JPS588228Y2 - ダツスイケンヨウセンタクキ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は回転槽を無孔状となした脱水兼用洗濯機に関す
る。

従来、脱水兼用洗濯機には大別して二つの形式があり、
その一つは水受槽内に周壁に多数の脱水孔を形成した回
転槽を設け、洗濯水を水受槽内に収容して回転槽内で洗
う所謂多孔バスケット方式であり、もう一つのものは、
回転槽を無孔状（上端部のみに放水孔を設けたものも含
む、以下本書において同じ）となしこの回転槽のみに洗
濯水を収容して洗いを行ない、排水、脱水時には回転槽
の高速回転に伴う遠心力によって回転槽の上端部分から
揚水排出する所謂無孔バスケット方式のものである。

この無孔バスケット方式それ自体は製品としての例は少
ないが特許、実用新案公報等によってすでに常識となっ
ている。

ところで、無孔バスケット方式のものが多孔バスケット
方式に比して優れていると考えられる点は、水を回転槽
のみに収容すればよいから節水に役立つと云う点にある
。

しかし無孔バスケット方式には次のような難点がある。

即ち、回転槽から揚水排出された水を受けるために外箱
内に仕切板を設けてその上部を水受室とせねばならず、
斯ようにすると、回転槽をその下方部分で弾性吊持する
ための吊棒が仕切板の下方空間のみに配置されることに
なり、その吊棒の長さが不足するから回転槽の防振性に
欠け、振動が外箱に伝わりやすくなる。

これに対して例えば実公昭４８−４００７２号公報に示
すように外箱内をこれの下方に仕切板を設けることによ
って深底の水受室となし、この水受室内で回転槽を、こ
れを回転自在に支持している取付板を介して吊棒により
吊持するようにしたものもある。

しかしこのものでは吊棒を十分長くすることができても
、吊棒部分に水がふりかかる等耐水性上の問題がある。

また無孔バスケット方式の場合、回転槽を高速回転させ
てから２０秒位で回転槽内のすべての水が水受室内に放
出されると云う事情にあり、これに加え、排水ホースの
倒し忘れも考慮すると水受室は回転槽の容積と同等以上
になければならない。

これを満たすとなると、吊棒を水受室仕切り用の仕切板
の下方に配置する方式のものでは、その分水受室が浅底
となるから外箱を極めて大形にしなければならなくなる
。

本考案は上記の事情に鑑みなされたもので、その目的は
、所謂無孔バスケット方式において、回転槽を内設する
水受槽を外箱内に固定配設し且つ水受槽の外側にて吊棒
を長く垂下させこれに回転槽を振動可能に吊持させる構
成となすことにより、吊棒の防振性に必要な長さを吊棒
等の水濡れの問題を解消しながら確保でき、更にほこの
場合、水受槽の四隅角部に吊棒垂下用の凹陥部を形成す
ることによって外箱の大形化を招かずに水受槽の容積を
極力大ならしめ得る脱水兼用洗濯機を提供するにある。

以下本考案の一実施例につき図面を参照して説明する。

１は略四角筒状に形成した外箱、２は外箱１に内設され
る略四角筒状の水受槽であり、この水受槽２の前記外箱
１における各角部と対向する四隅角部にはこれを内方へ
窪ませた形状の凹陥部２ａを該水受槽２の上下部間にわ
たり形成し、そして該水受槽２の開口周縁に沿って延設
したフランジ部２ｂを前記外箱１の上端周縁に掛止させ
、以って水受槽２を外側面が外箱１の各角部を除く内側
面に近接した略合致状に外箱１内に固定配置する。

これによって外箱１の各角部と凹陥部２ａとの間には上
下に延びる空所３が形成される。

４は洗い及び脱水兼用の円筒状の回転槽で、これを前記
水受槽２内にその内側面との間に所定の間隙Ａを確保す
るようにして回転可能に且つ揺動自在に配設する。

この回転槽４は詳細な図示を省略しているが、周知のも
のと同様な所謂無孔状のものであって、これのみに洗濯
水を収容し、そして排水。

脱水時には高速回転に伴う遠心力によって揚水し上端部
分から水受槽２内に排出し、更にここから図示しない排
気ホースを介して機外に排出するように作用するもので
ある。

５は前記回転槽４の外底部の略中央に直結した中空の駆
動軸で、その下端は前記水受槽２の底面壁略中央に形成
した径大な円形孔２Ｃ内を貫通して下方に突出している
。

６は前記水受槽２の円形孔２Ｃの開口を密封する密封部
材たるベローズで、外周縁部を円形孔２Ｃのリム部２ｄ
に締付リング７により圧嵌し、内周縁部を前記駆動軸５
に軸受け８を介して摺接させており、駆動軸５の揺動に
応じて略水平方向に伸縮する。

９は前記回転槽４の内底部に回転可能に配設した温水流
生成用の攪拌翼で、図示しないがこの攪拌翼９は前記駆
動軸５内を貫通して回転可能に支持された洗い軸を直結
している。

１０は後述するようにして前記外箱１に支持される支持
装置としてのハウジングで、それは前記駆動軸５の下方
部分を回転可能に挿通させて支持している。

また上記ハウジング１０は下部外側面から放射状に例え
ば四本のアーム１０ ａ （二本のみ図示）を一体に延
設しており、そのうち二本のアーム１０２間にはモータ
１１を固定配置している。

１２は前記ハウジング１０の下部に連結した駆動機構で
、これには従動側のプーリ１３を取り付け、前記モータ
１１には別の駆動側のプーリ１４を取り付け、両プーリ
１３，１４をベル）１２ａにより連結する。

