JPS6313991Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、クツシヨンフオームの表面側を被包
するのに用いられるシート表皮の改良に関するも
のである。

従来の技術 従来、第５図で示す如く二輪車用のシートを例
示すれば、シート表皮１は表皮材１ａと裏打材１
ｂとの間にパツド部材１ｃを介装して表皮材１ｂ
と裏打材１ｂの端末間を縫着することにより形成
され、その端末に側面表皮材２を峰い合せてクツ
シヨンフオーム３の上側に載置すると共に、側面
表皮材２の端末をシートフレーム４に巻込んで止
着固定することによりシートの座面部に取付けら
れている。

考案が解決しようとする問題点 然し、このシートにおいてはシート表皮の縁辺
側が側面表皮材２のシートフレーム４に対する引
張止着でクツシヨンフオーム３の座面側から側面
側に亘つて強く圧接されて縁辺側の腰をくだかれ
ることによりクツシヨン性が失われ易く、また、
高級感を醸し出すべくシート表皮１と側面表皮材
２との縫着個所をクツシヨンフオーム３の上部隅
角辺に沿つて上向きに位置するときには縫着個所
より浸入する雨水等がパツド部材１ｃの伸縮に伴
うスポイト作用でパツド部材１ｃの側辺部から層
内に浸透して湿潤することによりクツシヨン性能
を劣化する虞れもある。

問題点を解決するための手段 本考案に係るシート表皮においては、パツド部
材の縁辺部に横断面略Ｃ字状の形状を保持する樹
脂カバーを嵌込み配置すると共に、その樹脂カバ
ーで表皮材と裏打材との縫合個所から表皮材、裏
打材の所望幅を内側より緊密に突張り支持するこ
とにより構成されている。

作 用 このシート表皮ではシートフレームに端末を巻
込み止着する側面表皮材で縁辺側を引張しても、
樹脂カバーが突張ることにより縁辺側に腰くだけ
を生ずることなく形状を保持できしかもパツド部
材が押潰されずに良好なクツシヨン性を発揮し、
また、樹脂カバーが表皮材と裏打材との縫合個所
から所望幅に亘つて緊密に接触するからシール性
を保つて側面表皮材との縫着個所から浸入する雨
水等もある程度遮断できるようになる。

実施例 以下、第１〜４図を参照して説明すれば、次の
通りである。

第１図で示すシート表皮は二輪車シート用のも
のであり、これは座部表皮側１と側面表皮材２と
を各端末間ではぎ合せ縫着することにより形成さ
れている。

座部表皮側１は、表皮材１ａと裏打材１ｂとの
間にパツド部材１ｃを介装配置したトリムカバー
として形成されている。その表皮材１ａには塩ビ
等の合成樹脂シートを用いることができ、また、
裏打材１ｂには塩ビ等の合成樹シートや布地等の
シート材料を用いることができる。その裏打材１
ｂに合成樹脂シートを用いる場合は多数の通気孔
をシート面に点在成形すると、後述する如きパツ
ド部材１ｃの伸縮に伴う通気を背面側で行い得る
よう形成することができる。これらの間に介装す
るパツド部材１ｃとしてはウレタンスラブ等のフ
オーム体や綿等を用いることができ、その所望な
縁辺個所にはポリエチレンフイルム等の非透水性
を有する樹脂カバー１ｄを被着することができ
る。この樹脂カバー１ｄは第２図で示すように横
断面略Ｃ字状の所定形状を保持するよう形成し、
また、パツド部材１ｃの周辺部を被包するものに
あつては第３図で示すように略四辺形の額縁状に
連続させて形成することができる。そのカバー１
ｄはパツド部材１ｃの縁辺部に嵌込むことにより
配置でき、また、第４図で示す如くパツド部材１
ｃの縁辺部を鉛直な端面に形成するときには中間
辺で内側に折込んで縁辺を円弧状に撓み変形する
ことによりパツド部材１ｃの縁辺部をくわえ込ん
で確りと支持するようにもできる。このパツド部
材１ｃは表皮材１ａ、裏打材１ｂを表裏に重ね合
せて周端を互いに縫い合せることにより中間層に
介装配置されるが、その端末には側面表皮材２を
はぎ合せ縫着する。この表皮材２としては、座部
表皮側１の表皮材１ａと同様に塩ビ等の合成樹脂
シートを用いることができる。また、その縫着に
あたつては側面表皮材２の表面側を座部表皮側１
の表皮材１ａと対面配置して端末間を互いに縫い
合せ、しかる後に側面表皮材２を折返して更に端
末間を縫い合せるダブルステツチ構造を適用する
とよい。

