JPS64209Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は電気掃除機の吸込口体に係り、電気掃
除機の吸込ホースに接続された延長管などの先端
に取付けられ、回転刷毛体を回転させるタービン
の回転、非回転を風路の切換えによつて行ない、
じゆうたん面などの掃除時には回転刷毛体を回転
させ、また畳面などの掃除時には回転刷毛体を回
転させずに掃除をすることのできる吸込口体に関
する。

（従来の技術） 従来のこの種電気掃除機において、電気掃除機
本体内に設けた電動送風機によつて吸込まれる空
気流によりタービンを回転させ、このタービンの
回転によつて回転刷毛体を回転させてじゆうたん
面などの掃除を行なうようにした構造の吸込口体
が、例えば、実開昭56−139450号公報に記載され
ているように提案されている。この吸込口体は吸
込口体ケースの吸込室と風路室との間の仕切壁に
形成されている通気口を、風路室に設けた切換弁
にて切換え開閉し、風路室に回転自在に支持され
た回転軸に取付けられているタービンを回転、非
回転に切換える構造が採られている。

（考案が解決しようとする問題点） 上記実開昭56−139450号公報に記載提案されて
いる電気掃除機の吸込口体では、タービンの回
転、非回転時、常にタービンの回転軸は風路室に
露出されており、特にタービンの回転時にこのタ
ービンの回転軸には吸引された糸状または綿状の
塵埃が付着したり、巻付き易く、タービンが回転
不良が生じる問題を有していた。

本考案は上記問題点に鑑みなされたもので、タ
ービンの回転、非回転時ともにタービンの回転軸
および軸受部は吸込口を有する吸込室から吐出口
に至る間の風路室の風路から隔離され、特に回転
刷毛体を回転させる場合に、タービンの回転軸、
軸受部に糸状または綿状の塵埃が付着したり、巻
付くことがなく、タービンの回転不良が生じるこ
とがない電気掃除機の吸込口体を提供するもので
ある。

〔考案の構成〕

（問題点を解決するための手段） 本考案の電気掃除機の吸込口体は、吸込口を下
面に開口した吸込室とこの吸込室に小面積の小通
気部と大面積の大通気部を有する仕切壁を介して
隣接形成され吐出口に連通された風路室とを有す
る吸込口体ケースと、この吸込口体ケースの風路
室の一側部に一端側を回転軸にて回転自在に軸支
されたタービンと、前記吸込室に回転自在に軸架
され前記吸込口から突出される刷毛を植設しかつ
前記タービンによつて回転される回転刷毛体と、
前記ケースに仕切壁に沿つて摺動自在に設けられ
前記小面積の小通気部と大面積の大通気部を切換
える切換板と、前記タービンに嵌合し得る内径の
嵌合孔を有し前記切換板に連動して前記風路室に
前記タービンの一方の端面位置と他方の端面位置
とに移動可能に設けられ前記風路室の一側壁を構
成しこの風路室の他側部との間に風路を形成する
板状の風路構成部材とを具備したことを特徴とし
たものである。

（作用） 本考案の電気掃除機の吸込口体は、畳面などの
掃除に際しては、切換板を摺動させて、吸込室と
風路室との間の仕切壁に形成した大通気部を閉
じ、小通気部にて吸込室と風路室とを連通させ、
切換板の移動に連動する風路構成部材の嵌合孔は
タービンの他方端面に嵌合した状態となり、ター
ビンの他方端面側に形成される空間部にタービン
およびこのタービンの回転軸とは隔離された風路
が形成される。またじゆうたんなどの掃除に際し
ては、切換板を移動させて、大通気部にて吸込室
と風路室とを連通させ、この切換板に連動して風
路構成部材をタービンの一方の端面位置に移動さ
せると、この風路構成部材の嵌合孔はタービンの
一方の端面に嵌合位置され、タービンは風路中に
配置される。この状態時にタービンの回転軸は風
路構成部材によつて風路から遮断されている。こ
の状態で、吸込み風が仕切壁の通気口からタービ
ンに流れ、タービンが回転して回転刷毛体が回転
される。

