JP4010918B2 - 床用吸込具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気掃除機に接続して使用される床用吸込具の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種床用吸込具として、吸込具本体に回転ブラシを回転自在に枢支し、回転ブラシを電動機あるいはタービンによって回転駆動するものが知られていた。
【0003】
回転ブラシを電動機により回転駆動するものにおいては、電動機の重量が重く、取扱性が悪いと共に、構造が複雑化して部品点数が増大し、組立作業性が悪いなどの欠点があった。
【0004】
また、回転ブラシをタービンによって回転駆動するものにおいては、タービンは、吸込口から掃除機本体への吸込通路に形成されたタービン室内に配設され、塵埃と共に吸引された空気により回転する構成となっているため、長期使用によって、タービンに塵埃等が絡まり、タービンが良好に回転しなくなる問題があった。
【0005】
そこで、上記欠点を解決するために、特開平9-28630号公報(A47L 9/04)等にて回転ブラシの両端にタービンを配設し、タービンに外部の清浄な空気を供給してタービンを回転させ、その空気を吸込口から吸気した空気と共に電気掃除機に吸引するものが提案された。
【0006】
しかしながら、この構成においては、回転ブラシの両側にタービンを配設する必要があり、部品点数が増大すると共に、タービンを回転させるために多量の外気を吸引することで塵埃吸引特性が低下することがないよう、少ない外気によりタービンを効率よく回転させる必要があり、タービン形状が複雑化する問題がある。また、タービン収納室の下面には吸込口を形成することができず、吸込具本体の横幅に対して吸込口が小さくなり、塵埃等の吸残しが生じる欠点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記欠点に鑑みなされたもので、簡単な構成で効率よく回転ブラシを回転駆動し得る床用吸込具を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する第1の手段は、下面に吸込口を有する吸込具本体と、該吸込具本体内に形成される回転ブラシ収納室と、前記吸込具本体の幅方向略中央位置で前記回転ブラシ収納室に連通する継手管と、前記吸込口に臨ませて回転ブラシ収納室内に回転自在に収納されるブレードを有する回転ブラシとを備え、前記吸込具本体に、外気を回転ブラシに案内する案内口を設け、該案内口は吸込具本体の吸込口より前方の底面を他の底面部分より上方に位置させて形成すると共に、前記回転ブラシのブレードは、低速回転状態において湾曲し、回転ブラシの回転時の遠心力により起立するよう構成したことを特徴とする。
【0009】
本発明の第2の手段は、前記案内口を閉塞する閉塞体を前記吸込具本体に設け、前記回転ブラシ収納室内の圧力が低下したとき、前記閉塞体は前記案内口を開放することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態を図1乃至図5に基づいて以下に詳述する。
【0011】
1は吸込具本体で、上ケース2、下ケース3、前記上ケース2及び下ケース3に係脱自在に係合する蓋体4、前記上下ケース2、3間に上下動自在に支持される回動管5、該回動管5に回動自在に支持される継手管6から構成されている。
【0012】
7は前記吸込具本体1底面に形成される吸込口、8は前記吸込具本体1内に形成される回転ブラシ収納室である。
【0013】
9は前記吸込具本体1両側に形成される軸支部で、後述する車輪27を回動自在に支持している。10は前記吸込具本体1の上下ケース2、3から垂下形成された区画リブで、前記軸支部10と回転ブラシ収納室8とを区画し、軸支部10を介して回転ブラシ収納室8に外気が吸引されるのを防止している。
【0014】
11は前記吸込口7に臨ませた状態で回転ブラシ収納室8内に回転自在に収納される回転ブラシで、該回転ブラシ11は、芯体12と、該芯体12に形成された螺旋状の溝13に基部14を挿入して装着される一対のブラシ体15と、前記芯体12の螺旋状の溝13に基部18を挿入して装着される一対のブレード16とから構成されており、前記ブラシ体15及びブレード16は芯体12の両端間で約90度ねじれている。
