JPH119520A - 電気掃除機の吸込口体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 掃除時には塵埃が付着せずエアタービン37が
効率よく回転し、持ち上げた際に第１の回転ブレード71
および第２の回転ブレード72の回転が確実に大きく低減
および停止する電気掃除機の吸込口体を提供する。 【解決手段】 吸込口20を開口する第２の清掃体室19
と、第２の清掃体室19に連通路28にて連通する第１の清
掃体室18とをケース体15の下面に設ける。ケース体15の
後部中央に設けた連通管32に吸込口20を連通させる吸込
室21を設ける。ケース体15に開口する吸気口から内部に
収容したエアタービン37にスクロール状に吸気気流を供
給するタービン室38を形成する。吸気風路48のエアター
ビン37より下流側でのみエアタービン37に吸込口20が対
向せずに開口し連通管32に対向する吸気排出口47を開口
する吸気規制部46を設ける。エアタービン37は掃除時に
吸い込んだ塵埃が付着せず効率よく回転し、持ち上げ時
に回転が確実に大きく低減、停止する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、回転清掃体を回転
駆動させるエアタービンを設けた電気掃除機の吸込口体
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のエアタービンを設けた電
気掃除機の吸込口体としては、例えば実公平１−２８７
６１号公報および特開平７−５９６８５号公報に記載の
ように、エアタービンへの吸気気流の供給を制御する蓋
体や弁体を備えた構成や、吸込口からの吸込風路にター
ビン室の下流側にタービン室を流過した吸気気流が合流
してエアタービンへの吸気気流の供給を制御する構成が
知られている。

【０００３】すなわち、実公平１−２８７６１号公報に
記載の電気掃除機の吸込口体は、ケース体の下面前側に
吸込口を開口し、この吸込口に臨んで回転ブラシを回転
自在に設けた回転ブラシ室と、この回転ブラシ室に連通
し吸込口からの吸込気流により回転して回転ブラシを回
転させるファンを収容したファン室とを形成し、ファン
室の下底部に蓋体にて開閉されるリーク口を開口し、被
掃除面に接地する接地体を蓋体の最下部に設けている。

【０００４】そして、被掃除面にケース体の下面が対向
する掃除時には、蓋体の接地体が被掃除面に当接してフ
ァン室に開口するリーク口が蓋体にて開閉されて、吸込
口からの吸込気流により回転ブラシ室を介してファン室
内のファンが回転し、このファンの回転により回転ブラ
シが回転して被掃除面から塵埃を掻き出して掃除する。
また、下面が被掃除面から離間した場合には、蓋体が自
重により回動してリーク口が開口し、吸込口からの吸込
量が低減してファンの回転数が低減する。

【０００５】また、特開平７−５９６８５号公報に記載
の電気掃除機の吸込口体は、吸込口とホースや延長管が
接続する連通管との間の吸込風路に、複数の羽根を有し
吸込気流により回転するエアタービンを回転軸にて回転
自在に軸支し、回転軸の端部と回転清掃体の端部に設け
たプーリとに無端ベルトを掛け渡して、エアタービンの
回転により回転清掃体を回転させている。また、吸込風
路にはバイパス風路が連通して設けられている。さら
に、走行輪と別体の車輪がバイパス風路を開閉する弁体
を有した可動部材に軸支されている。

【０００６】そして、吸込口が床面に対向して走行輪が
床面に載置する場合には、床面にて車輪がケース体内に
没し、弁体がバイパス風路を閉塞し、吸込口からの吸込
気流にてエアタービンが効率よく回転して回転清掃体が
回転する。また、走行輪が床面から持上げられた際に
は、車輪が下方に突出して可動部材を可動させて弁体に
てバイパス風路を解放させてリークさせ、エアタービン
の回転を低下させている。

【０００７】しかしながら、上記実公平１−２８７６１
号公報および特開平７−５９６８５号公報に記載の従来
の電気掃除機の吸込口体では、吸込口体の下面にリーク
口を開閉させるための蓋体や弁体などの部材が設けられ
ているので、下面を上方に向けた状態では、接地体など
が作動してリーク口を閉塞してしまうことがある。この
ため、吸込口に吸い付いたゴミを取り除いたり、回転清
掃体に付着する塵埃を取り除くなどの回転清掃体の安全
な掃除などが困難である。また、蓋体や弁体に塵埃が付
着して確実なリーク口の開閉動作が行えず、掃除時にリ
ークして効率よくエアタービンが回転できなかったり、
持ち上げた際にリークせずに回転清掃体の回転を停止で
きないなどの誤作動を生じるおそれがある。さらに、リ
ーク口からのリークの際に騒音が発生し、作業者に不快
感を与える。

