JP2002300989A - 床用吸込具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】簡単な構成で、効率よく回転ブラシを回転駆動
し得る床用吸込具を提供することを課題とする。 【解決手段】下面に吸込口を有する吸込具本体1と、吸
込具本体1内に形成される回転ブラシ収納室８と、吸込
口7に臨ませた状態で回転ブラシ収納室８に回転自在に
収納され、外周に翼片を配設した回転ブラシ１１とを備
え、吸込具本体１に、回転ブラシ１１の翼片に向かって
外気を案内する案内口２０を形成すると共に、案内口２
０と翼片との対応関係を案内口２０から流入する外気が
回転ブラシ１１の回転に伴って前記翼片のいずれかの部
分に当たるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、電気掃除機に接続
されて使用される床用吸込具の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種床用吸込具として、吸込具
本体に回転ブラシを回転自在に枢支し、回転ブラシを電
動機あるいはタービンによって回転駆動するものが知ら
れていた。

【０００３】回転ブラシを電動機により回転駆動するも
のにおいては、電動機の重量が重く、取扱性が悪いと共
に、構造が複雑化して部品点数が増大し、組立作業性が
悪いなどの欠点があった。

【０００４】また、回転ブラシをタービンによって回転
駆動するものにおいては、タービンは、吸込口から掃除
機本体への吸込通路に形成されたタービン室内に配設さ
れ、塵埃と共に吸引された空気により回転する構成とな
っているため、長期使用によって、タービンに塵埃等が
絡まり、タービンが良好に回転しなくなる問題があっ
た。

【０００５】そこで、上記欠点を解決するために、特開
平9-28630号公報(A47L 9/04)等にて回転ブラシの両端
にタービンを配設し、タービンに外部の清浄な空気を供
給してタービンを回転させ、その空気を吸込口から吸気
した空気と共に電気掃除機に吸引するものが提案され
た。

【０００６】しかしながら、この構成においては、回転
ブラシの両端にタービンを配設する必要があり、部品点
数が増大すると共に、タービンを回転させるために多量
の外気を吸引することで塵埃吸引特性が低下することが
ないよう、少ない外気によりタービンを回転させる必要
があり、回転力が弱く、絨毯等の抵抗の大きい被掃除面
を掃除する際に良好な回転力を得られない問題がある。
また、タービン収納室の下面には吸込口を形成すること
ができず、吸込具本体の横幅に対して吸込口が小さくな
り、塵埃等の吸残しが生じる欠点があった。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記欠点に
鑑みなされたもので、簡単な構成で効率よく回転ブラシ
を回転駆動し得る床用吸込具を提供することを課題とす
る。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、下面に吸込口
を有する吸込具本体と、該吸込具本体内に形成される回
転ブラシ収納室と、前記吸込口に臨ませた状態で回転ブ
ラシ収納室に回転自在に収納され、外周に翼片を配設し
た回転ブラシとを備え、前記吸込具本体に、前記回転ブ
ラシの翼片に向かって外気を案内する案内口を形成する
と共に、前記案内口と前記翼片との対応関係を前記案内
口から流入する外気が回転ブラシの回転に伴って前記翼
片のいずれかの部分に当たるようにしたことを特徴とす
る。

【０００９】前記翼片を回転ブラシに螺旋状に形成する
ことが好ましい。

【００１０】前記翼片を回転ブラシの軸線方向と平行に
配設すると共に、前記案内口を吸込具本体の左右方向に
傾斜して形成することが好ましい。

【００１１】前記案内口を、前記吸気口とは別に形成す
ることが好ましい。

【００１２】前記翼片を、回転ブラシの回転ブラシに対
して後方側に傾斜させたブレードにて構成することが好
ましい。

【００１３】前記翼片の一部を難通気性部材にて構成す
ることが好ましい。

【００１４】前記翼片を、ブラシ体にて構成することが
好ましい。

【００１５】

【発明の実施の形態】本発明の第１の実施の形態を図１
乃至図７に基づいて以下に詳述する。

【００１６】１は吸込具本体で、上ケース２、下ケース
３、前記上ケース２および下ケース３に係脱自在に係合
する蓋体４、前記上下ケース２、３間に上下動自在に支
持される回動管５、該回動管５に回動自在に支持される
継手管６から構成されている。

【００１７】７は前記吸込具本体１底面に形成される吸
込口、８は前記吸込具本体１内に形成される回転ブラシ
収納室である。

【００１８】９は前記吸込具本体１両側に形成される軸
支部で、後述する車輪27を回動自在に支持している。10
は前記吸込具本体１の上下ケース２、３から垂下形成さ
れた区画リブで、前記軸支部10と回転ブラシ収納室８と
を区画し、軸支部10を介して回転ブラシ収納室８に外気
が吸引されるのを防止している。