【0015】
前記ブレード16は、布状体17と、該布状体17の端部にモールドされた合成樹脂にて構成される基部18と、前記布状体17の端部に縫いつけられた刷毛状体19とから構成されており、前記布状体17に基部18を構成することにより布状体17の端部が波打つように変形し、さらに布状体17の端部に刷毛状体19を縫いつけることにより布状体17が引きつったようになって湾曲する。このブレード16を、回転ブラシ11の回転方向に対して後方側に湾曲するように芯体12に装着している。
【0016】
前記ブレード16は、回転ブラシ11の回転停止状態及び低速回転状態においては、図4に示すごとく、回転ブラシ11の回転方向に対して後方側に湾曲しているが、回転ブラシ11が高速回転状態になると、回転に伴う遠心力によって図5に示すごとく、起立状態となるようになっており、起立状態における回転軌跡の径を、ブラシ体15の回転軌跡の径より径大に形成している。また、回転ブラシ11の停止状態においては、吸込具本体1を床面に載置しても、ブラシ体15及びブレード16は床面に接触しないように形成している。
【0017】
20は前記蓋体4上面に形成された案内口で、前記回転ブラシ11の幅方向の両側部分に対応する位置に形成されている。21は前記案内口20の前方側に形成された第1リブで、案内口20から吸引される外気を回転ブラシ11のブラシ体15及びブレード16に導くガイドを構成している。前記第1リブ21は、蓋体4裏面から、ブレード16の回転軌跡の最前方位置より回転ブラシ11の回転中心側位置に垂下形成されて回転軌跡の投影範囲内に位置しており、ブラシ体15の回転軌跡の最高位置より下方まで延設されている。
【0018】
22は前記案内口20の後方側に形成された第2リブで、案内口20から吸引される外気を回転ブラシ11のブラシ体15及びブレード16に導くガイドを構成している。
【0019】
前記第2リブ22は、回転ブラシ11の回転中心より前方側に延設されており、第1リブ21と第2リブ22の先端間に吐出口23が形成されている。
【0020】
24は前記蓋体4に複数の係止爪25により装着されるカバー体で、前記吐出口23上方を覆い、吐出口23が直接外部から見えないようにしている。前記第1リブ21、第2リブ22及びカバー体24間に吸気路26を構成し、該吸気路26は案内口20から吐出口23に向かって漸次幅狭になるように構成されている。
【0021】
27は前記軸支部9に装着される前車輪で、前記吸込具本体1外径と略同径に形成されている。28は前記吸込具本体1後部に軸支された後車輪、29は前記吸込口7の前後に配設されるサクションキーパーで、軟質ゴム等の可撓性を有する材料にて形成されており、サクションキーパー29によって深部吸込力を向上させている。
【0022】
而して、掃除機本体に可撓性ホース及び延長管を介して継手管6を接続し、掃除機本体の電動送風機を駆動すると、吸込口7から空気が吸引される。吸込具本体1を被掃除面から持ち上げた状態では、吸込口7からの吸込抵抗が小さいため、吸込口7からほとんどの空気が吸い込まれる。この状態では、吸込口7が大きく開口しているため、吸込口7から吸引される空気の流速は比較的遅く、従って、回転ブラシ11はほとんど回転することはない。
【0023】
フローリングなどの床面や畳等を掃除する際には、被掃除面と吸込口7との間が比較的広いため、吸込口7からの吸込抵抗が小さく、吸込口7からほとんどの空気が吸い込まれ、案内口7からはほとんど吸い込まれることはない。この状態では、吸込口7と被掃除面との間から吸引される空気は流速が早いため、吸込口7から吸引された空気が回転ブラシ11のブラシ体15及びブレード16に衝突し、回転ブラシ11を図1中反時計方向に回転させる。
【0024】
ブレード16は、回転ブラシ11の回転停止状態や、低速回転状態において、図4に示すごとく、回転ブラシ11の回転方向に対して後方側に湾曲しているので、吸込口7から吸引される空気を受けやすく、回転ブラシ11は効率よく回転する。
【0025】
回転ブラシ11が高速回転すると、ブレード16が遠心力によって、図5に示すごとく起立する。このブレード16の起立状態においては、ブレード16が床面や畳に接触し、磨き掃除を行う。ブレード16は撓みやすい布状体17を用いているので、床面や畳に接触しても床面や畳を傷つけることはない。
