JP3819556B2 - 床用吸込具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気掃除機に接続して使用される床用吸込具の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種床用吸込具として、吸込具本体に回転ブラシを回転自在に枢支し、回転ブラシを電動機あるいはタービンによって回転駆動するものが知られていた。
【0003】
回転ブラシを電動機により回転駆動するものにおいては、電動機の重量が重く、取扱性が悪いと共に、構造が複雑化して部品点数が増大し、組立作業性が悪いなどの欠点があった。
【0004】
また、回転ブラシをタービンによって回転駆動するものにおいては、タービンは、吸込口から掃除機本体への吸込通路に形成されたタービン室内に配設され、塵埃と共に吸引された空気により回転する構成となっているため、長期使用によって、タービンに塵埃等が絡まり、タービンが良好に回転しなくなる問題があった。
【0005】
そこで、上記欠点を解決するために、特開平9-28630号公報(A47L 9/04)等にて回転ブラシの両端にタービンを配設し、タービンに外部の清浄な空気を供給してタービンを回転させ、その空気を吸込口から吸気した空気と共に電気掃除機に吸引するものが提案された。
【0006】
しかしながら、この構成においては、回転ブラシの両側にタービンを配設する必要があり、部品点数が増大すると共に、タービンを回転させるために多量の外気を吸引することで塵埃吸引特性が低下することがないよう、少ない外気によりタービンを効率よく回転させる必要があり、タービン形状が複雑化する問題がある。また、タービン収納室の下面には吸込口を形成することができず、吸込具本体の横幅に対して吸込口が小さくなり、塵埃等の吸残しが生じる欠点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記欠点に鑑みなされたもので、簡単な構成で効率よく回転ブラシを回転駆動し得る床用吸込具を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の手段は、下面に吸込口を有する吸込具本体と、該吸込具本体内に形成される回転ブラシ収納室と、前記吸込口に臨ませた状態で回転ブラシ収納室に回転自在に収納され、外周に被掃除面に接触して被掃除面を掃除するブレード及びブラシ体を配設した回転ブラシとを備え、前記ブレードは、低速回転状態において湾曲し回転ブラシの回転に伴う遠心力によって起立するよう構成し起立状態における回転軌跡の径をブラシ体の回転軌跡の径より径大に形成すると共に、前記吸込具本体に、前記回転ブラシのブレード及びブラシ体に直接外気を衝突させて回転ブラシを回転させる案内口を形成したことを特徴とする。
【0011】
上記手段において、前記案内口を開閉自在に閉塞する閉塞手段を設けることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態を図1乃至図6に基づいて以下に詳述する。
【0013】
1は略円筒状に形成された吸込具本体で、下面に吸込口2が形成され、内部に後述する回転ブラシ8が収納される回転ブラシ収納室3を形成しており、回転ブラシ収納室3は回転ブラシ8の回転軌跡に沿う円弧状に形成されている。4は前記吸込具本体1の両端開口を閉塞する端板で、車輪5を回転自在に支持する軸支部6が形成されており、前記車輪5により吸込口2と被掃除面との間に所定の間隔を形成している。7は前記端板4に固着される支持板である。
【0014】
8は前記吸込口2に臨ませた状態で支持板7に回転自在に軸支されて回転ブラシ収納室3内に配設される回転ブラシで、該回転ブラシ8は、芯体9と、芯体9に形成された螺旋状の溝10に基部11を挿入して装着される一対のブラシ体12と、芯体9の螺旋状の溝10に基部15を挿入して装着される一対のブレード13とから構成されている。
【0015】
前記ブレード13は、布状体14と、布状体14の端部にモールドされた合成樹脂にて構成される基部15と、布状体14の他端部に縫いつけられた刷毛状体16とから構成されており、ブレード13は布状体14に刷毛状体16を縫いつけることにより、布状体14が引きつって湾曲する。前記ブレード13は、回転ブラシ8の回転方向に対して後方側に湾曲するように芯体9に装着されている。
【0016】