【０００８】一方、蓋体や弁体を設けずに持ち上げたと
き回転数が低下するものとして、吸気口を吸込口とは別
個に設けた構成も知られている。すなわち、例えば吸込
口からの吸込風路にタービン室の下流側にタービン室を
流過した吸気気流が合流してエアタービンへの吸気気流
の供給を制御する構成で、下面に塵埃を吸い込む吸込口
を開口する吸込室を有したケース体に、吸込口から吸込
室を介してホースが接続される連通管に至る吸込風路を
設けている。さらに、ケース体に吸込口とは別に吸気口
を設け、下面に臨んで回転自在に軸支された回転清掃体
を吸気口からの吸気気流により回転するエアタービンを
収納したタービン室を有し吸込室を介して連通管に対向
する吸気風路を設けている。そして、この吸気風路は、
タービン室の下流側にタービン室を通って吸気気流を吸
込風路の吸込気流に合流し、合流した気流が連通管に連
通する。

【０００９】しかしながら、吸込風路および吸気風路が
合流するので、吸込口とタービン室とが連通するため、
吸込口からの塵埃が合流部分からタービン室内に侵入す
るおそれがあり、この塵埃に侵入により各部位を損傷し
たり、エアタービンの円滑な回転が得られなくなるとと
もに、吸込気流と吸気気流との合流した気流を連通管か
ら吸い込むので、十分に吸気気流の低減ができずに回転
数を大きく低減できないおそれがある。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】上述したように、実公
平１−２８７６１号公報および特開平７−５９６８５号
公報に記載のようなエアタービンへの吸気気流の供給を
制御する蓋体や弁体を備えた従来の電気掃除機の吸込口
体では、下面を上方に向けた状態でリーク口が閉塞し、
回転清掃体が再び回転したり、蓋体や弁体に塵埃が付着
して誤作動するおそれがあり、回転清掃体の安全な掃除
などが困難である。また、塵埃が流過する吸込風路とエ
アタービンを回転させる吸込気流とが同じ経路であるた
め、塵埃がエアタービンに付着してエアタービンの円滑
な回転が得られなくなるとともに、リークの際に騒音を
発生する。

【００１１】一方、吸込口からの吸込風路にタービン室
の下流側にタービン室を流過した吸気気流が合流してエ
アタービンへの吸気気流の供給を制御する吸込口および
吸気口をそれぞれ設けた従来の電気掃除機の吸込口体で
は、吸込口からの塵埃がタービン室内に侵入してエアタ
ービンの円滑な回転が得られなくなり、効率よくエアタ
ービンを回転できなくなるとともに、持ち上げた際に回
転数を大きく低減できないおそれがある問題がある。

【００１２】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
で、掃除時には塵埃が付着することなくエアタービンが
効率よく回転し、持ち上げた状態では回転清掃体の回転
が確実に大きく低減および停止する電気掃除機の吸込口
体を提供することを目的とする。

【００１３】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の電気掃除
機の吸込口体は、被掃除面と対向する下面に開口する吸
込口およびこの吸込口とは別個に開口する吸気口を有し
たケース体と、このケース体に設けられ吸込風路を介し
て前記吸込口に連通するとともに吸気風路を介して前記
吸気口に連通する連通管と、前記吸気風路内に設けられ
前記吸気口からの吸気気流により回転するエアタービン
と、前記ケース体に回転自在に配設され前記エアタービ
ンの回転により回転する回転清掃体とを備え、前記吸込
口は、前記吸込風路を介して前記エアタービンより下流
側でのみ前記連通管に連通するものである。

【００１４】そして、吸込風路を介して吸込口をエアタ
ービンより下流側でのみ連通管に連通させたため、掃除
時には吸気口から吸気された吸気気流により回転するエ
アタービンにて回転する回転清掃体により効率よく掃除
するとともに、吸込口から塵埃を吸い込んで吸込風路を
介してエアタービンより下流側で吸気気流と合流してエ
アタービンに塵埃を付着させずに掃除する。また、ケー
ス体を持ち上げた際には、下面に開口する吸込口に連通
するとともにエアタービンより下流側に連通する吸込風
路内が略大気圧となって吸気風路内の負圧が大きく低減
し、ほとんど吸気口から吸気されず、エアタービンの回
転が大きく低減あるいは停止して回転清掃体の回転が大
きく低減あるいは停止する。

【００１５】請求項２記載の電気掃除機の吸込口体は、
請求項１記載の電気掃除機の吸込口体において、ケース
体は、下方に向けて開口し回転清掃体を収容する回転清
掃体室を複数有し、吸込口は、前記各回転清掃体室に開
口するものである。

【００１６】そして、ケース体に複数設けた下方に向け
て開口し回転清掃体を収容する各回転清掃体室に吸込口
をそれぞれ開口したため、複数の回転清掃体にて効率よ
く塵埃が掻き出されて、各回転清掃体室に開口する吸込
口からそれぞれ吸い込まれるので、掃除効率が向上す
る。