【0026】
絨毯等の被掃除面を掃除する際には、吸込口7が被掃除面により覆われ、吸込口7からの吸気抵抗が増大し、案内口20から吸引される外気量が増大する。吐出口23は吸気口7に比較し開口面積が極めて小さく形成されているため、吐出口23から吸引される空気は、早い流速で回転ブラシ11のブラシ体15及びブレード16に衝突し、回転ブラシ11を図1中反時計方向に回転させる。
【0027】
第1リブ21は、ブレード16の回転軌跡の最前方位置より回転ブラシ11の回転中心側位置に垂下形成され、ブラシ体15回転軌跡の最高位置より下方に延設されているので、吐出口23から吸引された外気がブラシ体15やブレード16に衝突することなく回転ブラシ11の前方に回り込むのを防止して確実にブラシ体15及びブレード16に案内することができ、回転ブラシ11を効率よく回転駆動することができる。
【0028】
また、前記第2リブ22は、ブラシ体15及びブレード16に向かって回転ブラシ11の回転中心より前方側に延設されているので、吐出口23から吸引された外気がブラシ体15及びブレード16に接触することなく回転ブラシ11の上方を通過して直接回動管5に吸引されるのを防止して確実にブラシ体15及びブレード16に案内することができ、回転ブラシ11を効率よく回転駆動することができる。
【0029】
案内口20からの外気を吐出口23に導く吸気路26は、吐出口23に向かって漸次幅狭になるように構成されているので、通気路面積の変化による騒音の発生を低減すると共に、吐出口23からブラシ体15及びブレード16に衝突する外気の流速を増大させて回転ブラシ11の回転効率を向上することができる。
【0030】
案内口20からの外気は、被掃除面に衝突することにより被掃除面の塵埃等を浮き上がらせ、電気掃除機の吸引力及び回転ブラシ11の掻き上げ力と相まって塵埃等を効率よく除去することができ、案内口20を回転ブラシ11の両側部分に対応する位置に形成しているので、吸引力の最も弱い両端側の塵埃除去効率を向上することができる。
【0031】
また、案内口20から空気を吸引することにより吸込具本体1が被掃除面に吸い付くのを抑制し、吸込具本体1の移動性を向上することができる。
【0032】
絨毯等の掃除時においては、被掃除面が抵抗となって回転ブラシ11の回転数が低下するが、回転ブラシ11の回転数が低下してくると、ブレード16は遠心力の低下に伴って次第に停止時の形状に復元するように回転方向に対して後方側に湾曲し、被掃除面との接触抵抗が低下して回転数が上昇する。この動作を繰り返すことにより回転ブラシ11の回転数がほぼ一定に維持される。
【0033】
ブレード16は、布状体17に刷毛状体19を縫いつけて構成されているため、ブレード16を撓みやすく構成することができると共に、刷毛状体19をおもりとして遠心力によりブレード16を起立しやすくすることができ、回転ブラシ11のわずかな回転数変動によってもブレード16を起立、湾曲させることができ、回転ブラシ11の回転数をほぼ一定に維持することができる。
【0034】
上記実施の形態においては、ブレード16を、布状体17、基部18及び刷毛状体19から構成したが、軟質ゴム等の柔軟性を有する材料にて一体に形成してもよい。
【0035】
また、上記実施の形態においては、吸気路26を横長状のスリットにて形成したが、蓋体4の強度が低下し、絨毯等の掃除時における回転ブラシ収納室8の圧力低下によって蓋体4が回転ブラシ収納室8側へ変形して第1リブ21及び第2リブ22にブラシ体15及びブレード16が接触するのを防止するため、吸気路26を複数に分割して形成することが好ましい。
【0036】
次に、本発明の第2の実施の形態を図6乃至図8に基づいて以下に詳述する。尚、上記第1の実施の形態と同一部品は同一符号を附して説明を省略する。
【0037】
30は吸込具本体1の吸込口7より前方の底面を他の底面部分より上方に位置させることによって吸込具本体1前方下部に形成された案内口で、回転ブラシ11の回転体15及びブレード16の両側部分に対応する位置に形成され、吸込口7に連通している。
【0038】
