JPS6144010B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、電気掃除機の吸込口体に関するも
のである。

従来、掃除機の集塵部に接続される本体ケース
に、ブラシを収納するブラシ室と、そのブラシを
駆動するタービンを収納するタービン室とを形成
し、ブラシ室とタービン室との間にタービンに吸
込気流を吹き付けるノズルと、タービンを迂回し
て吸込気流を通す通風孔とを形成し、これらのノ
ズルと通風孔とを選択的に開閉するシヤツタを設
け、シヤツタを操作してノズルを開きタービンと
ブラシとを回転させて絨毬等を掃除し、あるい
は、シヤツタによりノズルを閉じタービンとブラ
シとを停止させ吸込気流を通風孔から流して他の
床面を掃除するようにしたものが存する。

しかし、タービン室は吸込流をタービンに吹き
当てる場合とタービンを迂回させる場合とがある
ため広くしなければならない。これにより、ター
ビンを回す場合でもノズルから吸い込んだ風が広
いタービン室に拡開し、回転効率が落ちる。ま
た、ノズルを閉じた場合でも、通風孔からタービ
ン室に吸い込まれた風の一部がタービンに当り、
したがつて、乱流を起して騒音が高まり、ゴミが
タービンに引掛かり、さらに、タービンを完全に
停止させておくことができない不安定さがある。

また、特公昭43−6501号公報に記載されている
ように、羽根車側通路と吸込空気の通常通路とを
隔壁で区画し、この両通路を弁によつて切換えて
羽根車を回転あるいは停止させてブラシを回転あ
るいは停止させるようにしたものがある。このよ
うな構造のものは、前述のものと同様に風路が二
つ存在することから吸込気流の乱流によつて騒音
の発生の原因となり、また、羽根車の回転効率が
悪くなると云う問題がある。

この発明は上述のような点に鑑みなされたもの
で、ブラシを駆動する時はタービンを効率よく回
転させることができ、またブラシを完全に停止さ
せることができる電気掃除機の吸込口体をうるこ
とを目的とするものである。

この発明は、ブラシを収納するブラシ室とター
ビンを収納するタービン室とを通風孔を介して設
け、タービン室の一側に出入口を形成してタービ
ンを選択的にこのタービン室に位置させ、あるい
は、タービン室から退避させることによりタービ
ンを回転あるいは停止させてブラシを回転あるい
は停止させるようにし、そして、タービンをター
ビン室から退避させててブラシを停止させた状態
で掃除をするときには吸込気流をタービンに干渉
させることがなく、これにより、ゴミのタービン
へのからみ付きや騒音の増大を防止し、タービン
を回転させるため、出入口からタービンをタービ
ン室に位置させたときはブラシ室はタービンを収
納しうる最低の広さがあればよく、よつて、ター
ビン室における吸込気流の拡散を防止してタービ
ンの回転効率を高めることができる。また、この
発明は、タービンとタービンの軸とに出入口の開
口縁に接合するシール部を設けることにより、タ
ービン室から出入口への吸込気流の洩れを防止
し、したがつて、タービン駆動力の低下や吸込気
流の擦過音の発生を防止できる。さらに、また、
この発明は通風孔の開口量を変える調節機構を設
けることにより、通風孔を絞つてタービンの回転
効率を高める使用のし方と、通風孔を大きく開い
て逆込気流の擦過音を低減する使用のし方とに使
い分けるようにし、しかも、その調節機構にター
ビンの位置調節操作を連動させることにより、切
断操作性の向上を図りうるように構成したもので
ある。