【００１７】請求項３記載の電気掃除機の吸込口体は、
請求項１記載の電気掃除機の吸込口体において、ケース
体は、下方に向けて開口して設けられ回転清掃体を収容
する複数の回転清掃体室と、これら回転清掃体室を連通
する連通路とを備えたものである。

【００１８】そして、複数の回転清掃体室を連通路にて
連通させるため、一つの回転清掃体室に吸込口を開口
し、この吸込口を連通管に連通させる一つの吸込風路に
て構成可能で構造が簡略化する。

【００１９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の電気掃除機の吸込
口体の実施の一形態を示す構成を図面を参照して説明す
る。

【００２０】図１ないし図６において、11は進行方向に
対して横長の吸込口本体で、この吸込口本体11は、アク
リロニトリル−ブタジエン−スチレン（ＡＢＳ）樹脂な
どの合成樹脂製の下部本体ケース12と、この下部本体ケ
ース12の上部に結合固定される同材質の上部本体ケース
13とが、下部本体ケース12および上部本体ケース13の前
面を含む周面に沿ってバンパ14を挟持して接合されて、
矩形状のケース体15が形成されている。

【００２１】そして、下部本体ケース12は、上面に略垂
直にリブ部17が形成されて、進行方向側である前側に略
左右方向に横長で下面に開口する回転清掃体室としての
凹溝状の第１の清掃体室18が区画形成され、後退方向側
である後側に同様に略左右方向に横長で下面に開口する
回転清掃体室としての凹溝状の第２の清掃体室19が区画
形成されている。また、ケース15には、リブ部17によ
り、第２の清掃体室19の略中央に下方に向けて開口しリ
ーク口としての作用も有する吸込口20を開口する吸込室
21と、第１の清掃体室18および第２の清掃体室19間の略
中央から他端側に区画された第１の駆動伝達室22と、第
２の清掃体室19の略上方で吸込室21の両側に位置して区
画され上部本体ケース13に複数穿設された吸気口23を開
口する吸気室24，24と、第１の駆動伝達室22より他端側
に区画された第２の駆動伝達室25とが区画形成されてい
る。

【００２２】さらに、下部本体ケース12の下面には、第
１の清掃体室18および第２の清掃体室19間に位置して略
左右方向に横長のブラシ体26が設けられている。また、
ケース体15には、吸気室24に第１のバイパス風路27を介
して連通するとともに、第１の清掃体室18および第２の
清掃体室19を連通させる略筒状の連通路28が設けられて
いる。

【００２３】なお、第２の駆動伝達室25の下面は下方に
向けて開口し、この開口に閉塞板29が装着具30にて着脱
自在に装着されている。

【００２４】また、ケース体15の後部中央には、吸込口
20に対向して連通管32が回動軸33，33を下部本体ケース
12および上部本体ケース13とにて軸支されて上下方向の
所定角度に回動自在に取り付けられている。そして、吸
込室21が連通管32に連通して吸込風路34を構成してい
る。また、連通管32の後端部が吸込口本体11から後側外
方へ突出し、この後端部には、屈曲した接続管35の前端
部が回動自在に嵌合されている。この接続管35は、図示
しない延長管を介してホースに着脱自在に接続され、さ
らに図示しない電気掃除機本体に接続される。

【００２５】一方、ケース体15の略中央には、内部に偏
平型の駆動手段となるエアタービン37を回転自在に収容
するタービン室38を区画する中ケース39が取付固定され
ている。そして、この中ケース39は、エアタービン37の
略円柱状の軸体41の下端を回転自在に軸支する第１のベ
アリング42を固定するとともに、下部本体ケース12のリ
ブ部17とにて第１の駆動伝達室22を区画する略板状の第
１の区画部43を有している。また、中ケース39は、軸体
41の上端を回転自在に軸支する第２のベアリング44を上
部本体ケース13とにて挟持固定するとともに、上部本体
ケース13の下面にて位置決め保持され第１の区画部43に
対向しタービン室38を区画する略板状の第２の区画部45
を有している。

【００２６】さらに、第１の区画部43には、上方に向け
て略ラッパ状でエアタービン37の下面外周部に対向しタ
ービン室38内を流過する吸気気流の流れを規制する吸気
規制部46が設けられている。そして、この吸気規制部46
には、吸込口20に対向せずに隣設し連通管32に対向して
吸込室21に連通して開口し、タービン室38を流過した吸
気気流を吸気規制部46内から排出して吸込室21を流過す
る吸込気流とともに連通管32に流過させる吸気排出口47
が形成されている。なお、吸気排出口47の開口面積は、
吸込口20の開口面積以下に形成されている。