31は上ケース2及び蓋体4と下ケース3との間に挟持固定されるバンパーで、軟質ゴム等の可撓性を有する材料にて形成されている。32は前記バンパー31に一体に垂下形成された閉塞体で、前記案内口30を閉塞している。
【0039】
而して、本発明の第2の実施の形態によれば、掃除機本体に可撓性ホース及び延長管を介して継手管6を接続し、掃除機本体の電動送風機を駆動すると、吸込口7から空気が吸引される。吸込具本体7を被掃除面から持ち上げた状態では、吸込口7からの吸込抵抗が小さいため、吸込口7からほとんどの空気が吸い込まれる。この状態では、吸込口7が大きく開口しているため、吸込口7から吸い込まれる空気の流速は比較的遅く、回転ブラシ11はほとんど回転することはない。
【0040】
フローリングなどの床面や畳を掃除する際には、被掃除面と吸込口7との間が比較的広いため、吸込口7からの吸込抵抗が小さく、回転ブラシ収納室8間の圧力が大きく負圧になることはない。従って、案内口30を閉塞する閉塞体32が変形して案内口30を開放することはない。この状態では、吸込口7と被掃除面との間から吸引される空気は流速が早いため、吸込口7から吸引された空気が回転ブラシ11のブラシ体15及びブレード16に衝突して回転ブラシ11を図6中反時計方向に回転駆動する。
【0041】
絨毯等の被掃除面を掃除する際には、吸込口7が被掃除面により覆われ、吸込口7からの吸気抵抗が増大し、回転ブラシ収納室8内の圧力が低下して、図7に示すごとく、閉塞体32が吸込口7側に向かって変形して案内口30を開放し、案内口30を介して吸気された外気がブラシ体15及びブレード16に衝突して回転ブラシ11を回転駆動する。案内口30から吸引された外気は、回動管5に向かって吸引される過程でブラシ体15及びブレード16に衝突するので、ブラシ体15及びブレード16への衝突力が強く、回転ブラシ11を効率よく回転させる。
【0042】
案内口30からの外気は、被掃除面に衝突することにより被掃除面の塵埃等を浮き上がらせ、電気掃除機の吸引力及び回転ブラシ11の掻き上げ力と相まって塵埃等を効率よく除去することができ、案内口20を回転ブラシ11の両側部分に対応する位置に形成しているので、吸引力の最も弱い部分の塵埃除去効率を向上することができる。
【0043】
また、案内口30を介して外気を吸引することにより吸込具本体1が被掃除面に吸い付くのを抑制し、吸込具本体1の移動性を向上することができる。
【0044】
本発明の第3の実施の形態を図9及び図10に基づいて以下に詳述する。上記第1の実施の形態と同一部品は同一符号を附して説明を省略する。
【0045】
33は前記吸込具本体1の蓋体4に形成された案内口で、吸込具本体1の幅方向の中央部分に形成されている。34は前記蓋体4から垂下形成された案内リブで、案内口33から吸引した外気を回転ブラシ11より前方の被掃除面に衝突させるように案内するようになっている。35は蓋体4の案内口33が形成された部分を蓋体4との間に間隔を有して覆うカバーで、前記間隔を介して案内口33に連通する通気口36が形成されている。
【0046】
而して、掃除機本体に可撓性ホース及び延長管を介して継手管6を接続し、掃除機本体の電動送風機を駆動すると、吸込口7から空気が吸引される。吸込具本体7を被掃除面から持ち上げた状態では、吸込口7が大きく開口しているため、吸込口7から吸引される空気の流速は比較的遅く、従って、回転ブラシ11はほとんど回転することはない。
【0047】
フローリングなどの床面や畳等を掃除する際には、被掃除面と吸込口7との間が比較的広いため、吸込口7からの吸込抵抗が小さく、吸込口7からほとんどの空気が吸い込まれ、案内口33からはほとんど吸い込まれることはない。この状態では、吸込口7と被掃除面との間から吸引される空気は流速が早いため、吸込口7から吸引された空気が回転ブラシ11のブラシ体15及びブレード16に衝突し、回転ブラシ11を図9中反時計方向に回転させる。
【0048】
絨毯等の被掃除面を掃除する際には、吸込口7が被掃除面により覆われ、吸込口7からの吸気抵抗が増大し、案内口33から吸引される空気量が増大する。案内口33は開口面積が小さく形成されているため、案内口33から吸引された空気は、早い流速で被掃除面に衝突し、被掃除面の塵埃等を跳ね上げて塵埃と共に掃除機本体に吸引される。案内口33から吸引された外気は案内リブ34により被掃除面に案内され、早い流速で被掃除面に衝突し、被掃除面の塵埃等を効率よく跳ね上げ、塵埃除去効率を向上させる。被掃除面に衝突した空気は、さらに、ブラシ体15及びブレード16に衝突して回転ブラシ11を図9中反時計方向に回転させる。案内口33は、回転ブラシ11の両側部分に対応する位置に形成しているので、吸引力の最も弱い部分の塵埃除去効率を向上することができる。
