JPH0448566B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は搬送されて来た被作業物上に部品を自
動的に組立てるようになされた自動組立機におい
て、被作業物に組立てられる部品を供給する為の
部品供給方法とその供給用キヤリアに関するもの
である。

周知の如く従来の自動組立機においては、キヤ
リアによる被作業物の供給とは別に部品供給装置
を設け、キヤリアによつて搬送されて来た被作業
物上に部品供給装置から供給される部品を順次ピ
ツクアツプして自動的に組立てるように構成され
たものが殆んどである。

しかしながらこのような部品供給方法では、１
つの自動組立機によつて被作業物上に多種類の部
品を組立てる場合であれば、その部品の種類に対
応した数の部品供給装置及びその組立治具等が必
要となり、装置が著しく複雑化する。しかもこの
ように構成された自動組立機は特定の機器を組立
てる為の専用機になり、組立てるべき機器の設計
変更や機種の切り替え等に対する順応性（フレキ
シビリテイ）に欠けるものであつて、その機器の
設計変更や機種の切り替えの都度大巾な改造が必
要であると言つた欠陥を有していた。

本発明は上述の如き実状に鑑み発明されたもの
であつて、被作業物に組立てられる部品をその被
作業物と一緒にして同一のキヤリア上に搭載して
自動組立機へ供給するようにして、その自動組立
機に設けるべき部品供給装置及びその組立治具等
の大巾な削減に伴う装置の著しい簡素化を図り得
るようにし、かつ自動組立機をいわゆる汎用機に
構成出来て、組立てるべき機器の設計変更や機種
の切り替え等に対する順応性が非常に高く、その
機器の設計変更や機種の切り替えに対しては、キ
ヤリアの交換によつて充分に対応出来て、そのこ
とによる自動組立機の大巾な改造等は一切不要と
なるものが得られるようにしたものである。

またキヤリア上において被作業物と、部品とを
相互に位置決めした状態で搭載させ、上記部品の
うち、同一種類の部品を複数回の組立作業に用い
られる数量積み重ねるようにして、自動組立機で
の組立作業を極めて正確にかつ極めて能率良く行
うことが出来るものが得られるようにしたもので
ある。

以下本発明をテープレコーダのメカシヤーシに
対する部品の供給、加工、組立及びこれらに関連
する作業を行う為の自動組立装置に適用した一実
施例を図面に基き説明する。

先ず第１図はこの自動組立装置に使用されるキ
ヤリア１の一例を示したものであつて、こゝに示
されたキヤリア１は、ベース板２の上部に４個の
パレツト３が縦横に正確に並べられて固定された
構造に構成されている。なおベース板２の４隅に
は懸架用把手４が取付けられている。

そしてこの自動組立装置では、キヤリア１の各
パレツト３上に、被作業物であるメカシヤーシ５
と、そのメカシヤーシ５上に組立てるべき専用部
品のうちの主要部品（各種ギヤ類、レバー類、軸
受類やその他必要な部品）６とを夫々位置決めし
て予め搭載しておく。そしてこの状態のキヤリア
１を後述する自動組立機であるアツセンブリセン
タに搬送し、そのアツセンブリセンタにて部品６
を順次ピツクアツプしてメカシヤーシ５上に順次
供給して順次組立てる。なおこの際共通部品や専
用部品の他の一部（リール軸、ビスその他の必要
な部品）はアツセンブリセンタにて別に供給して
メカシヤーシ５に順次組立てる。またアツセンブ
リセンタでは上記のメカシヤーシ５に対する部品
の供給、組立の他にも、ビス締め、注油、磁性部
材への着磁やその他の必要な加工及びこれらに関
連する作業を夫々自動的に行うようになされてい
る。そしてアツセンブリセンタでは上記の供給、
加工、組立及びこれらに関連する作業をメカシヤ
ーシ５上の４個のパレツト３に対して同時に行う
ようになされている。

