JPH025408B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、電気掃除機の吸込口体に関するも
のである。

従来、電気掃除機の集塵部に接続されて床面を
走行する本体ケースに、回転ブラシを収納するブ
ラシ室と回転ブラシを駆動するタービンを収納す
るタービン室とを仕切壁により仕切つて形成し、
この仕切壁に形成した通風孔から外気を絞りつつ
吸い込んでタービンを駆動して回転ブラシを回
し、これにより、絨毯等を掃除するようにした吸
込口体が存する。

しかし、この種の吸込口体は掃除中に吸込口体
の本体ケースを床面から離すと回転ブラシは絨毯
面等の掃除面から離れるため無負荷状態となり、
また、ブラシ室の開口面が開放されて空気の吸込
量が増大するのでタービンの回転力が増すためタ
ービンと回転ブラシとは回転数が増大する。これ
により回転数の増大に伴う騒音が増大し、また、
回転ブラシ、タービンの軸受部が摩耗する等の弊
害が生じる。このようなことから、例えば、特公
昭46−18675号公報に記載されているように本体
ケースのタービン室にリーク弁を有するリーク孔
を形成するとともにリーク弁を開閉させる操作板
を常時（床面から離れているとき）本体ケースの
底面から突出するように、弾発的に付勢して設
け、床面走行時には操作板を弾発的な付勢に抗し
て床面によつて押圧してリーク弁を閉止し、本体
ケースを床面から離した時には操作板の本体ケー
ス底面から突出位置への復帰動作によりリーク弁
を開放方向へ作動させてリーク孔を開き、リーク
孔からも空気を吸い、タービンに吹き当てる空気
流を減らし、タービンを駆動する風速を落してタ
ービンの回転力を減らし、これによりタービン及
び回転ブラシの回転騒音を低減するようにしたも
のが存する。しかしながら、このようなものはリ
ーク弁と操作板とを連結しつつ移動自在に設けな
ければならないことにより、構造が複雑であり、
また、操作板と本体ケースの間に塵埃が詰つて操
作板・リーク弁の作動不良を起す等の問題及びリ
ーク弁開放時にリーク孔から吸込まれた塵がリー
ク弁にからまり、これによりリーク孔の開閉が不
充分になるという問題がある。また、操作板は床
面方向に対して常に弾発性をもつて突出している
ことから、掃除中には常に床面と圧接摺動するこ
ととなりまた場合によつては絨毯面に引掛かつた
りして走行性が悪くなるばかりか床面（たたみ、
絨毯、板の間）を損傷するという問題がある。さ
らに、掃除中手によつて本体ケースを前に押した
り後に引いたりする動作に起因して床面に対する
本体ケースの接触位置が変わると操作板と床面と
の接触力が変り操作板が動きリーク弁が開きター
ビンの回転効率が低下するという問題がある等の
欠点を有しているものである。

この発明はこのような点に鑑みなされたもの
で、簡単な構造で回転ブラシの無負荷時における
タービン及び回転ブラシの回転増大を防止して騒
音を大幅に低減するとともに軸受部の摩耗を防止
し、更に床面の損傷を防止するとともに走行性の
よい電気掃除機の吸込口体をうることを目的とす
るものである。

この発明は、絨毯を掃除するときはブラシ室と
タービン室とを連通する通風孔から吸込気流を絞
つてタービンに吹き当てるが、掃除中本体ケース
を床面から離したときにはタービン室に形成した
リーク孔からも空気を吸い、通風孔からタービン
に吹き当てる風量を減してタービンの回転力を低
下させ、タービン及び回転ブラシの回転数を低減
して回転騒音を低減し、リーク孔の開閉は本体ケ
ースを床面に対して接離させるだけであるため構
造を簡略化するとともに走行性を良好にし、さら
に、リーク孔からの吸込気流を整流する整流壁を
形成することにより吸気騒音をも有効に低減しう
るように構成したものである。

