JPS6315212Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、リードレス抵抗やダイオードなど
の各種ワークを搬送するワーク搬送反転装置に関
する。

一般に、ワークの製造工程において、塗装、標
印、乾燥などの工程があり、これらの工程は、第
１図及び第２図に示すように、ワーク１を搬送し
つつ行うようになつている。

つまり、搬送ベルト２にワーク１が挿入される
挿入孔２ａが複数個搬送方向に穿設される一方、
この搬送ベルト２の下方にレール３が敷設され、
このレール３にワーク１がガイド溝３ａが刳設さ
れて搬送装置が構成されている。従つて、搬送ベ
ルト２はレール３の上面に接して移動し、ワーク
１は挿入孔２ａに位置すると共に、ガイド溝３ａ
内に載置され、搬送ベルト２の移動に伴つて搬送
される。

このワーク１の搬送途中において標印工程等が
行われるが、ワーク１を１方向にのみ搬送して各
工程を行うようにすると、搬送距離が長くなると
いう問題があつた。すなわち、搬送ベルト２は一
対のローラ間を移動しているので、上段位置のみ
でワーク１を搬送すると、下段位置では復動のみ
となり、大きな作業スペースを要していた。

そこで、従来、ワーク１を搬送ベルト２の下段
から上段に亘つて搬送し、標印工程等を行うよう
にしたワーク搬送反転装置がある。このワーク搬
送反転装置は、第３図に示すように、搬送ベルト
２が懸回されるローラａの外側に反転ガイド部材
ｂを設けて構成されている。このガイド部材ｂは
半円弧状のガイド面ｃを有し、このガイド面ｃが
ローラａと所定の間隙をもつて位置し、且つロー
ラａのほぼ真下からほぼ真上に亘つて形成されて
いる。従つて、ワーク１は下段のレール３から反
転ガイド部材ｂに移り、ガイド面ｃに沿つて反転
し、上段のレール３に移ることになる。

このワーク搬送反転装置によれば、搬送ベルト
２の上段と下段とで各工程作業を行うことができ
るので、ワーク１の搬送距離を短くすることがで
きる。

しかし、ガイド面ｃとローラｂ間の間隙は小さ
いため、正確にワーク１が移動しないと、噛み込
む場合があつた。このワーク１が噛み込むと、反
転ガイド部材ｂの取り外しなどを行う必要があ
り、修復に手間と時間を要するという欠点があつ
た。しかも、反転ガイド部材ｂの位置調整が微妙
であり、手間がかかるという欠点があつた。

この考案は、斯かる点に鑑みてなされたもの
で、反転ローラ内にマグネツトを設け、このマグ
ネツトの吸引力でワークを反転ローラに吸引して
反転させることにより、従来の反転ガイド部材を
不要にし、ワークの噛み込み等をなくし、且つメ
ンテナンスを容易にしたワーク搬送反転装置を提
供することを目的とするものである。

すなわち、この考案は上記目的を達成するため
に、非磁性体よりなる反転ローラと、支持ローラ
との間に搬送ベルトが懸回され、この搬送ベルト
にワークの挿入孔が複数個穿設され、前記両ロー
ラ間における上段及び下段の搬送ベルトの下方に
ワークのガイド溝を有するレールが敷設され、前
記反転ローラ最項部上方より、前記上段の搬送ベ
ルト下方に敷設されるレールの上方に亘り補助マ
グネツトを設ける一方、前記反転ローラの外周面
にワーク溝が刳設され、更に、反転ローラ内の外
側半分にマグネツトがこの反転ローラ内面とやや
離隔して円弧状に設けられてなり、ワークをマグ
ネツトによつて反転ローラに吸引しつつ反転させ
るように構成されている。

以下、この考案の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。尚、搬送ベルト及びレールについ
ては既述しているので、その詳細な説明は省略す
る。

第４図及び第５図に示すように、１１はワーク
搬送反転装置であつて、反転ローラ１２内にマグ
ネツト１３を備えると共に、上方に補助マグネツ
ト１４を備えて構成されている。

反転ローラ１２は、円盤状の基板１２ａの外周
端にフランジ１２ｂが連接されて断面コ字状に形
成され、ピン１５により枢支されている。そし
て、フランジ１２ｂの外周面にはレール３のガイ
ド溝３ａと同様なガイド溝１２ｃが刳設されてい
る。また、この反転ローラ１２はステンレスなど
の非磁性体で形成されている。