【0049】
また、案内口33から空気を吸引することにより吸込具本体1が被掃除面に吸い付くのを抑制し、吸込具本体1の移動性を向上することができる。
【0050】
本発明の第4の実施の形態を図11及び図15に基づいて以下に詳述する。上記第1の実施の形態と同一部品は同一符号を附して説明を省略する。
【0051】
37は吸込具本体で、上ケース38、下ケース39、前記上ケース38及び下ケース39に係脱自在に係合する蓋体40、前記上下ケース38、39間に回動自在に支持され上下部材41、42から構成される回動管43、該回動管43の上下部材41、42に上下動自在に挟持される継手管44から構成されている。
【0052】
前記回動管43の上部材41は、該上部材41に対してスライド可能な摺動部材45を有するとともに、前記摺動部材45の端部に形成された係合爪46を、継手管44の開口端外周に形成した鍔部47に係合させており、継手管44を吸込具本体37に対して上方向に回動させる際には摺動部材45が回動管43の上部材41内に収納され、継手管44が吸込具本体37に対して略90度まで回動することができるようになっている。
【0053】
48は前記下ケース39の吸込口7前端部に形成された曲面形状の案内部で、後述する案内口51から吸引した外気が該案内部48に衝突して回転ブラシ11側へ案内されるようになっている。前記案内部48下面には小車輪49が配設されている。
【0054】
50は前記下ケース39の前端両側に前記吸込口7に連通して突出形成された突出開口部で、前記吸込口7を前車輪27前方に延設し、前車輪27を含めた吸込具本体1の全幅に亘って吸込口を形成でき、掃除効率を向上できるようになっている。
【0055】
51は前記蓋体40の前方に形成された案内口で、前記回転ブラシ11の両側部分に対応する位置に形成されている。52は前記蓋体40の案内口51後方側に垂下形成された案内リブで、前記案内口51から吸引した外気を前記案内部48に向かって案内するようになっており、前記案内リブ52の下端は回転ブラシ11の回転中心位置、もしくは回転中心より下方まで延設されている。
【0056】
前記回転ブラシ11は、上記第1乃至第3の実施の形態と同様の1対のブレード16と、ゴム等にて回転方向後方側に湾曲形状に形成されたブレード67とを有している。
【0057】
53は前記蓋体40の前方の前記突出開口部50に対応する位置に形成された流入口で、該流入口53から導入された空気により前車輪27前方に位置する塵埃を掻き上げるようにして吸込口7に案内し、吸い込むことができるようになっている。
【0058】
54は前記下ケース39の後方略中央部に突出形成された延設部で、該延設部54後端部に後車輪55を回転自在に軸支し、掃除中、吸込具本体37に対して最も力が加わる回動管43と継手管44との接続部分下方を該後車輪55により支持することにより、吸込具本体37前方の浮き上がりを防止してバランスを保つことができるようになっている。
【0059】
56は前記延設部54下面に配設された起毛部材で、該起毛部材56により吸込具本体37の前後移動時に床面を拭き掃除できるようになっている。
【0060】
57は前記吸込具本体37の前部に上下ケース38、39に挟持された状態で配設されるバンパーで、軟質ゴム等の可撓性を有する材料にて形成され、サクションキーバーとなるフラップ58を一体形成しており、該フラップ58及び前記吸込口7後部に配設されるサクションキーパー59とにより深部吸込力を向上させている。前記バンパー57のフラップ58裏面には、複数の突起60が形成されており、掃除中、吸込具本体37を手元側へ引く際に、該突起59により絨毯等の被掃除面の糸くず等を引っかけ、確実に吸い込むことができるようになっている。
【0061】