【００２７】また、吸気規制部46には、上部本体ケース
13の下面とにて周方向に向けてラッパ状に広がり吸気風
路48の一部を構成する一対の吸気供給風路48a ，48b を
区画する呼び込み部49が設けられている。さらに、これ
ら吸気供給風路48a ，48b には、エアタービン37の下端
縁に向けて傾斜する傾斜面50がそれぞれ設けられ、吸気
供給風路48a ，48b は次第に幅狭となり断面積が徐々に
小さくなるようにスクロール状にタービン室38に連通し
て、エアタービン37に渦巻き状に吸気気流を供給すると
ともに、傾斜面50にてエアタービン37に効率よく吸気気
流を供給するようになっている。そして、吸気供給風路
48a ，48b のラッパ状に開口する一端は、上部本体ケー
ス13に開口した吸気口23に吸込室21を介して連通されて
いる。

【００２８】さらに、この呼び込み部49には、上下方向
に略筒状で閉塞体としての略円柱状の錘体51を吸気供給
風路48a ，48b に進退可能に移動自在に収容する一対の
錘収容部52a ，52b がタービン室38の径方向に位置して
設けられている。そして、一方の錘収容部52a の下部に
は、タービン室38より下流側の吸気規制部46内に連通す
る第２のバイパス風路56が形成されている。なお、この
第２のバイパス風路56は、一方の錘収容部52a 内に錘体
51が収容されて吸気供給風路48a に進出しない状態に位
置する際、閉塞されるようになっている。また、他方の
錘収容部52b 内に錘体51が収容されて吸気供給風路48b
に進出しない状態に位置する際、第１のバイパス風路27
が閉塞されるようになっている。なお、錘体51の外周面
にはゴムなどの弾性部材が被覆形成され、錘収容部52a
，52b に錘体51が位置する際には、第１のバイパス風
路27および第２のバイパス風路56を気密に閉塞するよう
になっている。

【００２９】そして、吸気口23から吸気室24、吸気供給
風路48a ，48b 、タービン室38、吸気排出口47を介して
吸込風路34を構成する吸込室21に連通し連通管32に至る
吸気風路48が形成される。すなわち、吸気風路48のエア
タービン37より下流側に吸込口20がエアタービン37に対
向することなく開口する状態となっている。

【００３０】一方、エアタービン37は、中央側に向けて
若干彎曲する略円板状の整流板61の彎曲面側の略中央に
軸体41を嵌挿固定する略円筒状の軸支部62を設けている
とともに、整流板61の彎曲面側に略放射状に突出形成さ
れ吸気規制部46に下端縁が若干の間隙を介して対向する
ように複数の彎曲する風受板63，63を壁状に突出形成し
て水平タービン状に構成されている。そして、エアター
ビン37の中心側の下方は、間隙を介して対向する第１の
区画部43および吸気規制部46にて略袋状に開放してい
る。また、風受板63，63の下端外周側の縁に向けて吸気
供給風路48a ，48b の傾斜面50の縁が位置し、エアター
ビン37の整流板61に向けて吸気気流を吹き付けるように
供給し、この吸気気流は吸気規制部46にて流れが規制さ
れて風受板63，63の略全面に当接し、効率よくエアター
ビン37が高トルクで回転するようになっている。また、
軸体41の他端には、エアタービンプーリ64が一体的に設
けられている。

【００３１】そして、エアタービン37は、エアタービン
プーリ64が第１の駆動伝達室22に臨んで中ケース39の下
端より突出されて、軸体41の両端部が第１のベアリング
58および第２のベアリング59に軸方向を略上下方向に軸
支され、タービン室38内に回転自在に軸支されている。

【００３２】また、下部本体ケース12の連通管32の両側
に位置して従動後輪66が回転自在に軸支された従動後輪
室67、前部両端側には従動前輪68が回転自在に軸支され
た従動前輪室69が形成されている。

【００３３】一方、第１の清掃体室18および第２の清掃
体室19には、回転清掃体としての第１の回転ブレード71
および第２の回転ブレード72がそれぞれ回転自在に配設
されている。そして、第２の回転ブレード72は、例えば
アルミニウム合金などにて周面に軸方向に時計回りにス
パイラル状の溝部73を設けた心棒74を有し、この心棒74
の溝部73に可撓性を有する例えば軟質塩化ビニル製の掃
除体としての掻出手段であるブレード部75を複数、例え
ば４枚外周面に壁状に突出するようにスパイラル状に係
合されている。なお、このブレード部75は、細長平板状
の板部76の長手方向の一側縁が心棒74の溝部73に係合す
る台座部77を肉厚に形成して構成されている。