前記マグネツト１３は、例えばコバルト系マグ
ネツトで構成され、半円弧状に形成されている。
このマグネツト１３は反転ローラ１２内に設けら
れ、フランジ１２ｂの内周面にやや離隔して外側
半分に位置し、取付部材１６により、反転ローラ
１２から独立して固定されている。

前記補助マグネツト１４は、反転ローラ１２の
最頂部近傍から上段のレール３に亘り設けられ、
搬送ベルト２と所定の間隔を存して固定されてい
る。

尚、搬送ベルト２はこの反転ローラ１２と、図
しない支持ローラ間に懸回されており、厚さ0.4
mm程度のステンレス等で構成されている。

また、レール３は上段の搬送ベルト２と下段の
搬送ベルト２の下方に敷設されており、それぞれ
端部は反転ローラ１２の最頂部及び最低部の近傍
まで延設されている。

次に、ワーク１の反転動作について説明する。

まず、ワーク１は下段の搬送ベルト２の挿入孔
２ａに設けられ、搬送ベルト２の移動に伴つてレ
ール３のガイド溝３ａ内を移動する。

そして、反転ローラ１２の最低部までワーク１
が搬送されると、反転ローラ１２のガイド溝１２
ｃに係合すると同時に、マグネツト１３の吸引力
によつてフランジ１２ｂの外周面に吸引され、レ
ール３より離れて反転ローラ１２と共に上方に反
転する。

そして、ワーク１は反転ローラ１２の最頂部近
傍まで移動すると、補助マグネツト１４に吸引さ
れ、この補助マグネツト１４に沿つて移動し、反
転ローラ１２より上段のレール３に移行する。そ
の後、このレール３に沿つてワーク１は移動する
ことになる。

尚、この実施例において、マグネツト１３は一
体もので円弧状に形成したが、円弧状の基板に小
片のマグネツトを多数並設して構成してもよい。

また、反転ローラ１２の形状や、挿入孔２ａ、
ガイド溝３ａ，１２ｃの形状は実施例に限られる
ものではない。

以上のように、この考案のワーク搬送反転装置
によれば、ワークをマグネツトにより反転ローラ
に吸引して反転させるので、従来のような反転ガ
イド部材を省略することができる。従つて、反転
時にワークが搬送ベルトより離脱しても、反転ガ
イド部材との間に噛み込むことがないから、修復
等が極めて容易となる。

また、反転ガイド部材のような微妙な位置調整
が不要であるから、組立作業も簡易となり、その
上、メンテナンスも極めて簡略化することができ
る。

更に、精度の良いガイド部材が不要であるの
で、安価に製作することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案並びに従来例に適用されてい
る搬送ベルトの平面図、第２図はこの考案並びに
従来例に適用されている搬送ベルト及びレールの
横断面図、第３図は従来例のワーク搬送反転装置
の一部省略側面図、第４図はこの考案のワーク搬
送反転装置の一部省略側面図、第５図は同要部の
横断面図である。 １：ワーク、２：搬送ベルト、２ａ：挿入孔、
３：レール、３ａ：ガイド溝、１１：ワーク搬送
反転装置、１２：反転ローラ、１２ｃ：ガイド
溝、１３：マグネツト、１４：補助マグネツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 非磁性体よりなる反転ローラと、支持ローラと
   の間に搬送ベルトが懸回され、この搬送ベルトに
   ワークの挿入孔が複数個穿設され、前記両ローラ
   間における上段及び下段の搬送ベルトの下方にワ
   ークのガイド溝を有するレールが敷設され、前記
   反転ローラ最項部上方より、前記上段の搬送ベル
   ト下方に敷設されるレールの上方に亘り補助マグ
   ネツトを設ける一方、前記反転ローラの外周面に
   ワーク溝が刳設され、更に、反転ローラ内の外側
   半分にマグネツトが、この反転ローラ内面とやや
   離隔して円弧状に設けられて成り、ワークをマグ
   ネツトによつて反転ローラに吸引しつつ反転させ
   ることを特徴とするワーク搬送反転装置。