が少ない場合には、脱水液１３が泡を巻き
上げて起動不良を生じるケースが多い。

そこで、脱水槽３底面は、脱水モータ８の上面に近づけ
た構造になるわけであるが、これによれば、脱水モータ
８上面側に装着したブレーキ装置が、ブレーキ制動時に
その回動力によって、例えば左巻き方向にかなり強力に
ねじられるため、ブレーキ装置の一部が脱水槽３底面に
当たり、損傷を招くことがあった。

しかるに、上記構成によれば、凸部３４の形成によって
、上記ブレーキ装置のねじれを逃がす空間を形成するこ
とができ、これによって、脱水液１３下端から脱水槽３
底面に至る間の容積を大きく設定でき、排水ポンプ付の
洗濯機として好適な構造とし得る。

なお、脱水側排水口１６を隔壁部３３側に形成したのは
、洗濯槽２側の排水口２９との連絡、さらにはコック３
１との連絡をコンパクトに行わせるためである。

以上のように本考案の二槽式洗濯機は、脱水槽と洗濯槽
を一体に成形してなる水槽を具備し、前記脱水槽と洗濯
槽をつなぐ隔壁部側の脱水槽底部に脱水側排水口を設け
、前記脱水槽底部における緩衝材取付面よりも下方の部
分に脱水槽内方に突出して凸部を設けるとともにこの凸
部と脱水槽の前記隔壁部側側壁部分との間に溝部を形成
し、この溝部を、前記排水口側に向って徐々に下方に傾
斜させて構成したものであり、脱水時に生じた脱水液を
大きな流速をもって排水口側に案内排出でき、脱水時に
おける泡の排出がすみやかに威されて、この泡による脱
水運転時の過負荷化が防止できる。

また、脱水槽内に洗濯物が落下しても、上記溝部は全体
がふさがれ難く、上述と同様に脱水液の排出がすみやか
に威される。

また、脱水側排水口は、隔壁部側に近接して形成されて
おり、この排水口と洗濯槽側の排水経路との連絡、さら
には排水コックとの連絡等をコンパクトに行うことがで
きる等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例における二槽式洗濯機の縦断面
図、第２図はその脱水槽の平面形状を説明する上面図、
第３図は第２図Ａ−Ａ線断面図である。 ２・・・・・・洗濯槽、３・・・・・・脱水槽、４・・
・・・・水槽、１６・・・・・・脱水側排水口、１７・
・・・・・緩衝ゴム（緩衝材）取付面、３３・・・・・
・隔壁部、３４・・・・・・凸部、３５・・・・・・溝
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 脱水槽と洗濯槽を一体に成形してなる水槽を具備し、前
   記脱水槽と洗濯槽をつなぐ隔壁部側の脱水槽底部に脱水
   側排水口を設け、前記脱水槽底部における緩衝材取付面
   よりも下方の部分に脱水槽内方に突出して凸部を設ける
   とともにこの凸部と脱水槽の前記隔壁部側の側壁との間
   に溝部を形成し、この溝部を、前記排水口側に向って徐
   々に下方に傾斜させて構成してなる二槽式洗濯機。