【００３４】また、第１の回転ブレード71は、図７およ
び図８に示すように、外周面に可撓性を有し一面に起毛
80を設けた掃除体としての床磨手段である布ブレード部
81および可撓性を有する断面略Ｙ字状の掃除体としての
掻出手段であるダブルブレード部82をスパイラル状に複
数、例えば２枚ずつ交互に設けている。なお、布ブレー
ド部81は、例えばポリエステル製で一面に起毛80を設け
た細長板状の起毛布83の長手方向の一側縁に軟質塩化ビ
ニル製の台座部77を肉厚に形成して構成されている。ま
た、ダブルブレード部82は、ブレード部75の板部76から
板部76が枝別れしたように断面略Ｙ字状に形成されてい
る。そして、布ブレード部81の心棒74から突出する長さ
寸法は、ダブルブレード部82の心棒74から突出する長さ
寸法より長く、被掃除面である床面が板の間の場合に
は、布ブレード部81のみが板の間に接触して床磨きであ
るフローリング効果が得られる。

【００３５】さらに、第１の回転ブレード71および第２
の回転ブレード72の一端にはプーリ85が心棒74にそれぞ
れ一体的に設けられている。そして、第１の回転ブレー
ド71および第２の回転ブレード72は、各プーリ85，85が
第２の駆動伝達室25内に位置され、軸方向の両端に回転
自在に設けられた軸部86，86がケース体15に設けられた
軸受87，87にそれぞれ係合されて回転自在に支持されて
いる。

【００３６】なお、第１の回転ブレード71および第２の
回転ブレード72は、外径寸法が第１の回転ブレード71の
方が小径となるように形成され、下端が各第１の清掃体
室18および第２の清掃体室19の下面の開口から僅かに下
方に突出し、さらに、布ブレード部81の先端部のみ従動
前輪68，68および従動後輪66，66とにて形成される接地
面より下方に突出するように設けられている。また、第
２の回転ブレード72は、第２の清掃体室19内で走行方向
の前側に偏位した位置に軸支され、吸込口20が開口する
第２の清掃体室19の後部内周面と空間部89を介して離間
し、吸込口20が被掃除面に臨むように軸支されている。

【００３７】一方、第１の駆動伝達室22内には、駆動伝
達手段である駆動変換手段90が配設されている。この駆
動変換手段90は、図２、図４および図６に示すように、
第１の駆動伝達室22の端部側に位置して配設される箱体
91内に軸方向が上下方向に沿った略棒状の第１のシャフ
ト92を回転自在に軸支している。そして、この第１のシ
ャフト92の下端には、エアタービン37のエアタービンプ
ーリ64とにて駆動伝達手段としての無端ベルトである第
１の無端ベルト93a が掛け渡される第１のプーリ94が第
１の駆動伝達室22に臨んで設けられ、上端には第１の傘
歯車95a が設けられている。

【００３８】さらに、箱体91内には、略棒状の第２のシ
ャフト96a および第３のシャフト96b がケース体15の横
長方向に沿って上下に略平行に回転自在に配設されてい
る。そして、第２のシャフト96a は、一端に第１のシャ
フト92の第１の傘歯車95a に係合する第２の傘歯車95b
を設け、他端に第２の駆動伝達室25に臨んだ第２のプー
リ97を設け、中間部より一端側に第１の歯車98a を設け
ている。また、第３のシャフト96b の一端には、第２の
シャフト96a の第１の歯車98a に係合する第２の歯車98
b が設けられ、他端には、第２の駆動伝達室25に臨んだ
第３のプーリ99が設けられている。そして、第２のシャ
フト96a の第２のプーリ97には、第１の回転ブレード71
のプーリ85とにて駆動伝達手段である第２の無端ベルト
93b が傾斜して掛け渡され、第３のシャフト96b の第３
のプーリ99には、第２の回転ブレード72のプーリ85とに
て駆動伝達手段である第３の無端ベルト93c が略水平方
向に掛け渡されている。

【００３９】なお、第２のシャフト96a の中心は、図６
に示すように、第１の回転ブレード71および第２の回転
ブレード72間の中間位置より第２の回転ブレード72側、
すなわち、上方に位置する第２のシャフト96a と、この
第２のシャフト96a に傾斜して掛け渡される第１の回転
ブレード71との間の距離が長くなるように位置させる。
また、第３のシャフト96b は、この第３のシャフト96b
と略水平に掛け渡される第２の回転ブレード72に対して
略水平方向に位置し、この第３のシャフト96bおよび第
２の回転ブレード72間の距離が短くなるように位置させ
る。