次に第２Ａ図〜第３図はキヤリア１の各パレツ
ト３の詳細を示したものであり、このパレツト３
は例えばBMCの如き成形精度の高いプラスチツ
クにて成形されたものである。そしてこのパレツ
ト３上には、その一端３ａ側にメカシヤーシ５を
位置決めして搭載する為の被作業物位置決め搭載
部９が一体的に成形して設けられ、その他端３ｂ
側には部品６を位置決めして搭載する為の部品位
置決め搭載部１０が一体的に成形して設けられて
いる。そして部品位置決め搭載部１０には、同一
種類の部品６を複数個積み重ねた状態で位置決め
して搭載する為の部品積み重ね搭載部１１と、方
向性を有する部品６をメカシヤーシ５に対して所
定の方向状態に規制して搭載する為の部品方向規
制搭載部１２とが夫々複数個設けられている。

そして被作業物位置決め搭載部９においては、
例えばメカシヤーシ５の外周５ａの一部又は全部
が係合される凹部からなる外周ガイド部１４がパ
レツト(3)に一体的に成形されていて、その外周ガ
イド部１４内にメカシヤーシ５を挿入して係合さ
れて、そのメカシヤーシ５を水平状に位置決めす
るようになされている。なおこの他にも、例えば
パレツト３に一体的に成形されたガイドピン或い
はガイド孔等の係合部をメカシヤーシ５に設けら
れた孔或いは軸等の被係合部（何れも図示せず）
に係合させて、メカシヤーシ５を位置決めする方
法を採用することが出来る。

また部品位置決め搭載部１０に搭載される部品
６は、各種ギヤ類、軸受類、間座類等の如く円板
状をなしていて特に方向を規制する必要がなく、
しかも複数個積み重ねることが可能な部品６ａ
と、各種レバー類の如く非円板状をなしていて複
数個積み重ねることが可能ではあるが、方向を規
制する必要がある部品６ｂと、予め数個の部品が
組立てられていて、積み重ねることが出来ず、し
かも方向を規制する必要がある組立品等の部品６
ｃとに大別される。そして部品積み重ね搭載部１
１では上記部品６ａを積み重ねた状態に位置決め
するようになされ、部品方向規制搭載部１２では
上記部品６ｃの方向を規制した状態に位置決めす
るようになされる。また上記部品６ｂについては
両搭載部１１，１２の両方の機能を有する兼用搭
載部１３において積み重ねられ、かつ方向を規制
して位置決めするようになされる。そして上記部
品６ａについては、例えばパレツト３に一体的に
成形された垂直状をなすガイド孔１５内に複数個
づつ種類別に挿入して積み重ねて位置決めするよ
うになされている。なおこの際間座類等の如く比
較的小径の円板状をなし、かつ軽い部品６ａを挿
入するガイド孔１５の側面にはスリツト１６が垂
直状に設けられている。またこの他にも上記部品
６ａのうち中心部に貫通孔を有するものゝ場合で
あれば、例えばパレツト３に一体的に成形された
ガイドピン（図示せず）にその貫通孔によつて挿
入して積み重ねるようにする方法も採用出来る。
また上記部品６ｃについては、例えばパレツト３
に一体的に成形された複数のガイドピン１７にそ
の部品６ｃに設けられた貫通孔１８を挿入してメ
カシヤーシ５に対する方向を規制して位置決めす
るようになされている。なおこの他にも部品６ｃ
の外周の凹凸に係合するようにガイドピン１７を
３本以上に構成したり、その部品６ｃの外周が係
合される凹部からなる外周ガイド部（図示せず）
によつて方向を規制して位置決めする方法も採用
出来る。また部品６ｂについては、例えばパレツ
ト３に一体的に成形されたガイドピン１９にその
部品６ｂに設けられた貫通孔２０を挿入して積み
重ねると共に、パレツト３に一体的に成形された
その部品６ｂの外周の一部が係合される凹部から
なる外周ガイド部２１にその部品６ｂの外周の一
部を係合させて、その積み重ねられた部品６ｂの
メカシヤーシ５に対する方向を規制して位置決め
するようになされている。なおこの他にもガイド
ピン１９を２本以上に構成したり、外周ガイド部
２１が部品６ｂの外周全部に係合されるような凹
部を構成して積み重ねられた部品６ｂの方向を規
制して位置決めする方法も採用出来る。