この発明の一実施例を図面に基づいて説明す
る。１は電気掃除機で、その集塵部２には吸込ホ
ース３と延長管４とが順次接続されている。つい
で、本体ケース５が設けられている。この本体ケ
ース５は、上ケース６と下ケース７とを、接続部
である接続管８を回転自在に挾持するとともにバ
ンパ９を挾持しつつ組立てたものである。上ケー
ス６と下ケース７とには互いに縁接合する仕切壁
１０が形成され、これにより、横長のブラシ１１
を回転自在に収納するブラシ室１２と、タービン
１３を収納するタービン室１４と、伝動室１５と
が形成されている。ブラシ室１２の底面には吸込
開口１６が形成され、前記仕切壁１０にはブラシ
室１２とタービン室１４とを連通する通風孔１７
が形成され、この通風孔１７の開口量を変える調
節機構であるスライド板１８が仕切壁１０に沿つ
てスライド自在に設けられている。スライド板１
８には上ケース７から突出する操作体としてのつ
まみ１９が設けられている。前記タービン室１４
の一側には出入口２０が形成され、この出入口２
０にタービン１３の軸２１が挿通されている。こ
の軸２１は軸受２２に軸承されているとともに管
軸２３に回り止めされつつスライド自在に嵌合さ
れている。管軸２３は軸受２４により軸承されさ
らにベルト２５により前記ブラシ１１の一端に連
結されている。前記タービン１３の一側には前記
出入口２０の開口縁に接合するフランジ状のシー
ル部２６が形成され、前記軸２１には前記出入口
２０の開口縁に接合する鍔状のシール部２７のボ
スが軸方向の動きを阻止されつつ回転自在に嵌合
され、このシール部２７の外周には前記スライド
板１８の一部が連結されている。

このような構成において、第２図及び第３図に
示すように、つまみ１９を把持してスライド板１
８を閉じ方向（中央寄り）に寄せるとタービン１
３はタービン室１４に納まる。そして、電気掃除
機１を駆動すると外気は吸込開口１６から吸い込
まれる。このとき、通風孔１７の開口量はスライ
ド板１８により絞られてくるので、タービン１３
は流速の早い吸込気流により勢いよく回転しブラ
シ１１を駆動する。これにより、ブラシ１１は絨
毬等に付着する細塵を遊離する。硬質床を掃除す
るような場合は、つまみ１９を側方へ寄せて通風
孔１７の開口量を広げる。このとき、スライド板
１８とシール部２７とが連結されていることによ
り、軸２１がスライドし、第４図のようにタービ
ン室１３は出入口２０からタービン室１４の室外
に退避する。これにより、吸込気流はタービン１
３に当らず、タービン１３はブラシ１１とともに
停止する。もちろん、タービン１３の一部をター
ビン室１４に残して意識的に回転数を下げた使い
方をすることができる。

このように、吸込経路はタービン１３を回すと
きも停止させるときも同じであり、タービン１３
を停止させるときは室外に退避させることができ
るため、タービン室１４を小さくして吸込気流の
拡散を防止することができ、また、タービン１３
駆動時はシール部２７により出入口２０をシール
して吸込気流のリークによる流速の低下がなく、
したがつて、タービン１３を効率よく回転させる
ことができる。また、タービン１３をタービン１
３のシール部２６が出入口２０の開口縁に接合す
るのでブレーキ作用を得ることができる。したが
つて、タービン１３をより一層確実に停止させる
ことができるとともに、出入口２０における吸込
気流の洩れによる擦過音と、吸込気流がタービン
１３周辺を通過する擦過音との発生がなく、しか
も通風孔１７が大きく開いていることにより、吸
気騒音はきわめて小さい。

