JPS6314718Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、車両座席や家具等に用いられるクツ
シヨンの表装材接合構造に関する。

この種クツシヨンは、ウレタン，塩ビ，ポリエ
チレン，ポリプロピレン，スチロール等を発泡さ
せたフオーム材の外周を、レザー，合成皮革等の
表装材で被覆して構成されている。この表装材
は、例えば第１図に示す車両座席の如きものにあ
つては、上面被覆シート１と側面被膜シート２と
を縫製等により接合一体化している。

従来、その縫着接合部は側面シートの頂縁２ａ
を内側に折返して端末処理し、その内側に直角に
折曲げた上面シートの端縁を重ね合せ互いを縫着
する構成となつている。しかし、この様な接合部
の構成では、側面シートの頂縁２ａと上面シート
の端縁１ａとの合せ目３が、座席等の上向きに位
置することになり、下端を内部のフオーム材４に
下向きとなる為上面シート上に水や飲み物をこぼ
した場合、或いは車両座席等にあつては雨にぬれ
た場合等にその合せ目３を通じて水分がフオーム
材４中に浸入してしまい、クツシヨン効果の劣化
をもたらし、場合によつてはフオーム材が腐つて
使用不能となる等の弊害をもたらしている。

本考案は、斯る欠点を除去する為、水分が内部
フオーム材中に浸入することのない、クツシヨン
表装材の接合構造を提供することを目的とする。

即ち、本考案に係るクツシヨン表装材の接合構
造にあたつては、略直角下方に折曲げる上面シー
トの端縁にその内側で側面シートの頂縁を重ね
て、これを一体接合する構成としている。このよ
うな構成のクツシヨン表装材の接合構造によれ
ば、上面シートの端縁と側面シートの頂縁の合せ
目が下向きに形成される為、クツシヨンが水を被
つた場合でも、接合面から内部に水分が浸入する
ことを避けることができる。

以下、本考案を第２図の図示実施例に基づいて
説明すれば次の通りである。

図示実施例は、車両座席等のクツシヨン表装材
接合構造を示すもので、座席の支持枠１０の上部
にフオーム材クツシヨン１１が配設され、周囲を
レザー，合成皮革等の表装材で被覆されている。
この表装材は、クツシヨンの上面を被覆する上面
シート１２と、四側面を被覆する側面シート１３
から成つている。上面シート１２と側面シート１
３とは、上面シートの端縁１２ａを所定の長さで
内側に折返し、その折返し端縁を側面シートの頂
縁１３ａの外側に重ね、一体縫合して接合されて
いる。一体縫合に際しては、上面シートの端縁１
２ａだけでなく、側面シートの頂縁１３ａも内側
へ折返してもよく、この場合接合部をより強いも
のに為し得る。又、縫合でなく、溶着等の接合方
法を用いてもよいが、糸ぬいによるステツチライ
ンを残す方が、高級感が出るので外観的に好まし
い。

このように構成する表装材接合構造によれば、
上面シートの端縁１２ａと側面シートの頂縁１３
ａとの接合目１４が、その上端が内部フオーム材
中に上向きに位置され、上面シート１２により被
覆された状態となり、下端が側面シートの下向き
に形成されるので、水を被つた場合でも、水分が
接合目１４を通じてフオーム材内部に浸入するこ
とが生じない。

以上の如く、本考案に係るクツシヨン表装材の
接合構造に依れば、上面シートと側面シートとの
重ね合せ目が下向きに位置するため、クツシヨン
に水が掛かり或は雨にぬれた場合でも、クツシヨ
ン内部への水分浸入を防止でき、クツシヨン効果
の劣化や、内部フオーム材の腐れを避け得るもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のクツシヨン表装材接合構造を示
す説明図、第２図は本考案に係るクツシヨン表装
材接合構造の説明図である。 １，１２……上面シート、２，１３……側面シ
ート、３，１４……重合せ目、４，１１……フオ
ーム材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フオーム材の周囲を被覆する表装材を構成する
   べく、上面被覆シートの縁辺を略直角下方に折曲
   し、その折曲端縁の内側に側面被覆シートの上縁
   を重ね合せ縫着することにより重ね合せ目を下向
   に位置させたことを特徴とするクツシヨン表装材
   の縫着接合構造。