このように構成するシート表皮では、第１図で
示すようにウレタンモールド等のクツシヨンフオ
ーム３の平面に座部表皮側１を被載し、側面表皮
材２の端末をシートフレーム４の内側に巻込んで
タツカー等で止着することにより二輪車用シート
を形成するに用いることができる。この状態で座
部表皮側１に対して側面表皮材２から引張力が加
わつても、樹脂カバー１ｄが所定の形状を保つて
表皮材１ａ、裏打材１ｂを突張り支持するから座
部表皮側１の縁辺側が腰くだけせずしかもパツド
部材１ｃが押潰されずに十分なクツシヨン性を発
揮するよう形態を保持するようになる。また、座
部表皮側１と側面表皮材２との縫着個所を二輪車
用シートの輪郭辺で上向きに位置させることによ
り縫着個所から雨水等が浸入することがあつても
樹脂カバー１ｄが表皮材１ａと裏打材１ｂに緊密
に接触することにより縫着個所を十分にシールし
しかもパツド部材１ｃの縁辺部を被包しているた
め、パツド部材１ｃの伸縮による通気を遮断でき
また非透水性のもので形成されているから雨水等
を層内にまで移動することがない。

なお、図示実施例では座部表皮側１の裏面側に
裏打材１ｂの面積より若干狭幅のキヤンバスシー
ト等で形成した比較的剛直な力布１ｅが縫合され
ている。このシート表皮ではワデイング模様を形
成するパツド部材１ｃを上方に押上げ支持するこ
とができるため、相対的に大きな起状の凹凸模様
に保持するようにできる。

考案の効果 以上の如く、本考案に係るシート表皮に依れ
ば、樹脂カバーで表皮材、裏打材を縫合個所から
所望幅までを突張り保持するから腰くだけを生ぜ
ずに良好なクツシヨン性を発揮するばかりでな
く、その樹脂カバーで層内に雨水等が浸入するの
をある程度防止できることにより長時間に亘つて
クツシヨン性能を良好に保持することを可能にす
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るシート表皮を組付けたシ
ートの部分断面図、第２図は同シート表皮に組付
ける樹脂カバーの横断面図、第３図は同シート表
皮の展開斜視図、第４図ａ〜ｃは同シート表皮に
樹脂カバーを組付ける工程の説明図、第５図は従
来例に係るシート表皮を組付けたシートの部分断
面図である。 １ａ：表皮材、１ｂ：裏打材、１ｃ：パツド部
材、１ｄ：樹脂カバー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 表皮材と裏打材との間にパツド部材を介装配
   置するシート表皮において、上記パツド部材の
   縁辺部に横断面略Ｃ字状の形状を保持する樹脂
   カバーを嵌込み配置すると共に、その樹脂カバ
   ーで表皮材と裏打材との縫合個所から表皮材、
   裏打材の所望幅を内側より緊密に突張り支持し
   てなることを特徴とするシート表皮。 (2) 上記樹脂カバーが、略四辺形の額縁状に連続
   成形されてパツド部材の周辺部に嵌込み配置さ
   れているところの実用新案登録請求の範囲第１
   項記載のシート表皮。