なお第２Ａ図は組立作業開始前のいわゆる供給
状態を示しており、第２Ｂ図はメカシヤーシ５上
に部品６を組立て完了した状態を示している。

次に第４図はこの自動組立装置のコンベアとア
ツセンブリセンタとの配置状態の一例を示したも
のであつて、キヤリア１を同一方向に搬送する一
対のコンベア２３，２４が互に隣接されて平行状
に配置され、コンベア２４の外側に沿つて例えば
３箇所にアツセンブリセンタ２５，２６，２７が
配置されている。なお両コンベア２３，２４に対
して離間されて平行状にもう１つのコンベア２８
が配置され、このコンベア２８と両コンベア２
３，２４との両端部間には中継用の一対のコンベ
ア２９，３０が配置されている。従つてこれらの
コンベア２３，２４，２８，２９，３０によつて
エンドレス状のコンベアラインが構成されてい
て、キヤリア１はこれらのコンベアによつて矢印
方向に搬送されるように構成されている。またこ
れらのコンベアはキヤリア１を任意の位置でスト
ツパーにより自在に停止出来、かつストツパーの
解除により直ちに搬送開始出来るようなローラコ
ンベア等にて構成されている。また特にコンベア
２３，２４，２８はコンベアラインの組替えを自
由に行えるように夫々複数の短いコンベア２３
ａ，２４ａ，２８ａを直列状に連結して構成され
ている。またコンベア２９の先端部にはキヤリア
１を両コンベア２３，２４に選択的に供給する為
の分配器３１が設けられている。またコンベア２
８にはその下流側の例えば２箇所にローデイング
ステーシヨン３２，３３が配置され、上流側には
アンローデイングステーシヨン３４が配置されて
いる。

そしてこの自動組立装置では、各ローデイング
ステーシヨン３２，３３において作業者が個々の
キヤリア１上にメカシヤーシ５と部品６と搭載し
てそのキヤリア１をコンベア２８上で載せる。す
るとキヤリア１はコンベア２８，２９によつて分
配器３１へ搬送され、この分配器３１にて予め設
定された分配方式に基いてコンベア２３又は２４
に選択的に供給される。そしてその供給されたキ
ヤリア１はコンベア２３又は２４によつて最初の
アツセンブリセンタ２５へ搬送される。

そしてその搬送されて来たキヤリア１は後述す
るキヤリアローダによつて取上げられてアツセン
ブリセンタ２５の移動テーブル上に供給され、こ
のアツセンブリセンタ２５にてメカシヤーシ５に
対する部品６の供給、加工、組立及びこれらに関
連する作業の第１工程の作業が自動的に行われ
る。そしてその作業終了後のキヤリア１は再びキ
ヤリアローダによつて何れか一方のコンベア２３
又は２４上へ排出されて次のアツセンブリセンタ
２６へ搬送される。

そして両コンベア２３，２４の下流側に配置さ
れているアツセンブリセンタ２６，２７において
も上記と同様の方式で第２工程及び第３工程の作
業が行われる。そしてこれらの作業終了後にキヤ
リア１はコンベア３０，２８によつてアンローデ
イングステーシヨン３４へ搬送されて作業者によ
つてコンベア２８から降ろされる。

なおこの自動組立装置によれば、両コンベア２
３，２４による各アツセンブリセンタ２５，２
６，２７でのキヤリア１の供給、排出のラインの
切換えにより、アツセンブリセンタ２５，２６，
２７にて別工程の作業を直列的に行うこと、同一
工程の作業を並列的に行うこと、その直列的作業
と並列的作業との複合作業を行うことを自在に切
換え得るように構成されている。