（実施例） 次に本考案の一実施例の構成を図面について説
明する。

１は吸込口体ケースで、上部ケース部材２と下
部ケース部材３とにて構成され、この吸込口体ケ
ース１内には下面後部に吸込口４を開口した吸込
室５とこの吸込室５の前側に隣接され吐出口６を
開口した風路室７とが形成され、この風路室７の
一側端には軸支部８，８が形成され、この風路室
７の一側に位置してタービン９が配設され、この
タービン９の一端に突出した回転軸１０の軸受部
１１が前記軸支部８，８に軸支され、このタービ
ン９は風路室７を通過する吸込風によつて回転さ
れるようになつている。またこの回転軸１０の一
端にはプーリ１２が設けられている。

また１３は回転刷子体で略円筒状に形成され、
この回転刷子体１３の外周面には螺旋状に刷毛１
４が植設され、この回転刷子体１３は前記吸込室
５に配設され、この回転刷子体１３の両端に突設
した支軸１５が吸込室５の両端に回転自在に軸支
され、この一方の支軸１５にはプーリ１６が設け
られている。そしてこのプーリ１６と前記タービ
ン９の回転軸１０に設けたプーリ１２とにベルト
１７が懸回され、タービン９の回転で回転刷子体
１３が連動回転されるようになつている。

また前記吸込室５に軸架された回転刷子体１３
の刷毛１４は前記吸込口４から突出され、被掃除
面を摺擦するようになつている。

また前記吸込室５と風路室７との間を仕切る仕
切壁１９には前記吸込室５と風路室７とを連通さ
せる通気口２０が形成されている。この通気口２
０は前記タービン９に対向する一側は高さの低い
小面積の小通気部２１となつており、タービン９
の他側空間部２２に対応する他側は小通気部２１
と幅は略同一で高さの高い大面積の大通気部２３
となつている。

また２４は前記仕切壁１９に沿つて摺動自在に
設けられた風路面積切換板で、この風路面積切換
板２４の中間部には前記仕切壁１９の通気口２０
の大通気部２３に対応する通気開口２５が形成さ
れている。またこの風路面積切換板２４の一端部
と通気開口２５の他端部は閉塞部２６，２７に形
成され、他端部には後方に向つて操作部２８が突
出形成されている。この操作部２８の下面には前
記風路室７の他側に形成された案内条２９に係合
される係合案内部３０が形成され、この操作部２
８の操作で風路面積切換板２４は仕切壁１９に沿
つて摺動され、閉塞部２６にて通気口２０の小通
気部２１を閉塞し、通気開口２５が大通気部２３
に合致してタービン９を非回転とし、また通気開
口２５を通気口２０の小通気部２１に合致し大通
気部２３を閉塞部２７にて閉塞し、タービン９を
回転させるように設定できる。

また３１は板状の風路構成部材で、前記風路面
積切換板２４の前面に連結部３２を介して前方に
向つて一体的に設けられている。そしてこの連結
部３２は前記仕切壁１９の下縁に沿つて移動され
るようになつており、この風路構成部材３１は前
記風路室７に前記タービン９の軸方向に移動可能
に配設されている。またこの風路構成部材３１は
タービン９に嵌合し得る内径の嵌合孔３３が形成
され、前記風路面積切換板２４の通気開口２５が
通気口２０の大通気部２３と合致しているときに
風路構成部材３１はタービン９の他端部に位置さ
せ、風路室７のタービン９の他端面と風路室７の
他端との間に風路を形成し、また風路面積切換板
２４の通気開口２５が通気口２０の小通気部２１
と合致しているときに風路構成部材３１は嵌合孔
３３がタービン９を嵌合して移動してタービン９
の一端部に位置されるようになつている。

次にこの実施例の作用について説明する。

畳面、床面などの掃除に際しては操作部２８の
操作で風路面積切換板２４を摺動させ、閉塞部２
６で通気口２０の小通気部２１を閉塞し通気開口
２５を大通気部２３に一致させると、風路構成部
材３１の嵌合孔３３はタービン９の他側端に嵌合
された状態となり、タービン９の他端側に空間部
２２によつて風路構成部材３１で仕切られた風路
Ａが第３図に示すように形成される。

この状態で掃除機本体の電動送風機を駆動する
と、吸込口４、吸込室５、風路面積切換板２４の
通気開口２５、仕切壁１９の通気口２０の大通気
部２３、風路室７の空間部２２および吐出口６の
風路Ａによつて塵埃が吸込まれて掃除機本体側に
吐出される。このとき仕切壁１９の通気口２０の
小通気部２１は風路面積切換板２４の閉塞部２６
にて閉塞されているため、タービン９は回転され
ず、また空間部２２の風路Ａは風路断面積が小さ
くなり、風速は大きくなり、比較的重量の大きい
塵埃も吐出される。

