JPH0210971Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、回転ブラシを装備した床用掃除具に
関するものである。

この種の床用掃除具は、床面を走行する本体ケ
ースに回転ブラシを収納する下面開口のブラシ室
が形成されているが、ブラシ室は横長で、その後
面及び開口縁の後縁は回転ブラシの軸心と平行な
直線である。このため、回転ブラシにより後方へ
飛ばされた塵埃はブラシ室の後壁や開口縁の後縁
で前方へはじかれる。ブラシ室の後部中央には集
塵部に接続される通風孔が形成されているのが普
通であるが、ブラシ室の中央から外れた両外側で
は中央の通風孔に向う吸込流速が遅い。したがつ
て、両外側においては塵埃が吸いきれない欠点を
有している。

また、通風孔は本体ケースの略中央部に位置し
ているが、吸込開口及び仕切板が直線的であるた
め、流速の大きい中央部分での風切音が大きく騒
音レベルが高いものである。

本考案はこのような点に鑑みなされたもので、
本体ケースの吸込開口の幅方向全体にわたつて吸
塵効率が高く、騒音レベルも低い床用掃除具を得
ることを目的とするものである。

本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。
１は電気掃除機で、その集塵部２には吸込ホース
３と延長管４とが順次接続され、この延長管４に
接続される回転管５を有する本体ケース６が設け
られている。この本体ケース６は前記回転管５と
バンパ７とを挟みつつ上ケース８と下ケース９と
を組立てたものである。この本体ケース６の内部
は、前記上ケース８と下ケース９とに互いに縁接
合する仕切板１０，１１，１２を形成することに
より、ブラシ室１３と前記回転管５に接続された
幅広の吸込風路１４と伝動室１５とに仕切られて
いる。ブラシ室１３に架設した回転ブラシ１６と
吸込風路１４に位置させた駆動部であるタービン
１７とは、前記伝動室１５においてベルト１８に
より連結されている。そして、前記仕切板１０の
中央には仕切板１９が着脱自在に挿着され、この
仕切板１９には前記タービン１７の側方を迂回す
る風路面積の大きい通風孔２０と、前記タービン
１７に対向する風路面積の小さい通風孔２１とが
連通されつつ形成されている。ついで、通風孔２
０を開閉する風速調節板２２が前記仕切板１０，
１９に沿つてスライド自在に設けられている。こ
の風速調節板２２の操作部２３は前記本体ケース
６に形成したガイドリブ２４にスライド自在に案
内され、その操作部２３に形成した突部２５に係
合する係止部２６が形成された弾性係止板２７が
前記下ケース９に設けられている。

ついで、前記ブラシ室１３の底面には横長の吸
込開口２８とリーク孔２９とが形成されている。
このリーク孔２９は吸込開口２８の後縁において
前記通風孔２１に隣接する位置に位置している。
さらに、前記本体ケース６の底面の前部両側には
前輪３０が設けられ、後部両側には後輪３１が設
けられている。また、前記本体ケース６の下面に
は前記リーク孔２９の後部に位置する横長のブラ
シ３２が設けられている。

しかして、前記仕切板１０，１９と前記吸込開
口２８の後縁とには、両外側から中央に向うにつ
れ前記回転ブラシ１６から離反する後方へ向けて
傾斜する塵埃案内面３３，３４が形成されてい
る。すなわち、前記吸込開口２８の後方の縁部３
５は前記塵埃案内面３３，３４より略水平に突出
してヒサシ部２８ａとされ、その縁部３５は前記
塵埃案内面３３，３４に沿つて形成されている。
これにともない、前記風速調節板２２と前記操作
部２３と前記ガイドリブ２４とは前記仕切板１
０，１９に沿つて湾曲されている。

このような構成において、第２図に示すように
通風孔２０を開いた状態では、塵埃を含む外気は
ブラシ室１３の下面から吸い込まれ、通風孔２
０，２１から吸込風路に吸い込まれ、回転管５か
ら集塵部２に吸い込まれる。このとき、大部分の
吸込気流はタービン１７を迂回する大きな通風孔
２０から吸い込まれ、小さい通風孔２１を通る風
はきわめて少なく風速も低く、タービン１７は駆
動されない。この状態は硬質の床を掃除するとき
である。絨毯を掃除するときは風速調節板２２を
本体ケース６の中心寄りにスライドさせて通風孔
２０を閉じる。すなわち、ブラシ室１３の下面か
ら吸い込まれた空気は風路断面積の小さい通風孔
２１から流速を絞られつつ流通し、タービン１７
を駆動しつつ集塵部２に向う。掃除中方向変換等
の度に本体ケース６を床面から離すことがよくあ
るが、このときにリーク孔２９が開いて通風孔２
１を流通する吸込量及び風速を落す。したがつ
て、回転ブラシ１６は床から離れることにより無
負荷となり、ブラシ室１３の開口面も大きく開放
されるにも拘らず回転数は上がらない。したがつ
て、回転騒音は小さい。