この発明の一実施例を図面に基いて説明する。
１は電気掃除機で、その集塵部２には吸込ホース
３と延長管４とが順次接続され、この延長管４に
接続される回転管を有する本体ケース６が設けら
れている。この本体ケース６は前記回転管５とバ
ンパ７とを挟みつつ上ケース８と下ケース９とを
組立てたものである。この本体ケース６の内部
は、前記上ケース８と下ケース９とに互いに縁接
合する仕切壁１０，１１，１２を形成することに
より、ブラシ室１３と前記回転管５に接続された
幅広のタービン室１４と伝動室１５とに仕切られ
ている。ブラシ室１３に架設した回転ブラシ１６
とタービン室１４に位置させたタービン１７とは
前記伝動室１５においてベルト１８により連結さ
れている。そして、前記仕切壁１０には前記ター
ビン１７の側方を迂回する風路面積の大きい通風
孔２０（第二の通風孔）と前記タービン１７に対
向する風路面積の小さい通風孔１９（第一の通風
孔）とが形成されている。ついで、通風孔２０を
開閉する風速調節板２１が前記仕切壁１０に沿つ
てスライド自在に設けられている。この風速調節
板２１の操作部２２は前記本体ケース６に形成し
たガイドリブ２３にスライド自在に案内され、そ
の操作部２２に形成した突部２４に係合する係止
部２５，２６が形成された弾性係止板２７が前記
下ケース９に設けられている。

しかして、前記タービン室１４の底面には前記
通風孔１９の側方に位置して床面に向けて開口す
るリーク孔２８が形成されている。このリーク孔
２８はブラシ室１３の後部に近接して設けられて
いる。また、このリーク孔２８の周縁には第３図
及び第５図に示すように上方へ延出する角筒状の
整流壁２９が形成されている。この整流壁２９に
より吸い込まれる空気は前記タービン１７を迂回
するように方向付けられている。

このような構成において、第２図及び第３図に
示すように通風孔２０を開いた状態では、塵挨を
含む外気はブラシ室１３の下面から吸い込まれ、
通風孔１９，２０からタービン室１４に吸い込ま
れ、回転管５から集塵部２に吸い込まれる。この
とき、通風孔１９を通る風はきわめて少なく風速
も低く、タービン１７は風速で駆動されない。こ
の使用状態は硬質の床を掃除するときである。絨
毯を掃除するときは風速調節板２１を本体ケース
６の中心寄りにスライドさせて通風孔２０を閉じ
る。すなわち、ブラシ室１３の下面から吸い込ま
れた空気は風路断面積の小さい通風孔１９から絞
られて流速を速めてタービン１７に吹きつれら
れ、タービン１７を駆動しつつ集塵部２に向う。
このときは底面は絨毯面に接触しているためリー
ク孔２８は絨毯面によつて閉じられている。この
とき、リーク孔２８の内部の負圧により絨毯の毛
の一部はそのリーク孔２８内に吸い込まれるが、
これによる抵抗はわずかなものであり、本体ケー
ス６の走行性を阻害するようなものではない。そ
して、掃除中方向変換等の度に本体ケース６が床
面から離れることがよくあるが、このときにリー
ク孔２８は絨毯面から離れるため開いて通風孔１
９を流通する吸込量が減少することにより風速が
低減し、タービン１７へ吹付けられる風速が弱く
なり、回転力が減少する。したがつて、回転ブラ
シ１６は床から離れることにより無負荷となり、
ブラシ室１３の開口面も大きく開放されるにも拘
らず回転数は上がらない。たとえば、図示する実
施例のリーク孔２８の形状のモデルで実験したと
ころ、本体ケース６を床面より持ち上げた状態の
無負荷時において、リーク孔２８をテープ等で閉
止した時の回転ブラシの回転数を測定すると、約
6000rpmであつたが、リーク孔２８を開放した状
態にすると、約3000rpmになり、リーク孔２８の
閉止時の約半分にまで減少した。したがつて、回
転騒音は小さく、また、軸受部の摩耗の影響も少
ない。また、リーク孔２８から整流壁２９により
導かれた吸込気流はタービン１７を逆転させる力
として作用する。