【００４０】そして、エアタービン37の回転により第１
の無端ベルト93a を介して第１のシャフト92が回転し、
この回転により第１の傘歯車95a および第２の傘歯車95
b を介して第２のシャフト96a が回転する。この第２の
シャフト96a の回転により互いに噛み合う第１の歯車98
a および第２の歯車98b にて、第３のシャフト96b が第
２のシャフト96a に対して反対方向に回転する。そし
て、第２の無端ベルト93b を介して第１の回転ブレード
71は、吸込口本体11の前進方向に対して順方向に回転
し、第２の回転ブレード72は、吸込口本体11の前進方向
に対して逆回転、すなわち互いに内側に回転するように
なっている。なお、第１の回転ブレード71は、布ブレー
ド部81の起毛80側に向けて回転するようになっている。

【００４１】次に、上記実施の形態の動作について説明
する。

【００４２】掃除を行う際、図示しない電気掃除機本体
に延長管およびホースを介して吸込口本体11を接続し、
ホースの延長管側の端部を把持しながら押動して、吸込
口本体11を被掃除面である床面に接触させながら前後に
走行させる。なお、この状態では、錘体51は、自重によ
り錘収容部52a ，52b 内に収容された状態で位置し、吸
気供給風路48a ，48b が開口、すなわち吸気口23とター
ビン室38とが連通した状態で、第１のバイパス風路27お
よび第２のバイパス風路56が閉塞された状態となってい
る。

【００４３】そして、電気掃除機本体の吸込力にて、吸
気口23から吸気されるとともに吸込口20からも吸い込ま
れる。ここで、吸込口本体11が床面上に載置されている
ことから、吸込口20が開口する第２の清掃体室19および
この第２の清掃体室19に連通路28を介して連通する第１
の清掃体室18内の負圧が増大し、吸込口本体11の下面の
負圧が増大する。このため、吸気口23からの吸気量が増
大する傾向となる。

【００４４】さらに、床面が絨毯など特に毛足の長い絨
毯の場合には、第１の清掃体室18および第２の清掃体室
19内に毛足が入り込む状態となるので、さらに第１の清
掃体室18および第２の清掃体室19内の負圧が増大して、
吸気口23からの吸気量がさらに増大する。

【００４５】そして、吸気口23から吸気された空気は断
面積が次第に縮小するラッパ状の吸気供給風路48a ，48
b を整流されつつ通って渦巻き状にタービン室38に至る
とともに傾斜面50にて吸気気流がエアタービン37の整流
板61に吹き付けられるように供給され、この吸気気流に
よりエアタービン37が吸気量に比例した速度で回転す
る。この回転駆動力が第１の無端ベルト93a を介して駆
動変換手段90に伝達され、この駆動変換手段90にて上下
方向を軸とした回転駆動が水平方向を軸とした２つの回
転駆動力に変換され、第２の無端ベルト93b および第３
の無端ベルト93cを介して第１の回転ブレード71および
第２の回転ブレード72が吸気量に比例した速度で互いに
反対方向に回転する。そして、これら第１の回転ブレー
ド71および第２の回転ブレード72の回転により床面から
塵埃を掻き出す。この掻き出された第１の清掃体室18内
に位置する塵埃は、連通路28を介して第２清掃体室19内
に至り、第２の清掃体室19内に位置する塵埃は、そのま
ま吸込口20から吸い込まれ、吸込室21を介して連通管32
に流れる。また、タービン室38に流入した吸気気流は、
エアタービン37の下方の吸気規制部46内から吸気排出口
47を通って吸込風路34を構成する吸込室21を介して吸込
気流と合流し、連通管32に流れる。

【００４６】また、床面が板の間などの場合には、走行
方向の前側に位置する第１の回転ブレード71の布ブレー
ド部81のみが板の間と接触し、壁際まで板の間上の塵埃
を掃き取るように掻き上げるとともに、壁際まで板の間
をフローリングする。

【００４７】ここで、家具などの移動や第１の回転ブレ
ード71および第２の回転ブレード72に糸ごみや髪の毛な
どが絡み付いた場合にこれらを取り除くため、吸込口本
体11の下面が床面から離間する状態となることにより、
吸込室21の負圧が大気に近い状態に大きく増大する。こ
のため、吸込室21に吸気排出口47を介して連通し吸込室
21の上流側に位置する吸気規制部46内も大気状態に近い
状態にまで負圧が増大してタービン室38内の負圧も大き
く増大する。そして、吸気規制部46に開口する吸気排出
口47は、開口面積が吸込口20の開口面積以下で、吸気風
路48内には風路抵抗となるエアタービン37が配設されて
いるので、吸気口23からの吸気気流の風量が大きく低減
もしくはほとんど吸気気流が発生しない状態となり、エ
アタービン37の回転が大きく低減もしくは停止する。

