JPS6215622Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、石油温水器のような燃焼用機器の
設置個所における排気工事を容易にできるように
した燃焼用空気供給装置の改良に関する。

一般に、この種の燃焼用機器は第１図に示すよ
うに構成されており、この第１図における１はバ
ーナ本体、２は熱交換器、３は熱交換後の燃焼ガ
スを排気する排気筒である。また、バーナ本体１
に送風機４から燃焼用空気を送風するようになつ
ており、この送風機４は送風機用モータ５により
回転されるようになつている。６は送風機４の吸
込口である。

上記熱交換器２は底板７により支えられてお
り、この底板７の所定個所に燃焼用空気取入口８
が形成されている。この底板７はキヤビネツト９
に取り付けられており、このキヤビネツト９内に
上記バーナ本体１、熱交換器２、排気筒３（一部
はキヤビネツト外に突出されている）、送風機
４、送風機用モータ５、吸込口６が収納されてい
る。

次に、以上のように構成された従来の燃焼用空
気供給装置の作用について説明する。所定の空気
量をバーナ本体１に送風するように、送風機４が
運転を開始すると、燃焼用空気は底板７の燃焼用
空気取入口８からキヤビネツト９内に吸入され、
送風機４の吸込口６、送風機４よりバーナ本体１
に供給される。

バーナ本体１で供給された空気と燃料により燃
焼が行われ、発生した燃焼ガスは熱交換器２を通
過し、排気筒３から排出される。

一般に、排気工事は煙突式と強制吸排気式（以
下、FF式と云う）の２種類があり、据付状況に
合わせて排気工事が現地で行われているのが実情
である。

第１図で説明した従来の燃焼用空気供給装置で
は、煙突工事の場合、排気筒３に煙突を接続すれ
ばよいため、工事が簡単であるが、FF式の場
合、吸気ダクト（図示せず）を送風機４の吸気口
６に接続する必要があるため、キヤビネツト９を
取り外し、吸気ダクトを接続するとともに、キヤ
ビネツト９の吸気ダクト貫通部に貫通穴を形成す
る必要があり、非常に工事が面倒で、工事費用高
価になると云う欠点があつた。

また、吸気口６をキヤビネツト９の外部に出し
て、燃焼空気の取り入れを行つた場合、FF工事
は簡単になるが、煙突工事の場合、吸気口６が外
部から見え、美観が損ねるばかりか、塵埃、雨、
雪などが吸気口６より燃焼空気とともに吸い込ま
れ、異常燃焼すると云う欠点もあつた。

この考案は、上記従来の欠点を除去するために
なされたもので、送風機の吸込口に吸気ダクトを
介して接続した吸気トツプを、燃焼用空気の取入
口を有するキヤビネツト内に配設し、上記吸気ト
ツプの周壁に多数の吸気用の小孔を形成し、上記
吸気トツプの先端開口部にこの開口部を塞ぐ蓋を
着脱可能に装着したことにより、煙突式として用
いる場合には、上記キヤビネツト内に取入口から
取入れた燃焼用空気を吸気トツプの上記小孔を経
て送風機に吸込むようにし、この際に塵埃や雨、
雪が送風機に吸込まれないようにするフイルタの
作用を上記吸気トツプに行わせ、またFF式とし
て用いる場合には、キヤビネツトの吸気トツプが
臨む部分に強制吸排気用貫通穴を開閉可能に配設
しておき、この貫通穴を開き、吸気トツプの蓋を
外し、キヤビネツト外から上記貫通穴に通して強
制吸排気用吸気ダクトを、吸気トツプにこれに設
けた小孔を塞いで装着し、工事を行うようにし、
煙突式、FF式の両方の排気工事が現地で簡単に
できるとともに、工事費用が安価になる燃焼用空
気供給装置を提供することを目的とする。

以下、この考案の燃焼用空気供給装置の実施例
について図面に基づき説明する。第２図はその一
実施例の内部構造を示す概略正面図である。この
第２図において、重複を避けるために、第１図と
同一部には同一符号を付するにとどめ、第１図と
は異なる部分を重点的に述べることにする。

この第２図を第１図と比較しても明らかなよう
に、第２図では符号１０以降の部分がこの考案に
よつて新たに付加された部分である。すなわち、
１０はキヤビネツト９に形成された吸気ダクト貫
通穴であり、排気筒３の近傍に設けられている。
この吸気ダクト貫通穴１０はキヤツプ１１で閉塞
可能になつている。