【００１９】11は前記吸込口７に臨ませた状態で回転ブ
ラシ収納室８内に回転自在に収納される回転ブラシで、
該回転ブラシ11は、芯体12と、該芯体12に形成された螺
旋状の溝13に基部14を挿入して装着される一対のブラシ
体15と、前記芯体12の螺旋状の溝13に基部18を挿入して
装着される一対のブレード16とから構成されている。

【００２０】前記ブレード16は、難通気性の布状体17
と、該布状体17の端部にモールドされた合成樹脂にて構
成される基部18と、前記布状体17の端部に縫いつけられ
た刷毛状体19とから構成されており、前記布状体17に基
部18を構成することにより布状体17の端部が波打つよう
に変形し、さらに布状体17の端部に刷毛状体19を縫いつ
けることにより布状体17が引きつったようになって湾曲
する。このブレード16を、回転ブラシ11の回転方向に対
して後方側に湾曲するように芯体12に装着している。

【００２１】前記ブレード16は、回転ブラシ11の回転停
止状態および低速回転状態においては、図６に示すごと
く、回転ブラシ11の回転方向に対して後方側に湾曲して
いるが、回転ブラシ11が高速回転状態となると、回転に
伴う遠心力によって図７に示すごとく、起立状態となる
ようになっており、起立状態における回転軌跡の径を、
ブラシ体15の回転軌跡の径より径大に形成している。ま
た、回転ブラシ11の停止状態においては、吸込具本体１
を床面に載置しても、ブラシ体15およびブレード16は床
面に接触しないように形成している。

【００２２】20は前記蓋体４上面に、吸込具本体の左右
方向に直線的に形成された案内口で、前記回転ブラシ11
のブラシ体15およびブレード16のほぼ全幅にわたって形
成されている。21は前記案内口20の前方側に形成された
第１リブで、案内口20から吸引される外気を回転ブラシ
11のブラシ体15およびブレード16に導くガイドを構成し
ている。前記第１リブ21は蓋体４裏面から、ブレード16
の回転軌跡の最前方位置より回転ブラシ11の回転中心側
位置に垂下形成された回転軌跡の投影範囲内に位置して
おり、ブラシ体15の回転軌跡の最高位置より下方まで延
設されている。

【００２３】22は前記案内口20の後方側に形成された第
２リブで、案内口20から吸引される外気を回転ブラシ11
のブラシ体15およびブレード16に導くガイドを構成して
いる。前記第２リブ22は、回転ブラシ11の回転中心より
前方側に延設されており、第１リブ21と第２リブ22の先
端間に吐出口23が形成されている。前記吐出口23は、吸
込具本体の左右方向に直線的に形成されている。

【００２４】24は前記蓋体４に複数の係止爪25により装
着されるカバー体で、前記吐出口23上方を覆い、吐出口
23が直接外部から見えないようにしている。前記第１リ
ブ21、第２リブ22およびカバー体24間に吸気路26を構成
し、該吸気路26は案内口20から吐出口23に向かって漸次
幅狭になるように構成されている。

【００２５】27は前記軸支部９に装着される前車輪で、
前記吸込具本体１外径と略同径に形成されている。28は
前記吸込具本体１後部に軸支された後車輪、29は前記吸
込口７の前後に配設されるサクションキーパーで、軟質
ゴム等の可撓性を有する材料にて形成されており、サク
ションキーパー29によって深部吸込力を向上させてい
る。

【００２６】而して、掃除機本体に可撓性ホースおよび
延長管を介して継手管６を接続し、掃除機本体の電動送
風機を駆動すると、吸込口７から空気が吸引される。吸
込具本体１を被掃除面から持ち上げた状態では、吸込口
７からの吸込抵抗が小さいため、吸込口７からほとんど
の空気が吸い込まれる。この状態では、吸込口７が大き
く開口しているため、吸込口７から吸引される空気の流
速は比較的遅く、従って、回転ブラシ11はほとんど回転
することはない。

【００２７】フローリングなどの床面や畳等を掃除する
際には、被掃除面と吸込口７との間が比較的広いため、
吸込口７からの吸込抵抗が小さく、吸込口７からほとん
どの空気が吸い込まれ、案内口20からはほとんど吸い込
まれることはない。この状態では、吸込口７と被掃除面
との間から吸引される空気は流速が速いため、吸込口７
から吸引された空気が回転ブラシ11のブラシ体15および
ブレード16に衝突し、回転ブラシ11を図１中反時計方向
に回転させる。