上記駆動機構１２は図示しないがスプリングクラッチ機
構、遊星歯車装置等を設けていて、洗濯機の洗い及び脱
水運転に応じて前記モータ１１を前記駆動軸５及び洗い
軸に関し選択的に連結するようになっている。

１５は前記ハウジング１０の上面にねじ１６により固定
した支持板で、これには前記アーム１０ ａの先端部に
もボルト１７により固定されていて、全体として強固な
ものとなっている。

さて、１８は前記外箱１上端の四隅部に固着した受は片
であり、前記支持板１５にはこの受は片１８に対応させ
て略逆り字状の支持片１９の水平辺下面には下方及び上
方に窪む半球面状の摺接面１８ａ、１９ａを夫々形成す
る。

而して弾性支持機構の吊り棒２０の上端を前記受は片１
８に貫通させ、その突出上端部には摺接面１８ ａに衝
合する摺動体２１を挿入して抜脱防止用ナツト２２及び
ロック用ナツト２３を螺着し、以って上記吊り棒２０を
前記水受槽２の凹陥部２ａ内に揺動自在に垂下させる。

２４は前記支持片１９の摺接面１９ ａに衝合する支持
体であり、前記吊り棒２０の下端を前記支持片１９及び
支持体２４を共に貫通して下方に突出させる。

２５は前記吊り棒２０の下方部に遊挿した圧縮スプリン
グで、これの上端を前記支持体２４に嵌着したばね受座
２６に保持させ、下端を前記吊り棒２０の下端に掛止さ
せた別のばね受座２７に保持させる。

２８は前記圧縮スプリング２５を囲繞するようにして前
記吊り棒２０の下方部に遊挿したゴム材製の管体で、そ
の上端内周面を前記上方のばね受座２６に締付リング２
９により圧嵌させ、下部内周面を前記下方のばね受座２
７の外周面に密嵌させ、以ってダンパー機構３０を構成
している。

上記構成のこの洗濯機は、洗い及び脱水運転中における
回転槽４の比較的小さな振動に対しては圧縮スプリング
２５の緩衝作用によりその振動を有効に緩衝し、また脱
水運転初期成いは終了時において被脱水物のアンバラン
スな分布に起因する回転軸４の振れ回わりを伴なう激し
い振動に対してはダンパー機構３０の圧縮スプリング２
５がその振動を有効に緩衝することは勿論、管体２８と
ばね受座２７との間に生ずる摺動抵抗によってその振動
を速やかに減衰させる。

以上のように構成したこの洗濯機によれば、回転槽４を
水受槽２内に配設し、そしてこの水受槽２を外箱１内に
配設してダンパー機構３０を含む吊棒２０を水受槽２の
外部に位置させているから、回転槽４からの揚水排出に
伴う吊棒２０及びダンパー機構３０の水濡れの問題を解
消できる。

一方、水受槽２の外箱１における各角部と対向する四隅
角部に内方へ窪む形状の凹陥部２ａをその上下部間にわ
たり形成し、これに吊棒２０を垂下位置するようになし
てその上端を外箱１の上部に支持しているから、吊棒２
０をこれによって良好な防振を得るのに必要な長さに、
何等水濡れの問題を誘発せずに確保できる。

そして上記のように、吊棒２０の垂下用の凹陥部２ａを
水受槽２の四隅角部のみに形威しその他の水受槽２の外
周面を外箱１の各角部を除く内側面に十分近接するよう
略合致せしめているので、水受槽２の内容積はこれを減
少させているのが凹陥部２ａだけとなり、外箱に略匹敵
した容積に確保できる。

従って回転槽４からその高速回転時に一気に放出される
水量或いは排水ホース倒し忘れ時における放出水量を一
時的に貯留するのに必要な容積を外箱１の大巾な大形化
を招かずに水受槽２に確保することができる。

また、このように水受槽２の容積拡大は制限された外箱
内での横方向寸法の拡大によってもたらされているから
、脱水時、水受槽２内の洗剤液位上昇も抑制でき、回転
槽４との接触による洗濯液の泡立ち現象及びこの泡立ち
による回転負荷増加現象等の抑制に対しても効果的とな
る。

本考案は以上述べたように、吊棒の防振性にとって必要
な長さを吊棒の水濡れ問題等を解消しながら確保でき、
且つ制限された外箱内で水受槽の容積を極力大ならしめ
得る脱水兼用洗濯機を提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本考案の一実施例を示すもので、第
１図は本考案に係る脱水兼用洗濯機の平面図、第２図は
第１図ＩＩ −ＩＩ線の矢印方向から見た縦断側面図、
第３図は要部の拡大縦断側面図である。 図面中、１は外箱、２は水受槽、２ａは凹陥部、４は回
転槽、６はベローズ、１０はハウジング、１２は駆動機
構、１５は支持板、１８は受は片、１９は支持片、２０
は吊り棒、２５は圧縮スプリングである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外箱と、この外箱内にこれの各角部を除いた内側面に略
   合致するように固定配設された水受槽と、この水受槽の
   前記外箱の各角部に対向する四隅角部を内方に窪ませる
   ようにして該水受槽の上下部間にわたり形成した凹陥部
   と、前記水受槽内にこれの内側面との間に所定の間隙を
   保有して配設され排水及び脱水時に遠心力により上端部
   分がら水受槽内に揚水排出する回転槽と、前記水受槽の
   底部を揺動自在に貫通する前記回転槽の駆動軸及び前記
   水受槽との間を密封する可撓性を有する密封部材と、前
   記駆動軸を介して前記回転槽を回転可能に支持する支持
   装置と、前記凹陥部内で垂下状となるように前記外箱に
   支持され前記支持装置を揺動可能に吊持する吊り棒とを
   具備して成る脱水兼用洗濯機。