JPS6315726Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 この考案は燃焼用空気を外装箱の開口から吸込
んで外装箱内の電装部品を冷却するようにした強
制排気及び／又は強制給気式の温水ボイラに関す
る。

(ロ) 従来技術 従来のこの種の温水ボイラは第１図に示すよう
に、外装箱１内に、貯湯タンク２と熱交換器３と
を上下関係に配設し、貯湯タンク２の下部に給水
管（図示せず）から給水された水を、下降管４に
て熱交換器３へ導き、ここで燃焼装置５により加
熱して温水にする。そして、温水を上昇管６にて
貯湯タンク２の上部に戻し、貯湯させるととも
に、随時、頂部の出湯口７から出湯させるように
してある。燃焼装置５は燃焼室８内に熱交換器３
とバーナ９とを上下関係に配設し、バーナ９には
ガス等の燃料供給管１０を接続してある。又、燃
焼室８は下部のバーナ挿入口１１からバーナ９に
燃焼１次空気を取入れるとともに、空気穴１２か
ら燃焼２次空気を取入れるようにしてある。燃焼
室８の上部は熱交換器３を通過した燃焼排気ガス
を外装箱１の外部に放出させる煙道１３と連通さ
せてあり、煙道１３には強制排気用の燃焼フアン
１４を挿設してある。尚、１５は外装箱１の背面
１ａ下部に設けた鎧戸状の空気吸入口、１６は同
じく背面上部に設けられ、外装箱１内上部の高温
空気を排出させる排気口、１７はバーナ９の燃焼
制御装置、１８は燃焼フアン１４の作動を検出す
る風圧スイツチ、１９は燃料供給管１０に挿設し
た電磁弁であり、空気吸入口１５及び排気口１６
の内側にはそれぞれ防滴用の邪魔板２０，２１が
取着され、燃焼制御装置１７、風圧スイツチ１８
及び電磁弁１９はサービス性を考慮して外装箱１
の前面１ｂ内側に配設されている。

ところで、上述した従来の温水ボイラは次の問
題点があつた。

燃焼用空気を外装箱１の背面１ａ下部の空気
吸入口１５から取入れているため、前面１ｂ側
にある燃焼制御装置１７、風圧スイツチ１８、
電磁弁１９などの電装部品に対する空気の流れ
が小さく、電装部品が温度上昇して故障した
り、誤動作する虞れがあつた。

空気吸入口１５は鎧戸状にして流入する空気
を防滴用邪魔板２０に当て、湿気や塵埃を除去
するようにしてあるので、空気抵抗が大きく開
口面積を十分に大きくしなければならず、邪魔
板２０も大きなものが必要であつた。

(ハ) 考案の目的 この考案は上述した従来技術の問題点に着目し
てなされたものであり、外装箱の構造を改良して
電装部品の冷却や防滴を効率良く行なうことを目
的とする。

(ニ) 考案の構成 この考案は強制排気及び／又は強制給気用の燃
焼フアンを備えた燃焼装置と、熱交換器と、例え
ば燃焼制御装置、風圧スイツチ、電磁弁等の冷却
を必要とする電装部品とを外装箱内に収納してあ
るものに於いて、外装箱の前面上部に燃焼用空気
吸入用の開口を設け、この開口の内方に、開口下
縁に連なる水平部、水平部から上方へ延び開口と
対峙させた垂直部、及び垂直部の上端から斜め上
方に向つて延設した傾斜部からなる断面〓状の案
内板を設け、外装箱の天板下面に案内板の傾斜部
に向つて垂下させた邪魔板を設け、このような外
装箱の前面内側に上記電装部品を配設したことを
特徴とする。

(ホ) 考案の実施例 以下、この考案の一実施例を図面を参照して説
明する。第２図はこの考案を適用した温水ボイラ
を示し、第１図のものと共通する部分には同一符
号を付してある。第２図に於いて、第１図のもの
と異なるのは、外装箱１の背面１ａ側の空気吸入
口１５及び排気口１６を廃止し、代わりに前面１
ｂ上部に横長の長方形状の開口２２を設けてある
ことである（第３図参照）。開口２２は第４図に
示すように、前面１ｂの前板２３上端を内方へ断
面〓字状に折り曲げることにより、前板２３と天
板２４の周縁折り曲げ部２４′との間に形成され
るようにしてある。前板２３の〓状に折り曲げた
部分は開口２３下縁に連なる水平部２５ａ、水平
部２５ａから上方へ延び開口２２と対峙させた垂
直部２５ｂ、及び垂直部２５ｂの上端から斜め上
方に向つて延設した傾斜部２５ｃからなる案内板
２５として使用する。又、天板２４の下面には案
内板２５の傾斜部２５ｃの先端に向つて垂下させ
た邪魔板２６を取着してある。尚、第３図に於い
て、２７は前板２３に嵌め込んだ操作パネル、２
８は外装箱１の側板２９に取着した燃料供給管１
０の連結口、３０は同じく側板２９に穿設した給
水管挿入口である。