【００４８】さらに、吸込口本体11を床面84から持ち上
げて吸込口本体11の下面を上方に向けた際には、錘体51
が自重により錘収容部52a ，52b から下方に位置する上
部本体ケース13側に向けて移動する。この錘体51の移動
により開口する吸気風路48を構成する吸気供給風路48a
，48b 内に錘体51が位置して吸気供給風路48a ，48bを
閉塞するとともに、第１のバイパス風路27および第２の
バイパス風路56を開口する。そして、吸気供給風路48a
，48b の閉塞により、仮に吸気口23からの吸気気流が
生じたとしてもタービン室38へ吸気の供給が遮断される
とともに、第１のバイパス風路27および第２のバイパス
風路56を介して吸込室21に吸気されるため、エアタービ
ン37へ吸気気流が流れず、エアタービン37の回転が停止
して、第１の回転ブレード71および第２の回転ブレード
72の回転が停止する。

【００４９】なお、第１の回転ブレード71および第２の
回転ブレード72に絡み付いた糸ごみや髪の毛などを除去
するために第１の回転ブレード71および第２の回転ブレ
ード72を取り外す場合には、装着具30を外して閉塞板29
を取り外し、プーリ85が設けられていない側の軸部86を
支点にしてプーリ85側を下方に移動させてプーリ85側の
軸部86を軸受87から取り外し、第２の無端ベルト93b お
よび第３の無端ベルト93c からプーリ85を外し、支点と
した軸部86を軸受87から外すことにより取り外しでき
る。なお、組み付ける場合には反対の動作を行う。

【００５０】上述したように、上記実施の形態は、吸気
風路48のエアタービン37より下流側でのみ吸込口20が開
口する吸込室21の下流側を開口させて連通させ、吸気風
路48のエアタービン37より下流側でのみ吸込口20がエア
タービン37に対向することなく開口する状態としたた
め、掃除時には、吸込口20から吸い込んだ塵埃がエアタ
ービン37に絡み付くなどの付着がなく、吸気口23から吸
気された吸気気流により、エアタービン37に供給されて
効率よくエアタービン37の高トルクが得られ、エアター
ビン37にて回転する第１の回転ブレード71および第２の
回転ブレード72にて効率よく掃除できる。また、吸込口
本体11を持ち上げた際には、ケース体15の下面に位置し
て吸込口20を開口し、吸気風路48のエアタービン37より
下流側に連通する吸込風路34を構成する吸込室21内が略
大気圧となって吸気風路48内の負圧が大きく低減し、ほ
とんど吸気口23から吸気されなくなり、エアタービン37
の回転が大きく低減あるいは停止して第１の回転ブレー
ド71および第２の回転ブレード72の回転が大きく低減あ
るいは停止できる。

【００５１】さらに、第１の清掃体室18および第２の清
掃体室19を連通路28にて連通し、下流側となる連通管32
に近い第２の清掃体室19に吸込口20を開口したため、第
１の清掃体室18および第２の清掃体室19のそれぞれに吸
込口20を開口し、下流側が吸気風路48のエアタービン37
より下流側に連通する吸込風路34をそれぞれ設ける必要
がなく、１つの吸込風路34を設けるのみでよく、また、
吸込口20を連通管32に連通させる吸込風路34の距離を短
くでき、構造が簡略化でき、製造性を向上できるととも
に容易に小型軽量化できる。

【００５２】また、ケース体15の下面が上方に向けて位
置された際に、ケース体15内に配設した錘体51が自重に
より移動して、吸気風路48の吸気供給風路48a ，48b を
閉塞するため、移動可能な錘体51を設けた簡単な構成
で、エアタービン37を回転自在に収容するタービン室38
への吸気が遮断され、エアタービン37を確実に停止でき
第１の回転ブレード71および第２の回転ブレード72を停
止できる。

【００５３】さらに、錘体51のケース体15に対する上方
への移動により、吸気口23を連通路28に連通させる第１
のバイパス風路27、および、吸気口23をタービン室38の
下流側に連通させる第２のバイパス風路56を設けたた
め、簡単な構成でエアタービン37への吸気気流を確実に
遮断できエアタービン37を確実に停止して第１の回転ブ
レード71および第２の回転ブレード72を停止できる。

【００５４】一方、吸込口20が開口する第２の清掃体室
19内に第２の回転ブレード72を吸込口20から離間させて
軸支したため、吸込口20から塵埃とともに空気を吸い込
む際に風切り音などの騒音の発生を抑制できる。

【００５５】なお、上記実施の形態において、キャニス
タ型の電気掃除機に限らず、吸込口本体11が電気掃除機
本体の下面に直接形成されたアップライト型、その他、
電気掃除機本体と吸込口本体11とが一体化された自走式
の電気掃除機などにも適用することができる。

【００５６】また、吸気風路48の途中に開度を連続的に
調節し第１の回転ブレード71および第２の回転ブレード
72の回転速度を可変可能に弁体やシャッタなどを別途設
けてもできる。