次に第５図〜第７図はアツセンブリセンタ２５
を示したものであり、他のアツセンブリセンタ２
６，２７も同様の構造に構成されている。

先ずベース３７上に平面形状がほゞコ字状をな
す作業ユニツト取付用コラム３８が設置されてい
る。そしてコラム３８の互に直角な内側面３８
ａ，３８ｂには作業ユニツト取付板３９，４０が
垂直状に固着されている。そして各取付板３９，
４０には夫々水平方向に所定の間隔を隔てゝ複数
のキー４１，４２が垂直状に取付けられていて、
これらのキー４１，４２に各種の作業ユニツト４
３，４４が選択的にかつ交換可能に取付けられて
いる。なお各作業ユニツト４３，４４の下端には
後述するように上下に往復動駆動される各種の作
業用ヘツドが取付けられている。一方ベース３７
の上部には第６図でＸ方向とＹ方向とに水平状に
駆動される移動テーブル４５が配置されている。
また移動テーブル４５の上部には第４図でＸ方向
に一定範囲内で水平状に往復動駆動されるシフト
テーブル４６が載置されている。

またコラム３８の一部にはローダガイド４７が
水平状に架設されていて、このローダガイド４７
の下側にキヤリアローダ４８が取付けられてい
る。そしてキヤリアローダ４８はローダガイド４
７に沿つてアツセンブリセンタ２５の移動ケーブ
ル４５の上部に対向する位置と、両コンベア２
３，２４の上部に対向する位置との間で水平方向
に往復動駆動されるように構成されている。そし
てキヤリアローダ４８にはその下部に両コンベア
２３，２４に夫々対向する一対のチヤツキングス
テーシヨン４９，５０が設けられている。なお両
チヤツキングステーシヨン４９，５０にはキヤリ
ア１の４つの懸架用把手４に夫々係合してキヤリ
ア１を持上げるように動作する各々４個の懸架用
爪５１，５２が設けられている。

そしてこの自動組立装置では、先ず第７図で実
線の如く例えば一方のコンベア２３によつて搬送
されて来てアツセンブリセンタ２５の前部で停止
された作業開始前のキヤリア１をキヤリアローダ
４８の一方のチヤツキングステーシヨン４９の懸
架用爪５１によつて持上げる。次に第７図で仮想
線の如くキヤリアローダ４８をアツセンブリセン
タ２５内の移動テーブル４５上に移動させて、シ
フトテーブル４６上に載置されている作業終了後
のキヤリア１をキヤリアローダ４８の他方のチヤ
ツキングステーシヨン５０の懸架用爪５２によつ
て持上げる。次に第７図で仮想線の如く上部が空
になつたシフトテーブル４６をキヤリアローダ４
８の一方のチヤツキングステーシヨン４９下に移
動させて、その一方のチヤツキングステーシヨン
４９に保持されている作業開始前のキヤリア１を
シフトテーブル４６上に下降して位置決めする。
次に所定の制御システムに従つて移動テーブル４
５をＸ方向とＹ方向とに移動させ、かつこれに同
期させて作業ユニツト４３，４４の作業用ヘツド
を上下動させて、その作業用ヘツドによりメカシ
ヤーシ５に対する部品６の供給、加工、組立及び
これらに関連する作業を行う。一方この作業の間
にキヤリアローダ４８は第７図で実線の如く両コ
ンベア２３，２４上に移動されて、他方のチヤツ
キングステーシヨン５０に保持されている作業終
了後のキヤリア１を他方のコンベア２４上に下降
排出し、これと同時に一方のコンベア２３上の作
業開始前のキヤリア１を一方のチヤツキングステ
ーシヨン４９の懸架用爪５１によつて持上げて、
アツセンブリセンタ２５での作業終了まで待機す
る。