なお、第６図に示すようにリーク孔２８からの
吸込気流をタービン室１４の下部を流れるように
して実質的にタービン１７を迂回するように整流
する整流壁３０を形成してもよい。この場合はこ
の整流壁３０を利用してリーク孔２８からの吸込
気流をタービン１７の下側をくぐり抜けるように
タービン室１４の底の一部にタービン１７の半径
より大きな半径をもつて弧状凹部３１を形成する
ことにより、絨毯を掃除しているときに本体ケー
ス６の床面から浮き上つたときリーク孔２８から
空気が吸い込まれたとしても、リーク孔２８から
の気流はタービン１７を回転させる作用はない。
この整流壁３０によりリーク孔２８からの空気流
と通風孔１９，２０からの空気流とは流れる方向
が同一方向に方向付けられ、互いに乱流を生じる
ことなく、これによる吸気騒音の発生を低減でき
る。また、通風孔１９からの吸込経路に対応する
タービン室１４の底部の一部に、第４図に示すよ
うにタービン１７の接線に近接する平面部３２を
形成することにより、絨毯を掃除するときに通風
孔１９からの吸込気流により効率よくタービン１
７を回転させる。

この発明は上述のように構成したので、絨毯を
掃除するときはブラシ室とタービン室とを連通す
る通風孔から絞つた吸込気流をタービンに吹き当
てて回転ブラシを駆動するが、本体ケースを床面
から浮かしたときにリーク孔を開放しタービンに
吹き当てる空気流を減らして回転トルクを低減
し、これにより、タービン及び回転ブラシの回転
数の増大を防止して回転騒音を低減するとともに
タービン及び回転ブラシの軸受部の摩耗を防ぐこ
とができ、また、リーク孔からの吸込気流を整流
壁により整流することにより吸気騒音をも低減
し、また、従来のようにリーク孔を開閉する操作
板やリーク弁等の特別な機構を必要としないため
操作板が床面にひつかかることもなく走行性がよ
く、床面を損傷することもなく、また、塵挨等に
よる操作板の動作不良もなく、本体ケースが床面
に接しているときと浮き上つて通風されたときの
リーク孔の開閉を確実に行なうことができる等の
効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の一実施例を示すもので、第１
図は使用状態を示す全体の縮小した側面図、第２
図は本体ケースの一部を切欠した斜視図、第３図
は上ケースを外して本体ケースの内部を示した平
面図、第４図は第３図におけるＡ−Ｂ線部の拡大
した縦断側面図、第５図は第３図におけるＡ−Ｃ
線部の拡大した縦断側面図、第６図は第３図にお
けるＡ−Ｃ線部で断面にしつつ整流壁の他の例を
示した拡大した縦断側面図である。 ２……集塵部、６……本体ケース、１０……仕
切壁、１３……ブラシ室、１４……タービン室、
１６……回転ブラシ、１７……タービン、１９〜
２０……通風孔、２１……風速調節板、２８……
リーク孔、２９〜３０……整流壁、３１……弧状
凹部、３２……平面部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 床面を走行する本体ケースに電気掃除機の集
   塵部に接続されるとともにタービンを位置させる
   タービン室と前記タービンに連結されて駆動され
   る回転ブラシを収納する下面開口のブラシ室とを
   仕切壁により仕切つて形成し、この仕切壁に前記
   タービンに対向するタービン駆動用の第一の通風
   孔と前記タービンの側方を迂回する空気流を発生
   させるとともに風速調節板で開閉される第二の通
   風孔とを形成し、前記本体ケースの前記タービン
   室の底面前方の床面に向けて一端が開口し他端が
   前記タービン室内において前記タービンを迂回す
   るようにそのタービンの外周に沿う整流壁により
   方向付けられて開口するリーク孔をを形成したこ
   とを特徴とする電気掃除機の吸込口体。