【００５７】そして、連通路28を略筒状に形成して説明
したが、例えばケース体15の下面に下方に向けて開口す
る凹溝状に形成してもよい。この場合、塵埃が引っ掛か
るなどを防止でき塵埃の除去などの保守管理が容易にで
きる。

【００５８】また、連通管32に近い第２の清掃体室19に
吸込口20を開口したが、例えば第１の清掃体室18に吸込
口20を開口し、この吸込口20を開口する吸込室21の下流
側が吸気風路48のエアタービン37より下流側に開口して
連通するようにしてもよい。一方、回転清掃体として
は、第１の回転ブレード71および第２の回転ブレード72
の他に、起毛を壁状に設けた回転ブラシや、布ブレード
部のみを設けたものなどいずれのものを用いてもよい。

【００５９】また、第１の清掃体室18および第２の清掃
体室19にそれぞれ第１の回転ブレード71および第２の回
転ブレード72を配設して説明したが、回転清掃体として
は１本またはそれ以上設けてもでき、１つの回転清掃体
室内に複数本の回転清掃体を配設しても同様の効果が得
られる。

【００６０】

【発明の効果】請求項１記載の電気掃除機の吸込口体に
よれば、吸込風路を介して吸込口をエアタービンより下
流側でのみ連通させたため、吸込口から吸い込んだ塵埃
がエアタービンに付着することなく、吸気口から吸気さ
れた吸気気流により効率よくエアタービンが回転して効
率よく掃除できるとともに、ケース体を持ち上げた際に
は、吸込口が開口しエアタービンより下流側に連通する
吸込風路内が略大気圧となって吸気風路内の負圧が大き
く低減し、ほとんど吸気口から吸気されず、エアタービ
ンの回転が確実に大きく低減あるいは停止して回転清掃
体の回転を確実に大きく低減あるいは停止できる。

【００６１】請求項２記載の電気掃除機の吸込口体によ
れば、請求項１記載の電気掃除機の吸込口体の効果に加
え、回転清掃体を収容する複数の回転清掃体室に吸込口
をそれぞれ開口したため、複数の回転清掃体にて効率よ
く塵埃が掻き出されて、各回転清掃体室に開口する吸込
口からそれぞれ吸い込まれるので、掃除効率を向上でき
る。

【００６２】請求項３記載の電気掃除機の吸込口体によ
れば、請求項１記載の電気掃除機の吸込口体の効果に加
え、複数の回転清掃体室を連通路にて連通したため、一
つの回転清掃体室に吸込口を開口し、この吸込口を連通
管に連通させる一つの吸込風路にて構成可能で構造を簡
略化でき、製造性を向上できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の電気掃除機の吸込口体の実施の一形態
の吸込口本体を示す側面断面図である。

【図２】同上吸込口本体を示す一部を切り欠いた平面図
である。

【図３】同上底面図である。

【図４】同上正面断面図である。

【図５】同上吸込口本体の連通路近傍を示す断面図であ
る。

【図６】同上駆動変換手段と第１の回転ブレードおよび
第２の回転ブレードとの関係を示す側面断面図である。

【図７】同上第１の回転ブレードを示す斜視図である。

【図８】同上断面図である。

【符号の説明】

11 吸込口本体 15 ケース体 18 回転清掃体室としての第１の清掃体室 19 回転清掃体室としての第２の清掃体室 20 吸込口 23 吸気口 28 連通路 32 連通管 34 吸込風路 37 エアタービン 48 吸気風路 71 回転清掃体としての第１の回転ブレード 72 回転清掃体としての第２の回転ブレード

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 被掃除面と対向する下面に開口する吸込
   口およびこの吸込口とは別個に開口する吸気口を有した
   ケース体と、 このケース体に設けられ吸込風路を介して前記吸込口に
   連通するとともに吸気風路を介して前記吸気口に連通す
   る連通管と、 前記吸気風路内に設けられ前記吸気口からの吸気気流に
   より回転するエアタービンと、 前記ケース体に回転自在に配設され前記エアタービンの
   回転により回転する回転清掃体とを備え、 前記吸込口は、前記吸込風路を介して前記エアタービン
   より下流側でのみ前記連通管に連通することを特徴とし
   た電気掃除機の吸込口体。
2. 【請求項２】 ケース体は、下方に向けて開口し回転清
   掃体を収容する回転清掃体室を複数有し、 吸込口は、前記各回転清掃体室に開口することを特徴と
   した請求項１記載の電気掃除機の吸込口体。
3. 【請求項３】 ケース体は、下方に向けて開口して設け
   られ回転清掃体を収容する複数の回転清掃体室と、これ
   ら回転清掃体室を連通する連通路とを備えたことを特徴
   とする請求項１記載の電気掃除機の吸込口体。