前記ブレード13は、回転ブラシ8の回転停止状態においては、図3に示す如く、回転ブラシ8の回転方向に対して後方側に湾曲しているが、回転ブラシ8が回転すると、回転に伴う遠心力によって図4に示す如く、起立状態となるようになっており、起立状態における回転軌跡の径を、ブラシ体12の回転軌跡の径より径大に形成している。また、回転ブラシ8の停止状態においては、吸込具本体1を床面に載置しても、ブラシ体12及びブレード13が床面に接触しないように形成している。
【0017】
17は前記吸込具本体1に、長手方向に形成された案内口で、外気をブラシ体12及びブレード13に向かって案内するようになっている。
【0018】
18は前記吸込具本体1に回転自在に連結される継手管で、図示しない掃除機本体に可撓性ホース及び延長管を介して着脱自在に接続されるようになっている。
【0019】
而して、掃除機本体に可撓性ホース及び延長管を介して継手管18を接続し、掃除機本体を駆動すると、吸込口2から空気が吸引される。吸込具本体1を被掃除面から上げた状態では、吸込口2からの吸込抵抗が小さいため、吸込口2からほとんどの空気が吸い込まれる。この状態では、吸込口2が大きく開口しているため、吸込口2から吸引される空気の流速は比較的遅く、従って、回転ブラシ8はほとんど回転することはない。
【0020】
フローリングなどの床面や畳等を掃除する際には、被掃除面と吸込口2との間隔が比較的広いため、吸込口2からの吸込抵抗が小さく、吸込口2からほとんどの空気が吸い込まれ、案内口17からはほとんど空気が吸い込まれることはない。この状態では、吸込口2と被掃除面との間から吸引される空気は流速が早いため、吸込口2から吸引された空気及び案内口17から吸引された空気が回転ブラシ8のブラシ体12及びブレード13に衝突し、回転ブラシ8を図1中反時計方向に回転させる。
【0021】
ブレード13は、回転ブラシ8の停止、低速回転状態において図3に示す如く、回転ブラシ8の回転方向に対して後方側に湾曲しているので、吸込口2及び案内口17から吸引される空気を受けやすく、回転ブラシ8を回転させやすい。
【0022】
回転ブラシ8が高速回転すると、ブレード13が遠心力によって図4に示す如く起立する。このブレード13の起立状態において、吸込具本体1を床面や畳に載置すると、ブレード13が床面や畳に接触し、床面や畳の磨き掃除を行う。ブレード13は撓みやすい布状体14を用いているので、床面や畳に接触しても床面や畳を傷つけることはない。
【0023】
絨毯等を掃除する際には、吸込口2が絨毯により覆われ、吸込口2からの吸込抵抗が増大し、案内口17から吸引される空気量が増大する。案内口17から吸引された空気は、ブラシ体12及びブレード13に衝突し、回転ブラシ8を図1中反時計方向に回転させると共に、案内口17から空気を吸引することにより吸込具本体1が絨毯等に吸い付くのを抑制し、吸込具本体1の移動性を向上することができる。
【0024】
絨毯等の掃除時においては、被掃除面が抵抗となって回転ブラシ8の回転が低下するが、回転ブラシ8の回転が低下してくると、ブレード13は遠心力の低下に伴って次第に停止時の形状に復元するように回転方向に湾曲し、被掃除面との接触抵抗が低下して回転ブラシ8の回転数が上昇する。この動作を繰り返すことにより回転ブラシ8の回転数がほぼ一定に維持される。
【0025】
ブレード13は、布状体14に刷毛状体15を縫いつけて構成されているため、ブレード13を撓みやすく構成することができると共に、刷毛状体15をおもりとして遠心力によってブレード13を起立しやすくすることができ、回転ブラシ8のわずかな回転数変動によってもブレード13を起立、湾曲させることができ、回転ブラシ8の回転数をほぼ一定に維持することができる。
【0026】
次に、本発明の第2の実施の形態を図7乃至図12に基づいて以下に詳述する。尚、上記第1の実施の形態と同一部品は同一符号を付して説明を省略する。
【0027】
21は吸込具本体で、上ケース22、下ケース23、前記上ケース22の上面の一部を覆うカバー体24、前記上下ケース22、23の間に上下動自在に支持される回動管25、該回動管25に回動自在に支持される継手管26から構成されている。27は前記吸込具本体21下面に形成された吸込口、28は前記吸込具本体21内部に形成される回転ブラシ収納室で、上記第1の実施の形態と同様の回転ブラシ8が回転時材に収納される。
【0028】
29は前記上ケース22の幅方向に形成された案内口、30は前記カバー体24に形成された吸気口、31は前記吸気口30を閉塞する閉塞体で、絨毯等の被掃除面を掃除する場合などに、被掃除面によって吸込口27が閉塞された際、回転ブラシ収納室28内の圧力が低下するのに伴って回転ブラシ収納室28側に変形し、吸気口30から吸引した外気を案内口29を介して回転ブラシ8のブラシ体12及びブレード13に外気を衝突させるようになっている。
