JPH057952Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車などの車両用シート（座席）、
特に薄型化、軽量化を目的とした車両用シートの
改良に関する。

（従来の技術とその問題点） 従来の一般的な車両用シートは、フレームにＳ
形ばねなどの金属製弾性材を架設し、この弾性部
材上に、モールド加工した発泡体（例えばウレタ
ンフオーム）製のクツシヨン材を載置し、これら
をトリムカバーで被包して形成し、そのクツシヨ
ン材はモールドで左右に隆起部に一体に発泡し、
その全体の肉厚を厚く形成している。

ところで、この従来品は金属製の弾性部材に肉
厚の厚いクツシヨン材を設けているので、シート
の肉厚が厚く、しかも、重量増を招く不具合があ
る。

斯る不具合を除去するため、近時、シートの薄
型化、軽量化を目的としたものが開発されてい
る。

その一例として、前記従来品の金属製支持部材
及び発泡体製クツシヨン材の代わりに、伸縮製布
からなる弾性部材を使用し、これをフレームに張
架する構造が考えられる。

この構造によれば、従来の発泡体製クツシヨン
材と、金属製支持部材とが不要になるため、従来
品に比べシートの薄型化、軽量化が図れる。

ところが、これは、伸縮性布からなる弾性部材
を直接トリムカバーで被覆する構造で、前記従来
品のクツシヨン材における左右の隆起部の如く乗
員の側部を保持する手段がないためホールド性に
欠ける。

なお、布状弾性部材の左右にパツト材を取付け
ると、そのパツト材の弾性部材に対する取付に手
数を要するばかりか、使用時において、パツト材
と弾性部材との別々の動きにより異和感が生じ座
り心地が悪くなる不具合がある。

そこで、本考案は、フレームに布製弾性部材を
張架し、これをトリムカバーで被覆して形成する
車両用シートにおいて、乗員の側部を保持するホ
ールド性を向上することを目的とするものであ
る。

（問題点を解決すべき手段） 以上の目的を達成するための本考案の要旨とす
るところは、前記フレームの左右にパツト体を固
定すると共に、この左右のパツト体間に渉つて布
性弾性部材を張設して支持体を形成したものであ
り、前記弾性部材はあらかじめパツト体に固定
し、この弾性部材を固定したパツト体をフレーム
に組付ける。

従つて、支持体を構成するパツト体と弾性部材
とは一体に連結され、パツト体はフレームに固定
されているため、従来の隆起部を左右に有するク
ツシヨン材と同一の働きをなす。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

図中、１は枠状のフレームで、このフレーム１
は従来この種のシートに使用されているものであ
り、このフレーム１に支持体２，３を張設してこ
れらをトリムカバー４で被覆すると自動車用シー
トが形成される。

以上の支持体２，３は、フレーム１の左右両側
部１１，１２に沿つて固定される樹脂製パツト体
３，３と、この左右両パツト体３，３間に渉つて
張架される布製弾性部材２とから構成されてい
る。

パツト体３，３は合成樹脂（例えばポリプロピ
レンなど）で、その外形形状が従来品のクツシヨ
ン材に左右に設けて乗員の身体側部を保持する隆
起部と略同一形状に、また、軽量化を図り弾力性
を付与するために中空状に成形されている。そし
て、このパツト体３には、フレーム１の外側面に
接合する取付部３１と、前記弾性部材２を連結す
る連結部３２とが一体成形されており、その取付
部３１をビス１３などの締結部材を使用してフレ
ーム１の外側面に締結すると、パツト体３はフレ
ーム１に固定され、また、連結部３２に弾性部材
２の端部を縫着、溶着等の手段によつて固定する
と、パツト体３に弾性部材２は連結される。図示
するパツト体３の連結部３２は鉤形状に折曲され
弾性部材２を確実に固定できるように形成されて
いる。

弾性部材２はフレーム１の左右方向に伸縮する
布で、その一例を示すと、張設方向に伸縮する織
物で、ポリエステルの撚糸を縦糸に、弾性力をも
つたポリエステル、エラストラーのモノフイラメ
ントを横糸に平織された織布で、その横糸と縦糸
との交点が熱融着され、横糸と縦糸が滑らないよ
うに形成したものである。そして、この弾性部材
２の左右方向の端末は折返されて前記パツト体３
の連結部３２内に挿入し、その連結部３２と共に
縫着されている。

前記トリムカバー４は織物地、合成樹脂フイル
ムなど従来この種のシートに使用されている部材
からなり、前記弾性部材２を被覆する部分は表皮
４１と、平板状のウレタンフオームのスラブ材か
らなるワデイング４２及び不織布などからなるワ
デイングカバー４３の積層体で、また、前記パツ
ト体３及びフイルム１の外側面を被覆する部分は
表皮４１のみで、夫々形成されている。そして、
トリムカバー４の端末をホツグリング１４でフレ
ーム１に結着すると、トリムカバー４はフレーム
１に固定され、シートが形成される。

（効果） 本考案はフレームの左右両側部に固定する樹脂
性パツト体と、この左右の両パツト体間に渉つて
張設される布製弾性部材とから支持体は構成され
ているので、この支持体をフレームに固定し、こ
れらをトリムカバーで被覆すればシートが組立ら
れる。そのため、シートの生産性が頗る良く、し
かも、フレームの左右両側部に沿つてパツト体が
配設されているので、乗員の身体の側部を保持す
るホールド性も向上する。しかも、前記従来品の
如く肉厚状の発泡体製クツシヨン材、金属製ばね
材を使用しないため、シートの薄型化、軽量化を
図ることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図はその
断面図、第２図は要部の分解斜視図、第３図は第
２図における−線断面図、第４図は同−
線断面図である。 図中、１はフレーム、２は弾性部材、３，３は
パツト体、４はトリムカバーを夫々示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フレームと、このフレームに張架する支持体
   と、これを被覆するトリムカバーとから構成さ
   れ、前記支持体はフレームの左右両側部に固定す
   る樹脂製パツト体と、この左右のパツト体間に渉
   つて張設される布製弾性部材とからなることを特
   徴とする車両用シート。