【００２８】ブレード16は、回転ブラシ11の回転停止状
態や、低速回転状態において、図６に示すごとく、回転
ブラシ11の回転方向に対して後方側に湾曲しているの
で、吸込口７から吸引される空気を受けやすく、回転ブ
ラシ11は効率よく回転する。

【００２９】回転ブラシが高速回転すると、ブレード16
が遠心力によって、図７に示すごとく起立する。このブ
レード16は撓みやすい布状体17を用いているので、床面
や畳に接触しても床面や畳を傷つけることはない。

【００３０】絨毯等の被掃除面を掃除する際には、吸込
口７が被掃除面により覆われ、吸込口７からの吸気抵抗
が増大し、案内口20から吸引される外気量が増大する。
吐出口23は吸込口７に比較し開口面積がきわめて小さく
形成されているため、吐出口23から吸引される空気は、
速い流速で回転ブラシ11のブラシ体15およびブレード16
に衝突し、回転ブラシ11を図１中反時計方向に回転させ
る。

【００３１】第１リブ21は、ブレード16の回転軌跡の最
前方位置より回転ブラシ11の回転中心側に垂下形成さ
れ、ブラシ体15の回転軌跡の最高位置より下方に延設さ
れているので、吐出口23から吸引された外気がブラシ体
15やブレード16に衝突することなく回転ブラシ11の前方
に回り込むのを防止して確実にブラシ体15およびブレー
ド16に案内する事ができ、回転ブラシ11を効率よく回転
駆動する事ができる。

【００３２】また、前記第２リブ22は、ブラシ体15およ
びブレード16に向かって回転ブラシ11の回転中心より前
方側に延設されているので、吐出口23から吸引された外
気がブラシ体15およびブレード16に接触することなく回
転ブラシ11の上方を通過して直接回動管５に吸引される
のを防止して確実にブラシ体15およびブレード16に案内
することができ、回転ブラシ11を効率よく回転駆動する
ことができる。

【００３３】案内口20は吸込具本体の左右方向に直線的
に形成されると共に、ブラシ体15およびブレード16は回
転ブラシ８の芯体12に螺旋状に配設されているため、案
内口20に対してブラシ体15およびブレード16が交差し、
案内口20から吸い込まれる空気が、回転ブラシ８の回転
に伴ってブラシ体15およびブレード16のいずれかの部分
に吹き付けるため、回転ブラシ８が常に回転力を得るこ
とができる。

【００３４】ブレード16は、芯体12に対して螺旋状に配
設されているため、回転ブラシ８の回転時に、ブレード
16が順次床面に当接するため、ブレード16の先端が全幅
にわたって同時に床面に当接する事がなく騒音を抑える
ことができると共に、ブレード16の床面への当接による
抵抗を抑えることができ、回転ブラシ８の回転力を低下
させることがない。

【００３５】また、ブレード16は回転ブラシ８の回転方
向後方側に傾斜しているため、案内口20からの外気を効
率よく受け、充分な回転力を得ることができる。

【００３６】さらに、ブレード16は難通気性の布状体17
に刷毛状体19を縫いつけて構成されているため、案内口
20からの外気をより効率よく受けることができ、より充
分な回転力を得ることができる。

【００３７】案内口20からの外気を吐出口23に導く吸気
路26は、吐出口23に向かって漸次幅狭になるように構成
されているので、通気路面積の変化による騒音の発生を
低減すると共に、吐出口23からブラシ体15およびブレー
ド16に衝突する外気の流速を増大させて回転ブラシ11の
回転効率を向上することができる。

【００３８】案内口20からの外気は、回動管５に近い中
央部においてもっとも流速が速く、特に案内口20中央部
分からの外気によって回転ブラシ11を効率よく回転駆動
することができる。

【００３９】案内口20からの外気は、被掃除面に衝突す
ることにより被掃除面の塵埃等を浮き上がらせ、電気掃
除機の吸引力および回転ブラシ11の掻き上げと相俟って
塵埃等を効率よく除去することができ、案内口20を回転
ブラシ11の略全幅にわたって形成しているので、広範囲
にわたって効率よく塵埃等を除去することができる。

【００４０】また、案内口20から空気を吸引することに
より吸込具本体１が被掃除面に吸い付くのを抑制し、吸
込具本体１の移動性を向上することができる。

【００４１】絨毯等の掃除時においては、被掃除面が抵
抗となって回転ブラシ11の回転数が低下するが、回転ブ
ラシ11の回転数が低下してくるとブレード16は遠心力の
低下に伴って次第に停止時の形状に復元するように回転
方向に対して後方側に湾曲し、被掃除面との接触抵抗が
低下して回転数が上昇する。この動作を繰り返すことに
より回転ブラシ11の回転数がほぼ一定に維持される。