この発明は、ブラシを収納するブラシ室とター
ビンを収納するタービン室とを通風孔を介して設
け、タービン室の一側に出入口を形成してタービ
ンを選択的にタービン室に位置させ、あるいは、
タービン室から退避させることにより、タービン
を回転あるいは停止させてブラシを回転あるいは
停止させるようにし、そして、タービンをタービ
ン室から退避させてブラシを停止させた状態で掃
除をするときには吸込気流をタービンに干渉させ
ることがなく、これにより、ゴミのタービンへの
からみ付きや騒音の増大を防止することができ、
出入口からタービンをタービン室に位置させたと
きはタービン室はタービンを収納しうる最低の広
さがあればよく、よつて、タービン室における吸
込気流の拡散を防止してタービンの回転効率を高
めることができ、この場合、タービンとタービン
の軸に出入口の開口縁に接合するシール部を設け
ることにより、タービン室から出入口への吸込気
流の洩れを防止し、したがつて、タービン駆動力
の低下や吸込気流の擦過音の発生を防止すること
ができ、さらに、タービンをブラシにベルトによ
り連結するとともにそのブラシとの軸間距離が変
る方向に位置調節自在に支持することにより、軸
間距離を大きくしてベルトに張力を付与してター
ビンの回転をブラシに完全に伝え、逆に軸間距離
を小さくしベルトを弛めてブラシとタービンとの
連結を完全に断つことができ、これにより、ブラ
シを停める場合でもタービンに吸込気流を当てる
ことが可能となり、タービン室を小さくしてブラ
シ駆動時の回転効率を高め、さらにまた、通風孔
の開口量を変える調節機構を設けることにより、
通風孔を絞つてタービンの回転効率を高める使用
のし方と、通風孔を大きく開いて吸込気流の擦過
音を低減する使用のし方とに使い分けることがで
き、しかも、その調節機構にタービンの位置調節
操作を連動させることにより、切換操作性の向上
を図ることができる等の効果を有するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例を示す全体を縮小
した側面図、第２図はその本体ケースの上ケース
の一部を切欠して示した斜視図、第３図はそのタ
ービン駆動時における上ケースを省略した本体ケ
ースの平面図、第４図はそのタービン非駆動時に
おける上ケースを省略した本体ケースの平面図、
第５図はその第３図のＡ−Ａ線部において断面し
た本体ケースの縦断側面図、第６図はその第３図
のＢ−Ｂ線部において断面した本体ケースの縦断
側面図である。 ２……集塵部、５……本体ケース、８……接続
管（接続部）、１１……ブラシ、１２……ブラシ
室、１３……タービン、１４……タービン室、１
７……通風孔、１８……スライド板（調節機
構）、１９……つまみ（操作体）、２０……出入
口、２１……軸、２５……ベルト、２６〜２７…
…シール部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 床面を走行する本体ケースに横長のブラシを
   回転自在に収納した下面開口のブラシ室とこのブ
   ラシ室の略中央部に通風孔を介して接続されるタ
   ービン室と負圧状態に維持される集塵部に前記タ
   ービン室を接続する接続部とを設け、前記タービ
   ン室に吸込気流により回転するタービンを前記ブ
   ラシに連結して収納し、前記タービン室の一側に
   出入口を形成し、前記タービンを前記出入口から
   前記タービン室の室外に軸方向に退避自在に支持
   して前記タービンを前記タービン室に位置させた
   ブラシ駆動状態に維持する位置と前記タービン室
   外に退避させたブラシ停止状態に維持する位置と
   に位置調節自在に支持するとともに前記タービン
   を前記両位置に移動させる操作体を設けたことを
   特徴とする電気掃除機の吸込口体。 ２ 床面を走行する本体ケースに横長のブラシを
   回転自在に収納した下面開口のブラシ室とこのブ
   ラシ室の略中央部に通風孔を介して接続されるタ
   ービン室と負圧状態に維持される集塵部に前記タ
   ービン室を接続する接続部とを設け、前記タービ
   ン室に吸込気流により回転するタービンを前記ブ
   ラシに連結して収納し、前記タービン室の一側に
   出入口を形成し、前記タービンを前記出入口から
   前記タービン室の室外に軸方向に退避自在に支持
   し、前記タービンに前記出入口の前記タービン室
   内側の開口縁に接合するシール部を形成するとと
   もに、前記タービンの軸に前記出入口の前記ター
   ビン室外側の開口縁に接合するシール部を軸方向
   の動きを固定して回転自在に設け、前記タービン
   を前記タービン室に位置させたブラシ駆動状態に
   維持する位置と前記タービン室外に退避させたブ
   ラシ停止状態に維持する位置とに位置調節自在に
   支持するとともに前記タービンを前記両位置に移
   動させる操作体を設けたことを特徴とする電気掃
   除機の吸込口体。 ３ 床面を走行する本体ケースに横長のブラシを
   回転自在に収納した下面開口のブラシ室とこのブ
   ラシ室の略中央部に通風孔を介して接続されるタ
   ービン室と負圧状態に維持される集塵部に前記タ
   ービン室を接続する接続部とを設け、前記タービ
   ン室に吸込気流により回転するタービンを前記ブ
   ラシに連結して収納し、前記タービン室の一側に
   出入口を形成し、前記タービンを前記出入口から
   前記タービン室の室外に軸方向に退避自在に支持
   して前記タービンを前記タービン室に位置させた
   ブラシ駆動状態に維持する位置と前記タービン室
   外に退避させたブラシ停止状態に維持する位置と
   に位置調節自在に支持するとともに前記タービン
   を前記両位置に移動させる操作体を設け、前記本
   体ケース内に前記通風孔の開口量を調節する調節
   機構を設け、この調節機構を前記操作体によつて
   動作させることを特徴とする電気掃除機の吸込口
   体。