次に第８Ａ図〜第１０図は各アツセンブリセン
タ２５，２６，２７におけるメカシヤーシ５上へ
の部品６の組立作業の一例を示したものである。

先ず第８Ａ図及び第８Ｂ図に示す如く、コラム
３８に取付けられた作業ユニツト４３には内蔵さ
れた上下に往復動駆動される昇降台５５が設けら
れており、この昇降台５５の前面に各種の作業用
ヘツド５６が交換可能に取付けられている。なお
こゝでは４ヘツドタイプが示されていてヘツドホ
ルダ５７の下端に４本のチヤツキングヘツド５８
が所定の間隔で垂直状に取付けられている。なお
この４本のチヤツキングヘツド５８は前述したキ
ヤリア１における４個のパレツト３の間隔に一致
されている。またこれらのチヤツキングヘツド５
８は夫々バキユームポンプ（図示せず）に接続さ
れていて、第１０図に示す如くその下端５８ａに
設けられた開口５８ｂからの空気の吸引作用によ
り、その下端５８ａにて部品６を夫々吸着して持
ち上げることが出来るように構成されている。ま
たこれらのチヤツキングヘツド５８はヘツドホル
ダ５７に対するこれらの支持部に夫々嵌装された
圧縮バネ５９の反撥力を介して部品６上に弾性的
に押圧されるように構成されている。

そしてこの自動組立装置では、先ず前述した如
く各アツセンブリセンタ２５，２６，２７に供給
されたキヤリア１が移動テーブル４５上に設けら
れたシフトテーブル４６上に載置されて位置決め
される。次に移動テーブル４５が第８Ａ図におけ
るＸ方向及びＹ方向に移動制御されて、第９Ａ図
の如くキヤリア１がＸ方向及びＹ方向に移動さ
れ、作業用ヘツド５６の４本のチヤツキングヘツ
ド５８に対するキヤリア１のＸ方向及びＹ方向の
位置が決定される。この結果第９Ｂ図の如く４本
のチヤツキングヘツド５８がキヤリア１の４個の
パレツト３上に夫々位置決めされて載置されてい
る部品６のうち該当する４個の部品６上に位置決
めされる。次に第８Ａ図及び第９Ｃ図の如く作業
ユニツト４３の昇降台５５により作業用ヘツド５
６が下降されて、４本のチヤツキングヘツド５８
の下降５８ａが上記４個の部品６上に弾性的に押
圧され、それらの下端５８ａにその部品６が夫々
吸着される。次に第９Ｄ図の如く昇降台５５によ
り作業用ヘツド５６が上昇されて、吸着された４
個の部品６が持ち上げられる。なおこの際第１０
図に示す如く間座類等の如く比較的小径の円板状
をなし、かつ軽い部品６ａを積み重ねて挿入して
あるガイド孔１５の側面にはスリツト１６が垂直
状に設けられているが、これはチヤツキングヘツ
ド５８にて最上段の部品６ａを持上げる際のピス
トン現象によつてそのガイド孔１５内が負圧にな
り、２段目の部品６ａが自然に持ち上げられた後
に転倒して、その部品６ａがガイド孔１５内で不
測に反転して向きが変つたり、傾斜されて次のチ
ヤツキングヘツド５８による吸着が不能になつた
りするような不都合を効果的に防止している。次
に移動テーブル４５が再びＸ方向及びＹ方向に移
動制御されて、今度はキヤリア１上に位置決めさ
れて載置されている４個のメカシヤーシ５に対す
る４本のチヤツキングヘツド５８のＸ方向及びＹ
方向の位置が決定される。この結果第９Ｅ図の如
く４本のチヤツキングヘツド５８が４個のメカシ
ヤーシ５に対する部品６の組立位置上に位置決め
される。次に第８Ｂ図及び第９Ｆ図の如く昇降台
５５により作業用ヘツド５６が下降されて、４本
のチヤツキングヘツド５８の下降５８ａに吸着さ
れている４個の部品６が４個のメカシヤーシ５上
の所定の組立位置上に弾性的に押圧されて組立て
られる。次にその組立終了と同時に４本のチヤツ
キングヘツド５８による部品６の吸着作用（空気
の吸引作用）が解除されて、部品６がチヤツキン
グヘツド５８の下端５８ａから夫々離脱される。
次に第９Ｇ図の如く昇降台５５により作業用ヘツ
ド５６が上昇されて当初の状態に復帰する。