本実施例では以上のような構成を有するので、
燃焼フアン１４を運転させると、燃焼用空気が外
装箱１の前面開口２２から外装箱１内に流入す
る。このとき、燃焼用空気は案内板２５の水平部
２５ａ及び垂直部２５ｂに沿つて外装箱１内の上
方へと進み、更に傾斜部２５ｃに沿つて上昇す
る。そして、天板２４の下面から垂下させた邪魔
板２６に当つて水分が除去され、流れが下向きに
変化する。邪魔板２６に付着した水分は案内板２
５の傾斜部２５ｃに落下し、垂直部２５ｂ及び水
平部２５ａを通つて開口２２から外部へ排出され
る。このように、水分が除去され、下向きに偏向
させられた燃焼用空気は前面１ｂ内側を通つて流
れ、燃焼制御装置１７、風圧スイツチ１８、電磁
弁１９などの電装部品を冷却しながら降下してバ
ーナ９の燃焼用空気として供せられる。

上述した本実施例のものは、実験の結果、燃焼
制御装置１７の温度を従来より20deg低減できる
ことが確認されており、電装部品の冷却効果に優
れている。又、風圧スイツチ１８は燃焼フアン１
４の静圧を直接的に感知できるので、信頼性が向
上する。又、開口２２から侵入する水滴や塵埃は
案内板２５及び邪魔板２６にて効率良く除去さ
れ、電装部品に付着しないようにできる。又、開
口２２は鎧板が不要で、通風抵抗を小さくできる
ため、第３図に示すようにスリツト状の開口面積
の小さなもので十分となり、前面１ｂに設けてい
るにも拘らず、外装箱１の美観を損うこともな
い。更に又、案内板２５は折り曲げにより前板２
３と一体に形成でき、燃焼用空気は外装箱１の上
部から取入れられ、熱気が外装箱１内の上部に篭
らなくなるため、排気口が不要となり、邪魔板２
６の大きさも小さくできるなど、材料や部品点数
の低減も図れる。

(ヘ) 考案の効果 この考案は以上説明したように、外装箱の前面
上部に設けた開口から取り入れた燃焼用空気を断
面〓状の案内板で導いて天板下面から垂下させた
邪魔板に当て、水分を除去するとともに、下向き
に偏向させて前面内側に沿つて流れるようにして
あるので、サービス性を考慮して前面内側に配設
した電装部品の冷却や防滴を効率良く行なうこと
ができるようになり、電装部品の温度を低減させ
て故障や誤動作をなくし、信頼性の向上を図るこ
とができる。又、開口は鎧板をなくして通風抵抗
を小さくできるので、開口や邪魔板は小さなもの
で良く、しかも、給気の案内、及び水の排出のた
めに給気口から外部へ部材を突出させずに済むの
で、外装箱の外観を損う心配がないうえに、使用
材料の低減が図れる。更に又、邪魔板は案内板の
傾斜部に向つて垂下されているので、邪魔板に付
着した水分は案内板の傾斜部に落下し、垂直部及
び水平部を伝わり開口から外部へ排出され、案内
板を邪魔板からの水を温水ボイラの外部へ導く排
水板に兼用でき、温水ボイラ内部への水の落下を
防止することができる。

尚、この考案は強制給排気式のものに限定され
ず、強制給気式、強制給排気式のものにも適用で
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の温水ボイラの一例を示す概略構
成図、第２図はこの考案の一実施例を示す概略構
成図、第３図は温水ボイラの外観形状を示す斜視
図、第４図は外装箱の要部拡大説明図である。 １……外装箱、１ｂ……前面、３……熱交換
器、５……燃焼装置、１４……燃焼フアン、１７
……燃焼制御装置、１８……風圧スイツチ、１９
……電磁弁、２２……開口、２５……案内板、２
５ａ……水平部、２５ｂ……垂直部、２５ｃ……
傾斜部、２６……邪魔板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 強制排気及び／又は強制給気用の燃焼フアンを
   備えた燃焼装置と、熱交換器と、例えば燃焼制御
   装置、風圧スイツチ、電磁弁等の冷却を必要とす
   る電装部品とを外装箱内に収納してあるものに於
   いて、外装箱の前面上部に燃焼用空気吸入用の開
   口を設け、この開口の内方に、開口下縁に連なる
   水平部、水平部から上方へ延び開口と対峙させた
   垂直部、及び垂直部の上端から斜め上方に向つて
   延設した傾斜部からなる断面〓状の案内板を設
   け、外装箱の天板下面に案内板の傾斜部に向つて
   垂下させた邪魔板を設け、このような外装箱の前
   面内側に上記電装部品を配設したことを特徴とす
   る温水ボイラ。