【0029】
32は前記吸込具本体21の吸込口27の前後に配設されるサクションキーパーで、軟質ゴム等の可撓性を有する材料にて形成されており、サクションキーパー32によって深部吸込力を向上させている。33は前記吸込具本体21の後部に回動自在に支持される後車輪である。
【0030】
本発明の第2の実施の形態によれば、フローリングや畳等の被掃除面においては、吸込口27からの吸気抵抗が小さく、吸込口27からの吸気量が大きいため、回転ブラシ収納室28内の圧力が大きく負圧になることはない。従って、吸気口30に配設した閉塞体31が変形して吸気口30を開放することはない。この状態では、吸込口27から吸引される空気が回転ブラシ8のブラシ体12及びブレード13に衝突して回転ブラシ8を回転駆動する。
【0031】
また、絨毯等の被掃除面を掃除する際には、被掃除面が吸込口27を閉塞するため、回転ブラシ収納室28内の圧力が低下して、閉塞体31が回転ブラシ収納室28側に向かって変形し、吸気口30及び案内口29を介して吸気された外気がブラシ体12及びブレード13に衝突して回転ブラシ8を回転駆動する。
【0032】
本実施の形態においては、吸気口30に閉塞体31を設けたが、閉塞体31を吸気口29に設けても良い。この場合には、カバー体24をなくしても良い。
【0033】
尚、上記第1、第2の実施の形態では、いずれも案内口17、29を吸込具本体1、21の幅方向に横長状に形成したが、この構成においては、吸込具本体1、21の強度が低下し、特に絨毯等の掃除時、案内口17、29周縁が回転ブラシ収納室3、28側に変形して回転ブラシ8のブラシ体12やブレード13に接触し、回転ブラシ8の回転力低下が生じるおそれがあるため、案内口として多数の小孔を吸込具本体の幅方向に形成してもよい。
【0034】
【発明の効果】
以上のごとく、本発明の請求項1の構成によれば、回転ブラシを駆動するためのタービンを設けることなく、回転ブラシのブレード及びブラシ体に案内口から外気を導くことにより、絨毯等の掃除時においても効率よく回転ブラシを回転駆動することができる等の効果を奏する。
【0037】
本発明の請求項の構成によれば、フローリング等の被掃除面を掃除する際の案内口からの空気漏れを防止して吸込効率を向上することができると共に、絨毯等の掃除時における回転ブラシの駆動効率を向上することができ、塵埃除去効率を向上することができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す断面図である。
【図2】同他の方向から見た断面図である。
【図3】同回転ブラシ停止時を示す回転ブラシの断面図である。
【図4】同回転ブラシ回転時を示す回転ブラシの断面図である。
【図5】同床用吸込具の上面図である。
【図6】同床用吸込具の正面図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態を示す断面図である。
【図8】同要部拡大断面図である。
【図9】同他の方向から見た断面図である。
【図10】同床用吸込具の上面図である。
【図11】同床用吸込具の正面図である。
【図12】同床用吸込具の底面図である。
【符号の説明】
1 吸込具本体
2 吸込口
3 回転ブラシ収納室
8 回転ブラシ
12 ブラシ体
13 ブレード
17 案内口
21 吸込具本体
27 吸込口
28 回転ブラシ収納室
29 案内口
30 吸気口
31 閉塞体

Claims (2)

  1. 下面に吸込口を有する吸込具本体と、該吸込具本体内に形成される回転ブラシ収納室と、前記吸込口に臨ませた状態で回転ブラシ収納室に回転自在に収納され、外周に被掃除面に接触して被掃除面を掃除するブレード及びブラシ体を配設した回転ブラシとを備え、前記ブレードは、低速回転状態において湾曲し回転ブラシの回転に伴う遠心力によって起立するよう構成し起立状態における回転軌跡の径をブラシ体の回転軌跡の径より径大に形成すると共に、前記吸込具本体に、前記回転ブラシのブレード及びブラシ体に直接外気を衝突させて回転ブラシを回転させる案内口を形成したことを特徴とする床用吸込具。
  2. 前記案内口を開閉自在に閉塞する閉塞手段を設けたことを特徴とする請求項記載の床用吸込具。
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