そして上述した部品６の組立作業が各アツセン
ブリセンタ２５，２６，２７において順次行わ
れ、第２Ａ図の状態で最初のアツセンブリセンタ
２５に供給されたキヤリア１は最終工程のアツセ
ンブリセンタ２７から排出された時には第２Ｂ図
の状態になる。

なお上述した部品６の組立作業における移動テ
ーブル４５のＸ方向及びＹ方向の移動制御と、こ
れに関連された作業用ヘツド５６の昇降制御と
は、キヤリアローダ４８との移動制御と相俟つて
予めメモリーされたシステムコントロール方式に
て自動制御されるようになされている。

また上述した部品６の組立作業はいわゆる専用
部品の組立てであり、この他にも各アツセンブリ
センタ２５，２６，２７には、例えばビス締め、
ポリグリツプやポリワツシヤーの取付け、注油、
磁性部材への着磁やその他必要な共通部品の組立
てや加工及びこれらに関連する作業を行う為の作
業用ユニツトが設けられていて、上述同様に移動
テーブル４５のＸ方向及びＹ方向の移動制御と関
連して上記の作業が行われる。

ところでこの自動組立装置では、前述した如
く、キヤリア１上に被作業物であるメカシヤーシ
５と、それに組立てられる部品６とを夫々位置決
めした状態で搭載して各アツセンブリセンタ２
５，２６，２７に供給して所定の組立作業を行う
ように構成されているので、各アツセンブリセン
タ２５，２６，２７における上記部品６の供給装
置及びその組立治具等を大巾に削減することが出
来る。しかも上記メカシヤーシ５及び部品６はキ
ヤリア１上において夫々位置決めされて搭載され
ているから、各アツセンブリセンタ２５，２６，
２７では、キヤリア１を移動テーブル４５によつ
てＸ方向及びＹ方向に水平に移動制御する一方、
所定位置に固定された各作業ユニツト４３，４４
の各作業用ヘツド５６を単に上下に移動制御する
方式の極めて簡単な制御システム（この制御シス
テムは予めメモリーされたシステムコントロール
方式にて極めて簡単に行える。）によつて、多種
類の部品６をメカシヤーシ５上に極めて能率良
く、かつ正確に組立てることが出来る。即ち例え
ば作業用ヘツド５６をＸ方向、Ｙ方向、Ｚ方向の
上下左右に移動させながら供給される部品を順次
ピツクアツプして被作業物上に組立てる方式の制
御システムでは、各アツセンブリセンタ２５，２
６，２７にて夫々多種類の部品を組立てる場合、
その作業用ヘツド５６のシステムコントロールが
極めて困難であり、組立作業の能率が悪い上に、
誤動作を発生し易い。

従つてこの自動組立装置では、組立てるべき機
器の設計変更や機種の切り替え等に対しては、キ
ヤリア１をその変更や切り替えに対応したものに
交換することによつて充分に対応出来、各アツセ
ンブリセンタ２５，２６，２７における部品供給
装置やその組立治具等の大巾な改造等を一切不要
であり、機器の設計変更や機種の切り替え等に対
する順応性（フレキシビリテイ）が高い、汎用機
の性能を発揮する。