吸気ダクト貫通穴１０の近傍には吸気トツプ１
２が臨まれている。この吸気トツプ１２は吸気ダ
クト１４を介して送風機吸込口６と連通してい
る。この吸気トツプ１２は第３図に拡大縦断面図
として示されている。

この第３図より明らかなように、多数の小孔１
２ａが形成されたパンチングメタルなどで形成さ
れており、上端が蓋１３により閉塞されている。
その他の構成は第１図と同様である。

このように構成されたこの考案の燃焼用空気供
給装置において、煙突工事の場合は吸気ダクト貫
通穴１０をキヤツプ１１で閉塞し、底板７の空気
取入口８より、キヤビネツト９内に吸い込まれた
燃焼用空気を吸気トツプ１２の小孔１２ａより吸
い込むため、塵埃、雨、雪などの吸込みもないた
め、異常燃焼することはない。

また、FF工事の場合は、吸気ダクト貫通穴１
０のキヤツプ１１を取り外し、吸気ダクト貫通穴
１０より手を入れて、吸気トツプ１２の上端にあ
る蓋１３を取り外し、FFの吸気ダクトを吸気ト
ツプ１２に挿入し、吸気トツプ１２の小孔１２ａ
を塞ぐように接続すれば、キヤビネツトを取り外
す必要もなく、また、吸気ダクト貫通穴を現地で
あける必要もない。そして、吸気ダクト貫通穴１
０が排気筒３の近傍に設けられているため、工事
性もよく、美観も損うことはない。

なお、吸気ダクト貫通穴１０をキヤツプ１３で
塞ぐ代わりに、キヤビネツトにノツクアウト穴な
どを設けても同様の効果を奏することは云うまで
もない。

以上説明したように、この考案によれば、キヤ
ビネツトの排気筒貫通部近傍に強制吸排気用吸気
ダクト貫通穴を開閉可能に配設し、送風機の吸込
口に吸気ダクトを介して接続した吸気トツプを、
上記貫通穴に臨ませて上記キヤビネツト内に配設
し、上記吸気トツプの周壁に多数の吸気用の小孔
を形成し、吸気トツプの先端開口部にこの開口部
を塞ぐ蓋を着脱可能に装着し、さらに吸気トツプ
を強制吸排気用吸気ダクトが上記小孔の閉塞可能
に装着される径に構成したので、煙突式で用いる
場合には、上記小孔がフイルタの作用をして、送
風機に塵埃や雨、雪が吸込まれないようにするこ
とができ、したがつてバーナに異常燃焼が生ずる
ことがなく、また、煙突式で用いる場合には、上
記貫通穴を開き蓋を取外し強制吸排気用吸気ダク
トをキヤビネツト外から上記貫通穴を通して吸気
トツプに装着することにより、吸気トツプの小孔
を塞ぐことができ、したがつて煙突式およびFF
式の両方の排気工事が現地で簡単にでき、工事費
用が安価になると云う効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の燃焼用空気供給装置の内部構成
を示す概略正面図、第２図はこの考案の燃焼用空
気供給装置の一実施例の内部構成を示す概略正面
図、第３図は第２図の燃焼用空気供給装置におけ
る吸気トツプ部の拡大縦断面図である。 １……バーナ本体、２……熱交換器、３……排
気筒、４……送風機、５……送風機用モータ、６
……吸込口、７……底板、８……燃焼用空気取入
口、９……キヤビネツト、１０……吸気ダクト貫
通穴、１１，１３……キヤツプ、１２……吸気ト
ツプ、１２ａ……小孔。なお、図中同一符号は同
一または相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バーナ本体に燃焼用空気を送風する送風機と、
   このバーナ本体により燃料を燃焼させた燃焼ガス
   を熱交換器から排気する排気筒と、上記バーナ本
   体、送風機および熱交換器を収納すると共に、燃
   焼用空気の取入口を有するキヤビネツトとを備
   え、煙突式と強制吸排気式の使用ができるように
   した燃焼用機器において、上記キヤビネツトの排
   気筒貫通部近傍に強制吸排気用吸気ダクト貫通穴
   を開閉可能に配設し、上記送風機の吸込口に吸気
   ダクトを介して接続した吸気トツプを、上記強制
   吸排気用吸気ダクト貫通穴に臨ませて上記キヤビ
   ネツト内に配設し、上記吸気トツプの周壁に多数
   の吸気用の小孔を形成し、吸気トツプの先端開口
   部にこの開口部を塞ぐ蓋を着脱可能に装着し、さ
   らに吸気トツプを、強制吸排気用吸気ダクトが上
   記小孔の閉塞可能に装着される径に構成したこと
   を特徴とする燃焼用空気供給装置。