JPS6314755Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、電気掃除機の吸込口体に関するも
のである。

従来、電気掃除機の集塵部に接続されつつ床面
を走行する本体ケースに、回転ブラシを収納する
ブラシ室と回転ブラシを駆動するタービンを収納
する吸込風路とを仕切壁により仕切りつつ形成
し、この仕切壁に形成した通風孔から外気を絞り
つつ吸い込んでタービンを駆動して回転ブラシを
回わし、これにより、絨毯等を掃除するようにし
たものが存する。

しかし、掃除中に本体ケースを床面から離すと
回転ブラシは無負荷状態となり、また、ブラシ室
の開口面が開放されて空気の吸込量が増大するの
でタービンと回転ブラシとは回転数が増大する。
これにより騒音が増大する。このようなことか
ら、本体ケースの吸込風路にリーク弁を有するリ
ーク孔を形成するとともにリーク弁を開閉させる
操作板を設け、床面走行時には操作板を弾発的に
床面によつて押してリーク弁を閉止し、本体ケー
スを床面から離した時には操作板の復帰動作によ
りリーク弁を開放方向へ作動させ、したがつて、
リーク孔からも空気を吸い、タービンを駆動する
風速を落し、これによりタービン及び回転ブラシ
の回転騒音を低減するようにしたものが存する。
しかしながら、このようなものはリーク弁と操作
板とを連結しつつ移動自在に設けなければならな
いことにより、構造が複雑であり塵埃が詰つて作
動不良を起す。また、本体ケースを床面から持ち
上げたときにリーク弁を自動的に開くためには、
操作板を一方へ付勢して床面に弾発性をもつて接
合させなくてはならないことにより走行性が悪く
なる。さらに、床面に対する本体ケースの接触位
置が変わるとリーク弁が開きタービンの回転効率
が低下する。しかも、本体ケースをもち上げたと
きに通風孔から流通する風と床面に向けて開口す
るリーク孔からの風とが互いに直交して干渉し、
吸気音が高くなる等の欠点を有しているものであ
る。

この考案はこのような点に鑑みなされたもの
で、構造を簡略化するとともに騒音を大幅に低減
しうる電気掃除機の吸込口体をうることを目的と
するものである。

この考案は、絨毯を掃除するときはブラシ室と
吸込風路とを連通する通風孔から吸込気流を絞つ
てタービンに吹き当てるが、掃除中本体ケースを
床面から離したときには吸込風路に形成したリー
ク孔からも空気を吸い、通風孔からタービンに吹
き当てる風速を激減し、しかも、吸込風路にリー
ク孔からの吸込気流をタービンの下部と上部とに
分岐して流通する分岐風路を形成することにより
タービンを停止し、したがつて、回転騒音の発生
を防止し、さらに、リーク孔の開閉は本体ケース
を床面に対して接離させるだけであるため構造を
簡略化するとともに走行性を良好にしうるように
構成したものである。

この考案の一実施例を図面に基づいて説明す
る。１は電気掃除機で、その集塵部２には吸込ホ
ース３と延長管４とが順次接続され、この延長管
４に接続される回転管５を有する本体ケース６が
設けられている。この本体ケース６は前記回転管
５とバンパ７とを挾みつつ上ケース８と下ケース
９とを組立てたものである。この本体ケース６の
内部は、前記上ケース８と前記下ケース９とに互
いに縁接合する仕切壁１０，１１，１２を形成す
ることによりブラシ室１３と回転管５に接続され
た幅広の吸込風路１４と伝動室１５とに仕切られ
ている。前記ブラシ室１３に架設した回転ブラシ
１６と前記吸込風路１４に位置させたタービン１
７とは前記伝動室１５においてベルト１８により
連結されている。そして、前記仕切壁１０には前
記ブラシ室１３と前記吸込風路１４とを連通する
通風孔１９が形成されている。

ついで、前記本体ケース６には前記通風孔１９
の開口面積を調節する風速調節板２０が前記仕切
壁１０に沿つてスライド自在及び任意位置固定自
在に設けられている。この風速調節板２０の操作
つまみ２１は前記上ケース８から突出されてい
る。