またこの自動組立装置では、前述した如く、第
４図の各ローデイングステーシヨン３２，３３に
おいて、各キヤリア１上に同一種類の部品６を
夫々複数個づつ積み重ねて搭載して各アツセンブ
リセンタ２５，２６，２７に供給している。この
ように予め部品６を積み重ねて供給する方式によ
れば、各アツセンブリセンタ２５，２６，２７に
おける組立工数の数倍の数の部品を各ローデイン
グステーシヨン３２，３３にて一度に搭載するこ
とが出来るので、各ローデイングステーシヨン３
２，３３における作業者による各キヤリア１上へ
の部品６の搭載作業回数を大巾に削減することが
出来て、著しい省力化を図り得る。またその際、
キヤリア１上の部品積み重ね搭載部１１や兼用搭
載部１３への部品６の積み重ね搭載作業に関して
も、例えばパーツ工場において同一種類の部品６
を紐や棒等に積み重ねて挿通したり、所定の筒状
ケース内に積み重ねて挿入する等して、予め積み
重ねた状態で出荷することにより、上記キヤリア
１への部品６の積み重ね搭載作業を極めて短時間
に能率良く行うことが出来る。更にまたパーツ工
場とのインライン化により全自動の部品搭載化も
可能となる。

またこの自動組立装置では、前述した如く、メ
カシヤーシ５に組立てる際に方向を規制する必要
のある部品６を、キヤリア１上において予め方向
を規制した状態で搭載して各アツセンブリセンタ
２５，２６，２７に供給している。このように部
品６の方向をキヤリア１上において予め規制して
おけば、各アツセンブリセンタ２５，２６，２７
の各作業ユニツト４３，４４の作業用ヘツド５６
にてその部品６を持ち上げてメカシヤーシ５上に
組立てる際に、その部品６の方向をその都度調整
しながら組立てると言うような極めて複雑な制御
を行う必要が一切なく、作業用ヘツド５６にて部
品６を単純に持ち上げて、単純にメカシヤーシ５
上に組立てれば良い。従つて組立作業が非常に容
易である上に、部品６をメカシヤーシ５上に所定
の方向状態に正確に規制した状態で、正確に組立
てることが出来て、自動組立の信頼性は飛躍的に
向上される。

以上本発明の実施例に付き述べたが、本発明の
技術的思想に基き各種の変更が可能である。

例えば実施例ではテープレコーダのメカシヤー
シに対する部品の供給、加工、組立及びこれらに
関連する作業を行う為の自動組立装置に付き述べ
たが、本発明によればこれに限定されることな
く、その他の各種機器の自動組立装置として広範
の分野、用途に適用可能である。

また本発明で言うキヤリア、自動組立機（アツ
センブリセンタ）及び、キヤリアに設けられた被
作業物位置決め搭載部、部品位置決め搭載部、部
品積み重ね搭載部、部品方向規制搭載部の構造、
形状等は実施例に示されたものに限定されること
なく、各種の変更が可能である。

また実施例では被作業物に組立てられる専用部
品のみをキヤリアに搭載して自動組立機へ供給す
るように構成したが、共通部品も一緒にキヤリア
に搭載して供給することも可能である。

本発明は上述した如く、被作業物に組立てられ
る部品をその被作業物と一緒に同一のキヤリア上
に搭載して自動組立機へ供給するようにしたこと
によつて、その自動組立機に設けるべき部品供給
装置やその組立治具等を大巾に削減することが出
来て、装置の著しい簡素化を図り得る。また自動
組立機の部品供給装置やその組立治具を大巾に削
減出来ることによつて、その自動組立機をいわゆ
る汎用機に構成することが出来て、組立てるべき
機器の設計変更や機種の切り替え等に対する順応
性が非常に高くなり、その機器の設計変更や機種
の切り替えに対しては、キヤリアの交換によつて
充分に対応出来る。従つて機器の設計変更や機種
の切り替えに伴つて、自動組立機の部品供給装置
やその組立治具を大巾に改造する等の必要が一切
ない。