而して、掃除機本体に可撓性ホース及び延長管を介して継手管44を接続し、掃除機本体の電動送風機を駆動すると、吸込口7から空気が吸引される。吸込具本体37を被掃除面から持ち上げた状態では、吸込口7からの吸込抵抗が小さいため、吸込口7からほとんどの空気が吸い込まれる。この状態では、吸込口7が大きく開口しているため、吸込口7から吸引される空気の流速は比較的遅く、従って、回転ブラシ11はほとんど回転することはない。
【0062】
フローリングなどの床面や畳等を掃除する際には、被掃除面と吸込口7との間が比較的広いため、吸込口7からの吸込抵抗が小さく、吸込口7からほとんどの空気が吸い込まれ、案内口51及び流入口53からはほとんど吸い込まれることはない。この状態では、吸込口7と被掃除面との間から吸引される空気は流速が速いため、吸込口7から吸引された空気が回転ブラシ11のブレード16、67に衝突し、回転ブラシ11を図13中反時計方向に回転させる。
【0063】
絨毯等の被掃除面を掃除する際には、吸込口7が被掃除面により覆われ、吸込口7からの吸気抵抗が増大し、案内口51及び流入口53から吸引される外気量が増大する。案内口51は吸込口7に比較し開口面積が極めて小さく形成されているため、案内口51から吸引される空気は速い流速で下ケース39の案内部48に衝突し、案内部48において外気の流れる方向が変更されて回転ブラシ11のブレード16、67に衝突して回転ブラシ11を図13中反時計方向に回転させる。
【0064】
案内口51から流入した空気は吸込具本体37下方にむかって吹き付け、案内部48にて回転ブラシ11側へ向きが変更されるため、回転ブラシ11の芯体12より下方側に位置するブレード16、67に当接し、毛足の長い絨毯等を掃除する際にブレード16、67が絨毯等に引っかかるのを防止して確実に回転ブラシ11を回転できる。
【0065】
また、流入口53も案内口51と同様に、吸込口7に比較し開口面積が極めて小さく形成されているため、流入口53から吸引される空気は速い流速で前車輪27の前方に対応する突出開口部50に流入し、前車輪27前方に対応する位置の塵埃を巻き上げるようにして吸込口7を介して吸い込むことができ、吸込具本体37の全幅に亘って塵埃を吸い込むことができるため、吸い残しを少なくすることができる。
【0066】
案内リブ52はその先端を回転ブラシ11の回転中心位置、もしくは回転中心より下方に延設しており、案内口51から吸引された空気が回転ブラシ11上方を通過して直接回動管43に吸引されるのを防止して確実に案内部48に案内することができ、回転ブラシ11を効率よく回転駆動することができる。
【0067】
案内口51は回転ブラシ11の両側部分に対応する位置に2カ所形成されているため、吸込力の最も弱い両端側の塵埃除去効率を向上することができるとともに、回転ブラシ11のブレード16、67はその両端間で略90度ねじられていることと相まって、ブレード16、67のうち、常に2カ所に外気が衝突するため、回転ブラシ11をスムーズに回転させることができる。
【0068】
また、仮に、吸込具本体37の前方中央部に案内口を形成した場合、中央部は掃除機本体に通じる回動管43に対応する位置であるため回動管43の吸引力の影響、案内口51から吸引された外気が回転ブラシ11上方を通って直接回動管43へ吸い込まれる流れが比較的生じやすく回転ブラシ11の回転力を十分に得られにくいのに対し、回転ブラシ11の両側部分に対応する2カ所に案内口51を形成することにより、案内口51から吸引された外気が回転ブラシ11上方を通って直接回動管43へ吸い込まれにくく、回転力を十分に得ることができる。
【0069】
回動管43は吸込具本体37の左右方向に回動自在であるとともに、継手管44が回動管43に対して上下方向に回動自在に配設されているため、継手管44を上方向に略90度回動させるとともに回動管43を略90度回転させることにより、継手管44に接続される図示しない延長管及び可撓性ホースが吸込具本体37の長手方向と略平行となり、家具の隙間等の狭いスペースに吸込具本体37を進入させることが可能となり、掃除効率を向上できる。
【0070】
図16に基づき本発明の他の実施の形態の回転ブラシを詳述すると、回転ブラシ61は、芯体62と、芯体62の螺旋状の溝63に基部64を挿入して装着される一対のブラシ体65と、芯体62の螺旋状の溝63に基部18を挿入して装着される上述の実施の形態と同様の一対のブレード16とから構成されている。
【0071】