【００４２】ブレード16は、布状体17に刷毛状体19を縫
いつけて構成されているため、ブレード16を撓みやすく
構成することができると共に、刷毛状体19をおもりとし
て遠心力によりブレード16を起立しやすくすることがで
き、回転ブラシ11のわずかな回転数変動によってもブレ
ード16を起立、湾曲させることができ、回転ブラシ11の
回転数をほぼ一定に維持することができる。

【００４３】上記実施の形態においては、ブレード16
を、布状体17、基部18および刷毛状体19から構成した
が、軟質ゴム等の柔軟性を有する材料にて一体に形成し
てもよい。

【００４４】また、上記実施の形態においては、案内口
20を吸込具本体１の左右方向に直線的に形成すると共
に、回転ブラシ11のブレード16およびブラシ体15を芯体
12に螺旋状に配設したが、案内口を吸込具本体の左右方
向に傾斜して形成し、ブレードおよびブラシ体を回転ブ
ラシの軸線方向と平行に配設してもよい。

【００４５】

【発明の効果】以上の如く、本発明の請求項１の構成に
よれば、回転ブラシを駆動するためのタービンを設ける
ことなく、回転ブラシの翼片に案内口から外気を導くこ
とにより、絨毯等の掃除時においても効率よく回転ブラ
シを回転駆動することができると共に、案内口と前記翼
片との対応関係を前記案内口から流入する外気が回転ブ
ラシの回転に伴って前記翼片のいずれかの部分に当たる
ようにすることにより、回転ブラシが常に回転力を得る
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の回転ブラシの回転時を示す床用吸込具
の断面図である。

【図２】同他の位置における床用吸込具の断面図であ
る。

【図３】同床用吸込具の上面図である。

【図４】同カバー部材を外した状態の床用吸込具の上面
図である。

【図５】同上ケースを取り外した状態の上面図である。

【図６】同停止状態の回転ブラシの断面図である。

【図７】同回転状態の回転ブラシの断面図である。

【符号の説明】

１ 吸込具本体 ７ 吸込口 ８ 回転ブラシ収納室 11 回転ブラシ 15 ブラシ体（第１のブレード） 16 ブレード（第２のブレード） 20 案内口

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 利造 大阪府守口市京阪本通２丁目５番５号 三 洋電機株式会 社内 (72)発明者 佐藤 敬一 大阪府守口市京阪本通２丁目５番５号 三 洋電機株式会 社内 (72)発明者 藤吉 俊行 大阪府守口市京阪本通２丁目５番５号 三 洋電機株式会 社内 (72)発明者 森 好弘 大阪府守口市京阪本通２丁目５番５号 三 洋電機株式会 社内 Ｆターム(参考） 3B061 AA06 AD05 AD11 AE05 AE14

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 下面に吸込口を有する吸込具本体と、該
   吸込具本体内に形成される回転ブラシ収納室と、前記吸
   込口に臨ませた状態で回転ブラシ収納室に回転自在に収
   納され、外周に翼片を配設した回転ブラシとを備え、前
   記吸込具本体に、前記回転ブラシの翼片に向かって外気
   を案内する案内口を形成すると共に、前記案内口と前記
   翼片との対応関係を前記案内口から流入する外気が回転
   ブラシの回転に伴って前記翼片のいずれかの部分に当た
   るようにしたことを特徴とする床用吸込具。
2. 【請求項２】 前記翼片を回転ブラシに螺旋状に形成し
   たことを特徴とする請求項１記載の床用吸込具。
3. 【請求項３】 前記翼片を回転ブラシの軸線方向と平行
   に配設すると共に、前記案内口を吸込具本体の左右方向
   に傾斜して形成したことを特徴とする請求項１記載の床
   用吸込具。
4. 【請求項４】 前記案内口を、前記吸気口とは別に形成
   したことを特徴とする請求項１記載の床用吸込具。
5. 【請求項５】 前記翼片を、回転ブラシの回転ブラシに
   対して後方側に傾斜させたブレードにて構成したことを
   特徴とする請求項１記載の床用吸込具。
6. 【請求項６】 前記翼片の一部を難通気性部材にて構成
   したことを特徴とする請求項１記載の床用吸込具。
7. 【請求項７】 前記翼片を、ブラシ体にて構成したこと
   を特徴とする請求項１記載の床用吸込具。