しかして、前記本体ケース６の前記下ケース９
の底面には床摺接面６ａが形成され、この床摺接
面６ａの前記吸込風路１４の底にはリーク孔２２
が形成されている。さらに、吸込風路１４にはリ
ーク孔２２の上部に位置してそのリーク孔２２か
らの吸込気流を前記タービン１７の下部外周と上
部外周とに分岐して流通させる分岐風路２３が形
成されている。前記タービン１７を駆動するには
前記風速調節板２０により前記通風孔１９を最小
に絞り、通風孔１９で絞られた吸込気流により前
記タービン１７を駆動するが、床面から前記本体
ケース６を持ち上げたときに絞られた通風孔１９
とリーク孔２２から吸い込まれた吸込気流が、等
分に前記タービン１７の上部及び下部に分岐され
るように前記分岐風路２３の形状が定められてい
る。さらに、前記分岐風路２３の内面にはスポン
ジ等の緩衝材２４がリーク孔２２からの吸込気流
を上部と下部とに分岐させる分岐点を含む位置に
定めつつ貼着されている。

このような構成において、第２図に示す状態は
風速調節板２０により通風孔１９が最小に絞られ
た状態である。したがつて、塵埃を含む外気は風
速を高めた状態で吸込風路１４を流通して集塵部
２に吸い込まれ、このときにタービン１７が高速
回転して回転ブラシ１６を駆動する。掃除中本体
ケース６は前後方向に動かす度に床から離れ、あ
るいは意識的に床面から離すことがあるが、この
ときは、リーク孔２２が絨毯等の床面から離れて
開放される。すなわち、吸込風路１４へは絞られ
た通風孔１９のみならずリーク孔２２から外気が
吸い込まれるため風速が激減する。しかも、通風
孔１９からタービン１７の下部に流通する吸込気
流とリーク孔２２から吸い込まれて分岐風路２３
によりタービン１７の下部に流通する吸込気流と
の合計は、リーク孔２２から吸い込まれて分岐風
路２３によりタービン１７の上部に流通する吸込
気流と等しく、したがつて、タービン１７は静止
状態に維持される。したがつて、タービン１７の
回転音は全く聞えない。しかも、リーク孔２２か
らの吸込気流は分岐風路２３の内面を直撃して分
岐されるが、その分岐点に緩衝材２４を設けたの
で吸気音を小さくすることも可能である。

畳や板の間等の硬質の床を掃除するときは、風
速調節板２０をスライドして通風孔１９の開口面
積を増大し、通風孔１９からタービン１７に向う
吸込気流の流速を激減することにより、回転ブラ
シ１６を停止することが可能である。

この考案は上述のように構成したので、絨毯を
掃除するときは通風孔を絞つてタービンと回転ブ
ラシとを回転するが、掃除中に本体ケースを床面
から離したときには吸込風路に形成したリーク孔
からも外気を吸い、通風孔からタービンに吹き当
てる風速を激減し、しかも、リーク孔からの吸込
気流を分岐風路によりタービンの上部外周と下部
外周とに分岐させて流通させることができ、した
がつて、タービン駆動中に本体ケースを床面から
離したときにタービン及び回転ブラシを停止さ
せ、回転騒音の発生を防止することができ、さら
に、リーク孔の開閉は本体ケースを床面に接離さ
せるだけで行われるため、構造を簡略化するとと
もに走行性を良好にすることができる等の効果を
有するものである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１
図は使用状態を縮小して示した側面図、第２図は
一部を切欠して本体ケースの内部を示した斜視
図、第３図は本体ケースを裏から示した斜視図、
第４図はリーク孔の位置で本体ケースを断面し拡
大した縦断側面図である。 １……電気掃除機、２……集塵部、６……本体
ケース、６ａ……床摺接面、１０……仕切壁、１
３……ブラシ室、１４……吸込風路、１６……回
転ブラシ、１７……タービン、１９……通風孔、
２０……風速調節板、２２……リーク孔、２３…
…分岐風路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電気掃除機の集塵部に接続される上ケースと下
   ケースとからなる床面を走行する本体ケースにタ
   ービンを収納する吸込風路と前記タービンに連結
   されて駆動される回転ブラシを収納する下面開口
   のブラシ室とを仕切壁により仕切つて形成し、こ
   の仕切壁に風速調節板により風路面積が切換えら
   れる通風孔を前記タービンに対向させて形成し、
   前記下ケースの底面に設けた床摺接面に床面に向
   けて開口するリーク孔を形成し、前記吸込風路の
   前記通風孔側に前記タービンと対向するよう位置
   させて前記リーク孔からの吸込気流を前記タービ
   ンの上部と下部とに分岐して流通させる分岐風路
   を形成したことを特徴とする電気掃除機の吸込口
   体。