前記ブラシ体65は、比較的堅い布状の基部64を、芯66を挟み込ませて折り畳んで接着剤等により固定し、その固定した部分を芯体62の溝63に挿入して装着されており、基部64の遊端側に植設されたブラシ体65が回転ブラシ61の回転方向に対して後方側に傾斜するように装着されている。
【0072】
前記ブレード16は上記第1の実施の形態と同様の方法にて形成されているが、湾曲することがないように矯正されている。
【0073】
本実施の形態においては、ブラシ体40が上述した第1の実施の形態のブレード16と同様の回転変動に応じて起立、傾斜し、回転ブラシ36の回転数をほぼ一定に維持することができる。
【0074】
また、ブラシ体を上記実施の形態と同様に湾曲して形成してもよく、ブレードを芯体に傾斜して装着してもよい。さらに、ブラシ体とブレードの両方を湾曲させても、または傾斜させて芯体に装着してもよい。
【0075】
【発明の効果】
本発明の請求項1の構成によれば、回転ブラシを駆動するためのタービンを設けることなく、回転ブラシに案内口から外気を導くことにより絨毯等の掃除時においても効率よく回転ブラシを回転駆動することができる等の効果を奏する。
【0076】
本発明の請求項2の構成によれば、フローリングなどの床面や畳を掃除する際には、被掃除面と吸込口との間が比較的広いため、吸込口からの吸込抵抗が小さく、回転ブラシ収納室内の圧力が大きく負圧になることがないので、案内口は閉塞体で閉塞された状態のままであり、吸込口と被掃除面との間から吸引された流速の早い空気が回転ブラシに衝突して、回転ブラシを駆動するためのタービンを設けることなく、回転ブラシを回転駆動することができる。また、絨毯等の被掃除面を掃除する際は、吸込口が被掃除面により覆われ、吸込口からの吸気抵抗が増大し、回転ブラシ収納室内の圧力が低下するので、閉塞体が変形して案内口を開放し、案内口から吸引された外気が回転ブラシに衝突して、回転ブラシを駆動するためのタービンを設けることなく、絨毯等の掃除時においても効率よく回転ブラシを回転駆動することができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す断面図である。
【図2】同上面図である。
【図3】同他の方向から見た断面図である。
【図4】同回転ブラシの停止状態を示す断面図である。
【図5】同回転ブラシの回転状態を示す断面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態を示す図8におけるA−A断面図である。
【図7】同絨毯等の掃除状態を示す図8におけるA−A断面図である。
【図8】同上面図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態を示す図10におけるB−B断面図である。
【図10】同上面図である。
【図11】本発明の第4の実施の形態を示す上面図である。
【図12】同断面図である。
【図13】同吸込具本体の中央部における縦断面図である。
【図14】同図12におけるA−A断面矢視図である。
【図15】同側面図である。
【図16】本発明の回転ブラシの他の実施の形態を示す断面図である。
【符号の説明】
7 吸込口
1 床用吸込具
8 回転ブラシ収納室
6、44 継手管
11 回転ブラシ
30 案内口
32 閉塞体
Claims (2)
- 下面に吸込口を有する吸込具本体と、該吸込具本体内に形成される回転ブラシ収納室と、前記吸込具本体の幅方向略中央位置で前記回転ブラシ収納室に連通する継手管と、前記吸込口に臨ませて回転ブラシ収納室内に回転自在に収納されるブレードを有する回転ブラシとを備え、前記吸込具本体に、外気を回転ブラシに案内する案内口を設け、該案内口は吸込具本体の吸込口より前方の底面を他の底面部分より上方に位置させて形成すると共に、前記回転ブラシのブレードは、低速回転状態において湾曲し、回転ブラシの回転時の遠心力により起立するよう構成したことを特徴とする床用吸込具。
- 前記案内口を閉塞する閉塞体を前記吸込具本体に設け、前記回転ブラシ収納室内の圧力が低下したとき、前記閉塞体は前記案内口を開放することを特徴とする請求項1記載の床用吸込具。
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