このように、絨毯を掃除するときは回転ブラシ
１６を駆動して行う。通風孔２１に吸い込まれる
吸込気流の流速はブラシ室１３の中央部において
早く両外側に向うにつれ遅くなるが、仕切板１
０，１９と吸込開口２８の後縁とには中央に向う
につれ回転ブラシ１６から離反する後方へ傾斜す
る塵埃案内面３３，３４が形成されていることに
より、回転ブラシ１６により後方へ飛ばされた塵
埃は塵埃案内面３３，３４により吸込流速が早く
なる中央寄りにはじかれる。したがつて、本体ケ
ース６の両外側部においても吸塵作用は良好であ
る。また、面積の大きい塵埃案内面３３，３４は
その斜面により外気を整流しつつ中央へ導き、乱
流の発生とこれにともなう騒暫の発生とを防止す
る。

また、吸込開口２８のブラシ室１３側の縁部３
５は、略水平に突出するヒサシ部２８ａの端部と
されているため、塵埃案内面３３，３４に衝突し
て吸い込まれなかつた塵埃がそのヒサシ部２８ａ
上に落下して床面にまでは達することがなく、本
体ケース６の動きが早くても吸込気流で吸い込ま
れる状態にヒサシ部２８ａで保持され、確実に集
塵される。

さらに、ヒサシ部２８ａが存することは、毛足
の長い絨毯等の掃除において、そのヒサシ部２８
ａでその絨毯の毛足をしごく状態になり、これに
より、強固に付着していた塵埃を擦り落すことが
できるものである。

さらにまた、吸込開口２８の縁部３５にヒサシ
部２８ａを形成したことは、吸込開口２８の開口
面積を小さくすることであり、これは床面との吸
い付き力を減少させることになるため、本体ケー
ス６を床面上で摺動させる抵抗が少なくなり、操
作性が向上する。

なお、塵埃案内面３３，３４は弧状に形成する
ことにより傾斜させたが、直線をもつて傾斜させ
てもよいものである。

また、本考案は、本体ケースの電動送風機と集
塵部とを装備した型式の床用掃除具にも適用され
るものである。

本考案は上述のように構成したので、吸込開口
から通風孔に向かう吸込気流は、後方へ傾斜した
塵埃案内面に沿つて中央に向かう流れになること
から、本体ケースの全幅に沿つて吸込気流を滑ら
かに流し、これにより、両側の塵埃も有効に吸塵
することができ、この気流の流れは吸込開口の縁
部が塵埃案内面に沿つて形成されているため、中
央の通風孔に向かう吸込気流の発生を良好に行な
わせることができ、また、傾斜した塵埃案内面に
衝突した塵埃は中央寄りにはじき返されて有効に
吸塵され、直ちに吸い込まれなかつた塵埃もヒサ
シ部で一時的に保持されるため、床面に戻ること
なく確実に集塵することができ、毛足の長い絨毯
等をヒサシ部でしごいて塵埃を掻き取ることがで
き、さらに、中央部分では吸込開口の幅が大きい
ため、大きな塵埃をも良好に吸塵することがで
き、かつ、この部分での吸込風量が大きくても流
速を低下させることができるので、風切音を低下
させることができ、騒音レベルを下げることがで
き、また、全体的には吸込開口に形成されたヒサ
シ部がその吸込開口の開口面積を減少させるた
め、床面との吸い付き力を減少させて本体ケース
の床面との摺動性を高め、操作性を向上させるこ
とができる等の効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は全体構成を縮小して示した側面図、第２図は一
部を切欠して本体ケースの内部を示した斜視図、
第３図は上ケースを外して本体ケースの内部を示
した平面図、第４図は本体ケースの底面図であ
る。 ２……集塵部、６……本体ケース、１０……仕
切板、１３……ブラシ室、１４……吸込風路、１
６……回転ブラシ、１７……タービン（駆動部）、
１９……仕切板、２０〜２１……通風孔、２８…
…吸込開口、２８ａ……ヒサシ部、３３〜３４…
…塵埃案内面、３５……縁部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 床面を走行する本体ケースに、床面に向けて開
   口する吸込開口を有して駆動部に連結された回転
   ブラシを収納する横長のブラシ室とこのブラシ室
   の後方に位置して集塵部に接続される吸込風路と
   を仕切板により区分して形成し、前記仕切板に前
   記ブラシ室の後部中央と前記吸込風路とを連通す
   る通風孔を形成し、前記ブラシ室の後部に位置す
   る前記仕切板の前記ブラシ室側の一面を両外側か
   ら中央の前記通風孔に向かうにつれて後方へ傾斜
   させた塵埃案内面とし、前記吸込開口の前記塵埃
   案内面側にこの塵埃案内面に沿う部分を含んで連
   続した形状であり略水平方向に一定幅で突出した
   ヒサシ部を形成し、このヒサシ部の端部を前記吸
   込開口の縁部としたことを特徴とする床用掃除
   具。