またキヤリア上において被作業物と、部品とを
相互に位置決めした状態で搭載させるようにした
ので、自動組立機での組立作業を極めて正確にか
つ極めて能率良く行うことが出来る。しかもその
際同一種類の部品を複数個づつ積み重ねてキヤリ
アに搭載して自動組立機へ供給するようにしたこ
とによつて、キヤリアへの部品の積み重ね作業回
数を大巾に削減出来て、省力化を図り得る。そし
て、一回の組立時に複数の共通部品を用いる場合
でも、キヤリア上の部品搭載スペースを広げるこ
とが無いという効果を得るとともに、余分に部品
を搭載しておくことにより、一回の組立て後に、
再び部品をキヤリア上に供給することなく、被作
業物のみを供給するだけで再びキヤリアをコンベ
ア上に送り出すことが出来るので、非常に効率が
良いという効果を得ることができる。また、方向
性を有する部品の方向を予め規制した状態でキヤ
リアに搭載させるようにしたことによつて、自動
組立機での組立作業を極めて容易にかつ極めて正
確に行えて、自動組立の信頼性が非常に高い。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明をテープレコーダのメカシヤーシ
に対する部品の供給、加工、組立及びこれらに関
連する作業を行う為の自動組立装置に適用した一
実施例を示したものであつて、第１図はキヤリア
の斜視図、第２Ａ図及び第２Ｂ図はキヤリアの各
パレツトの組立作業開始前と組立作業終了後の状
態を示した斜視図、第３図は第２Ａ図−線断
面図、第４図はコンベアとアツセンブリセンタと
の配置状態を示した平面図、第５図はアツセンブ
リセンタの斜視図、第６図は同上の平面図、第７
図はコンベアとアツセンブリセンタとの間でのキ
ヤリアの供給及び排出の動作を説明する側面図、
第８Ａ図及び第８Ｂ図は作業ユニツトによるキヤ
リア上での組立作業を説明する斜視図、第９Ａ図
〜第９Ｇ図は同上の組立作業時の作業用ヘツドと
移動テーブルとの移動制御を説明する側面図、第
１０図は同上の組立作業時における部品積み重ね
搭載部でのチヤツキングヘツドによる部品吸着動
作を説明する断面図である。 また図面に用いられた符号において、１…キヤ
リア、３…パレツト、５…メカシヤーシ、６…部
品、９…被作業物位置決め搭載部、１０…部品位
置決め搭載部、１１…部品積み重ね搭載部、１２
…部品方向規制搭載部、１３…兼用搭載部、２
３，２４…コンベア、２５，２６，２７…アツセ
ンブリセンタである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 被作業物と、その被作業物に組立てられる部
   品とを同一のキヤリア上に設けられた被作業物位
   置決め搭載部と、部品位置決め搭載部とに夫々位
   置決めして搭載させ、上記被作業物に組立てられ
   る部品のうち、同一種類の部品を上記キヤリア上
   に設けられた部品積み重ね搭載部に複数回の組立
   作業に用いられる数量積み重ねた状態に位置決め
   して搭載させ、上記キヤリアを自動組立機へ搬送
   し、その自動組立機にて上記キヤリア上において
   上記部品を上記被作業物上に自動的に組立てるよ
   うに構成した自動組立機に対する部品供給方法。 ２ コンベアにて搬送されて自動組立機に供給さ
   れるキヤリアに、被作業物を位置決めして搭載す
   る為の被作業物位置決め搭載部と、その被作業物
   に組立てられる部品を位置決めして搭載する為の
   部品位置決め搭載部と、上記被作業物に組立てら
   れる部品のうち、同一種類の部品を複数回の組立
   作業に用いられる数量積み重ねた状態で位置決め
   して搭載する為の部品積み重ね搭載部とを一体に
   設け、上記被作業物と上記部品とを上記被作業物
   位置決め搭載部と、上記部品位置決め搭載部と、
   上記部品積み重ね搭載部とに夫々位置決めした状
   態で搭載して自動組立機に供給するように構成し
   た自動組立機に対する部品供給用キヤリア。 ３ 上記部品位置決め搭載部には、方向性を有す
   る部品を被作業物に対して所定の方向状態に規制
   して搭載する為の部品方向規制搭載部を有する特
   許請求の範囲第２項に記載の自動組立機に対する
   部品供給用キヤリア。