またじゆうたんなどの掃除に際しては操作部２
８の操作で風路面積切換板２４を摺動させ、閉塞
部２７で通気口２０の大通気部２３を閉塞すると
ともに小通気部２１に通気開口２５を一致させる
と、風路構成部材３１も風路面積切換板２４とと
もに移動し風路構成部材３１の嵌合孔３３はター
ビン９の外周に嵌合移動し、通気口２０の小通気
部２１に通気開口２５が一致した状態時に風路構
成部材３１はタービン９の一側端に位置し、ター
ビン９の回転軸１０の軸受部１１を覆う。この状
態で掃除機本体の電動送風機を駆動すると、吸込
口４、吸込室５、風路面積切換板２４の通気開口
２５、仕切壁１９の通気口２０の小通気部２１、
風路室７および吐出口６の風路Ｂによつてタービ
ン９が回転され、このタービン９の回転でベルト
１７を介して回転刷子体１３が回転され、回転刷
子体１３の刷毛１４が被掃除面を摺擦し、被掃除
面から浮上した塵埃は吸込まれる。そして風路室
７を通過する塵埃は風路構成部材３１にて覆われ
ているタービン９の軸受部１１側に回り込むこと
がないので、塵埃が回転軸１０、軸受部１１に附
着することがない。

なお前記実施例では風路面積切換板２４に風路
構成部材３１を一体的に設けた構造について説明
したが、風路面積切換板２４と風路構成部材３１
とを別個に設け、両者を適宜の手段で連動させる
ようにすることもできる。

〔考案の効果〕

本考案によれば、畳面、床面などの回転刷毛体
を回転させる必要のない非掃除面の掃除に際して
は、切換板に連動して移動する風路構成部材はタ
ービンの他方端面に嵌合位置され、またじゆうた
ん面などの回転刷毛体を回転させる必要がある非
掃除面の掃除に際しては、切換板に連動して移動
する風路構成部材はタービンの一方端面に嵌合位
置され、タービンの回転、非回転のいずれの位置
でも、タービンの回転軸および軸受部は風路から
隔離されており、このタービンの回転軸や軸受部
に糸状、綿状の塵埃が付着したり、巻付くことが
なく、タービンの回転不良が生じることがなく、
また風路面積の切換板と、風路構成部材とが連動
して切換えが確実にできるとともに、回転刷毛体
を回転、非回転の切換えとともに風路室の断面積
の調整も容易にできるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す電気掃除機の
吸込口体の底面側斜視図、第２図は同上上部ケー
ス部材を外した状態の斜視図、第３図は同上ター
ビン非回転時の平面図、第４図は同上タービン回
転時の平面図、第５図は同上風路面積切換板と風
路構成部材との斜視図である。 １……吸込口体ケース、４……吸込口、５……
吸込室、６……吐出口、７……風路室、９……タ
ービン、１３……回転刷子体、１４……刷毛、１
９……仕切壁、２０……通気口、２４……風路面
積切換板、３１……風路構成部材、３３……嵌合
孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 吸込口を下面に開口した吸込室とこの吸込室に
   小面積の小通気部と大面積の大通気部を有する仕
   切壁を介して隣接形成され吐出口に連通された風
   路室とを有する吸込口体ケースと、この吸込口体
   ケースの風路室の一側部に一端側を回転軸にて回
   転自在に軸支されたタービンと、前記吸込室に回
   転自在に軸架され前記吸込口から突出される刷毛
   を植設しかつ前記タービンによつて回転される回
   転刷毛体と、前記ケースに仕切壁に沿つて摺動自
   在に設けられ前記小通気部と大通気部を切換える
   切換板と、前記タービンに嵌合し得る内径の嵌合
   孔を有し前記切換板に連動して前記風路室に前記
   タービンの一方の端面位置と他方の端面位置とに
   移動可能に設けられ前記風路室の一側壁を構成し
   この風路室の他側部との間に風路を形成する板状
   の風路構成部材とを具備したことを特徴とした電
   気掃除機の吸込口体。